ちょっと友人陶芸家のアトリエ拝見

陶芸家のMさんちに立ち寄る。
エントランスと言うか表アプローチと言うか、素敵なお家。
木々は、我が家の庭のお世話もしてもらっている庭師のKさんが植える。

山の裾野にあるアトリエ。
開けたこの空間がいい。

なんだこれ??
庭師さんの遊び場かな?
アトリエ横の林に囲まれた空き地を利用して作庭中。
さて、どんな庭ができるのか今から楽しみだ。

最近、メキメキと人気が出てきた陶芸家Mさん。
あちこちのギャラリーで個展も頻繁に。
私は渋谷のギャラリーにも行きました。
我が家の茶道具にもMさん作が増えてきました。

シンポジウム「社会的インパクトから見た芸術文化観光の力」

「芸術文化観光研究センター」(2024年4月設立)主催のシンポジウムに参加。

芸術文化観光専門職大学が開学して4年が経とうとしている。来年3月に一期生が卒業する。「芸術文化観光」という3つの単語が並ぶ大学。果たしてこの3つはどのように結びつき、その結びつきが何を実現するのか、とても興味を持って市民として関わってきました。

副題に「豊岡演劇祭を中心に」とあるので、その「社会的インパクト」にもとても注目していたので、芸術的、経済的な価値、効果も含めた総合的な評価を確認する良い機会となりました。

「豊岡演劇祭2024」の最終レポートはまだ公式には発表されていないので、おおよその増減傾向などの数字は口頭で説明があり、ゲストの大久保広晴氏からは、観劇の感想などを聞くことができました。

特に関心のある箇所をピックアップすると、

・豊岡演劇祭の財源構造(2023年度)
 – 開催費合計 1億2000万円
 – 豊岡市の負担 5,900万円(内、一般財源50万円)
  – 地方創生推進交付金2950万円(50%)、企業版ふるさと納税2000万円(34%)、
個人版ふるさと納税880万円(15%)
 – その他(6100万円)
  – 文化庁、県補助金、周辺自治体からの委託金、チケット、グッズなどの収入

これを見ると、豊岡市の一般会計からは50万円(に、過ぎない)。
市の負担額のほとんどは交付金、ふるさと納税など、国やふるさと納税などの支援をいただいて成り立っている。兵庫県や他市町との連携も大切にしなければならないのは理解できます。

私たち民間ができるところはしっかりやっていきたい。
チケット売上、宿泊サービス、グッズ販売、さらに商工会議所、商工会、観光協会などの経済団体や各地元企業が、戦略的な発想のもと、強力なバックアップを行うことが大切と考えます。ひいてはそれが企業、地域経済にもフィードバックされ、さらに芸術文化体験・交流、経済的活力として市民に還元されていくことになる。なんとかこの理想を実現したいものです。

力づけられるアンケート結果の報告もありました。
「豊岡市を文化芸術の盛んなまちと思う」
 32%(2016年)  → 56%(2024年)
「豊岡演劇祭など国内外の文化芸術を通じた交流が活発と思う」
 9.2%(2016年)  → 40.8%(2024年)

残念な結果も一つ。
「市民・団体による文化芸術活動が活発でないと思う」
 22.5%(2016年  →  33.3%(2024年)

高齢化とコロナによる活動の休止、グループの解散などで衰退が顕著である、という現実も。
「おんぷの祭典」を通じて音楽仲間、愛好家、身近に音楽を楽しむ、こんな活動も活発にしていきたい。人口減少を嘆くのではなく、生活の質、楽しみ、新たな出会いを高めるそんなネットワークを広げていきましょう。

第14回永楽館歌舞伎 始まる

待ちに待った永楽館歌舞伎が始まる。
今年は、歌舞伎が初めての友人夫妻とちょくちょくご一緒する友人Bさんの5人で観劇。
妻と友人Bさんは着物。永楽館歌舞伎にぴったりだ。第2回目から毎回観ているが、特に今年は着物姿のお客さんが多いように思う。歌舞伎を楽しみむ習慣が定着してきたのでしょうか。

演目は
「奥州安達原 袖萩祭文」
「お目見得 口上」 (永楽館歌舞伎人気の口上)
「高 坏」

俳優は
片岡愛之助、中村壱太郎、中村歌之助、片岡千壽、市川九團次、片岡孝太郎ら

「袖萩祭文」では、壱太郎演じる貞任妻袖萩の熱演が印象的。
雪が降りしきる中、御殿に盲目の袖萩が娘を連れて訪ねるが、勘当の身のために門前払い。三味線を弾き親不孝を詫びるが寒さで倒れてしまう。。。。。。
なかなか泣かせる場面。

第1回目の永楽館歌舞伎では、壱太郎さんはまだ高校生だったのに、今や堂に入る演技に感動。

「高坏」では、愛之助さんが下駄を履いてタップダンスが見もの。昭和8年に初演され、作者は宝塚少女歌劇で和物の歌劇を手がけていた久松一声氏。宝塚だからこその劇でしょう。

夕方に始まった夜の部も、終わると辺りは真っ暗。
余韻に浸りながら家路につく観客はゆっくりとした足取り。

愛之助さんも口上で「出石は第二のふるさと」と毎回おっしゃっている。これまでも新作を始め、愛之助さんにとって初めて挑戦する演目など、「本気で」永楽館を大切にされているのが伝わってくる。なんとか、今後もずっと続く永楽館歌舞伎にしていきたいものです。

大学授業で興奮〜もう一度大学で学びたい

芸術文化観光専門職大学へ行く。元々は、但馬コネクションの打ち合わせで出向いたのですが、ちょうど2年前にお会いしたフォークトさんが来訪されていて、授業を受けることになりました。

マティアス・フォークトさんは、ドイツ・ザクセン州のゲルリッツ大学教授。2年前に但馬3市2町の観光資源の調査を行い、文化政策やアートマネージメントの視点で提言する目的で滞在。

前回お会いした時は、ちょうどシェアハウス「江原101」のオープン前。工事の途中で見学していただきアドバイスをいただいた。「学生の望むことは?」「家賃は?」など、ドイツと比較しつつ双方の若者事情を話したのを思い出す。

今日は、山中教授の授業「世界を知る」で特別講義。(お許しを得て出席させていただく)
冷戦時代からベルリンの壁崩壊までのドイツの近現代史がテーマ。東西ドイツをイメージして、その経済成長、富の偏在、個人の幸福感など、質問形式で学生に「どっち?」とグループ討論を求める。(正解はない)

「11月9日は近代ドイツの運命の日」を知る。20世紀ドイツの歴史上、重要なことが11月9日に起こっている。
・ドイツ革命による君主制の終焉
・ナチスによるミュンヘン一揆
・ドイツ各地で一斉に反ユダヤ主義によるユダヤ人襲撃事件
・ベルリンの壁崩壊のきっかけとなった記者会見

ベルリンの壁の記者会見は、私もリアルタイムで映像を見ました。こんな形で(まだ生まれていなかった)若者たちと共に歴史を学ぶことに、若干興奮を覚えました。

もう一度、こんな大学の授業を受けたいなあ、と強く思う。

フォークトさん、山中先生に感謝。

街の風景が変わる〜また来年もヘンテコウィーク

『お寿司の演劇ワークショップ』 南野詩恵(お寿司)

10月11日から始まった江原を舞台にした「ヘンテコウィーク」が盛況裡に終了。
10日間でのべ2000人を超える人が来場。
江原の街で信じられない集客だ。

『お寿司の衣装ワークショップーなりたいものになるー』  南野詩恵(お寿司)

最終日の午前は「衣装のワークショップ」

江原の近所の子どもたちが大喜び。
学校から帰って来たら(宿題もせずに?)「101に行きた〜い!」と言う子どもたち。
子どもの姿が街から消えていた近年の江原が蘇ったよう。

いよいよ最終日の夜。

「十三人のヘンテコな住民たち〜生活を託すために〜」のパフォーマンスを終えての打ち上げ。シェアハウス江原101に住む住民学生と江原の子ども連れの家族が集まる。
おやついっぱい、ジュースいっぱいで子どもたち大喜びだ。

打ち上げが終わり、みんなで友田酒造の酒蔵でやっているインスタレーション「一次的二次創作」を見にゾロゾロと移動。

帰り道の広場。
東の空から昇る月を見ながら、無事に盛況裡にヘンテコが幕を下ろす。
ワクワク、ドキドキの素敵な10日間でした。
東京や京都から駆けつけていただいたゲストアーティストの皆さんとの出会いにも感謝。
来年の2回目を楽しみにしよう。

空き家が劇場に〜ヘンテコウィーク

ずっと空き家だった家が劇場になった。

ヘンテコウィークの一幕。

江原本町(豊岡市日高町江原)の空き家。昔は表具屋さんだった。襖の修理をされている外を通りがかった時に見たことを覚えている。

ご家族のことは詳しく知らなかったが、空き家になっているのは知っていた。

アイデアと目的意識とがあれば、想像もできなかったことが目の前で繰り広げられる。

『幽霊とか宇宙人が今もどこかにいるかもって思う。』
演出・振付:櫻井拓斗
出  演 :松村寿寿々乃、林充希、吉松響

今年の7月に芸術文化観光専門職大学(CAT)で学生たちがチャンパスで企画した「仮設劇場・立夏」で初演された作品
元々、この家にあった家具を背景に、新たに張ったベニヤの床。

「空き家がどんどん増えているのは問題だ」「空き家をなんとかできないか」と嘆き唱えるだけでは何も解決しない。

学生たちの持つ想像力と行動力に脱帽。

脱力とダンスでゆる〜い日々(ヘンテコ4〜5日目)

「老若男女、初心者大歓迎の脱力倒立教室」(渡邉 尚)

渡邉尚さんは、独学でジャグリング、倒立、軟体を研究。ダンスやサーカスの枠を超えた身体表現で活動。25カ国以上で出演や指導を行なってきているプロフェッショナル。

「倒立できたからと言ってなんなん?」と言われても困る。
みんな必死で取り組む。みんな楽しそう。
ヘンテコだからのプログラム。

「振付ってなんだ?」(斎藤綾子)

斉藤さんは大学で舞台芸術の舞踊を学ぶ。関西を拠点にダンサーとして活動されている。私はオブザーバーで参加させていただく。理屈よりも身体で感じながら理解する方が良いのか、いきなり関節を動かす運動が始まる。

「ゆるクラブ」(田中千尋、丸山るか)

田中さんは「鳥の劇場」(鳥取県鹿野町)で俳優を目指しながら制作アシスタントをされている。シェアハウスの住人丸山るか(CAT4年生)ちゃんと、江原河畔劇場のイベントで知り合い、意気投合。

リラックスした雰囲気で「ゆるく踊る」ことを楽しむ時間。
音楽は静か〜に、静か〜に、鳴る。
藤井風だったり、インドネシアの音楽だったり。
音楽と空間を楽しみながら3時間。

脱力して、ゆるく、時には倒立しながら、身体と向き合うそんな日でした。

ヘンテコウィークのインスタレーション

「一次的二次創作」(作:」辻田康晴)
会期:10月11日〜20日 17:00〜20:00 (水曜日お休み)
場所:友田酒造(江原)

創作には垣根があるのか。創作に必要なことはあるのか。
一時的なことと二次的なこと、あるいは三次的なこととは。
(ヘンテコウィーク2024 案内冊子より)

辻田康晴君は芸術文化観光専門職大学の3年生(2期生)。専門の照明の知識経験を活かしたインスタレーション。

古い酒蔵の中で「光」と「水」と「香り」が織りなす不思議な空間。
訪れた人はプラのコップを受け取り、会場に入って自由に水を入れ、好きな場所に置く。以前の人が置いたコップを移動しても良い。何度繰り返しても水は変わらない。質もトータル量も。誰かが置いたコップは誰かによって動かされ、あるべき場所は変化する。香りを出す煙は赤青緑の光線を浮き立たせる。

何が一次的?何が二次的?を問う。

超・盛りだくさんで、超・ユニークで面白い(ヘンテコウィーク2日目)

ヘンテコ2日目は、清々しい朝の光を浴びながら始まった。
ヘンテコ案内所(シェアハウス江原101)の裏側は円山川堤防。

9:00
二人芝居「忘れてしまったことなど」(コココーララボ。出演:松田弘子、山内健司)人と天使のお喋りの短編演劇。

シェアハウスを設計プランしている時から描いていた「屋外の舞台」がここに実現た想い。
空き家→リノベーション→シェアハウス→空間の活用→屋外との連携
私としてもとても嬉しい瞬間でした。

10:00
ヘンテコ・フリーマーケット。出店者と通りすがった人のためのゆるゆるしたマーケット。

15:30
言語遊戯「HESOVIDEO」(へそビデオ)第1回世界大会 in 江原
これが一体なんなのかさっぱりわからない。だから面白い。
これぞ本当にヘンテコだ。

ファシリテーターは俳人の岩田奎くん。(今や俳句界の若手ホープ)
「へそ」にも「ビデオ」にも意味は無し。説明不可能。

お題(例)「ふろしき」が出るとその単語の前か後ろに単語を連ねる。2人対決で、観客が面白いと思う方に手を挙げ多数決で勝負を決める。全くナンセンスなのだが、やっているうちにのめり込んでくるから不思議なものです。

19:00
「日高かるた選考お披露目会」(日高地区コミュニティきらめき日高チャレンジ補助金事業)

日高地区のかるたを作りたいとの江原住民の熱い想いと群馬県で有名な「上毛かるた」の日高版を作りたいと思っていた群馬出身のシェアハウス住人の思いが一致して実現しました。

夏休みの宿題として日高小学校と日高東中学校の生徒に募集して400以上の句が集まる。その中から厳選してお披露目となった。
選考委員は、岩田奎(俳人)・加藤進吾(江原住民)・櫻井拓斗(群馬出身)・竹内ミズキ(ヘンテコ企画者)。
(かるた選考の、プロあり、創造性あり、ユーモアあり、実績あり、の最良メンバーです)

ますます期待が膨らむヘンテコな2日目でした。

ヘンテコウィーク始まる〜オープニングパフォーマンス

スローガン「人に惹かれる。まちが好きになる。」。
江原・日高が好きになる新しいフェスティバル「ヘンテコウィーク」がいよいよ始まりました。

オープニングは江原の「立光寺」さん。時は夕方の6時。
境内に椅子を並べて大勢のご近所さん、江原の住民、金融機関の日高支店の人たち、同僚の学生たちが集まる。

何やらお神輿を担ぐ衣装を纏った男子がウロウロとし始める。

突然、男子たちが踊り出す。
一体何が始まるのか!?

今回のヘンテコを企画したシェアハウスの学生と江原の青年たち(30〜40代)が12名が出演。9月から時々集まって秘密(?)の特訓を重ねて本番を迎えたという。(息子Sも出ているなんて私は全く知りませんでした。)

境内にモーツァルトのピアノ曲が流れ、

「私は◯◯です! ◯年前に江原に帰ってきました! 家族は妻と息子一人、娘一人、祖母との5人暮らし! 仕事は◯◯! 空き家が増えた江原ですが自分たちの力で住んで楽しい江原にしていきます!!」

と、一人ひとりが順番に大声で叫ぶように自己紹介をしていく。(なかなか感動的)
一人終わる度に、大きな拍手が沸き起こる。

こんなシーンが江原で見られるなんて!

江原もなかなか捨てたもんではないな。
企画した学生たちも大したもんだ。

ヘンテコウィーク、大いに期待してます。
本日11日より10月20日まで毎日、江原のどこかで何かヘンテコなことが行われています
「ヘンテコ案内所」は、シェアハウス「江原101」(豊岡市日高町江原101)。
案内所に行けば、プログラムや見どころもすぐにわかります。
ぜひ、覗いてみてください。