「すぐそこに演劇があるまち」(豊岡市ガイドブック)

豊岡市のガイドブック「すぐそこに演劇があるまち」が面白い。

表紙からしてグッと惹き付けられる。今春、演劇のまちづくりを標榜する豊岡市が現在取り組んでいる活動や施設を紹介する冊子。市民の理解を得るのはもちろんのこと、Uターンや移住を検討している人たちへのアピールを狙っている。

「城崎国際アートセンター」(KIAC)「芸術文化観光専門職大学」(CAT)「江原河畔劇場」などの演劇関連施設と共に、CAT学生たちが生活するシェアハウス「江原_101」も紹介していただきました。

衝撃の表紙なので、やはり表と裏を開いてご紹介したい。

昨年9月、豊岡演劇祭公演『最後の芸者たち』(ハイドロブラスト/太田信吾・竹中香子)。私もKIACで観劇しましたが、最も印象に残った演目の一つ。太田信吾さん「芸者文化の未来を探る」、竹中香子さん『身体を「記録媒体」として活用する』のメッセージ。すっかりファンになってしまいました。

さてさて本題(?)のシェアハウス。
昨年8月にオープンしたCAT学生のシェアハウス「江原_101」(豊岡市日高町江原101)を紹介していただきました。

近所にあった空き家を改修。それぞれの個室、2階部分を吹き抜けにしたスタジオ、みんなで集まって料理をしたり談笑できるキッチンスペースを完備。

相手希望により購入した空き家、一緒に住もうとしている学生5人組、改修設計できる建築家との偶然の出会いとタイミングで実現しました。

共有部分は学生たちの憩いの場であり稽古場。今後は、住んでいる学生が中心になって地域の人や学生たちを招いてイベントも企画する予定。今年の豊岡演劇祭でのフリンジや演劇ファンの人たちの交流できる場としても提供できればと考えています。

すでに、但馬コネクションをこのスタジオを利用して開催しています。

学生たちが卒業後も自由に戻って来られる場所となるのが一番の楽しみです。
どうぞ、一度立ち寄ってみてください。

庇のガラスを拭いて終了だ

今日は快晴!
絶好の外(そと)仕事(しごと)日和(びより)。
ガラス庇の上側をモップで水洗い。

3階のベランダなので、この作業は多少危険を伴う。傾斜のついている2階の庇(これもガラス)の上に脚立を置き、補助の人が支えながら作業は進む。

これで昨年10月に始めた3階改修工事の全てが終了。(ほっ!)
築30年の土壁に気遣いながらの大変な工事でした。
設計していただいた建築家、工事を請け負っていただいた工務店と職人さんに感謝。

大山崎山荘美術館に寄ってみた

高槻に来たついでに、大山崎山荘美術館に立ち寄ってみた。

大正から昭和初期に活躍した関西の実業家・加賀正太郎氏が建てた山荘。正太郎氏没後、荒廃した建物を京都府や地元の町からの働きかけでアサヒビールが買収し、元の姿を復元すべく1996年に美術館として再興した。

故・加賀正太郎氏はニッカウヰスキーの設立にも参画し、当時、アサヒビール初代社長・山本爲三郎氏とも親交があったそうだ。時代を超えて、この親交がご縁とは(実際はそうでなくても)美談ですね。

『没後40年 黒田辰秋展』を観覧。

場所は天王山の山麓にある。
「天下分け目の天王山」と言われるように、歴史上数々の戦いの舞台となった天王山。

生い茂った木々で展望が狭まって見えにくいが、ここから桂川、宇治川、木津川の3本の川が一望できる。

室町戦国時代から幕末明治の歴史を感じるひと時となる。

『新建築 住宅特集 5月号』〜31年目のドーモ・キニャーナ

建築誌『新建築 住宅特集 5月号』(4/19発行)に、ドーモ・キニャーナが掲載されました。

31年経って(1992年竣工)、再び建築雑誌の特集号に選んでいただくのは、思いも寄らないことでした。今回は約6ヶ月かけて3階の改修。2021年ガラージュ(若手建築家集団)との出会いから計画がスタートしました。

「新建築5月号」では、最初に紹介されているのが、『改修 ヴィラ・クゥクゥ』(原設計:吉阪隆正)、2番目に紹介していただいたのが『改修 ドーモ・キニャーナ』(原設計:象設計集団)。

今回の特集号掲載で一番嬉しかったこと。
それは、(私の好きな)偉大なる建築家 吉阪隆正さん設計のヴィラ・クゥクゥに続き、その吉阪隆正U研究室から誕生した象設計集団設計のドーモ・キニャーナが取り上げられ、その3階部分を改修設計したのがガラージュという流れ。

編集者の粋な計らい(偶然ではないとみていますがどうでしょう?)。

吉阪隆正氏は早稲田大学建築学科卒業、早稲田大学理工学部長、日本建築学会会長を歴任、U研究室主宰。そのU研究室から誕生したのが象設計集団(樋口裕康/早大建築学科、富田玲子/東大建築)。そしてガラージュは早稲田大学建築科、大学院を卒業した同期生3人組。(ちなみに私も早稲田大学。政治経済学部経済学科なのであまり関係ありませんね)

振り返ると意図した訳ではないけど、その時代、時代に、知り、出会い、関わり、共に行動し、その後も続くお付き合い。点と点が繋がっていくことに内心驚いている。嬉しいことであり、大切にしていきたい。私にとって、そんな今回の『新建築5月号』です。

ドーモ・キニャーナから南に見える円山川、その向こう岸にある裏山(家族ではそう呼んでいる)から進美寺につづく広葉樹の山の風景をより取り込み、楽しむための仕掛けが目的。具体的にはベランダと浴室の改装を行う。

象設計集団の富田玲子さんのコメント、樋口裕康さんのスケッチ

12ページを使ってカラーで紹介していただいている。

1987年ごろ、象設計集団に設計を依頼。約1年かけて地域の調査を行いながら、スケッチしていく。但馬の山々に囲まれた谷間をイメージしてホールの構想が生まれる。(写真左上側)
5年掛けて完成したドーモ・キニャーナ。建築当時の柱組、壁の竹小舞(写真左下)など、私にとって懐かしい資料が掲載されています。

『新建築 住宅特集 5月号』

我が家の改修工事も大詰めだ

浴槽の床タイルを貼る。

浴室のガラス戸を修正する。

まだ最後の金具取り付け、部分的な塗装作業が残っている。
天候も考慮して、完成間近な光景を待ちきれずに撮影隊も入る。

昨年10月から始まった改修工事もいよいよ完成間近だ。

城崎温泉「小林屋」〜新装オープン

こちらは城崎温泉「小林屋」さん。

2年かけて改修工事をされていた小林屋さん。工事を完了され、ミニコンサート&試食会(内覧会)のご案内をいただきました。

先々代の小林屋当主と私の父は、旧制豊岡中学校(現・兵庫県立豊岡高校)の同級生。しばしば小林屋さんで同窓会などがあり、私は父を車で送ったこともしばしば。旅館の前を車で通る度に、いつも親近感を持っていました。

「一の湯」と大谿川に架かる橋を挟んで向かい側にある老舗旅館。玄関を入ると、ロビーにはブックディレクター幅充孝さん選書の図書棚あり。ドリンクバーやカフェなども準備中。ぜひ、一度訪ねてみてください。

ランチには、小林屋名物の「釜めし」がお薦め。

・但馬牛、八鹿豚、大山鶏から選ぶ「肉系釜めし」。
・旬の食材にこだわった季節の釜めし。
・松葉がにの身を、茹でと炙りの2段重ねレイヤーで堪能する迫力の釜めし。

ああ、書いてるだけで涎が出てきそう。(^ ^;;

レストランでのミニコンサートは、谷川俊太郎さんのご子息でピアニストの谷川賢作さんとブルースハープの続木力さんのデュオ演奏。どんな音楽かと思いきや、なんとソニー・ロリンズの”Doxy”で始まる。いい感じ。

谷川俊太郎さんの詩を朗読しながらの演奏、さらに俊太郎さん作詞「♫空を超えてラララ星のかなた ゆくぞアトム ジェットの限り〜〜」の鉄腕アトムの主題歌をジャズアレンジで。なかなか粋な演奏でした。

新装「小林屋」さんは、GWにグランド・オープン。
みなさん、行ってみてください。

城崎温泉 小林屋
兵庫県豊岡市城崎町湯島369
Tel: 0796-32-2424

ドローンで自宅を撮る

ドローン登場!

ある建築雑誌の取材を受ける。
自宅の改修工事のプロセスとビフォー/アフターの資料としての撮影。

写真中央の空に写っているのがドローン。
いつも眺めている景色だが、ドローンは逆にその景色から我が家を見た時に、どう見えるのか。それは、私も見た事がないアングルからの風景になる。

さて、どんな写真になっているのか、建築雑誌が出版されるのを楽しみに待とう。

何十年ぶりだろう?動物園

昨日に続き、春休みの孫Kと一緒に京都。
今日は岡崎動物園。以前、来たのはもう忘れているぐらい昔のこと。

息子が小さい時だから40年ぐらいは経つだろう。NHK「ダーウィンが来た!」など動物番組は欠かさず観ている割には、動物園は40年ぶり?って自分で驚きだ。

カバのところに来ると孫Kが「おじいちゃんの仲間だ」と。
どういう意味?
身体のある部分を指しているのではなく、ただ単に「体重が重そう」という意味なんだと理解しておこう。

キリンの檻の前に来る。

2月のイベント『建築映画館』(東京/飯田橋)で観た「Silent Witness」(1992年)と言う映像作品を思い出す。『ヴィラ・ダラヴァ』(レム・コールハース/OMA 設計)と言う住宅の竣工映像にキリンが登場するのだ。パリ郊外にある住宅街に建った新住宅の庭をノソノソと歩き回るキリン。全く異次元の存在を突き合わせて撮った映像に強烈な印象を持つ。

こんな時に、何も近代建築のしかも前衛映像を思い出さなくても良いのに。

そんな孫と一緒の久しぶりの動物園でした。

梅小路蒸気機関車庫〜いつか訪ねて見たかった

この写真を見て「あそこだね」と知っている方も多いと思います。通るたびに、いつか一度は行ってみたい、と思っていました。そう!「梅小路蒸気機関車庫」
JR山陰本線で、京都駅到着寸前に車窓から見える。現在は「京都鉄道博物館」の一部として多くの見学者を集める名所。

転車台がクルクル回って、あの重量級の機関車がそれぞれの車庫に収まるところを想像するだけでワクワクしませんか。特別な鉄道マニアではない私でもそう思う。

蒸気機関車の機関室。黒光する管、栓、アーム。
重量感に圧倒される。

このメカニズムと存在感は、アート(芸術品)ですね。

「静嘉堂@丸の内」と「明治生命館」

「静嘉堂文庫に行こう?」
「二子玉川まで行く時間ないよ」と東京駅でのやりとり。

世田谷区岡本にあった静嘉堂文庫美術館は、2022年10月に東京丸の内に移ってきた。私はそのことを知らなかった。これまた明治生命館という伝統あるビルの中なので、いわゆる「美術館らしい」外観はない。

正確には、展示ギャラリーのみが移転し、美術品、静嘉堂文庫(書庫の蔵書数は20万冊)の保管は引き続き従来の世田谷区岡本で行われるという。

今回の展示で、私が感動したのは何と言っても「国宝 曜変天目」茶碗。テレビでは観たことがあるが、やはり、生で見るのとは全然違う。

これが建設当初の明治生命館。1934年(昭和9年)竣工。設計は岡田信一郎。
昭和初期におけるオフィスビルの最高峰と言われている。
確かにこの存在感は格別だ。

太平洋戦争で負けた戦後、アメリカのGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収され、米・英・中・ソの対日理事会の会場として使用される。1997年(平成9年)に国の重要文化財に指定される。

この部屋が、中・米・4カ国代表の会場となった。
ここで、戦後の日本を決める重要な会議が続いていた。
「この部屋で。。。」

こちらは食堂。