CoCo壱番屋にて〜創業者の記事を読む

お昼をどこかで食べよう、と孫Kと二人で出かける。「どこにしよう?あそこかな、こっちかな」と言いながら豊岡市街地へ車を走らせる。クルクルとあちこち回りながら、結局「カレーが食べたい」との一言でCoCo壱番屋へ。食べて、ビールとコーヒー豆を買ってすぐに帰るつもりだったので本も持たず。入り口の「雑誌・マンガ本棚」にたまたまあったCoCo壱番屋の雑誌を手にする。

パラパラとページを捲ると創業者の宗次徳二さんの写真が目に飛び込む。

奥様と二人三脚で開店した喫茶店から始まって、カレー専門店を開業。創業時にお客はほとんど来ない時にでも、「このまま続けていれば絶対に大丈夫」との信念を持って継続。やがてその信念は身を結びCoCo壱番屋は日本一のカレー専門店になる。

その原動力は、『お客様 笑顔で迎え、心で拍手』という標語が表す通り、宗次氏の徹底した「顧客第一主義」。尊敬すべき素晴らしい経営者の一人だと思います。代表引退後は、積極的に社会貢献活動をされている。

特にクラシック音楽の普及支援活動として「宗次ホール」の運営、ストラディヴァリウスのヴァイオリンなどの世界の名器を演奏家に貸与されている活動は特筆もの。どういう経歴の人だろうと注目していました。

幸いにも、日本ヴァイオリンのヴァイオリン・ドクター中澤宗幸さんのご縁でこれまで2回、お目にかかったことがある。一つは、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を池袋の東京藝術劇場で。演奏者は、後にショパン国際ピアノコンクール第2位になった反田恭平さん。

振り返ってみれば、凄すぎる貴重な時間でした。

ウィーン・リング・アンサンブル〜ニューイヤー・コンサートがやって来た

倉吉未来中心大ホール(鳥取県倉吉市)での「ウィーン・リング・アンサンブル」のニューイヤー・コンサートに行った。きっかけは、昨年11月に鳥取市で開催された経済同友会の「日本海沿岸経済サミッ」ト」に参加した時に上のポスターを何気なく見てコンサートを知ったこと。厳密に言うとポスターの顔ぶれを見るとなんと知り合いのシュテファン(チェロ)が写っているのを発見!本人とメールで確認すると「新年は日本行くよ」との返事。じゃあ、倉敷へ行こう、となりました。(大阪、東京、名古屋でのコンサートもあるが日程の都合で倉吉へ)

当日プログラム・メンバー紹介

ウィーン・リング・アンサンブルのメンバー9名のうち、元旦に行われたウィーンフィルのニューイヤーコンサートで演奏したメンバーが5名。あとのメンバーもウィーンフィルのメンバーだ。元旦にCATの学生たちとライブの映像を一緒に観て、その1週間後に、目の前で生でメンバーの演奏を聴けるなんて、それだけで感動もんです。

ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン、ウィーンフィルの楽団長)、シュテファン・ガルとマイヤー(チェロ)、ミヒャエル・ブラデラー(コントラバス)、カール=ハインツ・シュッツ(フルート)、ダニエル・オッテンザマー(クラリネット)がすぐそこに。(私の席は前から5列目)

本番直前のリハーサル後、ロビーでシュテファンと再会。

4年半前にウィーンで会い、シュテファンの自宅でBBQをご馳走になったこと、家族はみんな元気か?、そして20年前ビバホール(養父市)のチェロコンクールでの出来事のこと、立て続けに話す。「全て忘れられないことばかりだよ」と。

まさにウィーンがやって来た1日でした。

柴田花音 チェロリサイタル〜養父市立ビバホール

昨年の第14回ビバホールチェロコンクール第1位の柴田花音さんの凱旋コンサート。

チェロコンクールは行政とボランティアスタッフで運営している市民手づくりのコンクール。我が家も2000年〜2012年(コンクールは2年毎)に出場者のホームステイをお引き受けしてた関係で、毎回招待券が届く。

招待券があるので行ったと言うのが正直なところですが、柴田花音さんの素晴らしい演奏に完全にノックアウトされる。太く逞しい音色、情感たっぷりな響。若手(22歳)のチェリストとして溌剌とした演奏が心に迫ってきました。ドキドキしてくる圧倒的なコンサートでした。

10月、やぶ市民交流広場ホールでの宮田大さん(第6回2004年第1位)のチェロ・リサイタルに引き続きのチェロコンサート。チェロは大好きな楽器、昔からレコードやCDでパブロ・カザルスやジャクリーヌ・デュ・プレ、ヨーヨー・マ、ミッシャ・マイスキーなど、チェロのアルバムは結構持っている。

コンクールでのホームステイを引き受けた第4回(2000年)は、ドイツから参加のベンヤミン(B.S.Grutter)が第1位で現在はドイツのオーケストラで活躍、第5回(2002 年)は、ウィーンから参加のステファン(S.Gartmayer)は第2位で、現在はウィーンフィルで活躍している。

二人とは、現在も連絡を取り合う友人。2018年にウィーン訪問でステファンと会い、「私にとって特別なウィーンの1日」(2018/10/02ブログ)となりました。

上野星矢 フルート・リサイタル〜やぶ市民交流広場ホール

養父市芸術監督 青柳いずみこプレゼンツ「珠玉のクラシックシリーズ第2弾」と銘打ったコンサート。第2弾は「上野星矢 フルート・リサイタル」。

10月30日の第1弾「宮田大チェロ・リサイタル」も素晴らしい演奏に酔いしれましたが、今回は、青柳いずみこさん自身のピアノ演奏も聴けるコンサートということで楽しみにしていました。

サティの『3つのグノシエンヌ』(ピアノソロ)で静かに始まり、ルーセル『笛吹たち』、ドビュッシーの『「牧神の午後」への前奏曲』と続く。フランス音楽に造詣深い青柳さんらしい選曲。フルートもフランス音楽にぴったりのイメージがする。(私見ですが)

ドビュッシー『シランクス』(フルートソロ)、『月の光』は、川島麻実子さんのバレエと共演で第1部が終了。第2部もカプレ、フォーレ、プーランクと、フランスの作曲家の曲が並ぶ。弦楽器で演奏するロマン派音楽とはまた違ったアンニュイな気分というか愁いを感じる演奏を楽む。

フランス音楽もいいですねー。

「宮田大 チェロ・リサイタル」 at やぶ市民交流広場ホール

照明を落としたままのステージに2人の演奏家が登場。暗いまま演奏が始まる。
ドビュッシーの『月の光』。
静かに滑らかにチェロがメロディを奏で、ピアノがモザイクのようにキラキラと舞う。

つづく2曲目は、サン=サーンスの「白鳥」。夢見心地の優雅な演奏にうっとり。

第一部はそれぞれのソロ演奏と2人の演奏で小品楽曲。休憩後の第二部では、ブルッフの『コル・ニドライ』。ユダヤ教の音楽から借用した旋律を持った荘厳な楽曲。最後は、ファリャの『恋は魔術師』。歌入りのバレエ音楽をチェロに置き換えて編曲された。

養父市ビバホールで開催されるチェロコンクール第6回(2004年)で第1位の宮田大さん。数回繰り返されたアンコール演奏で、最後は『故郷』。宮田さんにとっての演奏家活動の原点でしょうか。

アンコール曲の中で、特に気に入ったのはメキシコの作曲家ポンセの『エストレリータ』。今、改築中の3階から見る風景を思い浮かべながら聴く。

昨年オープンした「やぶ市民交流広場ホール」は、豊岡演劇祭の公演で館内に入ったことがあったが、実際のコンサートを聴くのは初めて。650席で素晴らしい音響。クラシックのコンサートにはピッタリのホール。

養父市芸術監督にされた青柳いづみこさん。フランス音楽に造詣が深いピアニストでありエッセイスト。エッセイも何冊か読み、もう30年ぐらい前になるが、青柳さんの祖母の実家(養父市八鹿町宿南、茅葺き屋根)での青柳さんのピアノコンサートにも行ったことがあります。養父市とご縁のある青柳さん。これからのプロデュースに大きな期待を寄せています。

『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 村上春樹・著

レコードを集めるのが趣味で、かれこれ六十年近くせっせとレコード屋に通い続けている。これは趣味というよりは、もう「宿痾」に近いかもしれない。僕はいちおう物書きだが、本にはなぜかそれほどの執着はない。しかしレコードに関しては、認めるのはどうも気恥ずかしいのだが、それなりの執着があるみたいだ。

『古くて素敵なクラシック・レコードたち」
なぜアナログ・レコードなのか? (p10)

村上春樹と言えばジャズ、と思い浮かぶ(若い時にジャズ喫茶もしていた)が、クラシック音楽の造詣も深い。まあ、私がどうのこうの解説するのもおかしい。彼の小説を読み、ジャズの蘊蓄を学び、いろんな知的興味を引き出してくれたのだから。

「中古レコード店に行くとまずジャズのコーナー、それからクラシックコーナーへ。」
「レコード・コレクションは、ジャズ7割、クラシック2割、ロック・ポピュラーが1割」
「ジャケ買い、安いから、クラシックではコンプリート蒐集しようの目論見はない」
「名盤には興味し、ダメ元でできるだけ安く買って気に入らなければ処分、気に入れば残す」

などなど、村上の行動パターンを知ると、私の学生時代を思い出す。新宿の中古レコード屋『UNION』に暇さえあれば通って、レコードをチェックしたものです。私の場合は主にジャズだったが、アルバイト代がほとんど全てがレコードに消えていた。私の場合は、ジャズ8割、ロック1.5割、クラシック0.5割かな。

と、言うことでこの「古くて素敵なクラシック・レコードたち」には、ほとんど知られていない(私が知らないだけかもしれないが)演奏家、指揮者も多数登場する。

これらを聴くのは、以前だとほとんど不可能(レアなものばかりなので)だったが、今は、アップルミュージックで検索して結構見つかる。村上のクラシック・ワールドを読みながら、ダウンロードして聴く。「古」(いにしえ)と「今」が混じり合う、なんだかすごい時代になっていますね。

全部で100曲紹介されています。1曲3〜4ページの村上解説を読みながら、一つの曲を異なる演奏家の演奏を聴き比べるのも楽しい。お試しあれ。

ベートヴェン「運命」〜ピアノとダンスの初顔合わせ

城崎国際アートセンター(KIAC)「おんぷの祭典」のコラボによるピアノとダンスのパフォーマンスの稽古がいよいよ始まった。その初日の顔合わせと稽古に立ち会いました。

ダンスは森下真樹さん。振付家・ダンサー、世界30都市でソロ作品を上演、「ダンスカンパニー森下スタンド」を主宰。東京や他の都市での公演をもっと早く観たかったのですが、コロナの影響で全てキャンセル。やっとKIACでご挨拶できました。

ピアノは碓井俊樹さん。東京芸術大学を経て、ザルツブルグ・モーツァルテウム芸術大学で研鑽。ウィーンと東京を拠点に世界中を飛び回り演奏活動。「おんぷの祭典」の音楽監督としてもう6年ぐらい親しくさせていただいる。

今回は、ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』全楽章をピアノの演奏で踊る。
初稽古を見学させていただき、その期待は膨らむばかりです。

公演は、
日時 : 2020年7月26日(日) 14:00〜
会場 : 城崎国際アートセンター・ホール
料金 : 1,000円
問合せ: KIAC(9:00〜17:00) tel : 0796-32-3888

DUO J コンサート〜中澤きみ子&大須賀恵里

ヴァイオリニスト中澤きみ子さんとピアニスト大須賀恵里さんによるデュオコンサートを鑑賞。東京・代々木のHakuju Hallで行われました。「DUO J」というコンビで3回目のコンサート。過去2回の案内もいただいていてが都合がつかず、今回が初めて。

開演前のHakuju Hall

前半は、モーツァルトとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ。モーツァルトの時代、つまり18世紀後半までは、「ヴァイオリン伴奏付きのピアノ・ソナタ」と呼ばれ、ピアノが主役だった、という面白いエピソードが紹介されている。(プログラムより)

実際に、モーツァルトとベートーヴェンのソナタを聴き比べてみると、その主役のバランスのみならず、二人の天才の作風(人生)の違いがくっきりと浮かび上がってくる。

後半は、グリーグのヴァイオリンソナタ第3番。ノルウェー民謡を取り入れ、民族的な意識が強く、どこか郷愁を感じるロマン派、国民楽派の音楽だ。中澤きみ子さんにとって初演。創造力と集中力と体力と、まだまだ衰えぬ力強さと円熟を感じさせる深い演奏に感動。

ラフマニノフ 『交響曲第2番 ホ短調Op.27』

ラフマニノフ 『交響曲第2番 ホ短調Op.27』
ロンドン交響楽団
指揮:アンドレ・プレヴィン

第1楽章 Largo – Allegro moderato
第2楽章 Allegro molto
第3楽章 Adagio
第4楽章 Allegro vivace

この交響曲第2番を聴くきっかけは、NHKの「ららら♪クラシック」。ロシア、ペテルブルクでの交響曲第1番の初演大失敗の後、満を持してこの第2番を書き上げ(1907年)、見事、同じペテルブルグで初演(1908年)し、大成功したというストーリー。甘いメロディーの第3楽章Adagioを取り上げ解説。(6度離れた音階がキーポイント)という興味深い解説。

「甘いメロディー」を書かしたらピカイチのラフマニノフというまえぶれにも興味あったが、ドイツのドレスデンに滞在中の作曲というのも興味を持つ。昨年、ドイツの旅で訪ねたドレスデンを思い浮かべながら聴いてみよう。

『ベートヴェンを聴けば世界史がわかる』片山杜秀・著

フランス革命のあと、元々はルイ14世が宮廷の音楽家たちを養成するために造った王立声楽・朗読学校が改編され、1795年に広く市民社会で活躍する音楽家も育てる音楽院となります。それはこれまで王に近い階級だけが独占していた音楽への道を、広く開放するものでした。その意味では、1793年に開館され、民衆にも美術品を公開したルーブル美術館と同様、市民への「高級芸術」の開放だったのです。王のための芸術が、市民のための芸術に変じたのです。
『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』片山杜秀・著(p176)

音楽(クラシック音楽)の歴史を理解するキーワードを駆使しながら、ヨーロッパ史を中心に歴史を辿る。

モノフォニー(単旋律)=中世、グレゴリオ聖歌、声楽(アカペラ)、一つのメロディをみんなで、教会音楽、神の権威と秩序

ポリフォニー(多声音楽)=12世紀ごろ、器楽音楽・伴奏、十字軍、イスラム文化、ローマ教会の弱体

コラール(賛美歌)=16世紀、宗教改革、ルター(聖書のドイツ語翻訳、作曲)、独唱・独奏、個人の祈り、単純化へのプロセス、やがて自由主義・民主主義へ

オペラ=16世紀、古代ギリシャ演劇の復活、コロス、現世、世俗

ロマン派=大都市、革命、戦争、王侯貴族から市民へ、産業革命、成熟した近代市民、娯楽、高級芸術、音楽学校=アカデミズム

ワーグナー=民族主義、近代+土着→国民楽派、普仏戦争、総合芸術

20世紀音楽=洗練→楽器・音色の均質化、ピアノの発達、典雅や微妙なニュアンス、教養ある市民、超人志→ニーチェ、霊的、近代科学、世紀末、無調音楽、幻想、死、前衛音楽、リズムの破壊

大まかにキーワードを拾ってみました。それぞれの歴史・時代を背景に、いろんな作曲家、作品が浮かんできますね。そんなことを思い浮かべながら聴くのもまた楽しみです。