江原の円山川

江原地区の円山川。手前上流側から大きく右に曲がって流れていく。正面の赤い屋根の建物が江原河畔劇場(旧日高町役場、その後商工会館)。まさに河岸に建っている。

右に旋回している流れは、約1〜2万年前ごろに神鍋火山が噴火を繰り返し、一番遠くまで溶岩が流れてきてここで固まったもの。玄武岩のような柱状節理も見える。

右旋回すると日置地区になる。かつて(私の祖父などは)「へき」と呼んでいた。古代、歴を司る「日置部」(へきべ)が住んでいたことから名付けられる。

複雑な川の流れもあり、大雨のたびに流されていた日置橋は1976年(昭和51)に現在の永久橋に架け替えられる。右岸には秋葉神社が、かつては素人相撲大会や狂言などが行われる祭りで賑わった。

下流側から江原の円山川を眺める。左の山が姫路山(頂上付近から夏祭りの花火を打ち上げる)。右側が江原地区。かつて(私の小学生時代は河原付近で泳いだ)は、江原の人たちは、この河原に降りて、鮎釣りやお盆の灯籠流し、春は桜の花見など、親しまれた。

さらに上流(画像上向き)に行くと、宵田地区、岩中地区へと続いていく。

グシャグシャの中にも

猛暑のためグシャグシャになったガーデン。
いきなり「言い訳」だ。
毎日、毎日、目の当たりにしているのに、なかなか手が出なかった。

掻き分けてチェックすると、

シュウメイギク。
蕾がいっぱい。これから続々と咲きそう。

オレガノ。
そう言えば春先に植えたなあ。

ブルーサルビア。
この夏、隅っこで咲いていたんだね。

グシャ(愚者)のガーデンでした。(>_<)

「江原の昔を語る」〜豊岡演劇祭2022フリンジ・トーク

私の生まれ育った「江原」(豊岡市日高町江原)。
その歴史をもっと知りたいと常々思っていましたが、そのチャンスが巡って来ました。地区の長老さんたちに集まっていただいて語っていただく。

この「江原」は、古くは山陰街道が通り、円山川の河川舟運(物資や旅客を運搬する運輸)の船着場、明治には鉄道が通り、商店や歓楽の街であった。神社の春祭り・秋祭り、お寺さんのお祭りから発展し、頭上に上がる花火の大輪の夏祭り

戦後の高度成長時代を経て、変化する生活習慣、街並み、商店街。役場や金融機関、商工会館などが移転し、スーパーが進出。JR江原駅周辺の再整備、円山川堤防の建設、などなど。

今、目にする風景と全く異なる姿がそこにはありました。
国道沿いの家並み、寂れていく商店街の元の風景とその息遣いを知り、感じてみませんか。
何かに愛着を感じ、新たなアイデアが湧いてくるかもしれません。

【テーマ】「江原の町の昔を語ってもらう」
【日 時】 9月18日(日) 16:00〜17:00
【参加費】 無料
【場 所】 友田酒造(裏門が入り口)(豊岡市日高町江原62-1)

【連絡先】 越後正志(070-5576-2282)

フリンジ『落ちて水になる』 松本成弘・越後正志(インスタレーション作品)におけるトークイベントです。

こうべを垂れる稲穂かな〜六方田んぼ

雲に魅せられ車を停める。
稲刈り真っ盛りの六方田んぼ(豊岡市)。

この稲穂のコメが、人気ブランド「コウノトリ育むお米」。
無農薬・低農薬で栽培され、ドジョウやカエルを育む環境を確保しながらコウノトリの野生化に貢献する。

” 実るほど こうべを垂れる 稲穂かな ”

鈴木忠志トーク〜利賀村3日目

恒例の『鈴木忠志トーク』。
毎回、いきなり「何か質問は?」と切り出す鈴木忠志さん。
何を知りたいのか、何に関心があるのか、なんでも答えるよ、と始まる。

初めて利賀村に来る人、過去、現在に実際に演劇をやっているか、強い関心を持っている人など、様々な視点から質問が飛び交う。特に、初めての人から「なぜ利賀村へ来たのか」「シンデレラ」のエンタメ性を観劇して、「演劇理論が変わったのか」など、ストレートな質問に対して鈴木さんの受け答えが面白い。

「今さら訊くなよね」と言いながら、その答えは毎度、本質をついたもの。
役者の日々の肉体的鍛錬・演技指導だけでなく、これも「鈴木メソッド」か。

今日の観劇は、
『鈴木忠志トーク』 利賀大山房にて
『エレクトラ』 演出:鈴木忠志、作曲・演奏:高田みどり

2つの演目を見終えて、14時に利賀村を出発し帰路につく。
休憩入れて約6時間の車の旅。
回を重ねるごとに、近くに感じてくる。
来年また来よう。

晴れ渡った利賀村2日目

翌朝は、清々しい晴天。透き通った百瀬川。

今日の観劇は、
『弱法師』 芸術監督:宮城總、演出:石神夏希
『シンデレラ』 演出:鈴木忠志
(公演を撮影できないのがなんとも歯痒いが、致し方ない)

そして、

毎回の目玉演目『世界の果てからこんにちは I 』(演出:鈴木忠志)。
開演1時間前に舞台をチェックする役者の姿が見える。

世界で唯一の花火を打ち上げる野外劇。(鈴木忠志さん曰く)。おそらく間違いないだろう。打ち上げるのも劇団員のメンバー。もちろん、花火の資格をとって絶妙のタイミングで花火が上がる。

観客から拍手が湧き上がる。
花火の威力は絶大だ。

終演後、舞台に上がる鈴木忠志さん。
「私もあと2〜3年。死ぬまでやりますから、死ぬまで来てください」と挨拶。
ちなみにこの挨拶の常套句は、もう10年以上続いているとか。

学生時代からの40年以上の鈴木忠志大ファンである私としたら、もっとこの続きをと、手を合わせたい瞬間だ。どうか元気で来年も、再来年も。もちろん私も死ぬまで利賀村へ行く覚悟です。

SCOT SUMMER SEASON 2022〜今年も利賀村へ

昨日までの3日間、地元江原にて劇団「遊学生」公演『地獄変』のサポートを終え、今日からは富山県の利賀村へ出発。直近で今年で4回目。車で5時間半、休憩入れても6時間で利賀村へ到着。ライトアップした新利賀山房が迎えてくれた。

あいにくの雨だが、ワクワクしながら列をなす人たち。

『胎内』会場の「岩舞台」

今日の観劇
『新ハムレット』 芸術監督:平田オリザ、演出:早坂彩。
↪︎出演は劇団青年団。
『胎内』 芸術監督;中島諒人、演出:伊藤全記

『地獄変』(立光寺公演)3日間満席で盛況裏に終了

劇団「遊学生」『地獄変』、立光寺(豊岡市日高町江原)公演は、3日間満席で無事終了。初めて演劇を観る地元の方達、現役学生がやる演劇に興味を持った人、彼らが豊岡滞在中に出会い、お世話になった方達、それぞれ思いを持って観劇されたようだ。大声をあげてたたみかけてくる場面、真っ暗な中で進行するシーン、観客のそれぞれの反応を見ているのも面白い。

そして最終公演では、最後のシーンで本堂の扉が突然ガラーっと開く。外の光と空気が流れ込む。架空の物語に引き込まれていた観客が現実に引き戻される瞬間。まるで観ていたものが夢だったのか、と日常にもどる。なかなかにくい演出だ。

脚本を書き、演出をし、演じた。会場と宿泊場所探し、交渉、その他公演の全てをプロデュースする制作スタッフ。東大、慶大、早大の現役の学生たち。彼らの創造力と実現させる情熱パワーには脱帽。私も大いなる刺激と楽しい時間をいただいた。

本番と全く異なる打ち上げの学生たち。
普段の学生に戻った瞬間だ。

素晴らしい時間をありがとう。また、江原に来てください。待ってるよー。

遊学生公演『地獄変』

劇団「遊学生」の『地獄変』

作品解説の最後に「今からみなさまが過ごされる時間だけが真実ですから、よい時間を過ごされることを切に願っております。」と記して締め括っている。

何が始まるのか、と最初は少し身構え(どんな演劇でも最初はそのような気持ちになる)、役者の演技をある意味突き放したように冷静に受け止めようとする意識が強い。やがて芝居の展開が見えてくると、その空間、舞台、登場する役者たちが徐々に溶け込んで、芝居の中に入り込んでいく瞬間がある。(それがない芝居もありますが)

芝居の始まりに感じる「ぎこちなさ」は、私が受け止める意識の中にあるのか、それとも演じる役者が劇に入っていく「始まり」なのか。

物語が問いかける人間の本性と徐々に変化していく役者の演技、「入り込んで」いく私の意識。

「とてもよい時間」を過ごしました。

今回の『地獄変』と立光寺さんの圧倒的存在感を持つ本堂との巡り合わせは、偶然とはいえ、今公演のハイライトの一つでした。