『城嵜霊場縁起』〜市民舞踏団も凄い!

待ちに待った舞踏公演『城嵜霊場縁起』
大駱駝艦・田村一行さんと大駱駝艦舞踏家4名、そしてこのために昨年結成された市民舞踏団14名による公演。2018年に始まり9作目となる公演。私は8作品を観たことになる。但馬風土記と題し、但馬各地の民話、言い伝えを基に田村一行さんが舞踏として再構築していく。

但馬に住んでいる私にとって「知っている」「訪ねたことがある」「当たり前」の風景や物語が全く異なった次元で現れ、非日常の世界へと誘ってくれる。

昨年6月、但馬コネクションのゲストとして田村一行氏をお招きし「但馬を踊る」と題してお話をお聴きしたのを思い出す。公演舞台の撮影ができないのが誠に残念(当然のことですが)。

今回の舞踏の題材となった城崎温泉に伝わる伝説や温泉作法などは温泉寺の小川住職さんからお話を聞いたそうだ。

「市民舞踏団」として動き出した我々は、これからも豊岡の日常のすぐ隣に広がる無限なる別世界への旅を続けねばなりません。その旅の片鱗をお見届けくださることを、どうか今後も楽しみにしてくだされば幸いです。
(豊岡市民プラザ公演プログラムの田村一行氏挨拶文より)

もちろん大いに楽しみにしています。

1回限りの公演はあまりにも勿体ない。
来年の公演には麿赤兒さんも出演かも、との噂も。
「もっともっと多くの市民に舞踏を観てもらいたい」と市民プラザの岩崎さんにも具申。
今から来年が楽しみだ。

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アップしようかやめておこうか迷ったけど。
大駱駝艦主宰の麿赤兒さんと田村一行さんに挟まれて。
これは一生ものです。

大乗寺をご案内〜聚光院様ご一行

高野山真言宗 亀居山大乗寺(山門下より)

久しぶりの大乗寺(兵庫県美方郡香美町)へ。

京都・大徳寺の聚光院のお世話されているご一行13名様と共に参拝。
聚光院のご住職様も同行されています。

聚光院は臨済宗大徳寺派の寺院
千利休のお墓があり、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家歴代の墓所となっている。

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大乗寺収蔵庫

ご案内を大乗寺の山岨眞應(やまそば・しんのう)副住職にしていただく。円山応挙の作品の特徴、本来在る部屋から観る襖絵の本来の美、薄暗い自然光だから見えてくる筆の線、部屋の柱と襖絵が連動した構図、など解説なしでは気づかない案内に一同感動頻り。

最後は特別に、普段は鑑賞できない本物が収納されている収蔵庫の中を案内していただく。応挙の本物の襖絵を暗くした(本来の明るさ)の中で鑑賞。
格別のご案内に山岨副住職様には感謝いたします。

3日間の日程で聚光院のご一行様が但馬に来られるというので、ご案内をさせていただく。
旅程も含めて城崎温泉のお宿、出石の永楽館、豊岡での昼食会場、そして3日目最後に、自宅にお招きして、お茶を一服差し上げる。

鳥の劇場新作公演2024

鳥の劇場(鳥取市鹿野町)の新作公演を観劇。
(いつか行きたい、と思っていた「鳥の劇場」観劇がやっと実現)

今回のプログラムは『卒塔婆小町』『弱法師』。三島由紀夫「近代能楽集」の中のニ作品。

「鳥の劇場」の公演は初めて。主宰者/演出家の中島諒人さんとは、利賀村フェスティバルや東京吉祥寺シアターなど鈴木忠志さん関連の場で何度かお会いしたことがあり、やっと本拠地へ伺うことになりました。

『卒塔婆小町』も『弱法師』も1時間足らずの短い公演ですが、ストーリーと演技がギュッと詰まった素晴らしい舞台。久しぶりに心から感動。(もっと早く鳥の劇場に来ておくべきだった思うほど)

アフタートークに参加。演出の中島諒人さんから今回の作品を取り上げた経緯、演出しながらその三島の作品の理解が深まったこと、演劇の持つ奥深さなど、とてもわかりやすく解説を聞く。全て納得するお話。

『卒塔婆小町』の老婆役の阿部一徳(SPAC静岡県舞台芸術センター俳優)氏の演技のお話をとても興味深く聞く。「入れ込む」とは何か?テクニカルなことではなく、感情でもなく、言葉でもなく、、、説明がなかなか難しいですが、セリフを発する時の想像力か。

13:30、15:30からの二本立て。もちろん日帰りの観劇。鳥取市は意外と近い。もっと足繁く行きたいところ。

CAT学生による「江原101」「豊岡演劇祭」そしてこれから

シェアハウス「江原101」に住むCAT学生の思いを近隣地域の人たちに伝える集いを開催しました。会場は中田工芸(株)本社の2階会議室。

当初は、シェアハウスのご近所さん、江原区の区長さん、金融機関の日高支店長さんなどを想定して計画。普段、顔を合わし挨拶したり、地区の行事に誘ったり、空き家情報と学生とのマッチングなどをイメージ。

シェアハウスのM君がパワポでお話をする。

最初に、シェアハウス「江原101」の紹介。
・2022年8月ができた経緯
・2024年1月に新しくオープンしたシェアハウスの報告
・両シェアハウスに住むCAT学生の簡単な紹介。
・但馬コネクションの会場として。セッションの様子。
・2023年の江原地区の行事に参加。
 – 夏祭りの駅前広場で「お化け屋敷」
 – 秋祭りの御神輿担ぎ
 – 秋の地区別運動会で活躍

次に、「豊岡演劇祭2023」で江原101でのイベントについて報告。フリンジ公演、劇団出演者とのトーク、物販、コーヒ試飲会など1週間で900人近い人たちが訪れたのは驚きです。

最後に、今後の活動予定。
卒業後も豊岡に残って活動していく決意などのお話も出る。

数人の集いのつもりが、約25名の皆さんが集まり、プレゼン終了後もそれぞれが個別に情報交換をする。有意義な時間でした。

「クロニクル MONOCHROME CIRCUS」公演

結成33周年を迎えた記念公演「クロニクル MONOCHROME CIRCUS」。
会場「京都府立文化芸術会館」(上京区東桜町1)へ向かう。
今公演にはシェアハウス江原101の住民でCAT学生の山瀬茉莉さんが出演する。

1900年に結成し関西のコンテンポラリーダンス界の一翼を牽引してきたMonochrome Circus。その結成33周年を記念して、’90年から’06年までの作品群をダイジェストでお贈りします。
(33周年記念公演 チラシより)

開場すると客席への入り口でピアニカ(鍵盤ハーモニカ)を吹きながら迎えてくれる出演ダンサーの人たち。自然体、楽しい、自由な、そんな感じが伝わってくる。

MONOCHROME CIRCUSは、主宰する坂本公成さんのもと1990年に結成。学生時代(京大)の演劇からダンスに軸足を移す。1996年から「ダンスを出前する旅」を開始。美味しい食事と引き換えにどこでもダンスをするというコンセプトで世界を旅する。

今公演は「第一部」では主催者の坂本さんと初期メンバーの方との対談(舞台を挟んで左と右で会場全部を使うように)形式で、結成の経緯、ダンスの出前旅の思い出など。とても面白い。「第二部」は、本格的なコンテンポラリーダンスを抜粋で。鳴り響く大音響と共に踊る肉体。強烈に飛び込んでくる。学生時代に観た「暗黒舞踏」の体験が蘇る。

出演した茉莉ちゃんが帰ってきたら、ゆっくりとコンテンポラリーダンスの表現について色々と聞いてみたい宿題もいただいたようだ。

京都まで来てよかった、と思う素敵な公演でした。

学生演劇『四畳半神話大系』

小説家・森見登美彦の『四畳半神話大系』を芸観大(芸術文化観光専門職大学)の学生が舞台化。
会場:豊岡市民プラザ。
主催:但馬旅人生活拠点。

「新設大学一期生がぢ学生の苦悩を描く」
「本物の学生による笑って泣ける学生劇」
「当時私たちは、ピカピカの芸観大一回生であった」
学生演劇 『四畳半神話大系』チラシより

芸観大の学生8名(男子4名、女子4名)で繰り広げる四畳半の現実と幻想の世界。脚本・演出そして主役の「私」まで全てをやった尾崎元海さんが素晴らしい。3時間(休憩15分)の超大作をずっと舞台で演じ切る。膨大なセリフを機関銃のように吐き出し、舞台を上り下りする。そのクリエイティブでエネルギッシュな演出と演技に圧倒さる。

他の登場者7名の演技も素晴らしい。1期生から3期生まで混じっていると後で確認をしたが、それぞれ(たぶん)猛稽古した成果が出ている。演技に引き込まれていく。

芸観大の創設以来、キャンパスやこの市民プラザでやる学生の演劇を観てきたが、私が思うには今回の演劇はここまでの一つの到達点のような気がする。脚本・演出、舞台制作、役者は、それぞれ異なるが、この3年間の彼らの表現したい欲求、創造性、パワーの質、量とも上がってきているのは確実。これからも楽しみにしたい。

舞踏 但馬風土記『城嵜霊湯縁起』〜大駱駝艦・田村一行舞踏公演

大駱駝艦・田村一行さんの舞踏公演が今年も2月にやってくる。

豊岡市民プラザ自主事業で今年で9回目。
(うち7回は観ている)毎年楽しみにしている公演。

振り返れば毎年この時期にこの舞踏公演のことを書いている。私が舞踏に嵌まった経緯は昨年の『但馬夜話蒐集録』〜舞踏 但馬風土記 に書きました。初めて観た衝撃は今でも忘れられない。

昨年6月にも但馬コネクションのゲストとしてお迎えし『但馬を踊る』というテーマで講演いただく。予定時間超過する熱い熱いお話でした。

このシリーズは市民参加型の公演が特徴。毎回、何人かの知人・友人も出演。今年はシェアハウス「江原101」に住んでいるRちゃんが出演する。さてさて、どんな身体表現か、今から楽しみにしています。

舞踏公演、未体験の方もぜひ観に行きましょう。

舞踏 但馬風土記 『城嵜霊湯縁起』
2024年2月18日(日) 14時開演
豊岡市民プラザ

一般2,000円 大学生1,000円 高校生以下 無料

『トロイアの女』〜SCOT吉祥寺公演

初めて『トロイアの女』を観劇したのは、今からもう50年近くなる。

東京神田の「岩波ホール」、演出は鈴木忠志(当時、早稲田小劇場)。
出演は、観世寿夫、市原悦子、白石加代子、蔦森皓祐ら。
(私の記憶には蔦森さんが一番残っている。その蔦森さんとは2018年の利賀村で再会。「また来年」とご挨拶して別れたのに、翌年亡くなり再会ならず。)

そして今回は吉祥寺シアターでの『トロイアの女』。利賀村で毎回お顔を拝見する著名人、劇団SCOTの俳優さんなどと少し声を交わす。

鈴木忠志トーク

昨年9月に利賀村でお会いして以来。なんだかいつもよりも若く見える(現在84歳)。
ご本人は「あと2年は頑張る」などと毎回お話されながら、今回上演の意義、経緯を聴く。

利賀村でもう30年にわたって上演され続けた『世界の果てからこんにちは』を映像で観る。「日本がお亡くなりになりました」のセリフに鈴木忠志さんの心情と信条が込められている

「まだやっておきたい作品がある」
「あと2年との思いが私の日常を支える」

まだまだ鈴木忠志さんの演出作品を観続けたい。

芸観大生がやって来た!〜たじたび★但馬ツアー

「芸観大生」、つまり「兵庫県立芸術文化観光専門職大学」の略称。
英語名称は、「Professional College of Arts and Tourism」略称「CAT」(シーエーティー)

正式名称が長いので、普段なんて呼ぼう?どう書こう?結構悩む。
地元で関心を持っている人同士ではCATでほぼ通るが、CATと言ってもピンとこないのも現実。そんな意味で「芸観大」はいいですね。

余談から始まってしまいました。

芸観大の学生劇団「但馬旅人生活拠点。」が主催。
「但馬に演劇を届けたい、世界に但馬を届けたい」という想いで但馬産の作品創作をする学生たち。

3部構成となっている。

第一部は『反復かつ連続』という演劇作品。
撮影禁止なのでお見せできない。音楽で言えば多重録音で一人で演奏して曲を作っていくような作品。シュールな作品だが、3回反復した後、最後の反復でバッハの曲が流れ、過ぎ去った賑やかな日々を回顧するシーンで終わる。なかなか憎い(見事な)演出でした。

第二部はレクリエーション。
カードにそれぞれが「ウハハ」の体験をカードに書く。心で、身体で感じた「ウハハ」(嬉しい、ワクワク、予期せぬ感動など)を集めて「ウハハ・シティ」を最終公演で立ち上げる試み。

江原河畔劇場2階フロア

第三部は、おはなし会。
HIBOCOの会のメンバーが加わって、演劇のこと、大学のこと、地域のこと、ウハハのこと、などの情報交換。

地域の人はどんな学生たちなのか、知りたい、出会いたい。
学生は但馬こと知りたい、訪ねたい。

たびたじの但馬ツアーは始まったばかり。
12月但東、1月出石、養父、豊岡、2月竹野、香美、新温泉と続く。
詳しくはこちら(オンライン予約)

芸観大の学生たちと出会ってみてはいかがですか。

「城崎松声會」〜秋の謡曲會

「城崎秋の謡曲會」に妻が出演。
テキサスの友人たちと一緒に聴く。

今年で86年を迎える謡曲グループ「城崎松声會」のメンバー。
指導は坂田文一郎さん。

先日の京丹後市安養寺での「蝋燭能」の折に「能」に興味を持つ人が減っていく中でいかに継承していくのかという課題が話題になりました。伝統の継承に「謡曲」が一役を果たしているのだろう、と思いながら聴き入る。

妻の【番組】(プログラムのこと)は『竹生島』。

メンバーが順にシテ、ワキにまわりながら、朝10時から午後3時40分まで続く。

今年の会場となったのは城崎「蓮成寺本堂」(れんじょうじほんどう)。