『天変地異の地球学』 藤岡換太郎・著

面白いことに、4つのプレート、4つの気団、4つの海流が、日本列島を作っているです。すなわち、地球システムでいえば個体、流体、気体が相互に、あるいは複雑に作用して、エネルギーのやりとりをしているのです。そのため、いくつかの災害が連鎖反応を起こしたり、いくつかの天変地異のサイクルが連動したり、と言うことが、世界の中でも非常に高い確率で起こる場所になっていると思われます。したがって、災害が「束になる」状態になりやすいのです。
『天変地異の地球学』 序章:天変地異とは何か (p44)

この数年、いや太古より日本は自然災害に遭い、災害との戦いの歴史とも言えますね。以前、「日本の自然が豊かで美しいのは、災害あるからだ」という話を聞いて、そう言う見方もあるんだと感心したことがあります。

この著書にも「世界でも稀な変化に富む美しい国に、世界でもとりわけ災害が多くなっているのは、このように必然なのです」と言う記述があり、さらに納得。

4つのプレート=太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート
4つの気団=オホーツク海気団、シベリア気団、揚子江気団、小笠原気団
4つの海流=黒潮(日本海流)、対馬海流、親潮(千島海流)、リマン海流

なるほど、天気予報などでいつも耳にする海流や気団も、俯瞰して整理すると、なるほどそれらに囲まれて複雑に影響しあって、寒気暖気、前線、台風などの発生と進路が決まるんだなとこちらも納得。

最近「プレートテクトニクス」という言葉をよく耳にする。簡単に言うと、地球表面を覆う厚さ数十kmの岩盤(プレート)がマントルの対流によって移動する。その変動により地震や火山噴火などが発生すると言う説。

今回、マントルの対流はなぜ、どのように発生しているのかという解説があり知ることができたのが良かった。それは「プルームテクトニクス」。「プルーム」とはマントルの流れのことで、ホットプルームとコールドプルームがあり、プレートが降下と上昇を繰り返すことになる。

私たちは「豊かな自然」と「多発する自然災害」する日本に住んでいる。
その「恵み」と「脅威」の原理は知っておきたいですね。

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