今年の餅つきは学生たちと

「今年は楽しよう」などと思ったわけではないけど。
シャアハウス「江原_101」のCAT学生たちと餅つき。
群馬、山梨、沖縄出身の学生たち。
それぞれの故郷には、それぞれのお餅つきがある。せっかく豊岡で学び住んでいるので、地元のお餅つきを経験してもらいたい。

途中から近所のHさん親子も合流して、搗あがったばかりのアツアツを丸めて丸餅に。

二臼目は、搗たてのお餅をちぎってその場で食べる。東北・関東では恒例のようだが、関西(少なくとも我が家)では、こんな食べ方をしないが、妻は山形出身なので、すっかりと我が家の餅つきの定番となっている。これがなんとも言えず美味しいのである。

ちぎったお餅をポンポンとそれぞれの具(?)の中に放り込むとみんな奪うように手をだす。これがまたなんとも楽しく、美味しさを増幅してくれる。

木のお皿に取り揃えると、まるでケーキ。

最後は善哉。
美味しいお餅がつけました。
いよいよ明日は大晦日。

光の庭〜土の壁と光

穴の空いた屋根から光が差し込む。
地面から見上げると1階、2階、3階の窓が見える。
屋根からの陽光を各フロアにボーッと優しく届けるための「光の庭」。

土の大壁は、左官の久住章さん制作。風雨に晒され100年ぐらい経った表情にしようと塗ったもの。実際に30年経っても、その土壁の美しさは増すばかり。時間を超えた存在感がとても心地よい。

2022/08/26ブログにも紹介
「光の庭」〜雨も雪も降り落ちてくる

土壁〜差し込む朝日

土壁に差し込む朝日。
おや?なんだ?
3階改築に伴い撤去する寸前の足場の陰。

土壁の表面にある髭のような文様。但馬地方の木造家屋の中塗りの土壁。この後、仕上げ塗りをするための土ののりをよくするための仕掛け。「すさ」と言う。藁屑、糸屑などを使う。ドーモ・キニャーナ設計では仕上げ塗りをする予定だったが、この「すさ」の文様が美しいので、中塗りでストップ。過度に飾らない素朴な味が気に入っている。

フルート 三上明子さんを偲ぶ

ドーモ・キニャーナでの三上明子さん

昨日、フルート・コンサートを聴きながら、今年9月24日に急逝された三上明子さんのことを思い出す。

三上明子さんは、私の義理の妹と高校時代の同級生。絵画と音楽と分野は違えど仲の良い友人同士。そんなご縁で、私の自宅(ドーモ・キニャーナ)で、三上さんのコンサートを開催した。(1996〜1997年ごろ。記録を調べないといけない)

三上さんは、東京芸術大学を経て、20世紀最大のフルート奏者の一人マルセル・モイーズにも師事し、日本を代表するフルート奏者。多くの後進の育成に励まれていました。

ロシアから来日し、東京など全国でコンサートをしているオペラ歌手を伴っての演奏会。

会場準備や演奏者への気遣いや、自宅だったので余計に緊張していた私に対して、気さくに声をかけていただき、飄々とされている姿が印象的。フルートを演奏する立ち姿を写真で振り返ると、三上さんの声や表情、当時のことが懐かしく甦ってくる。

あまりにも早い旅立ちですが、安らかにお眠りください。
合掌。

工事中!〜ドーモ・キニャーナ

10月よりリフォーム工事が続く。
「光庭」に組み立てられた「足場」。

リフォームといっても難工事である。
土壁に気遣いながら、大工、屋根、建具、家具などを一新する。

土壁は、左官の久住章さん作。
「出来たその時から100年前の表情」がテーマで30年前に完成。
我が家の大切な土壁。

完成はもう少し先ですが、今回のリフォームの目的の一つは「自然を取り込む」(裏山と円山川を望む)。内と外の曖昧(あいまい)さを残しつつ、快適性をより向上させること。

薪ストーブ〜今シーズンは遅めのスタート

今年の晩秋は比較的暖かい日が続いた。
10月から自宅の工事が進行中ということもあって、薪ストーブの「始球式」は12月に入ってからになった。

今シーズンの「第一灯」は、孫Kにしてもらおう。ハンガーの端材なので、ほんのちょっとの着火剤で簡単に火が付く。

ガラス戸とガラス屋根。
晴れた日は日差しがいっぱいなので、さらに心地よい。

感謝感激〜左官の久住章さん再訪

今月初めの訪問から再び、左官の久住章さんのご自宅を訪ねる。用件は後ほど書くとして、木々の中に建つ久住邸の美しい土壁とその佇まいには、訪れる度に、惚れ惚れする。

広〜い庭。庭というより森と言った方が良さそうだ。落葉広葉樹の木々は葉を落とし、地面は落ち葉の絨毯。

庭(森)の中に、ご自宅、左官道具の詰まった作業場、倉庫などが点在する。すべて美しい曲面でデザイン設計された土壁。

さて今回の用件は、お風呂の相談。

現在、自宅の改築プロジェクトが進行中。浴室の設備に大きな変更が生じ、プランそのものを見直ししなければならなくなった。技術的に、建物の構造的に、可能かどうか、重大な決断が必要になる。そこで咄嗟に「ここは久住さんに訊ねてみよう」と思い連絡し、この度の訪問となった。恐れ多くも「日本一の左官屋久住さん」に即答快諾を得て、これ以上ない感謝感激です。

プランは土、モルタル、タイルを使用するので、空間、総重量、防水、作業そのものの手順、など相談は根本的なものばかり。

改築の設計を依頼している建築家(ガラージュ)、実際に作業していただく地元の左官職人、水道配管屋さんにも帯同してもらう。関係者最強のメンバーで久住さんのアドバイスを受けることができて最良の一日となる。

書斎に差し込む夕陽

何かわかりますか? 時計の針は4時30分。
書斎の板壁に差し込む夕陽。もともと赤身の杉の板でできている書斎の壁に、紅く染まった夕陽が注ぎ込む。ケヤキの葉が風で揺ぎキラキラ輝く。

夕陽が西へ沈むにつれて、差し込む夕陽は部屋の奥へと移動していく。
晩秋の夕方、書斎に現れる素敵な瞬間。

土壁を剥がす〜築30年経って

自宅3階の土壁。荒塗りの壁は30年の風雨に晒され、少しずつ飛ばされ、流されているが、返って、そのことに愛着が湧く。ともに30年を過ごしたんだな、と。

今回、3階の改築のメインテーマの一つにベランダにガラスの庇を架ける工事を行うことにした。墨を入れたところをカットして、土を剥がし、中にあるだろう(?)梁に加工を施す。

解体業社さんが楔を打ち込む、緊張の一瞬。心臓を撃ち抜かれる気持ちで見守る。

いつも眺めてきた土壁の土を剥がす作業が終わる。図面通り、太い梁を剥き出しにすることができた。土壁の厚みは、想像していたよりもさらに厚く70ミリ以上ある。この厚みが外部の寒暖を防いでくれていたんだな、と感慨深い。

さて、次の段階へ進もう。

ガラスの天井〜空を見上げる

じ〜っと空を見上げているのが好きだ。
だから天井の一部をガラスにする。

象設計集団には「7つの原則」がある。
「1.場所を表現する」→進明寺(しんめいじ)山を取り込んだ借景。
「5.自然を受け止め、自然を楽しむ」→陽光をいっぱい入れる。空を眺める。2階の庭。
「6.あいまいもこ」→家の内と外を繋げる。外のような内のような空間。

聳える柱の向こうに空。