イセハナビ(伊勢花火)って?

これがイセハナビ
初めて聞く名前であり、もちろん見るのも初めて。

先日訪れた南方熊楠記念館」(和歌山県白浜町)のロビーで出会う。記念館運営基金にする寄付箱の横に数個置いてあるのを見つける。「欲しい方は寄付箱に200円を」との説明文。さらに「南方熊楠が好んだ」との記述。この記述に反応してしまいました。

「キツネノマゴ科の中国原産の草」との解説だが、もっと知りたいのでネット検索。
すると面白い記事を発見。

・和名はイセハナビ(漢字表記で「伊勢花火」)。なぜ「伊勢」なのか?
・漢名が「日本黄◯草」「日本馬藍」というように接頭語に「日本」が付いている。日本が原産?
・命名者(西洋人)が、初めて目にしたのが日本だったから?

などの記述。(参考にしたのはこちら

熊楠は知ってたのかな?
(牧野富太郎だったら答えられたでしょうね)

イセハナビとの出会い。
枯らさないように。
生長するのが楽しみになりました。

お盆の墓参り

今年のお盆は、東京在住の次男家族も帰省してのお墓参り。

1歳の孫を抱っこしながらのお墓参りから家に帰り、古い墓について書いた昨年のブログ『「天明六年」と刻んだお墓を調べると』を読み返す。なかなか感慨深い。

西に沈む夕日に照らされる江原墓地。

円山川左岸の築堤工事に伴い、移転するのかしないのかで揉めた墓地は、結局、移転しないまま築堤。堤防を越えて行ける車道を設けた。

私の少年時代は鬱蒼とした木々に囲まれた墓地。セミ捕りやクワガタなど昆虫採集した墓地周辺だったが、なんだか工事現場の脇にあるような落ち着かない場所になってしまった。

お風呂の窓から空を楽しむ

お風呂に浸かって眺める空が面白い。

今春、浴室と浴槽のリフォームを行なう。テーマの一つは「窓からの風景を楽しむ」。「車窓」ならず「浴窓」とでもいいましょうか。

窓は31年前の建築当初からあるが、浴槽の形状を南側の窓をゆったりと眺めるように設計。これがなかなか想定していた以上に良い。

猛暑の午後、真夏の空と雲。
温めのお湯に浸かりながら、ぼっーと眺める。

そうそう、もう一つの楽しみがある。
窓際に置いた円筒はポータブル・スピーカー(これがなかなかの音質なのだ)。

お湯に浸かりながら聴くジャズ。
ピアノ・トリオがよく似合う。

これが噂の「みどりの発売機プラス」

今年3月に無人化した江原駅(JR西日本山陰線)。私の自宅からの最寄駅。利用するのは東京への出張がほとんどで会社で手配し切符を手にしていた。そういう事情で元々窓口で特急券を買う経験は少ないのですが、無人化となり自動券売機は良いとしても、特急券、指定席、乗り換えなどの必要な時の「みどりの発売機プラス」の操作は一層ハードルが高い。

実際に周囲の人からその悪評は聞いていましたが、実際にやってにやってみるとよく理解できる。

「オペレーターと会話しながら購入できる」はいいのですが、今回の場合は17 人待ち、待ち時間は20〜30分と表示されている。発売機のある場所は猛暑35℃以上ある。とても待てる時間ではない。結果、待ち人数は順調に減り、10分ちょっとで順番が来たが、私の後ろにはすでに4人の人が並んでいる。もしも、前に不慣れ、複雑な切符、シニア割引などの手続きが必要な人がいれば、かなりの待ち時間になることも容易に想像できる。

無人化という合理化の事情は理解するが、ここまで進化したIT技術をもっと有効に、そしてJR自身の乗車券特急券確認の仕組みの合理化、検討する箇所はたくさんあると感じます。

「世界一目指す」〜神戸新聞記事

神戸新聞(8月10日付け)の地域経済欄「次の一手」の記事に中田工芸(株)を掲載していただく。

サブタイトルが〜激動の中で 兵庫の企業〜 とあるように、経済情勢が大きく変化する中で各企業がどのように経営の舵を取っているのかを特集するコーナー。

1946年の創業以来、一貫して木製ハンガーを製作し、ファッション業界に業務用(店舗用)のハンガーを提供してきました。ブランドごとに特注ハンガーを製作しながら、国内シェア60%を超える時代もありました。2007年に東京・南青山にショールーム開設を機に個人向けハンガー(一本売り)をスタートさせ、NAKATA HANGERというブランドに成長してきました。

コロナ禍期間は、インターネット販売をより伸長させながら海外展開の準備も行う。2023年1月にはロンドンにて老舗紳士服店が並ぶメンズファッションの聖地「サヴィルロー」で展示会「The Nakata Art Display」を開催。好評を博しスーツのトップブランドなどからのオーダーを受注。ニューヨーク、香港、シンガポールなどにも広がる。

ハンガーは、ニッチな業界であるが、各国にニーズがある。
グローバル・ニッチ・トップを目指しています。

真夏のサルスベリ

真夏。
庭の木々はより鬱蒼と葉がしげり、日陰は薄暗くなる。
花をつける樹木はない。
こんな真夏に咲くのがサルスベリ。

真夏の空の下で。

繁る葉から逃れるように外へと向かってサルスベリの花は咲く。

地方観光の将来は?〜神戸新聞政経懇話会

神戸新聞但馬懇話会の総会と講演会に参加。会場は但馬空港多目的ホール。
メンバーは1市5町の商工会、商工会議所の会員や各市町長、県会議員など、政治・経済関係者。

総会後の講演会。講師は鳥海高太郎 氏(航空・旅行アナリスト)。鳥海氏は、テレビ番組のコメンテーターとしてよく見かける人気アナリスト。自ら国内外を旅しながら、現地からレポートする。曰く「パソコンとWi-Fi(ネット接続)があれば、どこにいても仕事ができる」と。

「城崎温泉」を前提にして、東京・京阪神からの交通機関の現状を一覧。鉄道旅なら姫路城とのセットで、飛行機旅なら鳥取エリアとのセット、車旅なら天橋立とのセットという提案。

但馬在住の私の経験からしても、この提案は賛成(納得)です。我が家に来る外国人(旅している)は結構姫路城を訪ねる。鳥取とは山陰海岸ジオパークや但馬牛、松葉ガニ、蕎麦、田舎料理など、もっともっと自然景観と食で勝負できると思う。丹後半島も知ればなかなか興味深い歴史、集落、産業、食がある。

最高級とまではいかなくても、旅の楽しみは、泊まってみたいホテル・旅館があると最高だ。今夏の和歌山の旅でも実感している。

紀州で気になった木

熊野本宮大社の神門の脇にたつオガタマノキ
漢字で書くと「招霊木」。招霊(おきたま)が転じて「オガタマ」になった。

分類はモクレン属。
日本のモクレン科の中で唯一の常緑樹。

説明書きにもあるように、神木、霊木として神聖視されている。この木の実を象ったものが神楽舞の鈴というが、どんな実なんだろう?(庭木図鑑植木ぺディア
ちなみに神楽舞の鈴。(Amazon価格入りで恐縮です)

熊野那智大社のクスノキ「那智の楠

樹齢約850年、樹高27m、幹回り約8.5m。根幹部は空洞化している。熊野三山造営の勅使として参った平重盛の手植えの楠と伝わる。

根幹部の空洞を通り抜ける「胎内くぐり」。

備え付けの「護摩木」「祈願絵馬」に願意と氏名を書き奉持して入り、出口の護摩木・絵馬掛けに納める。

和歌山の旅(その3)

白浜で一泊し、3日目の朝。
何度見ても太平洋の水平線は感動する。

この海域は「紀伊水道」でもある。
江戸時代には大阪と江戸を多くの船が往来したことを想像すると、一層興味が湧く。

三段壁洞窟(さんだんべき どうくつ)(西牟婁郡白浜町2927-52)。

三段壁は火成岩、運鉱岩、崩壊岩の3種類の岩質で構成さる。海に面した長さ2キロ、高さ50メートルの岬で海底火山が運動し壮大な崖を形成。太平洋の荒波が刻み込んだ。

三段壁洞窟は、平安時代の熊野水軍(源平合戦に参戦。壇ノ浦の戦いでは源氏に味方し勝利に導いた)が船を隠した洞窟と言われている。

熊野灘の波が激しくぶつかり合う光景が間近に見られる(恐くなるくらい)。熊野水軍番所小屋が再現され当時が偲ばれる。

白浜に来たらぜひ立ち寄ってみたかった「南方熊楠記念館」(西牟婁郡白浜町3601-1)

南方熊楠
和歌山県が生んだ博物学の巨星。東京大学予備門中退後、19歳から約14年間、米英を遊学。さまざまな言語の文献を使って、国内外で多くの論文を発表した。研究の対象は、粘菌をはじめとした生物学のほか人文科学など多方面にわたり、民俗学の分野では柳田國男と並ぶ重要な役割を果たした。生涯、在野の学者に徹し、地域の自然保護にも力を注いだエコロジストの先駆けとしても注目されている。
(南方熊楠記念館パンフレット より)

学生時代に稲垣足穂の本を読んでいて、確か南方熊楠のことを称賛していたのがずっと頭にあって、その後、熊楠について関心を持っていた。今回の訪問で、熊楠の生き方、実績を知り、改めてしっかりと学びたいと思う。(ひょんなことから稲垣足穂も思い出した。こちらも再度読み返してみたくなる)

記念館の建物もなかなかいい感じ。(熊楠を連想させる?)
設計はシーラカンスアンドアソシエイツ

何と言っても熊楠に触れること、建物に興味がある、ロケーションが抜群(番所山公園内にあり、屋上から眺める太平洋、神社合祀反対運動で熊楠が守った森のある神島が見える)など、訪問してみる価値高し。

白浜に来たら寄らなくてはと思っていたのが「ホテル川久」 。

お目当ては、宿泊ではなくエントランスロビーにある左官の久住章さんが制作した漆喰の柱。大理石を思わせる超絶技巧を駆使した巨大な円柱。現在は、KAWAKYU MUSEUMになっていて有料で入場しないといけないので、写真は遠慮して撮らず。柱はこちらを見てください

このブログでも「久住章さん〜シュトックマルモ技法って?」で紹介しています。

いよいよ今回の和歌山の旅も終わり。
最後に立ち寄ったのが「南紀白浜とれとれ市場」。混雑は覚悟していたが、想像以上の来場者。食事をしようにも長蛇の行列で待たなければならない。寿司コーナーは別の行列で比較的並びも少なかったので「寿司盛合せセット」で。地元の漁協がやっているので、新鮮は魚介類はもちろん、海産物いっぱい。これなら大繁盛なのは理解。

食べて、南紀名物(?)の「ツメバイ」買って、少し早いけど家路につく。

和歌山の旅(その2)

熊野三山の一つ、熊野那智大社

古来当社はご祭神「熊野夫須美大神」の御神徳により「結宮(むすびのみや)」と称され、人の縁だけでなく諸々の願いを結ぶ宮として崇められました。那智御瀧は自然を尊び延命息災を祈る人が多く、また八咫烏の縁起によりお導きの神として交通・海上の安全の守護を祈り、さらに御神木の梛の木は無事息災をあらわすものとして崇められています。熊野の自然と共に神々の恵み深い御神徳のある神社であります。
(熊野那智大社HPより)

那智大社より那智の滝を望む。
那智の滝は、日本一高い滝(133m)。滝そのものが「飛瀧神社」の御神体。
手前の三重塔とのコントラストが美しい。

太地町立「くじらの博物館」。太地町と言えば捕鯨。小鯨(イルカなど)の追い込み漁などの発祥の地として知られる。反捕鯨団体が抗議活動を行なって話題にもなった。

江戸時代に始まる古式捕鯨の歴史、漁に出る前の儀式、など捕鯨文化を知ることができる。

歴史や文化を知るだけでなく、いろんなアトラクションもあって大いに楽しめる。

一直線に奇岩が並んだ橋杭岩(東牟婁郡串本町)。

1400万年前、地層の割れ目に沿ってマグマが上昇し火成岩となり、その後全体が隆起し黒潮で回りの泥岩が流され硬い火成岩が残ったといわれている。
和歌山文化情報アーカイブ事業「和歌山県ふるさとアーカイブ」より

古座川の一枚岩(東牟婁郡古座川町相瀬)。
一枚の岩盤としては国内最大級(高さ約100m、幅約500m)。

一枚岩の下を流れる古座川の清流。
孫Kは、ここで泳いだのが一番楽しかったようだ。
(ここはぜひ水着を持って再訪したい)

二日目の宿泊は白浜。
花火大会が終わって静かになった砂浜。

私にとって今回の旅のテーマは「ジオ和歌山」
熊野の山々、海岸沿いの洞窟や橋杭岩のような奇岩、古座川一枚岩などの見学。
以前観たNHK番組「列島誕生ジオ・ジャパン」で、紀伊半島の超巨大噴火(カルデラ噴火)でできた地層を一度見てみたいという願望を密かに温めていました。

ジオを堪能した日となりました。