「芸術文化観光研究センター」(2024年4月設立)主催のシンポジウムに参加。
芸術文化観光専門職大学が開学して4年が経とうとしている。来年3月に一期生が卒業する。「芸術文化観光」という3つの単語が並ぶ大学。果たしてこの3つはどのように結びつき、その結びつきが何を実現するのか、とても興味を持って市民として関わってきました。
副題に「豊岡演劇祭を中心に」とあるので、その「社会的インパクト」にもとても注目していたので、芸術的、経済的な価値、効果も含めた総合的な評価を確認する良い機会となりました。
「豊岡演劇祭2024」の最終レポートはまだ公式には発表されていないので、おおよその増減傾向などの数字は口頭で説明があり、ゲストの大久保広晴氏からは、観劇の感想などを聞くことができました。
特に関心のある箇所をピックアップすると、
・豊岡演劇祭の財源構造(2023年度)
– 開催費合計 1億2000万円
– 豊岡市の負担 5,900万円(内、一般財源50万円)
– 地方創生推進交付金2950万円(50%)、企業版ふるさと納税2000万円(34%)、
個人版ふるさと納税880万円(15%)
– その他(6100万円)
– 文化庁、県補助金、周辺自治体からの委託金、チケット、グッズなどの収入
これを見ると、豊岡市の一般会計からは50万円(に、過ぎない)。
市の負担額のほとんどは交付金、ふるさと納税など、国やふるさと納税などの支援をいただいて成り立っている。兵庫県や他市町との連携も大切にしなければならないのは理解できます。
私たち民間ができるところはしっかりやっていきたい。
チケット売上、宿泊サービス、グッズ販売、さらに商工会議所、商工会、観光協会などの経済団体や各地元企業が、戦略的な発想のもと、強力なバックアップを行うことが大切と考えます。ひいてはそれが企業、地域経済にもフィードバックされ、さらに芸術文化体験・交流、経済的活力として市民に還元されていくことになる。なんとかこの理想を実現したいものです。
力づけられるアンケート結果の報告もありました。
「豊岡市を文化芸術の盛んなまちと思う」
32%(2016年) → 56%(2024年)
「豊岡演劇祭など国内外の文化芸術を通じた交流が活発と思う」
9.2%(2016年) → 40.8%(2024年)
残念な結果も一つ。
「市民・団体による文化芸術活動が活発でないと思う」
22.5%(2016年 → 33.3%(2024年)
高齢化とコロナによる活動の休止、グループの解散などで衰退が顕著である、という現実も。
「おんぷの祭典」を通じて音楽仲間、愛好家、身近に音楽を楽しむ、こんな活動も活発にしていきたい。人口減少を嘆くのではなく、生活の質、楽しみ、新たな出会いを高めるそんなネットワークを広げていきましょう。