フリージア〜どこからやってきたの?

フリージア(アヤメ科)
甘い香りを放つアヤメ科の球茎花。暖地で生産された早咲きの花は、香りと明るい色で春を運んでくる。花は白、黄、ピンク、赤、紫の各系統があり多彩。八重咲きや大輪も作られる。ただ、ただ、八重咲きや大輪の花は改良の過程で芳香が弱くなる傾向も。原種は南アフリカ・ケープ地方に数種類知られる。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

広場の一番隅っこに見つけたフリージア。
鮮やかな黄色が目に入らなかったらおそらく気づかなかったかも。
周囲にはカラスノエンドウやササやドクダミや蔓植物が蔓延している。
植えた覚えがないが、どこからやってきたのだろうか。

「森の薬草店 iroca」って?

時々通る道の傍にある普通の民家。特に注目するわけでもなく通り過ぎる。そんな田舎のなんでもない場所にオープンしたのが、

「森の薬草店 iroca」
兵庫県豊岡市日高町荒川254-2
0796-21-9138

“森の薬草店 iroca
日本の四季から生まれる多彩な色と豊かな香りを探求し、自然の植物を活用した商品や生活の知恵を皆様にご提供します。 また、個別カウンセリングなどを行なっています。 食事・栄養のこと、植物療法でのケアの相談も受けています。”
「facebook」 より

経営するのは「一般社団法人 ソーシャルデザインリガレッセ」(代表 大槻恭子)。
隣接地で、
・訪問看護
・看護小規模多機能居宅介護
の事業をされている。
大槻さんは、地域に対して積極的に働きかけて、介護福祉、医療連携、健康促進などの事業を展開。とても気になる存在。リガレッセの建物は、古民家をリノベーションした素敵な空間。

民家のリノベーションを設計したのは、若手建築家集団「ガラージュ」。シェアハウス「江原101」など、豊岡地区でも積極的に建築設計を展開しています。コンセプトと設計プロセスを大切しながら、素敵な空間を創りだす。

オープンのこの日は、エントランスでダンス・パフォーマンス。出演は、CAT学生の山瀬茉莉さん。シェアハウス「江原101」の住民でもある。
ハーブ・野菜畑を背景に舞う水の妖精。音楽は、同じくCAT学生、江原101住民の櫻井拓斗くん。

サクラ満開の中「薬草店 iroca」オープンに相応しい、清々しく爽やかなタクマリのパフォーマンスでした。

ヒメオドリコソウ〜早春に踊る

ヒメオドリコソウ(シソ科)
裏作がされない田畑で、ところによっては、春に本種の花畑が出現する。古くからそこに存在するように溶けこんでいるが、明治の中頃に、ヨーロッパからやって来た帰化植物。花が小さいながら踊り子を思わせるあでやかさ。抜くには忍びなかったのだろうが、名に似合わず、繁殖力は旺盛である。
『花おりおり その二』 湯浅浩史・著

裏の広場にニョキニョキと出現。淡い紫色の「踊り子たち」が地面を覆うように咲いている。

もう少し離れてみるとこんな感じ。

クリスマスローズ〜どうしてクリスマス?

クリスマスローズ (キンポウゲ科)
ローズといってもバラではない。クリスマスごろに花を咲かせる種があるので、そう呼ばれるが、むしろ春咲きが多い。キンポウゲ科の多年草で、花びらのように大きいのは萼片。花弁は、花の中心にある黄色の小さな部分。蜜を出す鱗片は長く姿をとどめ、緑色に変わる。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

クリスマスと言いながら、2〜3月の早春に咲き、ローズと言いながらバラではない。
なんとも理解しにくい名前ですね。いろいろ調べてみるとレンテンローズと呼ぶべきか。

レンテンローズは春咲きのクリスマスローズで、花言葉は「大切な人」です。クリスマスに咲く「クリスマス・ローズ」と呼ばれるヘレボルス・ニゲル(学名)とよく似ています。
レンテンローズは、キリスト教の受難節(レント)の時期に咲くことから名付けられました。ヨーロッパ原産で、2月から3月頃に白やピンク色の花を咲かせます。

日本の園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス (Helleborus orientalis、ハルザキクリスマスローズ) なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。別名雪起こし、寒芍薬(カンシャクヤク)の和名も持つ。
Wikipedia

強健で育てやすい、とあるがそれは実感する。
ほぼほうったらかし。猛暑を耐え抜き、雪に埋もれようがこの時期になると大きな花を咲かせてくれる。

ツバキ 白玉〜ひっそりと

ツバキ 白玉(ツバキ科)
名とイメージの一致するのは蕾。小ぶりの蕾が、丸くて白い。花の咲き始めは開き切らない筒咲きながら雄しべは、やや展開する。蕾の色や形は加茂本阿弥に似るも、一回り小さい。古くから茶花に好まれ、森富夫氏によれば、白玉椿の名は室町時代、堺の天王寺屋宗達の茶会記に四回出るという。
『花おりおり その五』 湯浅浩史・著

どうもツバキは我が家の庭では育たないジンクスがある。確かにここぞという場所に植えていないというハンディ(?)はあるものの、普段からあまり目にすることがない。妻も茶花にツバキをと庭に出るが、どうもこれぞというのがなくて残念がっていることが多い。

サルビア・メキシカーナ〜調べると様々な記録があるんだ

サルビア(シソ科)
近年は春から出回るが、低温な秋にはより色鮮やか。萼も花弁も緋色に燃え、秋天に映える。日本では一年草だが、原産地ブラジルをはじめ、凍らない暖地では多年生で、低木状に茂る。園芸品種の花の白、ピンク、暗赤紫色に加え、同属には、ブルーサルビアやキバナアキギリ、紫色のセージも。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

秋のこの時期、庭で咲く花がグッと少なくなる。
2階ガーデンの隅っこでこっそりと咲いているのがこのサルビア。何年か前に植えたのが年を越してこの秋も咲いた。

画像ソフトPicture Thisで調べるとサルビア・メキシカーナ。サルビアの種類。

サルビア・メキシカーナは、1833〜1834年にフランス人によってメキシコで採取された7種のサルビアのうちの一つ。(こんな記録が残っているんだ)1978年にカルフォルニア大学の植物園に導入したのが、園芸種になるきっかけとされている。

イヌタデ〜見て知ってるけど詳しく調べると

イヌタデ(タデ科)
標準和名よりも「赤まんま」の呼び名で親しまれる。かつて、秋のままごと遊びで、赤飯に見立てられた。花穂(かすい)に紅く色づいた米粒ほどの蕾が並ぶ。萼片(花被)も紅く、花後もその色を保って果実を包む。刺し身のツマに使われる芽タデのヤナギタデに比べ辛みがなく、劣る意の「犬」がつく。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

草ぼうぼうに混じってさくイヌタデ。草刈りすると一緒に刈ってしまうし、放っておけばこうなるし、なかなか難しい。

「花おりおり」の解説では、難しい言葉がいくつかあるので調べておこう。

花穂(かすい)〜花柄が無いかまたは短い花が、一本の軸に群がりついている花序。
花序(かじょ)〜花軸についている花の配列状態。花軸の下位から上位へと順次開花する無限花序と、主軸の頂端からかいへと開花していく有限花序に大別される。
萼片(がくへん)〜萼を形成するおのおのの烈片。

花を構成する名前は知っているようで正確には知らない。萼(がく)や雄しべ、雌しべなどの種類、数などを記号と数字で表したものを「花式」という。(この言葉も知らなかった)

タカサゴユリ〜豪華だけど咲く場所がちょっと

タカサゴユリ(ユリ科)
タカサゴユリはテッポウユリに似るが、茎が比較的太く丈夫で、丈が 1.5m ほどに生長するものもある。花期は7 – 9月、花長は 15-20cm、直径は 5cm より大きめと、テッポウユリよりも大型になる。また葉が細く、花は白を基調とするものの薄い紫色の筋が入り、花被片は6枚で(やはり根元がつながっている)、外側の花被片は橙褐色になり、花は横向きだが少し下に傾くことが多いとされる。
Wikipedia より

昨日のオトコエシと同じ空き地のフェンス横でポツンと咲くタカサゴユリ。

台湾固有種で、台湾の古称「高砂」に由来する名前。
1924年に園芸用に輸入された帰化植物。

高速道路法面などに植えられたそうなので、その延長線でこの道路脇フェンスで咲いているのだろう。繁殖力が強く駆除の対象になっている。

可愛らしい、では済まないのが現実なんですね。

オトコエシ〜名前の由来が面白い

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オトコエシ(オミナエシ科)
花よりも蕾に目が向けられた。それは対をなす名の花オミナエシに通じる。『倭名類聚鈔』はオミナエシは花が蒸粟のごとしか、と述べる。確かにアワバナと呼ぶ方言も多い。対して本種の白い蕾を米とみて、女にたとえられたアワよりも、力がつくと男をつけたのであろうか。鼻は臭く、漢名は敗醤。
『花おりおり その三』 湯浅浩史・著

女郎花(おみなえし)は知ってたけど、男郎花(おとこえし)は知らなかった。
粟(あわ)に例えられたオミナエシに対して、米(こめ)に見立ててオトコエシと名付ける、とあるが判るような判らないような。

いつも通っているフェンス横に自生していたオトコエシ。近所の花屋さんに名前を教えていただいた。さすが花屋さんだと感心してしまった。

オリヅルラン〜吊り鉢が似合う

オリヅルラン(ユリ科)
雰囲気のある名に、吊り鉢が似合う。葉の集まりから四方にランナー(走出枝)がのび、その先に咲く子株は、折り鶴のよう。子株を地面に降ろせば、容易に根づき、ふえる。栽培はやさしく、室内で育てられる。花はランナーの先に咲く。ランと名がつくがユリ科で、南アフリカ原産。明治に渡来。
『花おりおり その二』 (湯浅浩史・著)

観葉植物ではよく見かけるオリヅルラン。

『花おりおり』の解説にある通り、吊り鉢がよく似合う。
シュシュっと伸びる葉がフワッと垂れ下がるように成長し、クルクルと鉢を巻いていく。逆に、吊るさないとどうなるのか?と思う。原産が南アフリア、渡来したのが明治、というのは意外だが、また違うイメージが湧いてくる。

嫌味がなく、爽やかな印象が好きだ。
昨年の12月から育てているが、「折り鶴」の名の由来の子株がまだ出てこない。これからなのだろうか?