経営方針大会〜第70期下期

11月は中田工芸(株)下期がスタートする。(上期下期の年2回の経営方針大会)

近年そうなんですが、今期に入って会社見学の依頼をたくさんいただき、多くの見学者をお迎えしました。それは、ハンガーの製造工程の見学ばかりではなく、弊社の経営方針と働き方改革の取り組みに興味を持っていただいているものと思います。

様々な問題を抱える製造業(業種を選ばず)。人手不足、コスト高、人口減少による市場の縮小、グローバルな経済環境の激変などなど。量と安価の競争原理から付加価値勝負へと移行しています。

この時代の変化と流れの中で、ものづくりのこだわりを直接ユーザーに見てもらう「オープンファクトリー」が注目されている。有名な新潟県燕三条の会社を見学したことがあります。
(株)諏訪田製作所  (爪切り)
マルナオ(株)    (箸)

これをもう一歩進めて、会社そのものを評価していただくことが大切だとの認識で「オープンカンパニー」を目指そうと、社長が表明をしました。

現在、組織の見直しを行い、部課を廃止し、チーム制に移行する取り組みをしています。海外進出も順調に進み、アジアの香港、シンガポール、台湾。さらに昨年よりロンドンへのアプローチが順調に進んでいます。社員は、20代、30代社員が増え、タイ人(国際線CA経験者)も迎え、インバウンド、海外の顧客の掘り起こしにも力を入れています。

NAKATA Art Display in London

今年は冒険家の植村直己さんが北米のデナリ(旧呼称マッキンリー)で消息を絶って40年に準えて、新しいことをやろう!チャレンジ!と呼びかける。新たに、パリへの展開も計画する。

創業200周年のお祝い

1824年(文政7年)に創業した鞄の会社。
豊岡市地場産業であるカバンの一番老舗企業のエンドー鞄(株)さん。
創業200周年記念祝賀会にご招待いただきました。

遠藤社長は、高校の同級生で昔からの親しい友人。お互いに経営者として切磋琢磨し、良い時も苦しい時も励まし合った仲。200年と言う年月の時代変化を乗り越えて存続する企業。順調な時代、苦しい時代もあったと思うが見事に変化に対応された経営に敬意を表します。

190周年の祝賀会では友人代表で挨拶をさせていただき、今回は記念品に弊社のハンガーを指名していただきました。感謝。

100年以上前にエンドー鞄で製作された柳行李。
新製品の超軽量キャリーバッグ(白)と新しい試みとして漆を塗ったキャリーバッグを紹介する遠藤社長。

記念公演。
『一つの地球で暮らせる社会を創りたい』
石田秀輝氏(サスティナブル経営推進機構理事長、東北大学名誉教授)

地球が持つ「自然修復能力」が人間の搾取(文明、ライフスタイル)に追いつかない。席中の人が日本人と同じ生活をすれば2.8個の地球が必要。つまり、現在の4割の環境負荷で暮らさなければ地球は保てない。

資本主義(産業革命)は二元論。科学で自然を分析できる、心と身体は別物。
日本の文化は一元論。用とは物心への用。(物心は二相ではなく不二。→ 惣 (字は物+心)

示唆に富む講義。現在の暮らし方、価値観では立ち行かなくなる。
テクノロジー、経済システムなど大いに考えさせられました。

ブランディングと建築

今回の岩手への仕事旅は「コーポレート ブランディングと建築展」の見学。
主催者「ジュークアンリミテッド株式会社」加藤瑞紀社長にお会いするのが最大の目的。

会場は「岩手教育会館ふれあいギャラリー」。
盛岡城跡に面していて道のこちら側は石垣の城壁が美しい。
「映画館通り」商店が並ぶ「大通り」、そして城壁を囲む道路のスケールが気持ちい。
これも城下町(南部藩南部氏)の持つ歴史と生活文化の豊さからくるものだろう。

創業して7年目にして、岩手県のみならず他県でも着実に実績を上げている「ジュークアンリミテッド」は、ある機会に知ってからとても気になる会社として私の中にありました。
ブランディング(ソフト)とファクトリー建築(ハード)を結びつけて(本来、別々のものではないのですが)プロデュースする会社ってどんなのだろう、と。

一例が、先日に滋賀県で訪問した(株)シンコーメタリコン様(「ご縁あって企業見学」)。

オープン・ファクトリー(見せる工場)、産業観光などのキーワードで注目を浴びる「ものづくりカンパニー」を意識し、実現していこうと確信する訪問となる。

岩手県への仕事旅

いわて花巻空港ロビーからの眺め

岩手県盛岡市へ仕事の要件で訪ねる。

私にとって岩手は2回目の訪問になるが、前回はもう30年近く前のことで記憶がほとんどない。その時は、安比高原(あっぴこうげん)のブナの二次林の視察でした。ブナの森を伐採した後、自然の力で再生したブナの林。当時は弊社の木製ハンガーの材料は東北地方(主に秋田、青森)から調達していました。新たな可能性として岩手の安比高原の視察であった。

メインが安比高原だったので、盛岡市内ではお昼に「冷麺」を食べたのを記憶しているぐらい。なので、今回の盛岡への旅はとても楽しみにしていました。

大阪空港から「いわて花巻空港」へ到着。
空港の広告パネル見て、まずは岩手の概要、お薦めスポットを確認。

岩手と言えば、宮沢賢治、石川啄木がすぐに頭に浮かぶ。新渡戸稲造、後藤新平も岩手なんだ、と再認識。

東北自動車道で花巻から盛岡へ。
直線区間が長く、制限速度120kmなのがより開放感を感じる。
第一印象が「空が広い」。(但馬が狭いのかな?)

盛岡へ到着、ホテルにチェックイン、街に出ると「映画館通り」。
人口30万人の盛岡市のスケールを感じながら街を歩く。

ご縁あって企業見学(滋賀県湖南市)

近江八幡のホーム・コンサートのご招待を受けてやってきた滋賀県。
滋賀県と言えば以前から一度訪問させていただきたい企業があったので、急なアポをお願いして立ち寄りました。

溶射の(株)シンコーメタリコン。「溶射」は、金属の表面に溶融した金属やセラミックを材料の微粒子などを吹きつけて皮膜を作る特殊な技術を要する。ジェット機エンジンのハネ、高速道路の液晶表示版のフレームなど、大型機材、インフラなど安全性、耐久性を求められるものに対し防錆や表面硬化をするのが目的、と説明を受けて納得。自動車や医療機械など小さい部品までカバーする。

(株)シンコーメタリコンさんは「人を大切にする経営」をモットーに社員待遇に力を入れている。賃金給与はもちろん、働き方改革、女性活躍推進、手厚い福利厚生(特に社員旅行は全て海外旅行、お小遣いも出る!)、資格手当、誕生日手当、部活動支援、社会地域活動など、どれも半端でない実行されている。

代表取締役の立石豊氏とは、経営コンサル会社(大阪)主宰の「経営者倶楽部」で一緒に学ぶ関係で親しくさせていただいた方。

2023年5月に新工場(オープンファクトリー)を完成される。このプロジェクトを担当されたデザイン設計会社ジュークアンリミテッド(株)(盛岡市)の社長とも多少のご縁あり。

ということで、今回の訪問のきっかけとなりました。

本社ビルに寄り添うカシの木

江原駅東口前にある本社。
玄関を挟んで、西側と北側の狭い花壇に植えたカシの木。
特に北側(玄関左側)のカシの木は全面ガラスの壁を通してオフィス内から見える。
直接日差しは入らず、デスクから青空が透けて見えたり、時々野鳥がとまったり。

西側のカシの木は、西陽が差し込むのを適度に抑えてくれる。

2年に一度ぐらいの頻度で伸びた枝の剪定をする。

1985年に竣工した本社ビルも、来年で築40年となる。
カシの木もずっと元気に育ってくれて、益々愛着が湧いてくる。


鳥取県の木工会社視察

木製ハンガーがメインなのですが、その関連製品として轆轤(ろくろ)技術やNCを使って削る部品など、我が社で全て製作することはできない。現在、会社近隣で4社の木工会社に協力していただきながら生産体制を組んでいる。

が、それぞれ職人の高齢化、機械の更新、発注数増減など、不確実、不安定な課題を抱えているのが現状。そこで、色々と情報を集めて、新たに木工関連企業、金属加工企業、その他材料・資材の取り扱い企業など、新たなネットワークを構築する必要がある。

今回は鳥取県の木工会社を訪問し、工場の見学をさせていただく。社長と面談する中で、なんと40数年前に我が社と取引をしていたことが判明。(私は駆け出しの頃、言われてみればなんとなく記憶がある)。

この会社のメインの製品はグランドゴルフのクラブ。大手スポーツメーカーからの注文で、間違いなく日本最大のシェアでしょう。塗装技術も素晴らしい。

お互いの現状のニーズ、可能性を確認しながら、なんとか前向きに話を進めていこうと確認。

兵庫県産業振興功労賞

令和6年度兵庫県功労者として表彰していただきました。

防災、消防、自治、福祉、学術教育、文化、農林水産、など22部門の中の「産業振興」部門で表彰いただきました。今年度の表彰者は全部門で211名。そのうち「産業振興」部門は26名。

商工会議所、商工会、組合などの功労に対する受賞者が多い中で、企業経営を対象に表彰いただけたのはより嬉しく思います。
と同時に、これからも会社経営をしっかりと次世代にバトンタッチしていかねばならないと肝に銘じる。

表彰式は5月31日に兵庫県公館で行われました。
普段、あまり県政(県庁)とも関わりのないので、この近辺を訪れるのは初めて。
この兵庫県公館は、明治35年(1902年)に兵庫県本庁舎として建設される。会議室など各部屋も威厳があり、広いのがとても印象的。

貴重な体験でした。

総会〜お弁当こうのとりの里

協同組合「お弁当こうのとりの里」の総会を開催。
私は専務理事として総会の進行役を務める。

豊岡市の企業が出資して、社員福利厚生として昼食ランチのお弁当を提供するために設立した協同組合。現在、但馬最大の昼食お弁当を調理し各企業にデリバリーしている。創業して56年になる。
「お弁当こうのとりの里」は創立50周年

近年の人口減少(企業就業者数も減少)、コンビニ利用や軽食傾向の昼食、お弁当持参など、食の多様化が進み、食数は減少傾向にある。経営環境が大きく変化する中で、厳しい決算を迎える。と同時に、これからのお弁当ビジネスをどのようにしていくのか、議論する。

弊社の強みは、
(1)当日調理(朝5時から調理を開始)、出来立てのお弁当をデリバリー(但馬一円に。遠方に  は9時前には配車した自動車が出発していく。
(2)カロリー計算をしてバランスの良い献立。
(3) 可能な限り安全安心な地元食材を活用。

もっともっと価値をアピールしいこう。近日中にホームページを立ち上げて、利用者にも新規さんにも、メニューなどを掲載していく予定です。

総会の後の懇親会。理事が集まり、それぞれの業界や企業の近況報告を行う。理事は製造業、IT関連、土木建築業、観光産業などに属する企業、団体のトップ。但馬の経済情勢、人材確保、外国人受け入れなど有意義な情報交換の場となりました。

第70期へ〜経営方針大会

創業78年を迎えた会社は第70期を迎える。(法人化して70年)
3代目社長から経営方針が発表される。

10年前の経営方針大会で当時の幹部が発表した30年後のNAKATA HANGERとギターのマーティン社(アメリカ)というプレゼンを引き合いに、10年経っての評価を語る。

2023年にロンドン・サビルロウで紹介されたNAKATA HANGERは、その後順調に顧客(ファン)を伸ばしている。

本年度より取り入れる「マイスター制度」の説明。生産現場からスタートし、営業職にも取り入れる。技術だけでなく、態度、信頼も重要な要素となることを説明する。

チャレンジなくして、何も始まらない(生まれない)。
本年度のスローガンは「やってみよう」。