Anniversary !〜おんぷの祭典

「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」(通称:おんぷの祭典)が今年で10回目を迎えました。

2013年秋、但馬ご出身という根拠だけを頼りに、ノーアポで中澤宗幸氏の工房「日本ヴァイオリン」(渋谷区千駄ヶ谷)を訪ねる。運よく北京から帰国したての中澤さんとお会いでき音楽談義。クラシック音楽のコンサートやコンクール、演奏家の実情などいろんなクラシック業界のお話を伺う。

地方でクラシック音楽に親しみ楽しむ機会を増やしたい、駅や広場や街角でクラシック音楽が流れるそんな音楽祭があったらいいね、と意気投合。そんなやりとりから始まりました。

ちょうど但馬コネクションを始めた年だったので、初めてお会いして4ヶ月後の但馬コネクション(2014年1月)にゲストでお迎えしてお話を聴く。その時のメンバーも実行委員になってトントン拍子で音楽祭の企画が進みました。もちろん、行政の協力が必要なので豊岡市にも働きかけ、その年の11月には第1回目の音楽祭が実現しました。

演奏家は、中澤きみ子さんのアンサンブル・ウィーン東京を中心に、若手演奏家「シュバシコウ・カルテット(弦楽四重奏)、こうのとり・クインテット(木管五重奏)、碓井俊樹さん(ピアノ)。今回は10回目を記念して、オーケストラを編成。豊岡市出身のチェリスト大江慧さん、フルートの土出真梨子・由利友樹子さんも参加。さらに、第1回目出演のフィンランドのピアニスト:ヘンリ・シーグフリードソンさんの演奏も聴ける。

もう一つの注目は、ファイナルでメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲を演奏する辻彩奈さん。辻さんは第1回のおんぷの祭典に、当時高校生として参加している。今やモントリオール国際ヴァイオリンコンクール第1位(2016年)他国内外コンクールで優勝入賞あり。現在、「一番出演予約の取りにくいヴァイオリニスト」として大活躍。

中澤夫妻、ピアニスト碓井さん、シュバシコウ、こうのとりの演奏家の皆さんは、皆さん豊岡に愛着を持っていらっしゃって、実行委員のみんなと親しくお付き合いをいただいています。

10年が経つって、こういうことなんだ、と感慨深い思いです。

どうぞ、「第10回おんぷの祭典」にお越しください。

スーパーキッズ20周年コンサート at サントリーホール

「スーパーキッズ・オーケストラ」は、兵庫県立芸術文化センターのソフト事業として2003年度に誕生。指導と指揮は佐渡裕氏。

スーパーキッズは、私の親しい友人家族の大江慧さんがチェリストで参加。
スーパーキッズの卒業生として演奏する。

芸文センター、慧ちゃん、佐渡さんとくれば、私にとってとても親しみのあるコンサート。

これまで何度かサントリーホールのコンサートは来たことがあるが、ステージ横裏側の席は初めて。この角度から見るホールも新鮮。

開演前に、ウェルカム(?)演奏が始まる。若い演奏家たちが楽しみながら演奏する姿にワクワク。

演奏終了。
客席とは反対側のこちら側を向いての一礼。席を立って拍手する聴衆も多数。
チェロの慧ちゃんも、佐渡さんも上手く写真に撮れました。

演奏会終了後、会場を出る人たちに能登半島地震のための募金をお願いする佐渡裕さんとスーパーキッズたち。大勢の人が募金箱に寄付しました。

佐渡裕さんとは、2014年にシンポジウム「但馬の文化を開く」でご一緒したり、我が家でバーベキューしたり、ゴルフしたりと、多少面識もあり、寄付しながらご挨拶。

スーパーキッズ・オーケストラ、スーパーストリングスコーベ(スーパーキッズの卒業生で構成)、佐渡裕さんのこれからの活躍が益々楽しみになってきました。

珠玉のピアノトリオ  ”TRIO CREMISI”

1月に続いて、ピアノ児嶋一江さんのコンサートに行く。今回はトリオクレミズィ(TRIO CREMISI)という、大阪フィルハーモニーの須山暢大(ヴァイオリン)、近藤浩志(チェロ)とのピアノトリオ。須山さんは「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)で、毎年豊岡に来られて演奏。
約25年前に出会い知っている児嶋一江さんと10年前からおんぷの祭典でお付き合いさせていただく須山さん。何か不思議なご縁を感じる。

セットリスト
モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ハ長調 K.548
ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
シューマン :ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品63

室内楽の最も重要かつ名曲も多く人気の演奏形態は、弦楽四重奏とピアノ三重奏曲と言われている。3人の演奏家が、それぞれの作曲家とこの曲を作曲した時のエピソードを語りながら演奏を聴く。

モーツァルト
いっさい推敲修正なしで曲を書き上げる。モーツァルトの楽譜を他の人が写譜するだけでモーツァルトの人生35年を超える時間がかかるのでは。)

ドビュッシー
ドビュッシーはナジェンダ・フォン・メック(チャイコフスキーのパトロンとして有名)の娘のピアノ教師として雇われ、共にバカンス旅行しながら作曲。ドビュッシー18才。ドビュッシーらしからぬ抒情的な(チャイコフスキー的な)曲。没後100年後に楽譜が見つかる。

シューマン
前期ロマン派を代表するようなシューマンの大作。妻クララの誕生日を祝って作曲。4楽章それぞれにシューマンの註釈が付く。優美、抒情的、哀愁、そして白熱のコーダで曲が終わる。

会場の大阪フィルハーモニー会館は、大阪フィルの稽古場。交響楽団で稽古場を持つのは希少なことでは。反響パネルの後ろ側には、稽古時のステージ、一部の楽器、譜面台など演奏に必要な機材が揃っている。

クラシックコンサート後は、児嶋一江さんの親しいお仲間と、韓国お好み焼き屋さんで(この落差がなんとも)乾杯。
韓国風、和風、たくさんのお惣菜がメチャメチャ美味しい。

今回は児嶋さんご友人の楽器店社長さん、大フィルの関係者、お知り合いのピアニスト、そして前回ご一緒した飲み(?)仲間の皆さんと。

前回は天満の小料理屋さんでしたが、またしても、今回も車運転があるから呑めない。7月に児嶋さんが我が家で合宿(?)するので、その時こそは一杯(いっぱい)呑みましょう、と児嶋さんに伝えて先に失礼しました。

いよいよあと3ヶ月半〜第10回おんぷの祭典

第10回を迎える「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)。
アニバーサリーということで予算も増額、多くの市民に楽しんでいただきたいと力も入る。
企画の大詰め会議。日程、出演者、学校訪問・街角・イブニング・サロンのコンサートの基本的なところは決定している。

あとは、コンサートのプログラム、チケットの販売枚数と窓口、キッズコンサート・公開リハーサルの定員数などの詳細を詰める。

今回から芸術文化観光専門職大学の学生3名が新たに加わり、若者へのアピールや広報アイデアなど大いに期待したいところ。また、アートマネージメントを学んでいる学生にとっても良い経験になると思います。今後は、もっともっと実行委員の若返りも図っていきたい。

会議は豊岡市役所の3階庁議室。
カメラとPCを使ってオンライン参加もあり。
音楽監督の碓井俊樹さんはウィーンから参加。世界を飛び回っている碓井さんなので、オンライン出席の時は「今日はどこからですか?」と尋ねて始めるのが恒例になっている。

日程:2024年5月28日(火)〜6月2日(日)
会場:豊岡市民会館、稽古堂、但馬空港、各町の街角コンサート

詳細は4月中旬にポスター、チラシ、インターネットでご案内します。
多くの方のご来場をお待ちしています。

極上の” Romance”〜児嶋一江(p)& 高木和弘(vn)デュオ・コンサート

ピアノの児嶋一江さん、ヴァイオリンの高木和弘さんのデュオ・コンサートに行く。
会場は大阪本町にある「三木楽器 開成館」の2階ピアノサロン。

児嶋さんとは、あるご縁があって知り合いもう20年以上になる。当時のいろんな思い出もあり、久しぶりにコンサートに足を運んだ。

デュオ・コンサートの主題は「Romance」。
「ロマンス」とはロマンチック(恋物語のような)なものだけでない。
(辞書を引いてみると「もともと中世の騎士物語。伝奇的空想的な要素を持つ物語。形式の自由な完備な小楽曲」とある。)
作曲者はそれぞれ異なる民族、時代などにより様々なロマンスがある。
児嶋さんと高木さんで曲間にそんな解説もしながらコンサートが進む。

特に初めて聴く、K.シマノフスキ:ロマンス作品23、E.ショーソン:詩曲作品25は衝撃を受ける。最後のラヴェル:ツィガーヌも迫力満点の演奏で心を揺さぶられました。

「この演奏聴いていなかったら、人生かなり損してたな」と思うほど素晴らしい演奏でした。

演奏中の写真が撮れない(常にそうですが)のが残念。

コンサートの後の打ち上げ(?)に誘われて梅田北新地の小料理屋さんへ。
約20数年ぶりというのに、当時と変わらない児嶋さん。今後のコンサートの予定、ドイツやウィーンの音楽仲間のお話、海外からの演奏者の入国ビザの問題など、次から次へ話題は尽きない。

ヴァイオリンの高木さんご夫妻、児嶋さんの相愛大学音楽学部教授時代の同僚、某大学の教授、某新聞社の文化芸術分野の編集者さんなど多士済済のメンバーが集まってワイワイガヤガヤ。日本酒の一升瓶が1本、2本と空いていく。皆さん酒豪揃い。私は運転があるのでノンアルコール。(トホホ- -;;)

豊岡の話題になると「任せておくれ」と私が饒舌になる。音楽祭のこと、但馬コネクションのこと、自宅ドーモ・キニャーナのこと(児嶋さんが頻りに私の家の思い出を語る)などお話する。夏には大挙して豊岡、我が家へ来てくれることになりました。楽しい企画ができるかもしれない。

Xmas Concert 〜 音の窓 サロンコンサートvol.1

但馬出身、在住の但馬地域で活動する音楽家が結成した『但馬クラシック音楽協会 音の窓』をご存知ですか。

年に1回の定期演奏会、但馬各地での訪問コンサートを企画開催、イベントやコンサートの出演依頼にも応える。

その第1回目のサロンコンサートに行ってみました。

会場は「長寿の郷 音楽堂」(養父市)。
高い天井、立派な梁、土壁のホールは、小規模のコンサートをするのにはぴったりの空間。お客様は約25名。小さなコンサートをあちこちで開催していくという。ぜひ定着して音楽ファンが楽しめる機会が増えるを期待しています。

コンサートは高内祥子さん(協会代表、ソプラノ歌手)のご挨拶(会の趣旨)で始まり、まず高内さんの歌唱、オーボエ、フルート、サックスと続くプログラム。

フルートの土出真梨子さん、ピアノの中嶋由紀さんは、3日前のおんぷの祭典の忘年会でも一緒。企画したり、演奏したり、大活躍だ。

たの楽器演奏家は足立かおり(オーボエ)、波多野千詠(サックス)、中村恵理(ピアノ)。

おんぷの祭典実行委員会〜キーウでの演奏会報告も

来年10回目を迎える「豊岡で子どもたちが世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)の企画会議を行なう。2014年に始めた音楽祭も来年が10年のアニバーサリーを迎える。

今回は、音楽祭音楽監督の碓井俊樹さんもリアルに参加。
チャリティコンサートで募ったウクライナ支援の募金で行われたキーウでのコンサートの報告がある。緊迫した情勢の中で事前に開催日を知らせることをせず、水面下で準備をし、開催前日に公表。共同通信など取材もありメディアにも報道されました。私たちのほんのささやかな募金ですがウクライナ人たちへ心寄せる思いをお届けたとしたら幸いです。

10回目を一つの節目として、11回目以降の開催をどうするのか?子どもたちへクラシック音楽を届けることには、私たちも豊岡市も大いに賛成だが、大人向けのホールでコンサート、街角、サロンコンサートなどの運営をどうするのか(市の負担が大きい)など、今後へ向けて協議をする。まだ、公表するわけにはいきませんが、前向きに進んでいけそうな報告もあり、より充実し、市民にも愛されるそんな音楽祭として続けていけることを願います。

豊岡室内合奏団演奏会 feat.大江 慧(vc)

名古屋から帰り、そのまま「豊岡室内合奏団演奏会 2023」へ。(豊岡市民プラザ)

チェリストの大江 慧さんがハイドンのチェロ協奏曲で客演するということで、名古屋の予定を変更して駆けつけました。もちろん兼ねてより一度、地元の室内合奏団の演奏も聴きたいと思っていました。

豊岡にはいくつかの音楽愛好家による楽団やグループがあります。合奏団、吹奏楽、ジャズバンド、自主的に音楽会、発表会を開いている演奏家など。しかし実際に演奏会に出向くことが少なく、今回はいい機会となりました。

「豊岡で子どもたちが世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)は来年10回目を迎え、クラシック音楽ファンが少しずつ増えてているように思う。2026年には豊岡市新文化会館がオープンする予定。音楽溢れる豊岡、音楽で盛り上がる豊岡になりたいですね。

新文化会館は市民の声、専門家の意見も取りれ「建物」は完成する予定(とても期待しています)。でも、さらに大切なのはその運営組織。一流演奏家によるコンサートはもちろんのこと、地元の音楽愛好家が企画した演奏会や発表会、年間通じてジャンルを問わず音楽が身近に楽しめるそんな運営ができたらいいですね。

指揮:大江 昇さん、チェロ:大江 慧さんの親子共演。

いよいよプログラム最後の曲「チェロ協奏曲第1番 ハ長調」(ハイドン作曲)。
現在、桐朋学園大学院在学中の大江 慧ちゃん(家族ぐるみのお付き合い。応援の気持ちを込めてあえて「ちゃん」^ ^ )。大阪の 住友生命いずみホール での卒業演奏会、そして今回の演奏会とも、慧ちゃんの朗々として流れるようなチェロの演奏を楽しみました。

第9回 おんぷの祭典、盛況裡に終了

中澤宗幸 音楽祭プロデューサー

9回目を迎えた「おんぷの祭典」も、本日のキッズコンサートとファイナルコンサートで、無事終えることができました。

私は午前は「但馬クリーン大作戦」で地区の清掃活動があったので、実行委員集合時間には遅れて参加。会場に到着した時がちょうどキッズコンサートの終了時間。会場から子どもたちやそのご両親など、ドッと退場して来られるのと遭遇。始めた時は、何人来ていただけるのか、などと心配していたのを思い出し、感無量。

演奏会終了後、(恒例の?)演奏者、実行委員、ボランティア全員集合で記念写真。

コンサートが無事終わってホッとした気持ちと、開催期間中に温め合った親交、みんなの心が一つになる最高の瞬間。(みんな素晴らしい笑顔ですね)

さてさて、来年は10回目のアニバーサリー。
どんな企画しようかと、みんなと相談しながら、今からドキドキしてきます。

Welcome back! Ludwig and Michael

ルードヴィッヒ・ミュラー(Ludwig Muller)さん。

ウィーン室内管弦楽団、カダケス管弦楽団のコンサートマスターを務める。ソリスト、芸術監督、指揮者として、ウィーン学友協会、ザルツブルグのモーツァルテウム及び海外公演などの演奏会シリーズを務めている。

ミュラーさんは、コロナ禍で渡航ができず、4年ぶりにおんぷの祭典に参加。前回来られた時は、娘さんも同行する家族思いのミュラーさん。

マイケル・ウィリアムズ(Michael Williams)さん。

オーストラリアでディプロマ取得後、ヨーロッパで学ぶ。オーストラリア室内管弦楽団の主席チェリストとして世界各地を巡る。1995年ウィーン室内管弦楽団のソロ・チェリストに就任。

マイケルとは何度か居酒屋で食事をしたり、我が家で抹茶を一服差し上げた時に、突然「バッハを弾きたい」とチェロを取り出し、バッハの「無伴奏チェロ組曲」を聴かせていただいたこともあった。

2014年のおんぷの祭典第1回目に出会って9年になる。毎回、親しく会話できるそんな関係がとても嬉しい。もっともっと音楽の話も聞きたいが、食べる話が多い。(^_^;;

2018年に私がウィーンを訪れた時には、ルードヴィッヒとマイケルのそれぞれの家族と出会う。ハイリゲンシュタットのホイリゲ(新酒のワインを提供するワイン酒場)で、一家総出で食事をご馳走になったこともある。

音楽祭もプライベートも、親しいお付き合いに感謝。