久しぶりの心斎橋

「大丸そごう東入る」。当時のこの通りの呼び名。
今はもう「そごう」はないが、変わらぬ通りの佇まい。ゴジャゴジャっとしたお店と電線、狭い歩道。

「当時」とは、昭和50年代。私は大学を卒業し、京都に本社があるディスプレイ関連会社に就職し、大阪支店勤務となった。この通りにある支店から、毎日毎日この通りを行き来しながら働く。今でも、この通りを歩くと当時のことが蘇ってくる。

この通りにある老舗蕎麦店「浪花そば」。店の構えは当時と全く変わらない。今回もやはり昼食はここにしないといけない。変わらぬ美味しさ。大阪で蕎麦ならここ。ぜひ、行ってみていただきたい。

当時の仕事は、百貨店の店舗設計、什器、マネキン・ボディなどのディスプレイを提案し、実際に搬入搬出を行う営業の仕事。私はこの心斎橋大丸の担当。上部の外装は違うが、この煉瓦調の本店ビルは変わらない。

何年経ってもここに来ると、「当時」のことが記憶に蘇る。

キンモクセイ〜秋の甘〜い香り

キンモクセイ(モクセイ科)
この花の香りと共に秋を思い出す人もいよう。ある日突然、強烈な自己主張を始める。漢名は丹桂。丹は橙黄色の花を表し、桂はカツラではなく、モクセイ類の総称。中国・桂林はそれらの茂る街。日本のキンモクセイは雑株とされ、まず結実しない。ウスギモクセイなどには暗紫色の実がなる。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

青空をバックにオレンジ色が映える。まん丸い枝ぶりに無数に咲く。徐々にと言うよりも満開になって気づく。

裏の畑の塀際にある我が家のキンモクセイ。昔は祖父祖母の住んでいた家の陰になってひっそりと咲いていたが、4年前にその家を撤去してからは陽光をたっぷりと浴びてスクスクとマルク、マルク成長している。

「交通まちづくり」って最重要

神戸新聞但馬懇話会に参加。
テーマは『「交通まちづくり」の新展開〜コンパクトシティ・MaaS・統合的政策』。
講師は宇都宮浄人 氏(関西大学経済学部教授)。

ポイントとして

大都市圏周辺と地方圏の衰退悪循環
「地域衰退」⇆「マイカー依存度高い」⇆「公共交通の衰退」⇆「地域衰退」。
対策として、地域公共交通の魅力向上(守るのではなく攻める)。一定の人口集積があれば悪循環を好循環に変えられる。(豊岡市の規模は充分可能な環境にある)

自動運転期待で思考停止してはいけない
特定区間では可能であっても、レベル5段階(公道を自宅と目的地の移動)は中期的には実現不可能。

欧州における公共交通の官民分担
公共サービス義務(PSO:Public Service Obligation)。官が公共サービスを発注。受注者は公的資金の支援を受け、サービス提供を求められる。

MaaS(Mobility as a Service)
利用可能なアプリで地域住民や旅行者にトリップ単位で複数の移動サービスを最適に組み合わせるサービス。日本ではまだ成功事例はない。アプリ開発競争だけ。(手段が目的となっていないか)

統合的政策(Integrated Policy)
あれもこれもと言う「総合的」ではなく、全体最適を目指す各分野を関連づける「統合的」が大切である。

江原神社の秋の清掃

江原地区の神社。円山川の堤防脇にある。2004年の台風23号でこの一帯は円山川の増水で大きな被害を受けた。激甚地区の築堤計画によって数年前にできた堤防。

江原の住民は荒神社と呼んでいる。しかし最近、正式名称は荒神神社と聞く。調べてみないといけない。宿題としたい。

神社の森は私の幼少の頃と変わらないが、周囲は整備が進んでスッキリと。
なんか霊験が薄くなったような。

ま、それはともかく。
江原の住民で神社を守る。お顔は知っているが、会話することがほとんどない近所の方と言葉を掛けながら箒で掃き、ちりとりで落ち葉を掬う。清々しくて心地よい。

10月初日は快晴!〜稜線の上に水平線

大岡山からの眺望。
南を向くと三方地区(豊岡市日高町)。山と山の間の谷間がいく筋も見える。
遠くになるに連れて紫色が薄くなるグラデュエーションが美しい。

北を向く。
平地部の豊岡市街地向こうの山。
よく見ると日本海の水平線はその稜線の上にある。

超・快晴。
気分も最高。

匍匐性ってどうやるの?

わーっ、どうしよう。
8月に草刈りをしたのを最後に、演劇期間(?)は野良仕事はお休み。

この丈になると、私が使っている軽量級の草刈機では歯が立たない(文字通り)なのだ。なんとか芝生のような匍匐性(ほふくせい)の草むらにしたいと思っているのですが、どうもうまくいかない。

私の植物のお師匠さん(勝手にそう言っているだけですが)から、草刈りカットを続ければ、そのような植生になっていくよ、とのアドバイスをいただいているのだが。

そうそう「これだ」と思った植物が生えている土(地面)を見つけたら、少し剥がして植え替えるのもあり、だとも聞いた。

まだまだ長い苦闘が続きそう。

DEVOAの足跡〜ファッションセミナーより

DEVOA 西田大介氏

研究対象は素材とパターン構築人体に基づいた独自の仮説論により、服を通じた体幹バランス変化を考える。
DEVOA Concept より

ファッションブランド“DEVOA”をご存じでしょうか。人体の骨格・筋肉などの構造に着目するところから始まる服作り。代表でありデザイナーの西田大介氏のセミナーに参加しました。

西田氏とはもう15年前に独特のハンガー「アナトミー・ハンガー」を共同製作した時からのお付き合いだ。今回は久しぶりに出会い、お話ききました。初めてお会いした時の、情熱とファンション哲学は微塵とも変わらない。

西田さんを招聘したのは豊岡カバンストリートにある“APARTMENT”主催者の下村氏。

APARTMENTは、「月額会員制のアトリエやショップを備えた複合施設。自由なものづくりを大切にする、カバンを作りたい人、買いたい人との出会いの場所」(APARTMENTのHPより)

ものづくりを目指す人やファッション好きな人たちが学び、意見交換し、交流する場として、定期的なセミナーを企画しているとのこと。注目です。

“First Song” Charlie Haden

“First Song” Charlie Haden

Enrico Pieranunzi : piano
Carlie Haden : bass
Billy Higgins : drums

1.First Song
2.Je Ne Sais Quoi
3.Polka Dots And Moonbeams
4.Lennie’s Pennies
5.Newbreak
6.All The Way
7.Si Si
8.For Turiya
9.In The Moment

ベースのチャーリー・ヘイデンの1990年のアルバム。私の好きなベーシストのひとり。1960年代にLiberation Music Orchestraを結成し、戦争、人種差別、貧困などに苦しむ人々の心情に寄り添う演奏を展開。ドン・チェリー、カーラ・ブレイなどのフリージャズ系のミュージシャンともともに。また、キース・ジャレットとのトリオやデュオの演奏もいい。

名前の通り、最初の曲 “First Song”がオススメ。静かに始まるピアノに、ベースが絡まるように曲が始まり、進んでいく。味わいのある10分07秒の演奏をじっくりと聴く。

『山月記』(豊岡演劇祭2022)

久しぶりに養父神社(養父市)にやってきた。境内に向かう階段から眺める景色。手前にJR山陰本線が通り、平行して流れるのが円山川。

境内で開演を待つ観客。
小説家中島敦の『山月記』をひとり芝居で演じる公演。そのストーリーがこの神社の佇まいの中でどのように演じられるのだろうか。

夕方6時。段々と空が黒ずんでいく。どこから虎が出てくるのだろうと想像を駆り立てられる。

ひとり芝居『山月記』。演じたのは小菅紘史(右側)。音楽チェロ演奏は中川裕貴。

照明の中に浮かび上がったり、暗闇に消えたり、境内独特の空気感を取り込んだ迫真の演技に観客皆が引き込まれる。