稲と背比べのコウノトリ

神鍋方面からのからの帰り道。すくすく育つ稲の穂先になにやら白いものが突き出たり、消えたり。車を止めてよく見るとコウノトリ。数十センチに育った田んぼの稲から頭がニョキ。

休耕田を横切り、隣の田んぼにゆっくりと移動するコウノトリ。2005年の野生復帰より17年が経ち、身近に見る機会も増え、もはや珍しい光景ではなくなったけど、大きなサイズの野鳥と思えば、改めて貴重な生き物だと再認識する。

『はんぶんこ』/ あいのり第1回公演

昨年、豊岡市に開学した県立芸術文化観光専門職大学(CAT)の学生たちによる演劇公演。会場は大学内にある「小劇場そぞろ座」。

パンフレットによると、北海道札幌出身のCAT学生と札幌で演劇活動を行っている演劇人(本作の脚本)との共作。遠く離れた地で得た感性、考え方、出会いを盛り込みながら創作活動をしている。

本作『はんぶんこ』は、「心って、なんだろう。」と問いかける作品。
「一人、部屋の中」にいる若者と「心」探しの旅に誘う仲間たち、CAT学生4人が演じる。

先日、今回出演している学生たちと会話する機会もあり、真剣に演劇と取り組む学生たちの姿が印象的だ。

自前で開いた夏祭り〜出石(いずし)城下町

商店街の向こうに建つ時計台「辰鼓楼」

夕方の豊岡市出石町中心部。週末は観光客で賑わう出石中心部の通り。平日の夕刻はひっそりなのか。コロナ禍のため3年連続で恒例の夏祭りが中止になったとニュースで知っていた。そこで、地元の有志が立ち上がって自前で開催しようとなった。この通りの一本隣の通りを中心に屋台やイベントが行われている。

出石のまちづくりに取り組むグループと田結庄商店街商店街で毎月マーケットを開催している女性3人グループが中心になって呼びかけて実現した「手づくり夏祭り」。両グループには友人知人がいるので、激励も兼ねてかけつける。

コロナ禍で、ほぼ全ての町でこの2年間夏祭りは中止だったので、久しぶりの夏祭りに市民も待ち焦がれていたのでは。

中心部の交差点広場では、バンド演奏、大道芸がある。ピアノ演奏はN君。海外での活動も行ってきたミュージシャン。今は、豊岡在住で町おこしの活動をしている。

歩くと「やあ、久しぶり」「祭りっていいね」。みんなリラックスして楽しんでいる。自前の手づくりイベントの味がたっぷり。

どうしたもんか?

この2週間、時間に追われる忙しい日々が続いた。その合間に、伸び(過ぎた)庭の草木の剪定をしようとすると雨が降りだすからどうしたもんか。(かなり言い訳でもある)
階段脇の街路灯も伸びたフジバカマに覆われてしまった。

伸びて垂れてきたブルーベリーに埋まる2階ガーデンのチェア。麻紐で塀に括り付けなくては。

我が家のビオトープ。スイセンの花が開き、ショウブが咲いた春は良かったのに、今はこれ。水溜りがあるのかないのか、水辺の植物で埋まっている。

最悪なのがこれ。「はーたーけっ」。「畑」などとは言い難い。
ここにはジャガイモ、枝豆、ナス、キュウリ、トマト、その他イロイロ。
「さて、画像のどこにあるでしょうか?」なんてふざけている場合ではない。
夏祭りの花火見物に友人たちがやってくる前に、なんとかしなくては。

「新しい」美術館〜藤田美術館

藤田美術館(大阪市都島区網島町10番32号)

大阪でのライブコンサートの折に、夕方の時間を利用して藤田美術館に行ってみた。短時間であったのでじっくりと鑑賞はできなかったのが残念。今年4月に5年かけてリニューアル・オープンした、新しいコンセプト(鑑賞、施設、体験、滞在、寛ぎなど)を持った美術館であることが随所で実感する。

入口から入ると長方形の広い空間が広がる。石を配置した先に展示室への重厚なドアがある。入館チケットは、スタッフの方が端末機(スマホのような)を持って来られて、その場で購入。キャッシュレスを目指すとのことでカード、スマホ決済のみ。これからの美術館のシステムも変化していくのを予感。

藤田美術館多宝塔(高野山光台院から移築)

近代的な直線のアプローチ、四角いロビー空間とは、対照的な庭。「多宝塔」は、桃山時代に建立され、明治の実業家・藤田伝三郎により高野山より移築された。ホッとする佇まい。

入口左側を向くと茶室。天井に取り付けられたプロジェクターが、白い壁面に大きく映像を映し出す。さまざまなイベントを行なえるスペースだろうか。映像は、左官の久住有生(くすみなおき)さん。藤田美術館の壁面を施工。我が家は、有生さんの父・久住章さんによる土壁なので、その作風、技法など馴染みがある。以前、象設計集団の講演会でお会いしたことがあるが、今や日本を代表する左官職人。時代を超え、左官が作り出す土の空間は素晴らしい。

館内も久住有生さんによる土壁の空間。
音声ガイドのサービスはなく、入館前にスマホにQRコードを読み込み、展示物の前でその解説を自前のスマホで読む仕組み。つい、スマホの写真(実物が目の前にあるのに)と解説に集中してしまう。自前のイヤホンで音声を流した方が有効では、が私の感想です。
建物、システム中心の内容になってしまいました。これからの美術館の姿を見た貴重な体験でした。

『基礎自治体の文化政策』〜まちにアートが必要なわけ 藤野一夫・著

藤野一夫+文化・芸術を活かしたまちづくり研究会

全国各地で繰り広げられている「文化・芸術を活かしたまちづくり」を現地調査・研究しまとめた書籍。調査を行ったのは基礎自治体の職員たち。指導助言者として参加した藤野一夫(芸術文化観光専門職大学副学長/神戸大学大学院教授)氏がまとめたもの。

新潟県十日町の「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」、「金沢市民芸術村」「いわき芸術文化交流館アリオス」など、全国に先駆けて新しい制度を導入したケース、外部から実績のあるプロデューサーを招き開催するもの、市民ワークショップを繰り返して建設した施設、地域に根ざした生活、街並み、芸能、空き家などを再活性化する試み、など参考になる情報が満載です。兵庫県では、「兵庫県立芸術文化センター」「三田市総合文化センター 郷の音ホール」が紹介されています。

私は、但馬の文化活動、特に各市町で行われている音楽イベントについて関心がありました。相互の連携、情報の共有などが希薄なのに少し課題を感じているので、芸術文化観光専門職大学(CAT = College of Art and Tourism)の藤野副学長にお話をお聞きする機会を作っていただく。藤野副学長は、自治体の文化政策が専門で、ドイツにも長く滞在され、ご自身は音楽にとても造詣が深くていらっしゃるので、大きな学びを得ました。この著書も、直接いただく。

第3章には、平田オリザさんの公開シンポジウムの基調講演「文化によるまちづくりの可能性」も掲載されています。現代社会の現状、問題点を浮き彫りに、それを文化でどう解決していくのか、平田オリザさんのお話は説得力があり、いつも納得、ワクワクする。ご一読を。

『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 村上春樹・著

レコードを集めるのが趣味で、かれこれ六十年近くせっせとレコード屋に通い続けている。これは趣味というよりは、もう「宿痾」に近いかもしれない。僕はいちおう物書きだが、本にはなぜかそれほどの執着はない。しかしレコードに関しては、認めるのはどうも気恥ずかしいのだが、それなりの執着があるみたいだ。

『古くて素敵なクラシック・レコードたち」
なぜアナログ・レコードなのか? (p10)

村上春樹と言えばジャズ、と思い浮かぶ(若い時にジャズ喫茶もしていた)が、クラシック音楽の造詣も深い。まあ、私がどうのこうの解説するのもおかしい。彼の小説を読み、ジャズの蘊蓄を学び、いろんな知的興味を引き出してくれたのだから。

「中古レコード店に行くとまずジャズのコーナー、それからクラシックコーナーへ。」
「レコード・コレクションは、ジャズ7割、クラシック2割、ロック・ポピュラーが1割」
「ジャケ買い、安いから、クラシックではコンプリート蒐集しようの目論見はない」
「名盤には興味し、ダメ元でできるだけ安く買って気に入らなければ処分、気に入れば残す」

などなど、村上の行動パターンを知ると、私の学生時代を思い出す。新宿の中古レコード屋『UNION』に暇さえあれば通って、レコードをチェックしたものです。私の場合は主にジャズだったが、アルバイト代がほとんど全てがレコードに消えていた。私の場合は、ジャズ8割、ロック1.5割、クラシック0.5割かな。

と、言うことでこの「古くて素敵なクラシック・レコードたち」には、ほとんど知られていない(私が知らないだけかもしれないが)演奏家、指揮者も多数登場する。

これらを聴くのは、以前だとほとんど不可能(レアなものばかりなので)だったが、今は、アップルミュージックで検索して結構見つかる。村上のクラシック・ワールドを読みながら、ダウンロードして聴く。「古」(いにしえ)と「今」が混じり合う、なんだかすごい時代になっていますね。

全部で100曲紹介されています。1曲3〜4ページの村上解説を読みながら、一つの曲を異なる演奏家の演奏を聴き比べるのも楽しい。お試しあれ。

Keith Jarrett “Death And The Flower”

Keith Jarret : p, ss, wooden fl
Dewey Redman : ts, perc
Charlie Haden : b
Paul Motian : ds
Guilherme Franco : perc

1. Death and the Flower
2. Prayer
3. Great Bird

Recorded in October 1974

学生時代には時々聴いたアルバム。ジャズを聴き始めた頃で、1950〜60年代の4ビートのジャズ、その後のマイルスやビル・エバンスと言ったメインストリームが中心だった。キース・ジャレットも前後して「ソロ・コンサート」シリーズで演奏活動をし、一世風靡の時代だった。ただ、この「Death And The Flowe」(邦名:生と死の幻想)は、私の中で異質なものを感じていた。何故かわからないけど、どうもしっくりとこない。

先週、久しぶりに聴いてみるとシックリくる。この1週間、毎日聴いている。時代が変わり、ジャズも変わり、自分も年齢を重ねる。音楽も違って聴こえてくる。
2005年の私のブログにも書いている。

誕生祝いとカブトムシ

私の誕生日7月6日は平日だったので、土曜日の今夜、お祝いを兼ねて夕食を家族一緒に食べようと企画してくれた。

この4と2と8のロウソクは何だい?
6のロウソクがなかったので「4+2=6」なんだって。孫の機転に感心。(^ ^
プレーンなケーキなんだけど、中にピーチがたっぷり。妻には大いに感謝だ。

急に場面が変わって、何でカブトムシ??
実は今朝、蛹(さなぎ)から成虫に脱皮(?)したそうな。
「おじいちゃんと同じ誕生日だ、一緒にお祝いしよう!」と昆虫好きの孫が虫カゴから取り出して見せてくれた。まさかカブトムシと一緒にお祝いをしてくれるなんて。

カブトムシの幼虫は、5月ごろに孫が通っているピアノの先生からもらったもの。そんなことすっかりと忘れていたけど、孫は虫カゴでしっかり育てていたんだ。

この力強い脚と角(つの)、そしてツヤツヤした生まれたてのカブトムシ。
予期せぬ誕生日の祝いになったけど、むしろこのカブトムシにあやかりたい気持ちがフツフツと湧き上がる。

「政策」がつくられる背景(神戸経済同友会)

ANAクラウンプラザホテル神戸

神戸経済同友会の定例幹事会。今月はANAクラウンプラザホテル神戸。議題は、毎月の「会員異動報告」に引き続き、後援名義の了承。今回は「豊岡演劇祭2022」を後援していただくことが可決される。先月、豊岡演劇祭の実行委員をご紹介し、演劇祭の概要を説明し、それが採択されることになりました。

2020年以来、毎年バスをチャーターして、同友会の会員の方には観劇をしていただいている。「演劇って面白いね」「豊岡って頑張っているね」と声をかけていただく。

神戸(全兵庫)で、豊岡ファンを増やしたい。

議事了承の後は講演会。今月のゲストは、兵庫県産業労働部長の竹村英樹氏。「政策」の定義から始まって、理路整然とわかりやすく解説していただく。

「政策」の意味
《一般的な定義》
(政府・政党の)政治上の方針とそれを推進する手段。例として、金融政策、観光政策、◯◯党の政策など。「政府」には、県、市町村も含まれる。
《使える定義》
地域の課題解決の方法。課題とは、現状と理想(将来像)の差。地域特性を考え、具体的に考えるその手法が見えてくる。

政策手法
条例(規制など)、課税(減税など)、事業(補助金、交付金など)、行政指導・助言、県民運動(広報)。5つの手法を取り上げ、それぞれの特徴(効果、持続性、スピード、操作性)などをマトリクス比較。トータルで使いやすいのは事業(補助金、交付金)。

井戸県政と斉藤県政の比較
井戸前知事は、トップマネジメント(20年の実績で県政を熟知)、知事査定に2〜3週間(ほぼ全項目を細かくチェック)。それに対して斉藤現知事は、ボトムアップ(フラットなネットワーク型)、知事査定は1日(スピード重視、トライアンドエラーを容認)。

県の行政の仕組み、知事の政治手法など、理解が深まる。