玄武洞を舞台に(鈴木忠志演出)

今年の9月に「第1回豊岡演劇祭」が開催される。コロナ感染の最中、その動向が気になっていましたが「開催(予定)」と聞いてホッとしている。その目玉は「鈴木忠志演出の公演」。(鈴木忠志大ファンの私にとって間違いなく目玉なのだ)。

鈴木忠志さんは、1960年代から「早稲田小劇場」を主宰、1976年に拠点を富山県利賀村に移し、劇団SCOTと改称し、世界演劇祭「利賀フェスティバル」主催。
私は学生時代から鈴木忠志のファンで、早稲田小劇場、岩波ホールでのギリシャ悲劇シリーズ、第1回利賀フェスティバルにも行きました。

その下見をするために1月に続いて、2回目の現地確認に同行させていただいた。

舞台と照明について指示を出す鈴木忠志氏。

内容について、この時点で公表の是非がわからないので詳細は控えますが、玄武洞を背景にした野外公演となる。
鈴木忠志演出の舞台が豊岡で観られる。
どんな舞台になるのか今から楽しみです。

ベートヴェン「運命」〜ピアノとダンスの初顔合わせ

城崎国際アートセンター(KIAC)「おんぷの祭典」のコラボによるピアノとダンスのパフォーマンスの稽古がいよいよ始まった。その初日の顔合わせと稽古に立ち会いました。

ダンスは森下真樹さん。振付家・ダンサー、世界30都市でソロ作品を上演、「ダンスカンパニー森下スタンド」を主宰。東京や他の都市での公演をもっと早く観たかったのですが、コロナの影響で全てキャンセル。やっとKIACでご挨拶できました。

ピアノは碓井俊樹さん。東京芸術大学を経て、ザルツブルグ・モーツァルテウム芸術大学で研鑽。ウィーンと東京を拠点に世界中を飛び回り演奏活動。「おんぷの祭典」の音楽監督としてもう6年ぐらい親しくさせていただいる。

今回は、ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』全楽章をピアノの演奏で踊る。
初稽古を見学させていただき、その期待は膨らむばかりです。

公演は、
日時 : 2020年7月26日(日) 14:00〜
会場 : 城崎国際アートセンター・ホール
料金 : 1,000円
問合せ: KIAC(9:00〜17:00) tel : 0796-32-3888

豊岡市文化講演会〜平田オリザさん

豊岡市文化協会主催の講演会に参加。
講演テーマは『文化都市豊岡の街づくりの展望と地域文化活動の役割』。

コロナ感染対策の自粛や規制により、生活、経済の停滞は勿論、芸術活動も大きな打撃を受けている。本来、災害や病いなど、大きな苦しみの助けにもなるはずのアートの活動が止まっている危機感の話題から始まる。二つ(阪神淡路、東日本)の大震災のあと100年、200年前に作られた唱歌や馴染みの音楽に癒され、地域に伝わる祭りや芸能で絆を確かめた。今、文化活動が止まると100年後にも影響する。

今年9月に第1回目として始まる「豊岡演劇祭」のビジョンは、5年でアジアNo. 1に、数年で世界で認知される演劇祭になる。演劇祭の成功の3つの鍵は、特徴ある舞台がある。(市民会館、城崎国際アートセンター、永楽館、江原川畔劇場など)、宿泊施設が完備(城崎温泉、神鍋高原の民宿など)、ネットワーク(劇団活動やオリザさん自身など)。豊岡は全て揃っている。

会場から「県立芸術観光専門大学の卒業生はどんな仕事に就くのか?」の質問。
答えとして、
「観光より」としては、①城崎・神鍋など旅館・宿泊業などの経営、②観光関連として「観光行政」「観光戦略専門家」など。
「芸術より」としては、③文化行政、文化庁、文化政策、劇場経営など、④作家、演出家、役者などプロとして活躍。

参加者は、豊岡市の文化団体(音楽関係、美術、書道茶道など)の人たち。みなさん頷きながら講演を聴いていらっしゃいました。

「がっせぇアート展」が10周年を迎えた

記事にするタイミングを逸しましたが、先日10月6日まで(豊岡稽古堂にて)、10月9日まで(但馬13ヵ所の展示場所)にて、「がっせぇアート展10周年記念展」が開催された。「がっせぇアート」を主宰している茨木ご夫妻とは30年以上のお付き合い、娘の朝日ちゃん(「ちゃん」ではなく「さん」だな)の作品もずっと小さい時から観てきた。

NPO法人を立ち上げ、さらに積極的に活動されているのは凄いことだといつも鑑賞させていただいている。東京・表参道でのアート・ストリート展でギャラリーを紹介させていただいたことが、楽しい思い出。

新しい作者も加わっているという。毎回、カラフルで、緻密で、おおらかで、ユーモアがあって、驚くようなアイデアで、仰天してしまう、素晴らしい作品が鑑賞できるのが楽しみです。

展示の仕方を工夫すると作品が全く違った魅力を発揮するのでは、人の胸を打つ作品として評価も上がるのでは、とそんな可能性を思いながら鑑賞しました。

※ 特定非営利活動法人がっせぇアート

“shuffleyamamba”〜余越保子ダンス作品

久しぶりに観た本格的な舞踏(私はそう呼びたい)と音楽と映像が入り混じったパフォーマンス。学生時代に観た芝居や暗黒舞踏、音楽とパフォーマンスの公演を思い出す。

演出は余越保子氏。3年前にKIAC(城崎国際アートセンター)で滞在創作活動をしている時に訪れた「永楽館」に興味を持ち、以来、この舞台を想定して制作・演出したのが今回の演目。

公演後のトーク。(左から2人目が余越保子さん、3人目がゲルシー・ベルさん)

英訳された古事記にヒントを得て制作した『SHUFFLE』(2003年、ニューヨークで初演)と世阿弥の「山姥」のストーリーをシャッフルさせるという試み。日本の古典芸能における女性像をテーマに繰り広げられる。

実際に出演し、共同演出、音楽を担当したGelsey Bellさんの音楽も素晴らしかった。効果音、役者の背中に縛り付けた小型ラジオ(スピーカー)から流れでる音。ゲルシーさんの歌、謡曲、どれも面白く、素晴らしい。パフォーマンスと音楽とが高度に結びついた見事な舞台だった。

今年も「仕舞体験教室」〜観世喜正さんに感謝

今年で3回目を迎えた「仕舞体験教室」。
私の妻は第1回目から連続参加し、毎年楽しみにしている。

指導は、観世流能楽師の観世喜正 氏。観世喜正さんは、幼少の頃から父・喜之さんと一緒に但馬・丹後での舞台に何度も出演されている。そんな関係で、家元ご本人が東京と行き来しながら指導していただく。(こんな有難いことはありませんね)

豊岡市民会館自主事業として企画されている。今後の取組方針、予算の関係は分かりませんが、日常から少し遠くなって行ききつつ「能」という日本文化を継続、楽しめる文化的活動はぜひ存続して欲しいものですね。

観世さんによる解説と舞付のあと、「子どもコース」の発表。興味を持って本格的にお稽古をしている子どもさんも登場。みんななかなかの舞ぶりでした。
演目は、「草子洗小町」「岩舟」。

「大人コース」の演目は、「羽衣」と「猩々」。
一巡した後に、観世喜正さんと一緒に舞う。

鉄とサボテン、紅一点

今月初めに開催された「がっせぇアート応援チャリティ展」で購入したサボテンの寄せ植え。

今回の主役は、花器。錆びた鉄で造られたシンプルなもの。作家は丹波篠山の近藤鉄工房の近藤明さん

驚いたのは、気がつくと赤い花が咲いた。
最初は、何かにくっ付いていたプラスティック製のフェイクを誰かがいたずら心でくっ付けたのかと思ったが、なんとホンモノ。

鉄に囲まれて、紅一点。
周囲とマッチしているからお気に入り。
このサボテン、調べて見ないといけないな。

豊岡演劇祭へ向けて

実現に向けてstep-by-step。

「世界演劇祭」と(仮称)「国際観光芸術専門職大学」の関係はお互いを補完し合う素晴らしい構想。

実現に向けて着々と進む。

神鍋高原で世界演劇祭を夢見て

平田オリザさんと劇団「青年団」が豊岡市へ移住、移転と聞いた時は、感激と衝撃の二重奏だった。そして、旧豊岡市商工会館が劇団に払い下げられ、劇場に生まれ変わる2020年を機に、「世界演劇祭」を豊岡市、特に日高町を中心に開催しようとの企画がある。

現在、劇場周辺の江原駅前ゾーンの将来構想が語られているが、演劇祭の会場としては、神鍋高原も入っている。

「世界演劇祭」と言ってもピンと来ないのでは、と思い私が昨年体験した「利賀村演劇フェスティバル」の報告会を行った。

集まっていただいたのは、神鍋地域の民宿、ペンション、スキー場などのオーナー、経営者。そして、公民館の方、市の観光関連担当、興味を持つ神鍋住人の方々。

まずは、「利賀村って何?」ということで、その場所、演劇村となった劇団SCOTの主宰者で演出家の鈴木忠志氏を紹介。

「世界の果てからこんにちは」鈴木忠志・作演出

利賀芸術公園の中の野外劇場での公演の様子も報告。

グルメ館

演劇祭開催中の来場者の食事、歓談、集会場所となる。

グルメ館内部

「こんなの神鍋にあったらいいなあ」と報告。
神鍋によく似合う風景だ。

新利賀山房(磯崎新設計)

神鍋には茅葺きはないけど、どこか神鍋の風景とダブル。
神鍋高原で世界演劇祭を夢見て。

祝・鶴屋南北戯曲賞受賞〜平田オリザさん

平田オリザ氏(左)、光文文化財団理事長・武田真士男氏

「第22回日本ミステリー文学大賞」(光文文化財団)の贈呈式・祝賀会に出席。
「光文三賞」の他に、最優秀新作戯曲に贈られる「鶴屋南北戯曲賞」があり、平田オリザさんが受賞される。帝国ホテルの孔雀の間で盛大に開催されました。

平田オリザさん、受賞おめでとうございます。

受賞した戯曲は「日本文学盛衰史」(高橋源一郎・原作)。

北村透谷、正岡子規、二葉亭四迷、夏目漱石の4人の葬式の通夜の席を舞台に、日本近代文学の作家たちが集まり繰り広げられる。明治時代以降の国民国家形成とタブラせながら、文学者たちがユーモラスに、皮肉たっぷりに、その国民の本音をあぶり出す。

「この作品を城崎国際アートセンター(豊岡市)で制作しました」とご挨拶。「もっともっと過激な作品も手がけたい」と、これからの戯曲家としての意欲も表明。

私も、城崎国際アートセンターでの公演、そして原作者の高橋源一郎氏とのトークショーにも間近で楽しみました。

2021年からは「兵庫県立専門職大学」の学長としての活動も待ち受ける平田さん。公人として、私人としての活躍を益々期待しています。

「光文三賞」(光文文化財団)は、ミステリー文学の振興と演劇界の活性化を目的とするもの。

今回の受賞者は、写真右寄り
日本ミステリー文学大賞    綾辻行人
日本ミステリー文学大賞特別賞 権田萬治
日本ミステリー文学大賞新人賞 辻 寛之 「インソムニア」
鶴屋南北戯曲賞        平田オリザ「日本文学盛衰史」

祝賀パーティでは、一気に盛り上がる。

選考委員の赤川次郎さんが、平田オリザさんのテーブルにやってきて、平田ファミリーとの記念撮影。さらに、原作者の高橋源一郎さんもお祝いに駈けつけて来られました。

さすが文学賞の祝賀パーティ。経済人のパーティとは、雰囲気が違う。

劇団「青年団」の人もたくさん参加し、豊岡市での再会を約束。一昨日の豊岡市での平田オリザさん新築地鎮祭の続き、今度は東京でのお目出度い席でご一緒させていただく。