どうにも分からない豊岡市民会館の行くえ

神戸新聞「但馬欄」 2024/12/13

どうにもいつも気になる案件がある。
豊岡市の「新文化会館」の建設か、それとも「現・市民会館」の改修か、と言う議論。

もとを辿れば4年前。
現市民会館(耐震工事は完了済み)は、ホールの内装、舞台装置、設備など築50年以上経って老朽化が進み、使用するのに危険が生じる可能性もあり、短い周期で修理修繕の費用が発生する。ならば、新市民会館を建設して、時代のニーズにあった文化会館運営をしようとなった。市民と有識者の企画委員会も作り、計画された新文化会館は2026年度開館、建設費は約50億円となりました。

設計・計画されたタイミングで市長選挙があり、市長が交代し1年間の再検討期間を設けた。しかし明確な方針が示されず、伸ばした1年の間に建設費の高騰などで約10億円コストアップになり、60億円以上が必要となる。それではと、さらに設計変更なども試み、開館予定も2027年度と1年先送りして議論が継続される。

そして議論される中で、現時点では、新文化会館の建設費は約100億円と膨れ上がり、現市民会館の改修で良いのではないかと議論が4年前に戻ってしまった。
(なんともやるせ無い)

(この新聞記事によると)今回は、市会議員から「(新開館建設から現会館改修への変更の)判断が急すぎる」「20年後を想像し、どういうまちにしたいかを考えて公共投資すべきだ」の声が上がる。

それを受けて豊岡市は中長期的なコストの試算結果を市議会に提出した、とのこと。

新開館を建てる場合は、建設費と20年後の改修費で約128.9億円を想定。市民会館の改修では、改修費と改修20年後の後継施設の建設費も含め、総額約127.5億円を見込んだ。
(新聞記事より)

前者は、建設費100億+改修費28億=128億と言うことでしょうか?
後者は、改修費50億+後継施設77億=127億と言うことでしょうか?
(改修予算は40〜50億円との情報)

これに対して市長は「20年で市民会館が使えなくなるとは限らず、新築が必ず必要とも考えていない」との答弁。

まさか「改修の方が1億4000万円安いからこっちにしよう」などとはならないでしょうが、何かもっともっと大切なことが抜けているようで心配になる。

改修に40〜50億円もかけることがまず想像つかない。(何か凄い計画があるのか?)

いずれにしても「改修なのだから市役所のしかるべき担当部署で改修設計する」などとならないようにしてもらいたいものです。

こここそ市民の声、文化活動している市民、音楽サークルやおんぷの祭典の経験からくる知見や音楽家の意見、高校生や大学生たち若者の要望をしっかりと受けとめてもらいたい。

まず豊岡市の将来ビジョンを明確にすること。そして改修設計は、古いものを再生するセンス、マイナスをプラスに変える発想豊かな建築家、専門家に委ねることが重要だと考えます。

ちょっと友人陶芸家のアトリエ拝見

陶芸家のMさんちに立ち寄る。
エントランスと言うか表アプローチと言うか、素敵なお家。
木々は、我が家の庭のお世話もしてもらっている庭師のKさんが植える。

山の裾野にあるアトリエ。
開けたこの空間がいい。

なんだこれ??
庭師さんの遊び場かな?
アトリエ横の林に囲まれた空き地を利用して作庭中。
さて、どんな庭ができるのか今から楽しみだ。

最近、メキメキと人気が出てきた陶芸家Mさん。
あちこちのギャラリーで個展も頻繁に。
私は渋谷のギャラリーにも行きました。
我が家の茶道具にもMさん作が増えてきました。

祝・ゴールドメダル受賞〜建築家GARAGE(ガラージュ)

「35歳以下の若手建築家による建築の展覧会2024」。

会場は、グランフロント大阪の「うめきたシップホール」。
展覧会場に行き作品を鑑賞。

建築家集団ガラージュが昨年に引き続き、今年も沢山の応募作品から最終7組にノミネートされる。

昨年2023年の作品は、シェアハウス「江原101」と「ドーモ・キニャーナ3階改修」を展開。

瀬尾憲司・渡辺瑞帆

今年2024年は《100年かけて劇場をつくるプロジェクト》で見事にグランプリに輝く。
おめでとう!!>小田切くん、瀬尾くん、瑞帆さん

珊瑚礁の島、喜界島(鹿児島県)を舞台に「100年かけて劇場をつくるプロジェクト」を、喜界島サンゴ礁科学研究所と共同で行うもの。

喜界島まるごと、100年かけて、人と生態系のサンゴ礁文化を残す、という壮大な構想に注目してしまう。地球温暖化とテクノロジー進化に伴い、生活も文化も衣食住すべてが大変化する現代には、こういうスケールで考えることが重要なことであると考えます。

プロジェクト進行中の昨年7月に喜界島サンゴ礁科学研究所の理事長と所長をお迎えして、ドーモ・キニャーナで食事会をしました。ガラージュの3人と、なんと喜界島出身の友人も一緒に。夜中の2時まで大いに語り合いました。

改めてグランプリ受賞が自分ごとのように幸せな気分になります。
研究所の皆さんと共にお祝いしたくなります。

ノミネートされた他の建築家の作品。
「熱帯化する日本」「はじまりも終わりもない建築」「手入れ」「ものさしとまなざし」、集合住宅、ベトナムの普通の事象・事情を考慮した設計など、現代社会の課題、価値観の転換を迫る作品が並ぶ。

私のスケジュール関係で、シンポジウムに参加できないのが残念ですが、若手建築家が活躍する姿を想い描きながら会場を後にする。

KITTE大阪〜ちょっと立ち寄って

大阪梅田が大きく変貌している。

大阪駅の西側の旧大阪中央郵便局のあった敷地に「JPタワー大阪」が誕生(2024年3月)。
その地下1階から6階までが「KITTE大阪」。7月31日にオープン。

大阪駅2階と通路で繋がる。横断歩道を渡らなくても良いのでより近く感じる。

ロゴは東京丸の内のKITTEと同じ。
ビル内の空間もKITTE東京と類似しているのが第一印象。
旧中央郵便局の建物の一部を移設保存しているのでそうなるのか。

ガラス窓を採用したビルは近年の流行なのだろうか。

6階に劇場(SkyシアターMBS)、28階から上階にはホテル(The Osaka Station Hotel)がある。
今回は、短時間しかなく3階の「豊岡カバン」のショップを見学しただけなので、またゆっくりと訪ねたい。

ブランディングと建築

今回の岩手への仕事旅は「コーポレート ブランディングと建築展」の見学。
主催者「ジュークアンリミテッド株式会社」加藤瑞紀社長にお会いするのが最大の目的。

会場は「岩手教育会館ふれあいギャラリー」。
盛岡城跡に面していて道のこちら側は石垣の城壁が美しい。
「映画館通り」商店が並ぶ「大通り」、そして城壁を囲む道路のスケールが気持ちい。
これも城下町(南部藩南部氏)の持つ歴史と生活文化の豊さからくるものだろう。

創業して7年目にして、岩手県のみならず他県でも着実に実績を上げている「ジュークアンリミテッド」は、ある機会に知ってからとても気になる会社として私の中にありました。
ブランディング(ソフト)とファクトリー建築(ハード)を結びつけて(本来、別々のものではないのですが)プロデュースする会社ってどんなのだろう、と。

一例が、先日に滋賀県で訪問した(株)シンコーメタリコン様(「ご縁あって企業見学」)。

オープン・ファクトリー(見せる工場)、産業観光などのキーワードで注目を浴びる「ものづくりカンパニー」を意識し、実現していこうと確信する訪問となる。

不思議なお宅 で 素敵なお茶事

今回の滋賀は、真夏の(夜の)夢のような琵琶湖周遊だ。

お茶時にご招待いただいた妻を送るために湖西の町に車を走らせる。少し迷いながら、到着した住宅街の一角。

まず、軒先にニョッキリと立つ芭蕉(バショウ)にびっくり。
大きな真っ赤な花はなんだろう?(調べるとモミジアオイかな)
このコントラストに「ここはいったいどこ?」という気分に。
猛暑の中なので尚更である。

車を停め、庭の片方の入り口(こちらが玄関口)からお宅に入る。同じ庭なのにこの佇まいの差はいったいどうしたものか。だが、妙にバランスがとれている。

お茶事の間は(私は他の仕事があり)私は席にはいませんでしたが、この部屋から眺めるお庭を拝見し、どんなお茶事だったのだろうか?と興味津々。

帰りの車で妻から聞くと主題は「蓮」。
米作りもされているという亭主の田んぼに生えるハスを使ったお料理、さらに琵琶湖ならでは(鮒鮨など)の発酵を使ったお料理など、地元の食文化を彷彿とさせる心のこもった美味しいお料理でした、と。

庭のゴリラの焼き物(?)は、このお宅で個展を開かれた作家さんが残したものだそうです。

バナナ(芭蕉)、ハイビスカス(赤い花)、ゴリラ、、、、
やっぱり「いったいここはどこ?」
不思議なひと時となりました。

ご縁あって企業見学(滋賀県湖南市)

近江八幡のホーム・コンサートのご招待を受けてやってきた滋賀県。
滋賀県と言えば以前から一度訪問させていただきたい企業があったので、急なアポをお願いして立ち寄りました。

溶射の(株)シンコーメタリコン。「溶射」は、金属の表面に溶融した金属やセラミックを材料の微粒子などを吹きつけて皮膜を作る特殊な技術を要する。ジェット機エンジンのハネ、高速道路の液晶表示版のフレームなど、大型機材、インフラなど安全性、耐久性を求められるものに対し防錆や表面硬化をするのが目的、と説明を受けて納得。自動車や医療機械など小さい部品までカバーする。

(株)シンコーメタリコンさんは「人を大切にする経営」をモットーに社員待遇に力を入れている。賃金給与はもちろん、働き方改革、女性活躍推進、手厚い福利厚生(特に社員旅行は全て海外旅行、お小遣いも出る!)、資格手当、誕生日手当、部活動支援、社会地域活動など、どれも半端でない実行されている。

代表取締役の立石豊氏とは、経営コンサル会社(大阪)主宰の「経営者倶楽部」で一緒に学ぶ関係で親しくさせていただいた方。

2023年5月に新工場(オープンファクトリー)を完成される。このプロジェクトを担当されたデザイン設計会社ジュークアンリミテッド(株)(盛岡市)の社長とも多少のご縁あり。

ということで、今回の訪問のきっかけとなりました。

豊岡けんちく学校(2日目)

第3講は「瓦ぶき」。
指導するのは瓦職人の北倉和典さん。北倉さんは若い頃当社で営業担当として一緒に仕事をしたことがあり、久しぶりの再会となる。なかなか職人が板に付いた風貌で頼もしい。

子どもたちに屋根のこと、瓦について上手に話が進む。これから屋根にふく瓦の裏側に子どもたちの夢、想いを書く。なかなか気の利いた演出だ。

一斉に屋根に上り瓦をふいていく。ふき終えて職人さんと一緒の写真。みんなの表情から達成感が伝わってきます。

第4講は「左官体験」。
さあ、いよいよ最終工程の左官仕事、壁に土を塗る。そのためにはまず、土を塗りつけるための竹木舞(たけこまい)を編む。これが簡単なようでなかなか難しい。最初は左官屋さんの先導で麻ひもを絡めていく。慣れてくるとだんだんとペースが上がる。

建築中の家で竹木舞を見つけると、いつもその美しさに見惚れてしまいます。自然の木・竹・土を使った日本建築の美しさ、自然と共存するようなそんな豊かな気持ちになります。

最初は竹木舞に土を投げつけるように手で擦り付ける。土との葛藤が始まる。子どもたちはみんな泥んこ遊びしている感じかな。

左官屋さんの鏝(こて)を借りて、見よう見まねで鏝を使いこなしていく。覚えが早い、なかなか良いセンス。交代ごうたいで土を塗り、あっという間に土壁が完成する。

「完成、はいチーズ!」で全工程が終了。

参加した子どもたちは工程が進むにつれて、本気度が増してきたように感じる。その顔つきを見ているとよくわかる。

「家をつくる」「自然のものに触れる」「技を知り学ぶ」。このけんちく学校の目的である「五感で感じる木の魅力と日本の伝統工法」が達成できた2日間でした。

定員15名で参加者は9名でしたが、進行的にはちょうど良い人数でした。しかし、もっともっとたくさんの子どもたちに、木や土の魅力や職人技を知ってもらいたい、との思いもより強くなりました。

参加者の親へのアンケートでも、
「次回も参加したい、継続して欲しい」「参加前は参加費1万円は高いと思ったが、終わってみて納得」「1日目だけの予定だったが、他の予定をキャンセルして2日目も来ました」「日本の伝統的文化体験会があるのが良い」などなど。

子どもたちの目を輝かせ、取り組んでいる姿に感動。
ぜひ、継続できるように、最大限のサポートをしていこうと思う。

豊岡けんちく学校(1日目)

先日、お知らせしました『豊岡みんなのけんちく学校』がいよいよスタート。

「里やま工房」(豊岡市佐野314-2)。
社屋前の広場には、何やら足場を組んでブルーシートが覆っている。
小学校3年生〜中学生を対象に行われうけんちくワークショップ。

第1講は「設計」(製図体験)。
まずは、朝日から夕日までの太陽の動きと東西南北の関係は?から始まり、家の各部屋の日当たりはどうかと、家の間取りへとつながっていく。家族には老人、大人、子ども、赤ちゃん、ペットも、様々な年代がいますね、とそれぞれどの部屋が良いのか、キッチンは、ベッドルームはなど。後半は「自分の家」の間取りを子どもたちが書いてみる。

午後の第2講は「大工」(組み立て体験)。
プレカットしてある柱や梁を組み立てる。プロの大工さんの指導の下で実際に足場に上がって木槌を振り下ろす。

野地板を貼る作業は、みんな屋根の上に登って釘を打ち付ける。
みんな黙って夢中になっている。こんなことしたことないので面白いんだろうね。

やったね、おみごと!
御幣を掲げて
えいえいおー!

本物の「木」に触れる。
本物の「手」に触れる。
職人のわざを楽しむ
けんちくを体験する。

間違いなく、
子どもたちは本物に触れるとても良い1日となりました。

開校します! 豊岡みんなのけんちく学校

本物の「木」に触れる。
本物の「手」に触れる。
職人のわざを楽しむ
けんちく体験ワークショップ

一般社団法人 木和堂 HPより

鎌倉を拠点に活動する 「一般社団法人 木和堂」さんが、子ども達に豊な森の恵みと職人の技を伝える場として始めたプロジェクト。鎌倉での3年の活動経験を踏まえ、全国の子ども達に体験を広げて行こうとの思いで、今回の豊岡での「けんちく学校」が開校しました。

一般社団法人 木和堂
鎌倉みんなのけんちく学校

木和堂さんとは、ブナ林の再生を目指す新潟県大白川のブナ林のブナを利用したハンガーを製作できないかとのオファーをいただいたことが出会いでした。木和堂さんの「日本の森と暮らしをつなぐ」というコンセプトに共鳴し、活動の支援をさせていただいています。

6月15日(土)、16日(日)の2日間で「小さな家を建てよう」という体験授業です。
「設計」、「組み立ての技」(大工)、「屋根の技」(瓦職人)、「壁の技」(左官職人)のそれぞれの職人さんと一緒に家を建てます。

日程 : 6月15日(土)、16日(日)  10:15〜16:00
場所 : 里やま工房(豊岡市佐野314-2)
対象 : 小学校3年生〜中学生
定員 : 15名まで
参加費: 10,000円(2日間) プログラム毎の設定もあり

若干名余裕があります。
前日まで、受付をしています。