おんぷの祭典〜10年節目のご挨拶

「ああ、11年前にアポなしで訪問したのが懐かしい」。
東京・千駄ヶ谷にある日本ヴァイオリンの工房。

今回は、2014年に始まった「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)が無事に10回を終え、音楽祭プロデューサーの中澤宗幸さん、ヴァイオリニストの中澤きみ子さんに感謝の意を伝える訪問。

西上豊岡市副市長より中澤夫妻に感謝のタテを贈呈

すべては中澤宗幸さんとの出会いから始まりました。

中澤氏は但馬出身(朝来市)、ヴァイオリン・ドクターとして世界の一流弦楽器奏者から絶大な信頼を得て楽器の修復・製作をされている。中澤夫妻はこれまで音楽祭をプロデュース、きみ子さんは演奏と国内外で活躍されてきました。

アンサンブル・ウィーン東京の弦楽四重奏楽団を中心に、豊岡市の小中学校訪問、街角、ホールでコンサートを開催。この10年でクラシック音楽ファンも確実に増え、音楽祭を楽しみに待つ市民もたくさんいらっしゃることを実感するところまで音楽祭も定着してきたと感じる。

訪問後は、新宿に出て(日本ヴァイオリンからは徒歩ですぐ)夕食会。
実行委員長を務めた岡本慎二さん、副実行委員長の卯野敦子さん、豊岡市役所からは西上副市長、観光文化部の米田部長と私(写真撮ってます)で、中澤夫妻に感謝の乾杯!

あっという間の10年間を思い出しながら会話は進む。お酒が進むとだんだんと「実はね、、、」などと普段しない話題も出て、10年間のお付き合いの濃さと大切さを感じる。

もちろん、10年経って終わりではない。これからも続く豊岡市音楽祭。
2027年には新市民ホールも竣工する予定。プロデューサーは碓井俊樹さん。ピアニストであり、世界を飛び回り演奏。国内外の音楽家同士のネットワークも広い。

益々、もっと多くの人たちに面白くて、為になって、楽しい音楽祭にしていきたい。どうぞ、また中澤宗幸さんも中澤きみ子さんもご招待しますので、お元気で活動を続けてくださることを祈っています。

但馬部会と意見交換〜神戸経済同友会

今期の神戸経済同友会、特に2名の代表幹事は、各地域部会との意見交換会を精力的に開催し、地域ごとの課題と未来への提言をまとめています。

最近は「兵庫五国」という表現をよく耳にします。兵庫県は「摂津」「淡路」「播磨」「丹波」「但馬」の地域で構成されています。兵庫県は「ミニ日本」ともいうことができます。
日本海、瀬戸内海(太平洋)、雪国、島、都市、市町村、すべてが存在しています。

但馬の課題(解決すべき問題、期待したいことも含めて)として出た話題。

・芸術文化観光専門職大学が全学年が揃い、来春には初めての卒業生が出ることを踏まえ、学生たちが兵庫県において、やりがいを見つけ、定住することを積極的に推し進めよう。そのためには彼らが「起業」するためのサポートを検討する。
・JRの問題。城崎温泉駅〜鳥取までの列車本数が減り過疎が進む、観光客の集客に問題がある。
・労働人口減少により、外国人雇用を促進しないと、今後従業員の確保ができない
・但馬空港存廃の話題があるが、ぜひ存続を。

など、人口減少と学生など若い人たちの定着魅力を上げる、交通インフラの懸念などをそれぞれの参加者から訴えがありました。

豊岡演劇祭2024プログラム発表

今年も豊岡演劇祭が近づいてきました。
今回発表された「豊岡演劇祭2024」は、公式プログラムを中心に掲載。フリンジも含めて全公演、パフォーマンスが掲載されているわけではない。7月中旬には再度詳しいプログラムが発表されるとのこと。

2019年に第0回がプレのような位置付けで開始され、2020年第1回はコロナ対策により入場制限(定員の半数)で行う。2021年はコロナ禍中止になり、2022年第2回、2023年第3回、そして2024年第4回ということになる。(回数のカウントはこれで良いのかな?)

フェスティバルディレクターの平田オリザ氏は、5年後にアジアNo. 1の演劇祭に、とのビジョンで始まった豊岡演劇祭は着実に参加劇団、団体、観客数も伸びている。

今年の目玉として耳にしているのは、『リバーサイド名球会』。野外公演 in スタジアムと銘打って、スリーピルバーグズ(役者は 八嶋智人など)。コウノトリスタジアムで開催される。

私としては、読売テレビプロデュース『ムーンライト・セレナーデを聴きながら』にも注目したい。
作品の解説には、
「現代の高校生が出石出身の斎藤隆夫が生きた昭和15年にタイムスリップし、ジャズと出会う青春音楽活劇」
なんの事か全く理解できないところが興味を唆られる。(笑)

話は変わりますが、但馬コネクション9月のセッションは、この豊岡演劇祭がテーマ。
「2人のプロデューサーからみる豊岡演劇祭」と題して、最前線で活躍(苦労も)している
豊岡演劇祭若手プロデューサーのお話を聴きます。こちらもお楽しみに。

没40年、植村直己は何を残したのか

植村直己没40年を迎え、追悼と植村スピリットの継承を願う会が江原河畔劇場で開催されました。

イベントのタイトルは、『「語り」と「手紙」で綴る植村直己が残したもの』

第一部は、植村直己の学生時代からの友人である廣江 研氏。廣江氏は植村さんとは明治大学山岳部の同期。学生時代のエピソードを中心に語る。山岳経験も人付き合いも下手で一番ビリだった植村さんは、悪びれるわけでもなくコツコツと努力を続け、やがて登山仲間の困難、苦しい荷駅を買って出る体力と気力を身に付け、尚且つ、その謙虚な人柄に周囲は植村さんに一目を置くようになった。

その後、1970年代の植村の冒険時代(エベレスト登頂、アマゾン筏下り、五大陸最高峰登頂、グリーンランド犬ぞりなど)を友人ならではこそ知る数々のエピソード、また、妻・公子さんとの出会いや結婚生活のプライベートな一幕も披露。

どの話も植村直己の人物像を彷彿とさせる。

第二部は「妻への手紙」 朗読と演奏。

植村さんが冒険の最中に妻・公子さんに送った多数の手紙の中から選んだ文を朗読する。
なぜ冒険に出かけるのか、公子さんと一緒に暮らしていたい、など植村直己の心の葛藤が朗読から浮かび上がってくる。

朗読は、劇団青年団の知念史麻さんとCAT学生2人。
演奏はCATの音楽サークル「なまおと」のメンバー4名。

第三部は、「植村直己の生き方を語る」。平田オリザ(芸術文化観光専門職大学学長)の講演。

平田オリザさんは、高校時代に自転車で世界一周旅行を実行。その冒険の原点には植村直己への憧れがあ離ました。東京に生まれ育った平田さんが、青春時代からの憧れの植村直己の故郷の豊岡市日高町に引っ越してきて、そして植村さんの没40年の追悼の会で話をするのは、人生ってわからないものだな、と。

オリザさんのお話で、世界史の中で「冒険」「探検」の意味、背景は異なっているとの解説が興味深かった。

マルコ・ポーロ(東方見聞録)、コロンブスの新大陸発見、ヴァスコ・ダ・ガマ(希望峰、インド洋)、大谷探検隊(中央アジア)、リヴィングストン(アフリカ探検)

中世・近世の冒険・探検は、領土拡大、貿易、宗教の布教など、帝国主義的(政治的、経済的)は要素が強かった。20世紀に入り、エドモンド・ヒラリー(エベレスト初登頂)、堀江謙一(無寄港単独太平洋横断)など、より困難な方法で目標に挑んだり、人間や技術の可能性に挑戦したりする。

植村直己の冒険は、まさに日常から離れ、人間の可能性、未知の世界を探求する精神に溢れている。詩の賞「歴程」を受賞。植村直己の「冒険自体が詩の表現である」との理由。

平田オリザさんならではの「冒険」「探検」の考察でした。

バスカフェ〜1日限定でと言わずに楽しみにたい

先日の6月22日(土)(但馬コネクションと同じ日)に江原駅東口の広場。

「バスがカフェになる」のアイデアが面白い。企画をしたCATの学生(シェアハウス江原101の住人)に訊いてみるとロンドンでもこんなバスカフェがあるそうだ。奇抜さもさることながら、バスの中をカフェに改装しコーヒーを淹れ、バスの周りにテーブルや椅子をだし、とすぐに連想できる粋でオシャレな企画ですね。しかも、街中のどこでも、山でもどこでも移動して展開できるのは面白い。

バスの中はこんな感じ。
今回は子育て中の若夫婦やお友達同士で。
いつもと違うバスの車中を楽しんでいるのが伝わってくる。

今日の企画の反応を見て今後、常設バス(バスをカフェ専用に改装)を設けるかどうかを検討もしてみると共催している全但バス(株)さんからも聞いている。

専用バスにするならおそらくもう少し明るく楽しい外装のバスになるんだろうな、雨なら車中で、晴れながらイスやテーブルを周囲に出すんだろうな、神鍋高原で吹く風を感じながらコーヒー飲んだら気持ちいいだろうな、各地のイベント会場に出向いて行ったらお客さんも喜ぶだろうな、なんて想像してしまう。

専用バスの実現を期待しています。

豊岡けんちく学校(2日目)

第3講は「瓦ぶき」。
指導するのは瓦職人の北倉和典さん。北倉さんは若い頃当社で営業担当として一緒に仕事をしたことがあり、久しぶりの再会となる。なかなか職人が板に付いた風貌で頼もしい。

子どもたちに屋根のこと、瓦について上手に話が進む。これから屋根にふく瓦の裏側に子どもたちの夢、想いを書く。なかなか気の利いた演出だ。

一斉に屋根に上り瓦をふいていく。ふき終えて職人さんと一緒の写真。みんなの表情から達成感が伝わってきます。

第4講は「左官体験」。
さあ、いよいよ最終工程の左官仕事、壁に土を塗る。そのためにはまず、土を塗りつけるための竹木舞(たけこまい)を編む。これが簡単なようでなかなか難しい。最初は左官屋さんの先導で麻ひもを絡めていく。慣れてくるとだんだんとペースが上がる。

建築中の家で竹木舞を見つけると、いつもその美しさに見惚れてしまいます。自然の木・竹・土を使った日本建築の美しさ、自然と共存するようなそんな豊かな気持ちになります。

最初は竹木舞に土を投げつけるように手で擦り付ける。土との葛藤が始まる。子どもたちはみんな泥んこ遊びしている感じかな。

左官屋さんの鏝(こて)を借りて、見よう見まねで鏝を使いこなしていく。覚えが早い、なかなか良いセンス。交代ごうたいで土を塗り、あっという間に土壁が完成する。

「完成、はいチーズ!」で全工程が終了。

参加した子どもたちは工程が進むにつれて、本気度が増してきたように感じる。その顔つきを見ているとよくわかる。

「家をつくる」「自然のものに触れる」「技を知り学ぶ」。このけんちく学校の目的である「五感で感じる木の魅力と日本の伝統工法」が達成できた2日間でした。

定員15名で参加者は9名でしたが、進行的にはちょうど良い人数でした。しかし、もっともっとたくさんの子どもたちに、木や土の魅力や職人技を知ってもらいたい、との思いもより強くなりました。

参加者の親へのアンケートでも、
「次回も参加したい、継続して欲しい」「参加前は参加費1万円は高いと思ったが、終わってみて納得」「1日目だけの予定だったが、他の予定をキャンセルして2日目も来ました」「日本の伝統的文化体験会があるのが良い」などなど。

子どもたちの目を輝かせ、取り組んでいる姿に感動。
ぜひ、継続できるように、最大限のサポートをしていこうと思う。

豊岡けんちく学校(1日目)

先日、お知らせしました『豊岡みんなのけんちく学校』がいよいよスタート。

「里やま工房」(豊岡市佐野314-2)。
社屋前の広場には、何やら足場を組んでブルーシートが覆っている。
小学校3年生〜中学生を対象に行われうけんちくワークショップ。

第1講は「設計」(製図体験)。
まずは、朝日から夕日までの太陽の動きと東西南北の関係は?から始まり、家の各部屋の日当たりはどうかと、家の間取りへとつながっていく。家族には老人、大人、子ども、赤ちゃん、ペットも、様々な年代がいますね、とそれぞれどの部屋が良いのか、キッチンは、ベッドルームはなど。後半は「自分の家」の間取りを子どもたちが書いてみる。

午後の第2講は「大工」(組み立て体験)。
プレカットしてある柱や梁を組み立てる。プロの大工さんの指導の下で実際に足場に上がって木槌を振り下ろす。

野地板を貼る作業は、みんな屋根の上に登って釘を打ち付ける。
みんな黙って夢中になっている。こんなことしたことないので面白いんだろうね。

やったね、おみごと!
御幣を掲げて
えいえいおー!

本物の「木」に触れる。
本物の「手」に触れる。
職人のわざを楽しむ
けんちくを体験する。

間違いなく、
子どもたちは本物に触れるとても良い1日となりました。

学校茶道研修会〜裏千家淡交会

茶道裏千家淡交会 近畿第一学校茶道連絡協議会の研修会に出席。
会場は西村屋ホテル招月庭(豊岡市城崎町)

近畿第一地区とは、滋賀県、奈良県、京都府、兵庫県北部(但馬)で活動する裏千家淡交会の地区。各地区の学校で生徒に茶道を指導している先生方が集まる会。

お点前は、香住高校の生徒、後見は村岡高校の男子生徒。
10代の若者がお茶を熱心に学んでいる姿を想像する。
頼もしく格好いいなあ、と感じる。

講演は大乗寺(兵庫県香美町香住)の山岨眞應服住職にお願いをしました。
題して「大乗寺と円山応挙」。

今年の2月に大徳寺聚光院のご住職様と関係の皆さまをご案内させていただいた時の山岨副住職のお話が忘れられない。
美に対する鋭い洞察と、ユーモアたっぷりの解説にすっかり魅了された経験があるので、今日の講演もとても楽しみにしていました。
やはり、大乗寺の実際の現場で襖絵を見ながらではないので、お話の内容が実感で気ないのが残念ですが、私自身は、しっかりと復習させていただきました。

大乗寺行かれたことのある人も多いでしょうが、ぜひ、山岨副住職のご案内は必聴ものです。CATの学生たちを連れて行く企画を組んでみたいと思っています。

小さなお洋服屋さん〜シェアハウス江原101

「誰もが気軽に立ち寄れて、いろんな人と出会えるイベント」を芸術文化観光専門職大学の学生たちが企画。大勢のお客様をお迎えしました。

演劇やパフォーマンスではなく、洋服に関するイベントは新たな試み。
様々な用途に使えるスタジオにしようというコンセプトで出現した空間が、見事に人と洋服の出会いの場へと変容した。なんかこの抜けた感じが良い。

地元の洋服屋さんからデッドストックの洋服を出展していただいたり、古着の洋服を持ち寄ったり、集まった洋服は様々。

小さなお子様連れの若いご夫婦や、今回はレディス中心だったので、イベントを知った若い女性や近所の方がひっきりなしに来店いただいたと聞きました。

演劇やパフォーマンスとは異なった企画なので集まってくる人々も普段と違ってリラックスムードが漂う。とてもいい感じの洋服屋さんとなりました。

開校します! 豊岡みんなのけんちく学校

本物の「木」に触れる。
本物の「手」に触れる。
職人のわざを楽しむ
けんちく体験ワークショップ

一般社団法人 木和堂 HPより

鎌倉を拠点に活動する 「一般社団法人 木和堂」さんが、子ども達に豊な森の恵みと職人の技を伝える場として始めたプロジェクト。鎌倉での3年の活動経験を踏まえ、全国の子ども達に体験を広げて行こうとの思いで、今回の豊岡での「けんちく学校」が開校しました。

一般社団法人 木和堂
鎌倉みんなのけんちく学校

木和堂さんとは、ブナ林の再生を目指す新潟県大白川のブナ林のブナを利用したハンガーを製作できないかとのオファーをいただいたことが出会いでした。木和堂さんの「日本の森と暮らしをつなぐ」というコンセプトに共鳴し、活動の支援をさせていただいています。

6月15日(土)、16日(日)の2日間で「小さな家を建てよう」という体験授業です。
「設計」、「組み立ての技」(大工)、「屋根の技」(瓦職人)、「壁の技」(左官職人)のそれぞれの職人さんと一緒に家を建てます。

日程 : 6月15日(土)、16日(日)  10:15〜16:00
場所 : 里やま工房(豊岡市佐野314-2)
対象 : 小学校3年生〜中学生
定員 : 15名まで
参加費: 10,000円(2日間) プログラム毎の設定もあり

若干名余裕があります。
前日まで、受付をしています。