“U-35″〜35歳以下の若手建築家による展覧会

U-35(Under 35 Architects exhibition 2023) がいよいよ10月20日から、大阪梅田のグランフロントで開催されます。

建築家集団「ガラージュ」も選出され、イベントに出展します。

U-35は、35歳以下の若手建築家による建築の展覧会。公募・推薦により7組の建築家・設計者が選出され、図面や模型、映像を用いて建築作品が展示され、トーク、レクチャーなどが予定されている。

ドーモ・キニャーナ3階

豊岡市日高町江原に拠点を置く建築家集団「ガラージュ」は、展示とギャラリー・トークを行ないます。

ガラージュのギャラリーイベント
日程:10月24日(火) 16:00〜17:00
会場:グランフロント(うめきたシップホール2階)

作品(テーマ)は、シェアハウス「江原_101」のリフォームの経緯とドーモ・キニャーナ3階の改修設計、工事など。

特に、シェアハウス「江原_101」は芸術文化観光専門職大学(CAT)の学生たちが居住し、ダンス・演劇や観光マネージメントなどの学びと創造、地域社会との連携など、注目を集めています。

都合のつく方、興味のある方、地域づくりに関心のある方、会場に行ってみましょう。

展覧会:U-35(Under 35 Architects exhibition 2023)
日 時:2023年10月20日〜30日
会 場:グランフロント大阪(うめきたシップ2階)

「みんなのけんちく学校」プロジェクトを豊岡で検討

鎌倉の一般社団法人「木和堂」さんが鎌倉で実施している「鎌倉 みんなのけんちく学校」を関心のある全国の自治体に広めようと、豊岡でできないかと検討を始める。

「けんちく学校」の目的は、「森の恵み、木の良さを見て、嗅いで、触って体験する」「職人の技と知恵を知り学ぶ」「自分の手を使ったものづくりの面白さに気づく」こと。

林業、製材、設計、大工、左官、建具などのそれぞれの職人が講師となって、子どもたちと共に体験を通して伝えていくのが大きな特徴。

鎌倉から木和堂のお二人も来られて、鎌倉での活動を紹介していただく。これまでの3回(年間に8回のワークショップを行なう)の実績と課題などを聞き、豊岡での可能性を探る。

個人的に親しくしていただいている市役所職員と地域活動で子どもたちの学びと遊びを提供しているKさん、地元で民家再生を手がけているIさんなど、多様なバックグランドを持った友人、知人と相談を始めました。

相談会場となった「里やま工房」の池口さんとは30年来の知人。こんなテーマで再会できるのも嬉しい。初めて訪問した「里やま工房」からの風景もなかなか素晴らしい。

「けんちく学校」開校に向けて頑張りたい。

U-35の準備が進行中

シェアハウス「江原_101」の建物の構造模型。
建築家集団「ガラージュ」が10月に開催される「U-35 Architects exhibition」で展示するもの。「U-35」は35歳以下の若手建築家の登竜門。100を超える応募、推薦の中から7組が選ばれ、その場を与えられる。

ドーモ・キニャーナの改修工事の一部を原寸大で製作したもの。

これらの展示物も含め、ガラージュの本番でのプレゼンテーションも楽しみになってきました。

魂入ってきたかなシェアハウス〜江原_101

但馬コネクションの開始直前のセッション会場

「仏作って魂入れず」
せっかく良いものを作っても、大事なものが抜け落ちていれば、作った努力もむだになる。

良いものかどうかは別として、シェアハウス「江原_101」の活動が活発になってきました。

「オープンなスペースが欲しい」と言う要望に応えて、壁、天井、障子、収納庫を取り除く。明るく開放的なスタジオが誕生し、想像していた以上に快適。

今回のようなセミナーもできるし、車座になってミーティングしたり、ミニ演劇公演、ワークショップ、普段は住民であるCAT学生がストレッチやダンスレッスンしたり。時々、ベンチを組み合わせてテーブルにして、鍋パーティをしたこともある。

車や人の往来も見える奥の道路側の窓の下には、靴を履いたまま入れる土間がある。特製「土」のテーブルでコーヒーやお茶で一服。

玄関サイドから見たスタジオ。

スピーチやプレゼン話し手の席とスクリーン。その奥のロールカーテンを上げると、窓の向こうには円山川の美しい景観。

右側のバスルームとシャワー室、トイレ、左側のキッチンとは直結し、コンパクトに収まり利用できる。

2階から見たスタジオ。

2階のくつろぎスペース。円山川を間近に見下ろし、川からの風が気持ちいい。時には、1階スタジオと2階と連携させた企画もありました。

「豊岡演劇祭2023」でも、このスペースを利用したイベントが行われます。
地域コミュニティ、学生たちの交流、学びの場、もちろん但馬コネクションの会場として、大いに利用が広がって来ました。
江原_101イベントにもどうぞ、気軽に立ち寄ってみてください。

新文化会館(豊岡市)に希望すること

新文化会館市民説明会(豊岡市)より

豊岡市の新文化会館の整備計画が進行中。

音楽ファンの一人として大いに期待しています。どうしても建物や設備(音響、ステージ、客席、楽屋など)に関心が行きますが、それを運営する組織(仕組み)も大切にしていただきたいと思っています。

1980〜1990年代に「箱物行政」と言われる時代がありました。地方自治体が隣にもあるから我が町にもと類似施設を造り、有効に活用されないまま運営に行き詰まってしまう、と言うケースが全国各地で頻発。身近な例としても実感するところ多しです。

より大切なのは、建物完成後の会館(劇場)運営ですね。

新文化会館市民説明会(豊岡市)より

平田オリザさんの「地域文化コーディネーター育成講座」(豊岡市民プラザ主催)に参加したときのお話が、その後いつも記憶にあり、大切なことだと思う。

もう11年前になりますが、講座の内容と思いをブログに書きました。

”劇場の館長は専門家(それを愛している人)がやるべき。世に名高いワースト3の劇場の共通点は、受け付、管理人がひどい(事務的、無関心、管理優先、出向任期で交替)。みんなで創り上げる環境が大切。まさに劇場は生きものなんだ。”
KOH’s VIEW【「文化の地産地消」〜 平田オリザ in 豊岡】 2012年6月18日

今年度(2023年度)は、まさに「管理運営計画」が策定されようとしている。ぜひ、運営組織をしっかりとした方針でやっていただきたい。

最後は私の思いで締めくくりました。

“「地方には付加価値を生む人材が不足」(オリザさん)との指摘を超えていきたいものだ。”  と。

お風呂の窓から空を楽しむ

お風呂に浸かって眺める空が面白い。

今春、浴室と浴槽のリフォームを行なう。テーマの一つは「窓からの風景を楽しむ」。「車窓」ならず「浴窓」とでもいいましょうか。

窓は31年前の建築当初からあるが、浴槽の形状を南側の窓をゆったりと眺めるように設計。これがなかなか想定していた以上に良い。

猛暑の午後、真夏の空と雲。
温めのお湯に浸かりながら、ぼっーと眺める。

そうそう、もう一つの楽しみがある。
窓際に置いた円筒はポータブル・スピーカー(これがなかなかの音質なのだ)。

お湯に浸かりながら聴くジャズ。
ピアノ・トリオがよく似合う。

Museum SAN〜”Youth”「 青春」安藤忠雄展

Museum SAN(ミュージアム サン)。
S=space、A=art、N=natureの略。SANは、韓国語で「山」を意味する。

ソウルから車で約1時間半、江原道(カンウォンド)西部にある原州(ウォンジュ)の山中にある。2013年5月オープン。設計は建築家・安藤忠雄。総面積は約2万1千500坪と、韓国の美術館の中でも最大規模。

現在開催されている「安藤忠雄展/青春」を見学。(2023年7月まで)

安藤忠雄の青いりんご「永遠の青春」がここにも。兵庫県立美術館と「こども本の森」中之島にもある。米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春」という詩から由来している。

ウォーターガーデンには、アメリカの彫刻家アレクサンダー・リーバーマンの作品、赤いオブジェ「Archway」が設置されてる。

花畑には、彫刻家マーク・ディ・スベロのオブジェ。鳥をモチーフとした作品。風を受けて向きが変わる。

外壁は、京畿道(キョンギド)・坡州(パジュ)産の石。

本館をぐるりと水で囲むウォーターガーデン。水面に山や木々が映り、より美しい佇まいを生みだす。

ストーンガーデンは、慶州(キョンジュ)の古墳を模したもの。所々には、アート作品が展示されている。

安藤忠雄さんとしても、最大規模の建築になるだろう。ソウルから離れた郊外の山々が静かになだらかに連なる。

こんな場所にある壮大なミュージアム。
今回の韓国の旅は、改めて韓国財閥の力を感じる。ブローバルにビジネスを展開し、その利益を、コンサートホール、会議場、美術館などの文化的な施設に莫大な資金を投入する。現在の日本企業では考えられない規模の文化への投資である。

韓国に行けば、ぜひ立ち寄る価値のある施設です。

こちらのサイトも参考になります。(写真多し)

青瓦台を国民に(ソウル市街地)

青瓦台(チョンワデ)。
韓国大統領府として利用されていましたが、2022年に大統領に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)により大統領府を移転し、一般に解放されるようになった。国民のほとんどはまだ見学していないので、今韓国一の観光スポットとなっている。

青瓦台入り口を入ったところにある看板は『青瓦台を国民へ』。訪れる人は皆記念撮影だ。

玄関から中に入ったロビーと赤絨毯の階段。大統領の執務机。一昨年まで、歴代の韓国大統領はこのデスクで執務していたんだと思うと、戦後の日韓関係の様々な事柄が頭をよぎる。

(左)韓国伝統家屋が並ぶ「北村韓屋村」。実際に市民が住んでいる住宅街なのに、観光客が殺到。「静かに!」の看板を持って道を巡回している担当官(?)が何人か。

(右)景福宮(朝鮮王朝の太祖・李成桂(イ・ソンゲ)により建てられたきゅうでん)。光化門の中で、毎日行われる守門将交代式。大勢に観光客が取り囲んでいる。

(左)南大門。2008年の放火事件により全焼し、その後復元された。

(右)ソウル駅の旧庁舎が見える。1925年に京城駅として建てられた。設計は塚本靖。

私にとって、こんな光景もとても韓国的。
韓国ならでは。

三星美術館 Leeum

三星美術館Leeum(サムスン・リウム・ギャラリー)。

2004年10月のオープン。
スイス人建築家マリオ・ボッタの設計。(Museum 1 陶磁器・古美術)
フランス人建築家、ジャン・ヌーベルの設計(Museum 2 現代美術)

私は2回目の訪問となるが、山の中腹にあるため、美術館全体が眺められない。

エントランスに向かうデッキでは、美術館の入り口の手前に浮浪者が寝ている。。。 いやいや、ここからすでに作品の展示が始まっている。

広くゆったりとしたエントランス。
そこにも浮浪者?
真似している人がいるけど(どこかで見た人)(^_-)

美術館の所蔵品数は、国宝36点、宝物96点を含む古美術、世界の現代芸術家の作品約15,000点。展示物は、先史から朝鮮時代に至る韓国美術の国宝と宝物など、名品120点を厳選して展示。

ニューヨークのグッゲンハイム美術館を想起させる螺旋の階段と窓。ガラスを張り巡らして不思議な空間を作り出している階段。屋上広場にある、空を映し出す特大の凸レンズ。

屋上広場からの眺め。
ちょっと原宿・表参道周辺に似ている感じがする近隣の建物。

ソウル行けば、ぜひ行ってみてほしい 三星美術館 Leeum。

4年ぶりの海外〜韓国ソウルへ(LG ARTS CENTER)

コロナ禍のため控えていましたが、4年ぶりに海外への旅行。
韓国ソウルへ来ました。
建築家安藤忠雄設計の美術館を巡るのが目的。

韓国ソウルは3回目の訪問。約15年ぶりなので、記憶も薄れていたが、街が綺麗なのに驚く。コロナで生活も経済も寸断されていたでしょうが、今は車も人も忙しく往来している。

金浦空港からスタートして、最初に訪れたのは “LG ARTS CENTER”。

建築家安藤忠雄の設計で2022年10月にオープン。4年6ヶ月の歳月と2500億ウォン(約250億円)かけて建設。

地上階を斜めに貫通する円形の通路。途中に各会場に通じるエントランスがある。いかにも安藤忠雄ですね。

ロビーの湾曲した壁面。
2つの公演会場がある。

グランドシアターは、オペラ、ミュージカル、演劇などの公演ができる1335席の多目的公演会場。もう一つ、

ブラックボックスは、365席規模で、公演に応じて座席を自由に配置できる可変型劇場。よりクリエイティブで実験的な公演もできる。