ブランディングと建築

今回の岩手への仕事旅は「コーポレート ブランディングと建築展」の見学。
主催者「ジュークアンリミテッド株式会社」加藤瑞紀社長にお会いするのが最大の目的。

会場は「岩手教育会館ふれあいギャラリー」。
盛岡城跡に面していて道のこちら側は石垣の城壁が美しい。
「映画館通り」商店が並ぶ「大通り」、そして城壁を囲む道路のスケールが気持ちい。
これも城下町(南部藩南部氏)の持つ歴史と生活文化の豊さからくるものだろう。

創業して7年目にして、岩手県のみならず他県でも着実に実績を上げている「ジュークアンリミテッド」は、ある機会に知ってからとても気になる会社として私の中にありました。
ブランディング(ソフト)とファクトリー建築(ハード)を結びつけて(本来、別々のものではないのですが)プロデュースする会社ってどんなのだろう、と。

一例が、先日に滋賀県で訪問した(株)シンコーメタリコン様(「ご縁あって企業見学」)。

オープン・ファクトリー(見せる工場)、産業観光などのキーワードで注目を浴びる「ものづくりカンパニー」を意識し、実現していこうと確信する訪問となる。

岩手県への仕事旅

いわて花巻空港ロビーからの眺め

岩手県盛岡市へ仕事の要件で訪ねる。

私にとって岩手は2回目の訪問になるが、前回はもう30年近く前のことで記憶がほとんどない。その時は、安比高原(あっぴこうげん)のブナの二次林の視察でした。ブナの森を伐採した後、自然の力で再生したブナの林。当時は弊社の木製ハンガーの材料は東北地方(主に秋田、青森)から調達していました。新たな可能性として岩手の安比高原の視察であった。

メインが安比高原だったので、盛岡市内ではお昼に「冷麺」を食べたのを記憶しているぐらい。なので、今回の盛岡への旅はとても楽しみにしていました。

大阪空港から「いわて花巻空港」へ到着。
空港の広告パネル見て、まずは岩手の概要、お薦めスポットを確認。

岩手と言えば、宮沢賢治、石川啄木がすぐに頭に浮かぶ。新渡戸稲造、後藤新平も岩手なんだ、と再認識。

東北自動車道で花巻から盛岡へ。
直線区間が長く、制限速度120kmなのがより開放感を感じる。
第一印象が「空が広い」。(但馬が狭いのかな?)

盛岡へ到着、ホテルにチェックイン、街に出ると「映画館通り」。
人口30万人の盛岡市のスケールを感じながら街を歩く。

ご縁あって企業見学(滋賀県湖南市)

近江八幡のホーム・コンサートのご招待を受けてやってきた滋賀県。
滋賀県と言えば以前から一度訪問させていただきたい企業があったので、急なアポをお願いして立ち寄りました。

溶射の(株)シンコーメタリコン。「溶射」は、金属の表面に溶融した金属やセラミックを材料の微粒子などを吹きつけて皮膜を作る特殊な技術を要する。ジェット機エンジンのハネ、高速道路の液晶表示版のフレームなど、大型機材、インフラなど安全性、耐久性を求められるものに対し防錆や表面硬化をするのが目的、と説明を受けて納得。自動車や医療機械など小さい部品までカバーする。

(株)シンコーメタリコンさんは「人を大切にする経営」をモットーに社員待遇に力を入れている。賃金給与はもちろん、働き方改革、女性活躍推進、手厚い福利厚生(特に社員旅行は全て海外旅行、お小遣いも出る!)、資格手当、誕生日手当、部活動支援、社会地域活動など、どれも半端でない実行されている。

代表取締役の立石豊氏とは、経営コンサル会社(大阪)主宰の「経営者倶楽部」で一緒に学ぶ関係で親しくさせていただいた方。

2023年5月に新工場(オープンファクトリー)を完成される。このプロジェクトを担当されたデザイン設計会社ジュークアンリミテッド(株)(盛岡市)の社長とも多少のご縁あり。

ということで、今回の訪問のきっかけとなりました。

本社ビルに寄り添うカシの木

江原駅東口前にある本社。
玄関を挟んで、西側と北側の狭い花壇に植えたカシの木。
特に北側(玄関左側)のカシの木は全面ガラスの壁を通してオフィス内から見える。
直接日差しは入らず、デスクから青空が透けて見えたり、時々野鳥がとまったり。

西側のカシの木は、西陽が差し込むのを適度に抑えてくれる。

2年に一度ぐらいの頻度で伸びた枝の剪定をする。

1985年に竣工した本社ビルも、来年で築40年となる。
カシの木もずっと元気に育ってくれて、益々愛着が湧いてくる。


鳥取県の木工会社視察

木製ハンガーがメインなのですが、その関連製品として轆轤(ろくろ)技術やNCを使って削る部品など、我が社で全て製作することはできない。現在、会社近隣で4社の木工会社に協力していただきながら生産体制を組んでいる。

が、それぞれ職人の高齢化、機械の更新、発注数増減など、不確実、不安定な課題を抱えているのが現状。そこで、色々と情報を集めて、新たに木工関連企業、金属加工企業、その他材料・資材の取り扱い企業など、新たなネットワークを構築する必要がある。

今回は鳥取県の木工会社を訪問し、工場の見学をさせていただく。社長と面談する中で、なんと40数年前に我が社と取引をしていたことが判明。(私は駆け出しの頃、言われてみればなんとなく記憶がある)。

この会社のメインの製品はグランドゴルフのクラブ。大手スポーツメーカーからの注文で、間違いなく日本最大のシェアでしょう。塗装技術も素晴らしい。

お互いの現状のニーズ、可能性を確認しながら、なんとか前向きに話を進めていこうと確認。

兵庫県産業振興功労賞

令和6年度兵庫県功労者として表彰していただきました。

防災、消防、自治、福祉、学術教育、文化、農林水産、など22部門の中の「産業振興」部門で表彰いただきました。今年度の表彰者は全部門で211名。そのうち「産業振興」部門は26名。

商工会議所、商工会、組合などの功労に対する受賞者が多い中で、企業経営を対象に表彰いただけたのはより嬉しく思います。
と同時に、これからも会社経営をしっかりと次世代にバトンタッチしていかねばならないと肝に銘じる。

表彰式は5月31日に兵庫県公館で行われました。
普段、あまり県政(県庁)とも関わりのないので、この近辺を訪れるのは初めて。
この兵庫県公館は、明治35年(1902年)に兵庫県本庁舎として建設される。会議室など各部屋も威厳があり、広いのがとても印象的。

貴重な体験でした。

総会〜お弁当こうのとりの里

協同組合「お弁当こうのとりの里」の総会を開催。
私は専務理事として総会の進行役を務める。

豊岡市の企業が出資して、社員福利厚生として昼食ランチのお弁当を提供するために設立した協同組合。現在、但馬最大の昼食お弁当を調理し各企業にデリバリーしている。創業して56年になる。
「お弁当こうのとりの里」は創立50周年

近年の人口減少(企業就業者数も減少)、コンビニ利用や軽食傾向の昼食、お弁当持参など、食の多様化が進み、食数は減少傾向にある。経営環境が大きく変化する中で、厳しい決算を迎える。と同時に、これからのお弁当ビジネスをどのようにしていくのか、議論する。

弊社の強みは、
(1)当日調理(朝5時から調理を開始)、出来立てのお弁当をデリバリー(但馬一円に。遠方に  は9時前には配車した自動車が出発していく。
(2)カロリー計算をしてバランスの良い献立。
(3) 可能な限り安全安心な地元食材を活用。

もっともっと価値をアピールしいこう。近日中にホームページを立ち上げて、利用者にも新規さんにも、メニューなどを掲載していく予定です。

総会の後の懇親会。理事が集まり、それぞれの業界や企業の近況報告を行う。理事は製造業、IT関連、土木建築業、観光産業などに属する企業、団体のトップ。但馬の経済情勢、人材確保、外国人受け入れなど有意義な情報交換の場となりました。

第70期へ〜経営方針大会

創業78年を迎えた会社は第70期を迎える。(法人化して70年)
3代目社長から経営方針が発表される。

10年前の経営方針大会で当時の幹部が発表した30年後のNAKATA HANGERとギターのマーティン社(アメリカ)というプレゼンを引き合いに、10年経っての評価を語る。

2023年にロンドン・サビルロウで紹介されたNAKATA HANGERは、その後順調に顧客(ファン)を伸ばしている。

本年度より取り入れる「マイスター制度」の説明。生産現場からスタートし、営業職にも取り入れる。技術だけでなく、態度、信頼も重要な要素となることを説明する。

チャレンジなくして、何も始まらない(生まれない)。
本年度のスローガンは「やってみよう」。

第70期がスタート

会社は4月決算、つまり本日5月1日は、第70期のスタートの日となります。

1946年4月(昭和21年)に父・敏雄が創業したハンガー・メーカー(中田工芸)として、今年は78年目を迎えました。私の祖父・要太郎が商売(荒物屋/中田要商店)を始めた1917年(大正6年)から数えると107年目となる。

木製ハンガーを作るきっかけとなったのは、太平洋戦争敗戦直後、満州(当時父は陸軍に属す)から帰還した父が、祖父が始めた荒物屋の店番をしている時に、木製ハンガー職人が店頭に営業に見えたのが、運命の出会いとなり、木製ハンガー創業の始まりでもあった。

そう考えると、祖父が始めた商売(荒物屋)から現在の会社が興ったとも言えます。ハンガー創業78年ですが、我が家の生業としてカウントすると創業107年となる。

創業の話はともかくとして、この本社屋は今年で築39年(1985年竣工)を迎える。私もこのツツジの向こうに見えるガラス壁を背に経営を行ってきました。

良い決算の時も、厳しい決算の時も、この満開のツツジが「今年もやるぞ!」と元気づけてくれる。

輪島塗の復興を願って

NAKATA HANGERの特別バージョンとして輪島塗のハンガーを製作、販売をしています。日本の伝統工芸である輪島塗と洋服と共に西洋からやって来たハンガーのコラボレーション。

輪島塗をお願いしているのが岡垣漆器店(千舟堂)さん。お正月明けにさせていただいた支援のお礼にと岡垣祐吾社長が来社されました。

1月1日の能登半島大地震で甚大な被害を受けた輪島とお世話になっている岡垣漆器店さんと漆器塗りの職人さんたちを支援しようと、不足する緊急物資とわずかながらの支援金をお送りしました。

岡垣社長のお話で正月の地震の時「家具は倒れるのではなく、飛んでくる」という発言は衝撃でした。そして、その後の現地の復旧状況、今後の輪島塗の動向などのお聞きする。

資金的な援助も重要ですが、漆職人さんたちからは「しごと」が必要とのこと。完全復旧はまだずっと先になるけど、漆塗りを絶やさないためにも、仕事(漆塗りハンガー)の注文も継続することをお約束する。

豊岡高校校長室にて校長先生と

以前にもこのブログでご紹介しましたが、岡垣社長の曽祖父は兵庫県立豊岡高校の校歌を作詞した岡垣徹治氏

私の母校である豊高の校歌と共に何か深いご縁を感じます。