ツバキ 白玉〜ひっそりと

ツバキ 白玉(ツバキ科)
名とイメージの一致するのは蕾。小ぶりの蕾が、丸くて白い。花の咲き始めは開き切らない筒咲きながら雄しべは、やや展開する。蕾の色や形は加茂本阿弥に似るも、一回り小さい。古くから茶花に好まれ、森富夫氏によれば、白玉椿の名は室町時代、堺の天王寺屋宗達の茶会記に四回出るという。
『花おりおり その五』 湯浅浩史・著

どうもツバキは我が家の庭では育たないジンクスがある。確かにここぞという場所に植えていないというハンディ(?)はあるものの、普段からあまり目にすることがない。妻も茶花にツバキをと庭に出るが、どうもこれぞというのがなくて残念がっていることが多い。

サルビア・メキシカーナ〜調べると様々な記録があるんだ

サルビア(シソ科)
近年は春から出回るが、低温な秋にはより色鮮やか。萼も花弁も緋色に燃え、秋天に映える。日本では一年草だが、原産地ブラジルをはじめ、凍らない暖地では多年生で、低木状に茂る。園芸品種の花の白、ピンク、暗赤紫色に加え、同属には、ブルーサルビアやキバナアキギリ、紫色のセージも。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

秋のこの時期、庭で咲く花がグッと少なくなる。
2階ガーデンの隅っこでこっそりと咲いているのがこのサルビア。何年か前に植えたのが年を越してこの秋も咲いた。

画像ソフトPicture Thisで調べるとサルビア・メキシカーナ。サルビアの種類。

サルビア・メキシカーナは、1833〜1834年にフランス人によってメキシコで採取された7種のサルビアのうちの一つ。(こんな記録が残っているんだ)1978年にカルフォルニア大学の植物園に導入したのが、園芸種になるきっかけとされている。

イヌタデ〜見て知ってるけど詳しく調べると

イヌタデ(タデ科)
標準和名よりも「赤まんま」の呼び名で親しまれる。かつて、秋のままごと遊びで、赤飯に見立てられた。花穂(かすい)に紅く色づいた米粒ほどの蕾が並ぶ。萼片(花被)も紅く、花後もその色を保って果実を包む。刺し身のツマに使われる芽タデのヤナギタデに比べ辛みがなく、劣る意の「犬」がつく。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

草ぼうぼうに混じってさくイヌタデ。草刈りすると一緒に刈ってしまうし、放っておけばこうなるし、なかなか難しい。

「花おりおり」の解説では、難しい言葉がいくつかあるので調べておこう。

花穂(かすい)〜花柄が無いかまたは短い花が、一本の軸に群がりついている花序。
花序(かじょ)〜花軸についている花の配列状態。花軸の下位から上位へと順次開花する無限花序と、主軸の頂端からかいへと開花していく有限花序に大別される。
萼片(がくへん)〜萼を形成するおのおのの烈片。

花を構成する名前は知っているようで正確には知らない。萼(がく)や雄しべ、雌しべなどの種類、数などを記号と数字で表したものを「花式」という。(この言葉も知らなかった)

タカサゴユリ〜豪華だけど咲く場所がちょっと

タカサゴユリ(ユリ科)
タカサゴユリはテッポウユリに似るが、茎が比較的太く丈夫で、丈が 1.5m ほどに生長するものもある。花期は7 – 9月、花長は 15-20cm、直径は 5cm より大きめと、テッポウユリよりも大型になる。また葉が細く、花は白を基調とするものの薄い紫色の筋が入り、花被片は6枚で(やはり根元がつながっている)、外側の花被片は橙褐色になり、花は横向きだが少し下に傾くことが多いとされる。
Wikipedia より

昨日のオトコエシと同じ空き地のフェンス横でポツンと咲くタカサゴユリ。

台湾固有種で、台湾の古称「高砂」に由来する名前。
1924年に園芸用に輸入された帰化植物。

高速道路法面などに植えられたそうなので、その延長線でこの道路脇フェンスで咲いているのだろう。繁殖力が強く駆除の対象になっている。

可愛らしい、では済まないのが現実なんですね。

オトコエシ〜名前の由来が面白い

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オトコエシ(オミナエシ科)
花よりも蕾に目が向けられた。それは対をなす名の花オミナエシに通じる。『倭名類聚鈔』はオミナエシは花が蒸粟のごとしか、と述べる。確かにアワバナと呼ぶ方言も多い。対して本種の白い蕾を米とみて、女にたとえられたアワよりも、力がつくと男をつけたのであろうか。鼻は臭く、漢名は敗醤。
『花おりおり その三』 湯浅浩史・著

女郎花(おみなえし)は知ってたけど、男郎花(おとこえし)は知らなかった。
粟(あわ)に例えられたオミナエシに対して、米(こめ)に見立ててオトコエシと名付ける、とあるが判るような判らないような。

いつも通っているフェンス横に自生していたオトコエシ。近所の花屋さんに名前を教えていただいた。さすが花屋さんだと感心してしまった。

オリヅルラン〜吊り鉢が似合う

オリヅルラン(ユリ科)
雰囲気のある名に、吊り鉢が似合う。葉の集まりから四方にランナー(走出枝)がのび、その先に咲く子株は、折り鶴のよう。子株を地面に降ろせば、容易に根づき、ふえる。栽培はやさしく、室内で育てられる。花はランナーの先に咲く。ランと名がつくがユリ科で、南アフリカ原産。明治に渡来。
『花おりおり その二』 (湯浅浩史・著)

観葉植物ではよく見かけるオリヅルラン。

『花おりおり』の解説にある通り、吊り鉢がよく似合う。
シュシュっと伸びる葉がフワッと垂れ下がるように成長し、クルクルと鉢を巻いていく。逆に、吊るさないとどうなるのか?と思う。原産が南アフリア、渡来したのが明治、というのは意外だが、また違うイメージが湧いてくる。

嫌味がなく、爽やかな印象が好きだ。
昨年の12月から育てているが、「折り鶴」の名の由来の子株がまだ出てこない。これからなのだろうか?

イワダレソウ〜グランドカバーに適している

イワダレソウ(クマツヅラ科)
今、この植物が意外な場所で活用されだした。それは都会のビルの屋上。岩垂れ草の名のように、本来の生育地は暖地の海岸の岩場や砂地。暑い砂上をはって茂る能力が屋上緑化に向く。しかも、海浜植物では少ない浅根性で、荷重上厚く土壌を使えない既存のビルにはぴったり。ただ強い耐寒性はない。
『花おりおり その五』 湯浅浩史・著

ずばり「グランドカバーに適し、雑草が生えてくるのを抑えてくれる」。この言葉に関心を持つ。ただ、それを知って購入したり、意図的に植えたわけではないのですが、広場の土を入れ替えた時に、その土に種か苗がくっついていたのかもしれない。

さらに詳しく調べると、いろいろと注意も必要なことがわかってきました。

イワダレソウはクマツヅラ科・イワダレソウ属に分類される日本産の植物です。元々のイワダレソウは、海の浜の砂場に似た所に這いながら育ちます。日本では、伊豆半島から南西諸島の海岸側にかけて分布しています。

クラピアは、宇都宮大学の教授であった倉持仁志さんにより日本産のイワダレソウを用いて品種改良したのが「クラピア」です。クラピアの生長っぷりは芝生の約10倍にも昇ります。そのためグランドカバーに利用される機会が多いです。

外来種もありヒメイワダレソウと呼ばれています。ヒメイワダレソウは東南アジアからペルーの亜熱帯地域に自生しています。世界中では約200種類もの品種があることが確認されています。ヒメイワダレソウは野生化が警戒されている品種で、生態系被害防止外来種リストに指定されました。その理由にはヒメイワダレソウが日本の生態系の被害を及ぼす危険性があるとしたからです。

引用元:Green Snap 「イワダレソウの花言葉|種類や意味、花の特徴は?」より

外来種のヒメイワダレソウは日本の生態系に被害を及ぼす危険性があるので、外来種か日本産かをしっかり区別することが大切。

品種改良した「クラピア」はOKなので、こちらを探してみる価値はありそう。芝生の10倍のスピードで広がる、というのは、広場の草刈りに奔走している現状には有効そうだ。

すぐに咲いた!〜イセハナビ

今月初めの和歌山の旅で立ち寄った「南方熊楠記念館」(白浜町)で手に入れたイセハナビ。「熊楠が好んだ」の解説を見て(つい)購入しました。寄付箱に200円入れ、ご希望の方はお持ち帰りください、というもの。

鉢に植え替え3階の花棚に置く
どんな植物かも知らなかったが、もう一輪の花が咲いた。

どんな植物か調べた時に「花は夏から秋に、薄赤紫色の唇形の花を咲かせます」との説明。確かに、季節は今、色も解説どおり、唇形というのは?(こんな感じを言うのでしょうか)

よく観ると、花の下側には蕾が付いている。どんどん開花してくるよう。なかなか愛くるしいイセハナビ。いい出会いです。

イセハナビ(伊勢花火)って?

これがイセハナビ
初めて聞く名前であり、もちろん見るのも初めて。

先日訪れた南方熊楠記念館」(和歌山県白浜町)のロビーで出会う。記念館運営基金にする寄付箱の横に数個置いてあるのを見つける。「欲しい方は寄付箱に200円を」との説明文。さらに「南方熊楠が好んだ」との記述。この記述に反応してしまいました。

「キツネノマゴ科の中国原産の草」との解説だが、もっと知りたいのでネット検索。
すると面白い記事を発見。

・和名はイセハナビ(漢字表記で「伊勢花火」)。なぜ「伊勢」なのか?
・漢名が「日本黄◯草」「日本馬藍」というように接頭語に「日本」が付いている。日本が原産?
・命名者(西洋人)が、初めて目にしたのが日本だったから?

などの記述。(参考にしたのはこちら

熊楠は知ってたのかな?
(牧野富太郎だったら答えられたでしょうね)

イセハナビとの出会い。
枯らさないように。
生長するのが楽しみになりました。

元気!〜トキワシノブ

トキワシノブ(シノブ科)
原産地:日本、東アジア
大きさ:背丈15~30cm、横幅15~35cm
苔玉が流行りだして一気にポピュラーになる。シダ植物らしい切れ込みの多い葉が涼しげで、フサフサな根も見所のひとつ。

瑞々しい。
新しい葉がどんどん伸びる。

お互いに競うように陽を求めて。

我が家の観葉植物の中でも、異彩を放つトキワシノブ。