Brad Mehldau “The Art of The Trio vol.1”

Brad Mehldau “The Art of The Trio vol.1″ (音声)

Brad Mehldau : p
Larry Grenadier : b
Jorge Rossy : ds

1. Blame It On Youth
2. I Didn’t Know What Time It Was
3. Ron’s Place
4. Blackbird
5. Lament For Linus
6. Mignon’s Song
7. I Fall In Love Too Easily
8. Lucid
9. Nobody Else But Me

Recorded on Sep. 4 & 5, 1996

本を持ってベッドに入るのが私の就寝スタイル。
もちろん、音楽を聴きながら。
iPhoneの時計アプリで起床時間を設定して、アラームオン。
次にバラード系のジャズを選んでスタートし、タイマーは20分か30分で切れるようにかける。
(詳しくは、先日の “Steps of before bedtime by iPhone”

大体1週間分の(ベッドに入る時に)聴きたいアルバムを選んで、プレイリストに入れておく。

今週は、Brad Mehldauの ” The Art of The Trio vol.1 “と”vol.3″。

ビル・エバンスは別格として、1970年代以降でピアノの大御所といえば、ハービー・ハンコック、チック・コリア、キース・ジャレットだろうか。この延長線上に、ブラッド・メルドーがいるのかな。

高槻ジャズ・ストリート2日目

2日目。
快晴で暑い、演奏は熱い、ボランティアの心は厚い。

野見神社ではニューヨークから高槻のためにやってきたシンガーが唄う。小学校の校庭ではFM局がプロデュースするステージが延々と繰り広げられている。お目当ての一人、ピアニスト山中千尋さんの演奏をせめて立ち見でと思ってやってきたが、立ち見すらできない。会場は超満員。遠くで汽笛を、、ではなくピアノ演奏を聴きながら、、次の会場に向かう。

阪急高槻市駅高架下広場のステージでは、我らがNandee(vo)。彼女の歌を聴かないと帰れない。菅涼子(fl、vo)との強力なフロント。ノリノリの演奏が続く。

普段は何でもない高架下のスペースが舞台。信号の向こうから聴き入っている歩行者。夕日に照らされていたビルにやがてネオンが灯る。東京からやってきた初顔合わせのベースとの共演。最後の曲にはアルトサックスが飛び入り演奏。ああ、すべてジャズだ。

夕方6時を回っても商店街は行き交うファンで混雑。店頭では、生ビール、ウィスキー、焼き鳥など販売、歩きながら飲んで、食べて。

商店街の中程にある「JK Cafe」。店内の通路でも当然ながらジャズの演奏。カウンター、ソファー、それぞれの場所で飲みながら聴いている。ここのオーナーであり経営者の北川潤一郎氏が、そもそもの高槻ジャズの仕掛け人。昨年、神鍋高原でNandeeから紹介してもらい、初めて高槻でご挨拶することができました。高槻で数店舗のカフェ、バーを経営しながら、高槻まちづくり株式会社を設立し代表を務めていらっしゃる。演奏聴くため3店舗に入ったがどのお店も抜群のセンス。こういう人が居て、このジャズ・ストリート。納得して帰路に。今度、ここまでの25年間のご苦労や喜び、まちづくりの秘訣など、お聞きしてみたい。

誘ってくれたNandeeに感謝しつつ、高槻を後にする。

ジャズを浴びる「高槻ジャズ・ストリート」

以前から「凄いよ」「街中ジャズで溢れてる」「ジャズマンが大挙してやってくる」「日本一のジャズフェスだよ」などなど、何人かのジャズファンから聞いていた高槻ジャズ・ストリートへ初めて行く。なんせ高槻は初めてなので土地勘ゼロ。JR高槻駅で降りるともう街角からドラムやベースの音が聞こえてくる。ガイドブック見ながらのぶっつけ本番街歩き開始。

高槻ジャズ・ストリートのガイドブックで全容を把握。

1999年に始まる。今年が25回目。毎年GWの2日間。10万人以上の観客。プロ・アマ合わせて800組のバンドが集まり、75ステージで演奏される。何と言っても最大の特徴は、すべての準備、資金集め、出演交渉、当日の運営は市民によるボランティアで行われ、出演者もノーギャラで駆けつける。理想的、凄いの一言。

こちらは阪急高槻市駅高架下広場のステージ。事前にプログラム見て行こうと決めていたバンド。三木俊彦さんは初めて知る(聴く)サックスですが、ベースとドラムとピアノレスでのトリオ演奏。迫力に満ちたフレーズの連続で圧倒される。一発でファンになってしまう。中村恵介バンドのお目当ては、ピアノの魚返明未さん。昨年から追っかけしてた「魚返明未&井上銘」のデュオのピアニスト。もちろん、クインテットの演奏もリズム隊も含めて素晴らしい演奏。興奮冷めやらぬでした。

今日の最後はピアニスト菊池ひみこさん(高槻城公園芸術文化劇場南館太陽ファルマテックホールでコンサート)。今年3月にオープンした、ステージと客席全てが木でできている素敵なホール。ソロでの演奏は、昼間に聴いた演奏とはまた違ったジャズを味わうことができた。演奏後、昨年末に但馬空港ロビーでの演奏でお会いして以来のご挨拶。

この高槻ジャズに誘ってくれたのは、ボーカリストのNandee。彼女は出演者でもあるので、出演者オンリーの打ち上げ会場に入れるのはありがたい。お昼に聴いた演奏者たちが勢揃い。当然ながら魚返明未さんの顔も見えたので、ワイン片手にお話ができたのはとてもラッキーだ。「豊岡にもぜひ」とお声がけ。東京芸大出身の魚返さん。平田オリザさんのことを話すと「大学時代に講義を受けた」とお互いにびっくり。なんともこれも何かのご縁と思う。

終電時間(ホテルは新大阪)までもう少しあったので、駅近くのバーへ。ここでもガンガンやっている。夜は朝まで続くそうだ。

強烈なジャズ漬けの1日が終わる。
高槻に誘っていただき、そして一緒に歩き、聴き、食べ、飲んだ Nandeeに感謝。

Bob James “Feel Like Making Live!”

Bob James ” Feel Like Making Live!”(音声)

Bob James : Piano, Keyboads
Michael Palazzolo : Bass
Billy Kilson : Drums

  1. 1. Angela
  2. 2. Rocket Man
  3. 3.Maputo
  4. 4.Topside
  5. 5. Misty
  6. 6. Avalabop
  7. 7. Nautilus
  8. 8. Downtown
  9. 9. Niles A Head
  10. 10. Feel Like Making Love/Night Crawler
  11. 11. Submarine
  12. 12. Mister Magic
  13. 13. Westchester Lady
  14. Released on Jan.28,2022

トリオ演奏でのボブ・ジェームス。

私の学生時代は、ジャズ・フュージョンとしてアルバムを連発(”One” “Two” “Three”)。(思えば、単純なタイトルですね)CTIレーベルとの契約など、アダルト・コンテンポラリーの先端を行く。当時、ボブをあまり追っかけてはいなかったけど、“Three”だけは、とても気に入って夜な夜な友人と飲む時は、いつもこれだった。”Women of Ireland”がお気に入り。

3階改修工事が終わり、今、夕暮れどきミュージックのプレイリストを作成中。フュージョン、コンテンポラリー辺りを聴き直しているところ。

“Rocket Man” “Topside” “Misty” “Niles A Head” “Feel Like Making Love / Night Crawler”をチェック。

蛇足ながら、Feel Like Making のLoveが Liveってオシャレですね。

安らかに、坂本龍一

吉本隆明+坂本龍一 『音楽機械論』裏表紙より

坂本龍一 逝く。TVのニュース速報で知る。(3月28日逝去)
誰もいつかその時はやってくる。今年に入って私の好きなミュージシャンの訃報が続く。

坂本龍一がデビューしたのは1970年代後半。ちょうど私の学生時代と重なる。ジャズが好きでコンサートやレコードを買い漁っていた頃。

現代音楽、民族音楽、テクノポップなど、ジャンルを飛び越えた音楽を展開。いつも気になるミュージシャンとして私の中に存在していました。

聴くばかりでなく、坂本龍一の書籍はほとんど読んできた。

『EV. Cafe 超進化論 〜村上龍+坂本龍一』(1985年発行)
 ・吉本隆明、河合隼雄、浅田彰、柄谷行人、蓮實重彦、山口昌男との対談集
  ↪︎対談、鼎談相手の顔ぶれを見ただけで内容(難解?)が見えてくるが、再読してみたくなる。

『音宅機械論〜吉本隆明+坂本龍一』(1986年発行)
 ・「現代音楽の落とし子たち」「ノイズの音楽」「ジョン・ケージ」「純文学としての中島みゆき」「戦メリのメロディ」「ユーミンは言葉をメロディに近づける」など、今、改めて読んでみたい話題が満載だ。

『音楽と生命 福岡伸一+坂本龍一』(2023年発行)
 ・まだ1週間ほど前の3月29日の新刊。まだ読んでいないが、福岡伸一さんとの対談は読む前からワクワクだ。タイトルにもある「生命」は坂本龍一にとっても覚悟のテーマだったと想像します。

坂本龍一的音楽へのアプローチは、実験的な危うさ、抒情的なメロディ、静謐な音、時にポップで、時にはアバンギャルドで、刺激に満ち溢れていた。それはそのまま「坂本龍一的人生の道のり」だったのでしょう。

安らかに。
合掌。

安らかに ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)

ジャズ・サックス奏者のWayne Shorterが3月2日に亡くなる、89歳。

亡くなったのが89歳と知ってえっ!と驚いた。大好きなMiles DavisやWeather Reportの音楽を聴き続けている私にとって、ウェイン・ショーターはいつも現役のサックス・プレイヤーとして存在していた。

ウェイン・ショーターの演奏は、ソニー・ロリンズのような奔放豪快な演奏でもなく、ジョン・コルトレーンのようなスピリチュアルでフリーでもなく、どう表現すればいいのだろう?情熱的だが、内向的でどこか翳りがあるような(これがまたグッとくるのですが)演奏、そして彼が作曲した曲からも感じる。クールなサックス奏者であり、作曲家だったと印象です。

Weather Report 8:30

あえてウェイン・ショーターのこの一曲をあげるとしたら、ウェザーリポート時代の

” A Remark You Made”(Live in Germany 1978)(音声)

実際に1978年東京公演(中野サンプラザ)のライブで聴いた時から、永遠の心に残る演奏。

改めて、何百回、何千回といっぱいウェイン・ショーターの演奏を聴いてきたんだな、と気づく。

安らかにウェイン!

「映像の世紀」『パリは燃えているか』〜 加古 隆

QUARTETIII 組曲「映像の世紀」 加古 隆(音声)

加古 隆 : piano
相川麻里子 : violin
南かおり :viola
植木昭雄 :cello

1 パリは燃えているか~オープニング
2 神のパッサカリア
3 シネマトグラフ
4 パリは燃えているか~間奏曲
5 時の刻印
6 マネーは踊る
7 愛と憎しみの果てに
8 黒い霧
9 パリは燃えているか~ピアノ・ソロ
10 ザ・サード・ワールド
11 睡蓮のアトリエ
12 パリは燃えているか~エンディング
13 花は始めも終りもよろし
14 アヴェ・マリア~聖なるもの、母なるもの~

Recorded on Apr.26-28 , 2017

『パリは燃えているか』
「映像の世紀」のテーマ曲であり、加古さんの代表曲。

1944年8月、敗色濃厚となったナチス・ヒットラーが、占領地パリを燃やし尽くせと最後の抵抗をパリ防衛司令官に命じたが司令官は応じなかった。2日後、ヒットラーはベルリンで “Brennt Paris ? “(パリは燃えているか?)と叫び、問いかけた。

このエピソードだけで、20世紀悲惨な戦争の世紀を呼び起こす。

加古さんは、自身が音楽を学び、文明・文化の象徴としてのパリ、それを燃やし尽くせという戦争という罪と愚かさを、この「パリは燃えているか」で表現している。

今、ピアノでこの「パリは燃えているか」に挑戦。なんとかこの曲を想いを込めて弾けるようになろうと奮闘中。

2013年10月27日 サントリーホール

実は、加古隆さんとは、いろいろとご縁がある。

学生時代にジャズと出会いよくライブにも行ってた頃、新宿ピットインでパリ音楽院の留学から帰国したての加古さんのライブをたまたま聴いていた。その約10年後に、豊岡市(当時日高町)へピアノを寄付させていただいたのがご縁で加古隆さんのコンサートをそのホールで企画。またその数年後に自宅でも加古さんのピアノコンサートを企画。親しくしていただく。

サントリーホールでのコンサート後、楽屋前の廊下でのショット。
(超・プライベートな写真なので小さめに)

“Your Mother should Know” Brad Mehldau plays The Beatles

“Your Mother should Know” Brad Mehldau plays The Beatles(音声)

Brad Mehldau : piano

1. I Am The Walrus
2.Your Mother Should Know
3.I Saw Her Standing There
4.For No One
5.Baby’s In Black
6.She Said, She Said
7.Here, There And Everywhere
8.If I Needed Someone
9.Maxwell’s Silver Hammer
10.Golden Slumbers
11.Life On Mars?

Recorded on Sep.19-20, 2020

ブラッド・メルドーのソロピアノ。
パリでのライブ録音。

それにしても渋い(マニアックな)選曲ですね。ビートルズ大好きなのでどの曲も知っているが、どちらかというとマイナーな曲。それをこれまた渋い演奏のメルドーが演奏する。

アンニュイで静かに流れる演奏は、求めている気分で好き嫌いが別れるところ。メルドーの演奏はさすがですが、返って、ビートルズの曲って、誰がどのように演奏しても「さすがビートルズ、いいなあ」と感心してしまう。

メルドー自身が言っているように、「ビートルズには誰もが引き込まれる普遍性がある。彼らの音楽は文化や世代を超え、常に新しいリスナーを獲得し続けている。」と。

11年前に初めてブラッド・メルドーのコンサートに行った時にも、好きな演奏とそうでない演奏があるとブログに書いたが、さてこのアルバムは。
さて、あなたはどうでしょうか?

Brian Blade “Body & Shadow”

Brian Blade “Body & Shadow”

Brian Blade  :ds
Jon Cowherd  :p, harmonium, mellotron)
Chris Thomas :b
Melvin Butler  :ts
Myron Walden  :as, b-cl
Dave Devine  :g

  1. 1. Within Everything
    2. Body and Shadow (Noon)
    3. Traveling Mercies
    4. Have Thine Own Way, Lord – Solo
    5. Have Thine Own Way, Lord – Band
    6. Body and Shadow (Morning)
    7. Duality
    8. Body and Shadow (Night)
    9. Broken Leg Days
  2. Released in 2017

不思議な気分になる音楽。
それがまた良い。

ブライアン・ブレイドと言うドラマーを特別意識していなかったのは迂闊だった。ブラッド・メルドー、ジョシュア・レッドマン、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ロックではボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェルのアルバムで聴いているブライアン・ブレイドのドラム。それだけ違和感なく、しかも曲の構成を(地味ではあるが)的確なリズムで支えているからなのだろうか、華やかさはないけど、聴けば聴くほどに、味がある。

ブライアン・ブレイドのリーダーアルバムとしては初めて聴く” Body & Shadow”(音声)。カントリー、ゴスペルを思わせる曲、コンセプチャルなアルバムとなっている。思わずチャーリー・ヘイデンの アルバム “Liberation Music Orchestra”(音声)(1969年) の演奏が浮かぶ。時代は違うが、どこか現代社会を映し出すような、全く異なったセンスで迫ってくる。

ブライアン・ブレイドにしばらく注目していこう。

Bill Evans “NEW CONVERSATIONS”

Bill Evans “NEW CONVERSATIONS”

Bill Evans : piano & electric piano

1 Song For Helen
2 Nobody Else But Me
3 Maxine
4 For Nenette
5 I Love My Wife
6 Remembering The Rain
7 After You
8 Reflections In D

Recorded in 1978

ビル・エバンスの多重録音ソロアルバム第3弾。第1弾 “Conversations with Myself”(1963年)、第2弾 “Further Conversations with Myself”(1967年)に続く。
邦題は「未知との対話ー独白・対話・そして鼎談」。
原題に対してちょっとしつこいですね。

このアルバムで使っているエレクトリックピアノはFender Rhodes。エレピの音というと私はすぐにこのエバンスのこの演奏のエレピを思い出す。もちろん、演奏が良いからなのだが。

  1. Song for Helen は、ビルの妻に捧げた曲なんでしょうか。出だし一発でエバンスです。5. I Love My Wife 、6.Remembering the Rain のビル・エバンスにしか醸し出せない音世界です。