では、人口減の中でも市場の機会になり得る「増える」あるいは「掘り起こせる」要素とは何だろうか。本書で注目するのは「グローバル成長との連動」「リアル空間の活用・再発見」「仮想空間の拡大」「時間の蓄積が生み出す資産」という「4つの機会だ。
『価値循環が日本を動かす』 デトロイト トーマツ グループ
(第2章 「価値循環がもたらす成長のダイナミズム」より (p50)
副題は「人口減少を乗り越える新成長戦略」。確かに日本の「失われた30年」と言われている低成長の原因の本質は、人口増=経済成長の成功体験を払拭する、新たな成長戦略が見えてこないことにあると考えます。
「グローバル」については、世界全体は人口増加中。経済成長している国もある。それらとリンクさせる。単なる輸出だけでなく、投資や人材を受け入れる、インバウンド増など。
「リアル空間」については、人口減は国土利用の空間が増大する可能性がある。森林・海の資源を活かす。
「仮想空間」については、デジタル技術を使って仮想空間内での経済活動が活発になったり、リアルと仮想空間の双方向でビジネスを展開していく。
「時間の蓄積」については、日本の歴史、文化、技術、伝統や知恵という資産を活かす。知的財産、社会資本、教育、アニメなど。
これらの「機会」を「ヒト・モノ・カネ・データ」の4つのリソースを掛け合わせて、新たな需要を生み出し、成長していくシナリオを描かなくてはならない。
本書の後半の「観光データ・マーケティング」の項目では、城崎温泉が紹介されている。数十件の旅館が宿泊予約客の予約日程、人数、金額、居住地などの情報を共有し、地域全体で活用する取り組み。
私は「グローバル」と「時間の蓄積」に注目して、会社経営や地域活性化を実現していきたいと考えます。