ヘンテコ最終日〜また来年も

第2回ヘンテコウィークも最終日。
ここ江原の友田酒造の酒蔵で3連作を上演。

1作目は、作・別役実不条理劇「病気」。演出はヘンテコウィーク仕掛け人の竹内ミズキ君。出演は、シェアハウス江原101の住民でもある赤間菜穂(CAT3年生)と竹内ミズキ。
最終日のこの場所で別役実(かつて早稲田小劇場立ち上げた鈴木忠志との盟友)の作品を観られるとは驚き。(さすがミズキ君)

2作目は、武本拓也さんのパフォーマンス。
会場となる友田酒造の裏側シャッター出入り口。何が始まるのか観客はわからない。

能の動き(もっともっとスロー)のような微細な動きと近くで無言のうちに身体が移動していく。観ている人の感性が問われるのか。

3作目は、櫻井拓斗君の『不快な居場所脱出装置の発明 試作品#1』。
拓斗くんはCAT1期生で今春卒業して現在は「まつもと市民芸術館」(長野県松本市)の「若手育成プログラムのダンサーとして世界を目指している。シェアハウス江原101立上げの5人組の一人。CAT3年の時に、若手コンテンポラリダンス登竜門のU-35で優勝。

こんな若者たちが江原でぱフォーマンスを披露してくれる。近所の子どもたちを集めてカルタやカルタ大会や人生ゲームをしたり、食事会をしたり。街が変わっていく実感がする。

無事に全公演終了。
最後は江原公民館に集まって打ち上げ食事会。
近所の割烹仕出屋さんから40人分の料理を取り寄せる。
オープニングを飾った江原若者衆、一番喜びはしゃいでいるのはチビっ子たち。
こんな楽しい時間期間を持てるなんてみんなウィンウィンだ。
来年の3回目が楽しみです。

今年も始まった「ヘンテコウィーク」〜江原の新しい行事

江原の立光寺に、若者が集まる。シェアハウス「江原101」住民で芸術文化専門職大学の学生たちが、江原住民の交流の場として、地域外の人たちに江原を知ってもらおうと立ち上げたイベント。今年で2回目となる。

江原に住む10名の若者が創作劇を演じる。作・演出は今春CATを卒業したミズキ君と振付・音響照明はタクト君。

昨年は100名を超える江原住民が集まったが、雨模様の今年は少し寂しい。でも。この境内で「久しぶり!」「元気ですか?」など、近所と言えども普段顔を見ない人たちと挨拶を交わすのは気持ち良い。

第2回ヘンテコウィーク。
ダンス、ピクニック、お芝居、ボードゲーム、かるた、食事会など。
学生の、アーティストの新しい表現、「なんだこれ?」に出会えるプログラム。

10/8〜13日の6日間。12日は江原の秋祭りでお神輿担ぎ。この賑わいがきっかけで江原が活気付くのを応援していこう。

第15回永楽館歌舞伎

今年も「永楽館歌舞伎」がやって来た。片岡愛之助、中村壱太郎の共演で始まった永楽館歌舞伎も15回目を迎える。

現在超・話題の映画「国宝」の上映もあって歌舞伎人気が高まる。その舞台ともなった永楽館の見学者も普段の10倍以上になるという。今年の6日間の永楽館歌舞伎もチケットは完売。開場を待つ列も半端ない。

入口では、愛之助さんの妻・藤原紀香さんがお客様を出迎える。これまでもハンガーのご縁(愛之助さん、紀香さんにご愛用いただく)で私を覚えていただいていて、ご挨拶の言葉を交わす。

今年の演目は、
一、 寿曽我対面(曽我兄弟の仇討ち事件を題材とする)
二、 口 上 (永楽館歌舞伎の名物(笑点?))
三、 神の鳥 (コウノトリを扱う地元ゆかりの作品。作・演出:水口一夫)

本番の写真は撮影できないが、今年の舞台も、大いに見せて(魅せて)くれました。

残念なのは、15回を迎える直前の9月7日に、永楽館歌舞伎の生みの親である水口一夫さんが永眠されました。享年83歳。

水口さんには、2015年7月の但馬コネクションの講師としてお迎えして、歌舞伎の話、役者さんの裏話など、歌舞伎界の興味深いお話をお聴きしました。(その日は、台風襲来でJRは運転中止。急遽、大阪梅田駅まで車で迎えに行く。水口さんは、講演で「拉致されまして」と冗談交えてお話をされました)

生涯をかけて各地の「子ども歌舞伎」を指導されていた水口さん。華やかなスポットが当たる歌舞伎の世界で、地道な活動をされている水口さんには大いに感服いたしました。
ご冥福をお祈りします。

「餓鬼の断食」〜『STUDY』 装飾を歓迎する環境←→拒否する身体

豊岡市役所の近くの路地にあるミリオン座
もともとパチンコ屋さんだったビルの1階が今や、演劇やパフォーマンスのメッカになりつつある。周囲の壁はパチンコ台の名残りが生々しい。

「餓鬼の断食」
『STUDY〜修飾を歓迎する環境←→拒否する身体』

川村智基:テキスト・演出    櫻井拓斗 :振付
池田 翔:サウンド      本多悠人 :ドラム
川口隼弥:俳優        箱崎このみ:俳優

ユニット(と呼べば良いのだろうか)「餓鬼の断食」のメンバーの一人である桜井君は今春、兵庫県立芸術文化観光専門職大学(豊岡市)を卒業した1期生。U-35のコンテンポラリー・ダンサーとしてグランプリを受賞した若手のホープ。在学中はシェアハウス「江原_101」の住民として親しい(まるで息子みたいな)。演出の川村君とのクリエーター同士の出会いでこの企画が始まった。

サウンド系の池田君、本多君は、東京芸大出身のミュージシャン。俳優の川口君と箱崎さんの演技もよく訓練された動きで緊張感あふれて素晴らしい。

8月には自宅隣のGN-houseに宿泊しながら稽古を積み、今回の本番はシェアハウス「江原_101」に宿泊しながらの本番。素晴らしい若手クリエーターとの出会いに興奮しています。これからの彼らの作品に注目していこう。

『STUDY』の観劇後は、市役所前広場のナイトマーケットへ。
市役所前の道路を通行止めにして大道芸が大人気。キッチンカーや屋台もたくさん出店。
これも演劇祭の大切な場所。

出演者、関係者、市民が交流する場として発展していくことを期待しながら楽しむ。

Sensible Activities TAKENO〜夕暮れの竹野浜

漁村特有の「焼杉板」の家の間から見る日本海と竹野ビーチ。

ニール・ラック+荒木優光の”Sensible Activities TAKENO”に行ってみる。

夕暮れの 竹野漁港。

その場限りの「音風景」。耳を澄ませ、日常と非日常を漂う、回遊型サウンドパフォーマンス(音楽家・サウンドデザイナー 荒木優光)

指定された場所と時刻に行くと、ちっちゃなハンドスピーカーを手渡され、思い思いに海を、空を、集落を眺める。
夕暮れの海の風が優しく吹く。それぞれのスピーカーから時間差で「ピッ」「チーン」「カン」といった音が鳴る。それぞれの風景の中で小さい音が、ハッと何かを覚醒させてくれる。

これも演出?
夕陽に照らされた雲。
す〜っと、心地よい風が頬を撫でるように吹く。
素敵な時間。

豊岡演劇祭2025+神戸経済同友会観劇ツアー

いよいよ「豊岡演劇祭2025」が始まる。
今年のテーマは「演、縁、宴。」9/11〜23の13日間。

毎年に恒例になった神戸経済同友会の「豊岡演劇祭観劇ツアー」。
チャーたしたバスとマイカーで30名の皆さんが参加。観劇前のランチは城崎「さんぽう」にて。今年5月より豊岡市の新市長 門間雄司市長を招く。ご自身の紹介とお出迎えの挨拶をしていただく。

竹中香子さん(左)太田信吾さん(右)

16:00より『最後の芸者たち リクリエーション版』(ハイドロプラスト 太田信吾/竹中香子)を観劇。会場は出石永楽館。映画「国宝」で今や日々の永楽館見学者は800〜1000名という大ブレイク。

私は「最後の芸者たち」は2回目の観劇。映画監督・俳優の太田信吾さん、俳優の竹中香子さんのすっかり大ファンになる。公演後、太田さんと少しお話できたのが大収穫でした。

フィナーレは、最後の芸者(本物)の秀美さんが登壇。
秀美さんは最近、私の自宅にもいらっしゃって茶道のお稽古に加わっていただく。

出石から江原駅前へ。
神戸経済同友会の皆さんにはナイトマーケットに参加いただき、ビールやおつまみを購入し、
無事にバスをお見送りする。楽しんでいただけたようでホッと。

空き家再生からはじめよう

兵庫県主催のシンポジウムに参加。会場は、神戸国際会館9階大会場。
テーマ:『空き家再生からはじめるエリアマネジメント推進プログラム』
(   現在、進行中のプログラム。まだ申し込み可能。ご一覧を。)

私が住む豊岡市だけではなく、全国各地は今、空き家の増加が社会問題になっている。
人口減少、若者の地方から都会への移住、不動産相続の問題など、様々な要因で、特に日本の「失われた30年」の間に顕著になっている。
現在、全国で空き家は約900万戸、その内、居住目的以外の空き家が約380万戸ある。

その問題は身近にも差し迫り、私はご近所の空き家2軒を購入して(持ち主から依頼されて)リフォームを施し、芸術文化観光専門職大学の学生のためのシェアハウスを運営している。現在13名(建築家、舞台関係、広告関係の社会人3名含む)が住んでいる。

なんとかそれを起爆剤にして、エリアそのものを活性化し、さらなる空き家活用につながらないかと考えている。

シンポジウムの登壇者の一人、畑本康介氏(たつの市、緑葉社代表)。たつの市の歴史的建造物が建ち並ぶたつの市街地のエリアの活性化に取り組んでいる。一軒の空き家を再生してもインパクトはなく、エリアで捉えないといけないとの指摘。

西村浩氏(東京都、ワークヴィジョンズ代表)は、出身地の佐賀市の商店街の衰退を目の当たりにして、一念発起して荒廃しゆくエリアの再生を決意。

エリアを客観的に分析すると、民間の空き家、空き地、駐車場、耕作放棄地などがあるが、半分は公共空間である道路、河川、公園、広場、公共施設がある。この民と公が所有する不動産を繋いで考えることが重要だと、との指摘。とても参考になる。

2人の講師に共通しているのは、補助金活用、ボランティアだけでは不十分で、持続性を持った再生にしていかないとダメだとの指摘。

まずは、地域がどうであったら良いのか、どうしたいのかというエリアビジョンを描くことが重要。そして不動産投資や民間と行政の連携の仕組みを構築していくことなど、示唆に富む内容が詰まったお話の連続でした。

以前からある兵庫県「空き家対策」補助金の制度は、県民局から説明に来られたこともあり、承知していました。しかし、初期投資に対する一定割合の助成金だったりすることもあり、事業として捉えないと利用できるものでない印象。個人住宅は、その資金と先への見通しがないところから「空き家」になっているわけだから。

今回示された兵庫県の支援策は、それを「エリア」で捉えた支援というところがポイントになる。マネジメントに取り組む「団体認定」と「団体立ち上げ」と「運営資金」を支援するもの。

これらを考慮に入れて、なんとか地域を再活性化できないものか、考えてみたい。

SCOT SUMMER SEASON 2025〜第50回を迎える

2018年に久しぶりに利賀村訪ね、以後1回飛ばしたが、今年で7回目のSCOT SUMMER SEASON。

「久しぶり」と言うのは、実は50年前の1976年、鈴木忠志の早稲田小劇場が東京から利賀村(現・富山県南砺市利賀村)に引っ越し。センセーショナルな「事件」でした。
鈴木忠志追っかけファンの私は当然ながら、利賀山房開場記念公園に行く。
「宴の夜・一」「経政(つねまさ)」(観世寿夫出演)の観劇。

当時は、1960年代からの小劇場全盛の演劇界。
寺山修司「天井桟敷」、唐十郎「状況劇場(赤テント)、太田省吾「転形劇場」、佐藤信「劇団黒テント」、そして鈴木忠志「早稲田小劇場」など群雄割拠。特に私は鈴木忠志の「わせしょう」の大ファンでした。

今回はその利賀村での活動50年目の記念の年。
自分の50年を振り返る利賀村でもありました。

野外劇場(設計:磯崎新)

毎年恒例の「世界の果てからこんにちは」の終演後の鈴木忠志さんの舞台挨拶。
今年86歳になられたこと。これからもSCOTの活動を継続していくこと。利賀芸術公園の存続を南砺市の田中幹夫市長にも協力をお願いしたいことなど、挨拶される。
これからも健康に留意され、1年でも長く現役でいていただきたい。

「果てこん」は男性ばかりの出演なので、女性陣も一役舞台を盛り上げようと、ダンシングチームを結成。パンプキンガールズ? 最近は、劇団で育てたカボチャを観客に「お土産」として配ることになっている。今年は2000個を目標に栽培したそうだ。

パンプキンガールズの右から2番目は、芸術文化観光専門職大学を今年3月に卒業して的だんSCOTに入団した丸山るかさん。シェアハウス江原101の住民でもあったるかちゃんの応援も兼ねての利賀村でした。

舞台創造講座成果発表会〜豊岡市民プラザ

シェアハウス「江原101」住民の櫻井歩都君から前日にお知らせが来る。

谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』を題材に3日間で舞台技術を学び、創作した作品を受講者が「舞台転換」「音響操作」「照明操作」実際に担当する成果発表の場。

受講者には櫻井君、酒井陽君のシェアハウス住民2人。
ダンス出演にはCAT学生蛭田絵里香さん。演出は、CAT教員の田上豊さん、舞台美術は杉山至さんなど。みんな親しくしている仲間たち。

(左より)田上豊(演出) 吉木均(舞台監督) 吉本有輝子(照明) 藤田赤目(音響)

朗読劇とダンスで合わせて30分の作品を終えた後、教授陣から講評。
3日間講座の様子と作品の出来栄えを評価。
受講者それぞれの個性にも触れながら、舞台技術の奥義を指南。

「豊岡市民プラザ/NPO法人プラッツ」が主催しているアートスクール。
市民を対象にしたこういた舞台芸術に触れ、学べる講座をもう何年も継続している。

こういった地道な活動が、地域の文化を育み、支えているのだと実感する。
駱駝館田村一行さん市民参加の舞踏公演音楽コンサート・フェスティバル裏千家淡交会の会議開催など、市民プラザ(豊岡駅前アイティ7階)は頻繁に利用している。

豊岡市民プラザのファンとしても、これからも注目し応援していきたい。

一人芝居『わき道』公演 at シェアハウス「江原_101」

脚本 中辻英恵
演出 辻田康晴
出演 小林 桜
制作 武部好琴

粗筋
この作品はある演劇部に所属する女子生徒と顧問、先輩の関係性を女子生徒の台詞のみで描く一人芝居である。(中略)
一人喋る少女の言葉だけで、複雑な心情変化、少女の置かれる環境変化を丁寧に鮮明に描いていく。
(プログラムより)

シェアハウス「江原101」に住む芸術文化観光専門職大学(CAT)の学生による一人芝居。
演出の辻田康晴君と制作の武部好琴さんは「101」の住人。
元々、住民たちが自由に使える「スタジオ」(2部屋を繋いで)を備えたのは、ワークショップやミーティングを開いたり、演劇・ダンスの稽古をしたり、近隣の人たちにも来ていただき、自分たちの作品を発表するため。多目的に使える空間が活発に使用されているのは嬉しい限り。

演劇の美学が育ったのは間違いなく中辻さんの台本の丁寧さ、文学としての綺麗さの影響を受けているなと改めて思いました。自分が今も演劇活動に熱中しているのは、中学高校時代に演劇だけは本気でやってきたからだなと思います。
(演出:辻田康晴 プログラム・ノートより)

今日は私の反抗期で、型の中で生きることへの初めての抵抗です。滑稽な私の抵抗を見て、この作品の登場人物を好きになってらえると嬉しいです!
(役者:小林 桜 プログラム・ノートより)

CAT2年生の小林桜さんの溌剌とした演技。おそらく約60分の一人芝居は初めてだろうし、台詞が機関銃のように次から次へと飛んでくるのを受け止める。
一人芝居を観る時にいつも感じるのは、最初の10〜15分ぐらいは「役者」を追いかけ、観ているが、一人の人物(主人公)となっているのに気づく瞬間がくる。
小林さんの姿が変わって見えてくるのが不思議であり、面白い。