
国という主語を、もう少し小さくしてみる。
物事を単純化せず、解像度を上げて世界を見る。そのために注目したいのが、「政党」です。なぜなら政党は主張が明確です。(中略)
国家の代表を務める大統領や首相を選出する際、多くの場合は政党が主体となって動きますし、日々変わる国内外の情勢について、日々新たな政策を打ち出すのも政党です。つまり「変数」としてウォッチするのに最適な存在とも言えます。(中略)
政党を見ていくと、その国がこれからどこへ進もうとしているのか、何を大切にしているかが見えてくる、私はそのように考えています。
『教養としての世界の政党』 山中俊之・著 (「政党」を主語にすると見えてくる一国の力学」 p8)
書籍の書き出しの一文です。
ある国を知ろうとする時、歴史、地理、自然環境、宗教などに関心を向けることが多い。ここでは「政党」に目を向けたところにとても興味が湧く。
国の体制として「民主主義 vs 権威主義」「資本主義 vs 社会主義」「君主制 vs 共和性」。
政治体制(政党の主義主張)としては「議院内閣制 vs 大統領制」「保守 vs リベラル」「国際協調的 vs 自国中心的」「小さい政府 vs 大きい政府」
普段、目にし、耳のする言葉で、ある程度理解はしている。しかし、国別に当てはめて観たときに初めて、現実問題として、理解がより深まる。
どの「政党」が選ばれるかによって、経済や人々の暮らし、移民・人権問題、環境問題、AI・先端テクノロジー進化問題への取り組みが変わり、一国の社会・経済も死活問題となる。
今、トランプ大統領の再任により「自国第一」が叫ばれ、グローバルであることの意味合いが大きく変わりつつある。
アフリカや南アメリカ大陸の国の政治事情など、知っているようで知らない世界の国情を知る手がかりもわかりやすく記述されている。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエル・ハマス紛争を理解にも役立つオススメの一冊です。
著者の山中俊之氏は、昨年6月の但馬コネクションのゲストにお迎えし『「アート」を知ると「世界」が読める』と言うテーマでセッションを行いました。
ぜひ、「政党」のお話も伺ってみたいと思います。