おんぷの祭典実行委員会〜キーウでの演奏会報告も

来年10回目を迎える「豊岡で子どもたちが世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)の企画会議を行なう。2014年に始めた音楽祭も来年が10年のアニバーサリーを迎える。

今回は、音楽祭音楽監督の碓井俊樹さんもリアルに参加。
チャリティコンサートで募ったウクライナ支援の募金で行われたキーウでのコンサートの報告がある。緊迫した情勢の中で事前に開催日を知らせることをせず、水面下で準備をし、開催前日に公表。共同通信など取材もありメディアにも報道されました。私たちのほんのささやかな募金ですがウクライナ人たちへ心寄せる思いをお届けたとしたら幸いです。

10回目を一つの節目として、11回目以降の開催をどうするのか?子どもたちへクラシック音楽を届けることには、私たちも豊岡市も大いに賛成だが、大人向けのホールでコンサート、街角、サロンコンサートなどの運営をどうするのか(市の負担が大きい)など、今後へ向けて協議をする。まだ、公表するわけにはいきませんが、前向きに進んでいけそうな報告もあり、より充実し、市民にも愛されるそんな音楽祭として続けていけることを願います。

豊岡室内合奏団演奏会 feat.大江 慧(vc)

名古屋から帰り、そのまま「豊岡室内合奏団演奏会 2023」へ。(豊岡市民プラザ)

チェリストの大江 慧さんがハイドンのチェロ協奏曲で客演するということで、名古屋の予定を変更して駆けつけました。もちろん兼ねてより一度、地元の室内合奏団の演奏も聴きたいと思っていました。

豊岡にはいくつかの音楽愛好家による楽団やグループがあります。合奏団、吹奏楽、ジャズバンド、自主的に音楽会、発表会を開いている演奏家など。しかし実際に演奏会に出向くことが少なく、今回はいい機会となりました。

「豊岡で子どもたちが世界と出会う音楽祭」(おんぷの祭典)は来年10回目を迎え、クラシック音楽ファンが少しずつ増えてているように思う。2026年には豊岡市新文化会館がオープンする予定。音楽溢れる豊岡、音楽で盛り上がる豊岡になりたいですね。

新文化会館は市民の声、専門家の意見も取りれ「建物」は完成する予定(とても期待しています)。でも、さらに大切なのはその運営組織。一流演奏家によるコンサートはもちろんのこと、地元の音楽愛好家が企画した演奏会や発表会、年間通じてジャンルを問わず音楽が身近に楽しめるそんな運営ができたらいいですね。

指揮:大江 昇さん、チェロ:大江 慧さんの親子共演。

いよいよプログラム最後の曲「チェロ協奏曲第1番 ハ長調」(ハイドン作曲)。
現在、桐朋学園大学院在学中の大江 慧ちゃん(家族ぐるみのお付き合い。応援の気持ちを込めてあえて「ちゃん」^ ^ )。大阪の 住友生命いずみホール での卒業演奏会、そして今回の演奏会とも、慧ちゃんの朗々として流れるようなチェロの演奏を楽しみました。

第9回 おんぷの祭典、盛況裡に終了

中澤宗幸 音楽祭プロデューサー

9回目を迎えた「おんぷの祭典」も、本日のキッズコンサートとファイナルコンサートで、無事終えることができました。

私は午前は「但馬クリーン大作戦」で地区の清掃活動があったので、実行委員集合時間には遅れて参加。会場に到着した時がちょうどキッズコンサートの終了時間。会場から子どもたちやそのご両親など、ドッと退場して来られるのと遭遇。始めた時は、何人来ていただけるのか、などと心配していたのを思い出し、感無量。

演奏会終了後、(恒例の?)演奏者、実行委員、ボランティア全員集合で記念写真。

コンサートが無事終わってホッとした気持ちと、開催期間中に温め合った親交、みんなの心が一つになる最高の瞬間。(みんな素晴らしい笑顔ですね)

さてさて、来年は10回目のアニバーサリー。
どんな企画しようかと、みんなと相談しながら、今からドキドキしてきます。

Welcome back! Ludwig and Michael

ルードヴィッヒ・ミュラー(Ludwig Muller)さん。

ウィーン室内管弦楽団、カダケス管弦楽団のコンサートマスターを務める。ソリスト、芸術監督、指揮者として、ウィーン学友協会、ザルツブルグのモーツァルテウム及び海外公演などの演奏会シリーズを務めている。

ミュラーさんは、コロナ禍で渡航ができず、4年ぶりにおんぷの祭典に参加。前回来られた時は、娘さんも同行する家族思いのミュラーさん。

マイケル・ウィリアムズ(Michael Williams)さん。

オーストラリアでディプロマ取得後、ヨーロッパで学ぶ。オーストラリア室内管弦楽団の主席チェリストとして世界各地を巡る。1995年ウィーン室内管弦楽団のソロ・チェリストに就任。

マイケルとは何度か居酒屋で食事をしたり、我が家で抹茶を一服差し上げた時に、突然「バッハを弾きたい」とチェロを取り出し、バッハの「無伴奏チェロ組曲」を聴かせていただいたこともあった。

2014年のおんぷの祭典第1回目に出会って9年になる。毎回、親しく会話できるそんな関係がとても嬉しい。もっともっと音楽の話も聞きたいが、食べる話が多い。(^_^;;

2018年に私がウィーンを訪れた時には、ルードヴィッヒとマイケルのそれぞれの家族と出会う。ハイリゲンシュタットのホイリゲ(新酒のワインを提供するワイン酒場)で、一家総出で食事をご馳走になったこともある。

音楽祭もプライベートも、親しいお付き合いに感謝。

アンサンブル・ウィーン東京 at 稽古堂

アンサンブル・ウィーン東京の演奏会、(稽古堂イブニングコンサート)

ルードヴィッヒ・ミュラー(ヴァイオリン)、中澤きみ子(ヴァイオリン)、坂口昴平(ヴィオラ)、マイケル・ウィリアムズ(チェロ)。

ウィーン・東京は第1回より不動のメンバーで参加し、祭典を代表するカルテット。

今回の演奏曲目
感傷的なワルツ(チャイコフスキー)
テルツェット Op.74 B.148(ドヴォルザーク)
弦楽四重奏曲第76番 ニ短調 『五度』(ハイドン)

5月31日は中澤きみ子さんの誕生日。プログラムの演奏曲の終了後、ピアノの碓井俊樹さんが演奏者の後ろ側にそっと登場し、Happy Birthdayを演奏。会場みんなの大合唱できみ子さんのお祝いをしました。きみ子さん「いい年になりました」とご挨拶。数々の演奏会、多くの演奏家との共演を経て、人生経験豊かな深みのある演奏は、聴衆の心に響く。まだまだお元気で若々しいきみ子さん。おんぷの祭典はこれからも続きます。毎回演奏を楽しみにしています。

第9回 おんぷの祭典、始まる

今年で9回目を迎えた「おんぷの祭典」(正式名称:子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭)が始まりました。

2013年に中澤宗幸さんと出会う。代々木にある(株)日本ヴァイオリンの工房にノーアポで飛び込む。運良く、北京から帰国したてのご本人にお会いすることができました。音楽談義はあっという間に2時間以上に及び、宗幸さんの音楽に対するご経験、弦楽器の修復・チューニングを通じて世界の一流演奏家と接した時のお話など、興味深いお話ばかり。

「これからの時代は一流の音楽家こそ街へ出て音楽を奏で、街角に音楽流れ、市民が親しむ」この宗幸さんの一言に心が揺れました。そして、但馬コネクションにゲストとしてお迎えし、中澤宗幸さんのお話を但馬の仲間と一緒に聴いたところから、トントンと事が進み、1年も経たずに第1回目の「おんぷの祭典」が始まりました。中澤さんの音楽に対する思いとそれに共感する熱き仲間の思いが響き合った。

コロナ禍で3年間の縮小版コンサートを余儀なくされたが、4年ぶりに客席をフルに並べ、稽古堂イブニングコンサートが開催できました。開演前の画像なので、空席が見えますが、本番が始まるともちろん満席。9年間で「おんぷの祭典」を楽しみにしていてくださる市民の方が増えてきたことを実感。

これから6日間、豊岡のあちこちで音楽が流れる。

安らかに、坂本龍一

吉本隆明+坂本龍一 『音楽機械論』裏表紙より

坂本龍一 逝く。TVのニュース速報で知る。(3月28日逝去)
誰もいつかその時はやってくる。今年に入って私の好きなミュージシャンの訃報が続く。

坂本龍一がデビューしたのは1970年代後半。ちょうど私の学生時代と重なる。ジャズが好きでコンサートやレコードを買い漁っていた頃。

現代音楽、民族音楽、テクノポップなど、ジャンルを飛び越えた音楽を展開。いつも気になるミュージシャンとして私の中に存在していました。

聴くばかりでなく、坂本龍一の書籍はほとんど読んできた。

『EV. Cafe 超進化論 〜村上龍+坂本龍一』(1985年発行)
 ・吉本隆明、河合隼雄、浅田彰、柄谷行人、蓮實重彦、山口昌男との対談集
  ↪︎対談、鼎談相手の顔ぶれを見ただけで内容(難解?)が見えてくるが、再読してみたくなる。

『音宅機械論〜吉本隆明+坂本龍一』(1986年発行)
 ・「現代音楽の落とし子たち」「ノイズの音楽」「ジョン・ケージ」「純文学としての中島みゆき」「戦メリのメロディ」「ユーミンは言葉をメロディに近づける」など、今、改めて読んでみたい話題が満載だ。

『音楽と生命 福岡伸一+坂本龍一』(2023年発行)
 ・まだ1週間ほど前の3月29日の新刊。まだ読んでいないが、福岡伸一さんとの対談は読む前からワクワクだ。タイトルにもある「生命」は坂本龍一にとっても覚悟のテーマだったと想像します。

坂本龍一的音楽へのアプローチは、実験的な危うさ、抒情的なメロディ、静謐な音、時にポップで、時にはアバンギャルドで、刺激に満ち溢れていた。それはそのまま「坂本龍一的人生の道のり」だったのでしょう。

安らかに。
合掌。

「映像の世紀」『パリは燃えているか』〜 加古 隆

QUARTETIII 組曲「映像の世紀」 加古 隆(音声)

加古 隆 : piano
相川麻里子 : violin
南かおり :viola
植木昭雄 :cello

1 パリは燃えているか~オープニング
2 神のパッサカリア
3 シネマトグラフ
4 パリは燃えているか~間奏曲
5 時の刻印
6 マネーは踊る
7 愛と憎しみの果てに
8 黒い霧
9 パリは燃えているか~ピアノ・ソロ
10 ザ・サード・ワールド
11 睡蓮のアトリエ
12 パリは燃えているか~エンディング
13 花は始めも終りもよろし
14 アヴェ・マリア~聖なるもの、母なるもの~

Recorded on Apr.26-28 , 2017

『パリは燃えているか』
「映像の世紀」のテーマ曲であり、加古さんの代表曲。

1944年8月、敗色濃厚となったナチス・ヒットラーが、占領地パリを燃やし尽くせと最後の抵抗をパリ防衛司令官に命じたが司令官は応じなかった。2日後、ヒットラーはベルリンで “Brennt Paris ? “(パリは燃えているか?)と叫び、問いかけた。

このエピソードだけで、20世紀悲惨な戦争の世紀を呼び起こす。

加古さんは、自身が音楽を学び、文明・文化の象徴としてのパリ、それを燃やし尽くせという戦争という罪と愚かさを、この「パリは燃えているか」で表現している。

今、ピアノでこの「パリは燃えているか」に挑戦。なんとかこの曲を想いを込めて弾けるようになろうと奮闘中。

2013年10月27日 サントリーホール

実は、加古隆さんとは、いろいろとご縁がある。

学生時代にジャズと出会いよくライブにも行ってた頃、新宿ピットインでパリ音楽院の留学から帰国したての加古さんのライブをたまたま聴いていた。その約10年後に、豊岡市(当時日高町)へピアノを寄付させていただいたのがご縁で加古隆さんのコンサートをそのホールで企画。またその数年後に自宅でも加古さんのピアノコンサートを企画。親しくしていただく。

サントリーホールでのコンサート後、楽屋前の廊下でのショット。
(超・プライベートな写真なので小さめに)

CoCo壱番屋にて〜創業者の記事を読む

お昼をどこかで食べよう、と孫Kと二人で出かける。「どこにしよう?あそこかな、こっちかな」と言いながら豊岡市街地へ車を走らせる。クルクルとあちこち回りながら、結局「カレーが食べたい」との一言でCoCo壱番屋へ。食べて、ビールとコーヒー豆を買ってすぐに帰るつもりだったので本も持たず。入り口の「雑誌・マンガ本棚」にたまたまあったCoCo壱番屋の雑誌を手にする。

パラパラとページを捲ると創業者の宗次徳二さんの写真が目に飛び込む。

奥様と二人三脚で開店した喫茶店から始まって、カレー専門店を開業。創業時にお客はほとんど来ない時にでも、「このまま続けていれば絶対に大丈夫」との信念を持って継続。やがてその信念は身を結びCoCo壱番屋は日本一のカレー専門店になる。

その原動力は、『お客様 笑顔で迎え、心で拍手』という標語が表す通り、宗次氏の徹底した「顧客第一主義」。尊敬すべき素晴らしい経営者の一人だと思います。代表引退後は、積極的に社会貢献活動をされている。

特にクラシック音楽の普及支援活動として「宗次ホール」の運営、ストラディヴァリウスのヴァイオリンなどの世界の名器を演奏家に貸与されている活動は特筆もの。どういう経歴の人だろうと注目していました。

幸いにも、日本ヴァイオリンのヴァイオリン・ドクター中澤宗幸さんのご縁でこれまで2回、お目にかかったことがある。一つは、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を池袋の東京藝術劇場で。演奏者は、後にショパン国際ピアノコンクール第2位になった反田恭平さん。

振り返ってみれば、凄すぎる貴重な時間でした。

ウィーン・リング・アンサンブル〜ニューイヤー・コンサートがやって来た

倉吉未来中心大ホール(鳥取県倉吉市)での「ウィーン・リング・アンサンブル」のニューイヤー・コンサートに行った。きっかけは、昨年11月に鳥取市で開催された経済同友会の「日本海沿岸経済サミッ」ト」に参加した時に上のポスターを何気なく見てコンサートを知ったこと。厳密に言うとポスターの顔ぶれを見るとなんと知り合いのシュテファン(チェロ)が写っているのを発見!本人とメールで確認すると「新年は日本行くよ」との返事。じゃあ、倉敷へ行こう、となりました。(大阪、東京、名古屋でのコンサートもあるが日程の都合で倉吉へ)

当日プログラム・メンバー紹介

ウィーン・リング・アンサンブルのメンバー9名のうち、元旦に行われたウィーンフィルのニューイヤーコンサートで演奏したメンバーが5名。あとのメンバーもウィーンフィルのメンバーだ。元旦にCATの学生たちとライブの映像を一緒に観て、その1週間後に、目の前で生でメンバーの演奏を聴けるなんて、それだけで感動もんです。

ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン、ウィーンフィルの楽団長)、シュテファン・ガルとマイヤー(チェロ)、ミヒャエル・ブラデラー(コントラバス)、カール=ハインツ・シュッツ(フルート)、ダニエル・オッテンザマー(クラリネット)がすぐそこに。(私の席は前から5列目)

本番直前のリハーサル後、ロビーでシュテファンと再会。

4年半前にウィーンで会い、シュテファンの自宅でBBQをご馳走になったこと、家族はみんな元気か?、そして20年前ビバホール(養父市)のチェロコンクールでの出来事のこと、立て続けに話す。「全て忘れられないことばかりだよ」と。

まさにウィーンがやって来た1日でした。