Bill Evans “ALONE”

Bill Evans “ALONE”

Bill Evans : p

  1. Here’s That Rainy Day
  2. Time for Love
  3. Midnight Mood
  4. On a Clear Day (You Can See Forever)
  5. Never Let Me Go
  6. Medley: All the Things You Are/Midnight Mood
  7. Time for Love

Recorded in 1968

ビル・エヴァンスのソロピアノ演奏。エヴァンスのソロというと、多重録音の
“Conversations with Myself”(1963年録音)をよく聴いた。ソロをとるピアノ、バックをつけるピアノ、どちらもエヴァンス。なかなかスィングしているから面白い。

この”ALONE”は、それから5年後の演奏。正真正銘のソロ。スィングというよりも、滑らかな演奏が印象的だ。緊張感に心地良さを求めるなら前者。ゆったりと落ちついた気分を求めるなら後者。

ビル・エヴァンスの両手目一杯のピアノ演奏は、メロディー、ハーモニー、リズムと完璧だ。

Eric Dolphy “Outward Bound”

Eric Dolphy “Outward Bound”

Eric Dolphy : flute, bass clarinet, alto saxophone
Freddie Hubbard : trumpet
Jaki Byard : piano
George Tucker : bass
Roy Haynes : drums

1.G.W.
2. On Green Dolphin Street
3. Les
4. 245
5. Glad to Be Unhappy
6. Miss Toni

Recorded on Apr.1,1960

エリック・ドルフィーの初リーダー作。1曲目の”G.W.”でいきなりドルフィーの「馬のいななき」が入る。独特のフレーズと響き、ドルフィーの演奏スタイルである。

チャーリー・パーカーの本流派のサックススタイルを持ちながら、フリージャズも感じさせるところがドルフィーの真骨頂であり、人気の秘密だろう。ジャズのスタンダード曲 “On Green Dolphin Street”の演奏で確認できる。

Michel Petrucciani “Conversation”

Michel Petrucciani “Conversation”

Michel Petrucciani : p
Tony Petrucciani : g

1.Summertime
2. Sometime Ago
3. All The Things You Are
4. My Funny Valentine
5. Nuages
6. Nardis
7. Michel’s Blues
8. Someday My Prince Will Come
9. Billie’s Bounce
10.Satin Doll

演奏者リストからわかるように、ミッシェル・ペトルチアーニと父・トニーとのピアノとギターのデュオ。それを知った上で改めてジャケットを見ると、何かジーンと来るものがありますね。

演奏も交互にソロをとり、バックにまわってリズムを刻む。お互いプロ同士の親子のデュオってどんな気持ち何だろう。一音、一音に何を感じ、どう応えるのか。また違うアドリブの掛け合いがあるのだろう。

Bill Evans “Bill Evans at Town Hall”

Bill Evans “Bill Evans at Town Hall”

Bill Evans : p
Chuck Israels : b
Arnold Wise : ds

1. Should Care
2. Spring Is Here 
3. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
4. Make Someone Happy
5. In Memory of His Father Harry L. Evans
6. Beautiful Love
7. My Foolish Heart
8. One for Helen

Recorded on Feb. 21,1966

ビル・エバンスのアルバムは、このブログでも何枚も取り上げた。
“EXPLORATIONS” “UNDERCURRENT” “PORTRAIT IN JAZZ” 
“WALTZ FOR DEBBY” “CONVERSATIONS WITH MYSELF” 
“CROSSCURRENTS” “SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD”

この “At Town Hall” は、ビレッジ・ヴァンガードでのライブやスタジオ録音とはまた違ったビル・エバンスの演奏が聴ける。ライブハウスのリラックスしたノリでもなく、またスタジオのクールな演奏とも違う。

ニューヨークのタウンホール(1500席)という大ホールでのコンサート。録音されている拍手を聞くとクラシックの感覚の聴衆だろうか。トリオもアドリブが控えめ(?)な感じで、曲の構成を意識した演奏のように聴こえる。異なったアドリブの緊張感が伝わってくる。

ここでのビル・エバンスもなかなか快調な演奏で素晴らしい。

Weather Report “DOMINO THEORY”

Weather Report “DOMINO THEORY”

Joe Zawinul : keyboards, synths, producer
Wayne Shorter : soprano & tenor saxophones
Victor Bailey: bass
Omar Hakim : drums
José Rossy : percussion
Carl Anderson : vocals (1)

  1. Can It Be Done (3:58)
  2. Db Waltz (11:10)
  3. The Peasant (8:13)
  4. Predator (5:21)
  5. Blue Sound Note 3 (5:59)
  6. Swamp Cabbage (5:19)
  7. Domino Theory (4:47)

Released in 1984

ジャコ後。(1982年脱退、1987年没)

ジャコ中心に考えてはいけないけど、“Heavy Weather”“8:30” でのジャコの存在はあまりにも大きい。あのベースは一世を風靡する。ベース奏法を変えてしまうぐらいの衝撃的なものだった。

ここでは、ビクター・ベイリーがそれに負けじと素晴らしいベースを奏でる。オマー・はキムのドラミングが冴えている。

全体として、ジョー・ザビヌルの曲、アレンジが支配している。やはり、ザビヌルの曲想とウェイン・ショーターのサックスの音色が、入り混じって展開されるのがウェザー・リポートなんだと再確認。

Keith Jarrett “SOMEWHERE BEFORE”

Keith Jarrett “SOMEWHERE BEFORE”

Keith Jarrett (p)
Charlie Haden (b)
Paul Motian (dr)

1. My Back Pages
2. Pretty Ballad
3. Moving Soon
4. Somewhere Before
5. New Rag
6. A Moment For Tears
7. Pouts’ Over (And The Day’s Not Through)
8. Dedicated To You
9. Old Rag

Recorded on Aug. 30 & 31, 1968

1曲目、ボブ・ディランの曲 ”My Back Pages”。
何百回聴いたことだろう。

この曲が流れるといろんな光景とその時のエピソードが頭をよぎる。それは、学生時代にまでさかのぼる。My Back Pagesを聴きながら、将来の進路を考えたり、結婚を考えたり。友人と語り飲み明かした夜。人生の節目、節目には、必ずこの曲を聴いた。

ぜひ、聴いて欲しい”My Back Pages”。

キース・ジャレットはその後のソロ・コンサートとトリオで一世風靡。これはそれ以前の演奏。どこか明るくおおらかな演奏がいい。2曲目”Pretty ballad”、8曲目”Dedicated ToYou”のバラードも素晴らしい。

Bill Evans “NIRVANA”

Bill Evans “NIRVANA”


Herbie Mann : fl
Bill Evans : p
Chuck Israels : b
Paul Motian : ds

  1. Nirvana
  2. Gymnopedie
  3. I Love You
  4. Willow Weep For Me
  5. Lover Man
  6. Cashmere

Recorded on Dec. 8, 1961& May. 4, 1962

ビル・エヴァンスのアルバムの中でもこれはマイナーな部類にはいるだろう。実際に、学生時代に古レコード屋さんで中古盤を買い漁っていた頃に、偶然に見つけて買ったのがこのアルバム。

全曲、静かな演奏が続く。ビル・エヴァンスのここまで抑えた演奏というのは珍しい。ニルヴァーナとは「涅槃」。悟りの境地の演奏ということか。

悪い意味ではなく、このアルバムは心地よく聴き流しができる。静かに考えたり、脱力しながら、暫しボーッと空想に耽ける時など、このアルバムが登場する。一度、聴いてみてください。

Chick Corea “The Song Is You”


Chick Corea “The Song Is You”

Anthony Braxton : as (1-3)
Lee Konitz : as (2,3,6,7)
Chick Corea : p
Miroslav Vitous : b (1-5)
Jack De Johnette : ds (1-5)

  1. Impression
  2. No Greater Love
  3. All Blues
  4. Waltz
  5. Isfahan
  6. Stella By Starlight
  7. Round Midnight

Recorded on Sep.19,1981, at the Woodstock Jazz Festival

凄いメンバー。どんな演奏か想像してみると、まず目につくのはアルト・サックスのアンソニー・ブラクストンが入っているので、馬の鳴き声(ヒヒーンと私には聴こえるのだが)を思い出す。つまりフリージャズっぽい演奏だが、概ね当たり!だ。

2. No Greater Loveは、チック・コリアの”CIRCLE PARIS-CONCERT”(黄色いアルバム)の演奏を思い出す。サックスはもちろんアンソニー・ブラクストンだ。(私の大好きな演奏。ぜひ、聴いて欲しい。)

3.All Bluesは、マイルスもよく演奏しているスタンダードだが、ここではパット・メセニーのギターをフューチャー。

5.Isfahanは、デューク・エリントン楽団がよく演奏した曲だが、ここでは、チック(p)とヴィトウス(b)とデジョネット(ds)のトリオの緊迫した演奏。(素晴らしい)ちなみに、チックとヴィトウスで思い出すのは、チックの”Now He sings,Now He sobs”の名演。

6.Stella By Starlightと7.Round Midnightの超スタンダード曲は、アルトのリー・コニッツの独壇場だ。リー・コニッツのアルトは、いつもいつも聴こうとはならないけど、どこか深いところで心に響くものがある。

ということで、このアルバムは、それぞれの楽器の第一人者の演奏を楽しむのが良いのかもしれない。不思議なアルバムです。

Curtis Fuller “Blues-ette”

Curtis Fuller “Blues-ette”

Curtis Fuller : tb
Benny Golson : ts
Tommy Flanagan : p
Jimmy Garrison : b
Al Harewood : ds

  1. Five Spot After Dark
  2. Undecided3
  3. Blues-ette
  4. Minor Vamp
  5. Love Your Spell Is Everywhere
  6. Twelve-Inc

Recorded on May 21,1959

1970年代、私の学生時代に「幻の名盤」復刻として、話題を呼んだのがこのアルバム。ジャズでトロンボーン奏者と言えば、このカーティス・フラー、そしてJ.J.ジョンソンを思い出すが、サックス、トランペットほどたくさんのプレイヤーがいるわけではない。
日本では、向井滋春、福村博、それに丹後の知人宅でのジャズコンサートで大山日出男セクステットの片岡雄三さんだ。

人気の秘密は、1.Five Spot After Darkの親しみやすい曲と演奏者の個性的なアドリブだろう。名盤にこの人ありのピアノのトミー・フラナガン、ベースのジミー・ギャリソンのバックも聴きものです。

ミュージックCDの楽しみ

1960〜1970年代はレコードで、1980年代からはCDで、ジャズ、ロック、クラシックとずっと聴き続けてきた音楽。

正確に数えたことはないけど、レコードは1500枚以上、CDも1000枚近くあると思う。もっとも、人生の節目、節目で、引越しなどの際に、中古店に持ち込んだり、2004年の台風23号の浸水でレコードが破損廃棄したりして、何百枚かは減っている。それでも1000枚を越すレコードとCDは現在もある。

レコードは、現在プレーヤーがないので蔵に仕舞ってあるが、CDはあっちに行ったり、こっちに移動したり、置き場所を変えながら、現在は私の部屋の天井下に収まっている。

iPodが登場した時には、レコードをデジタル化してiPodに入れて、毎日聴いていた。1000枚以上あるレコードをデジタル化するには、休日に懐かしいレコードに針を落としながら、ライナーノーツを読みながら、1枚1枚、デジタル録音していく。楽しい時間なのだが、全部楽しむには膨大な時間が必要。

そしてCD。
お気に入りのCDから順番にiMacに入れながら聴こう。

それぞれのCDを買った頃の時代や自分の思い出をフラッシュバックしながら聴くのもなかなかいいもんだ。