早朝のお参りと和室

朝7時。
ピンポーンと玄関のベルが鳴る。宅急便にしては早すぎるし、誰?

お寺さんがお盆のお経を挙げに来られる。
1年中で一番忙しいお盆。それにしても早い始動。
こちらは朝起きたままの格好で失礼しました。^ ^;;

仏壇のある和室は、私が生まれ育った古い家の和室をそのまま復元したもの。
現在の自宅(ドーモ・キニャーナ))を建てる前に、復元を前提に丁寧に解体。
床の間、天井、梁、障子、襖、縁側の戸は、すべて古い家の材料をそのまま組み立て直し、利用したもの。

30年前、両親のリクエストもあり、愛着のある和室は復元することにした。
当時、両親が喜んだように、私も今、どこか温かい懐かしさを覚える部屋。
すべてが真新しい住宅も良いが、家族の歴史を刻んだ古いものを継いでいくことも大切だな、いいもんだな、と最近感じる。

『行く川の流れは、動的平衡」 福岡伸一・著

行く川の流れは、動的平衡』 福岡伸一・著

あったものがなくなる。なかったものが現れる。動きこそが生命にとって本来の情報である。それによって環境の変化を察知し身構える。情報は常に好意を引き起こすものとしてある。だから同じ匂い、音、味が続いたらそれはもう情報ではない。私たちは自分の唾液を塩っぱいとは感じない(が、キスの味は分かる!)。新しい情報の創出のためには、環境が絶えず更新され、上書きされなければならない。そうでないと変化が見えない。ネット社会の不幸は、消えないこと。小さな棘がいつまでも残る。情報は消えてこそ情報となる。
(「トカゲを振り向かせる方法」 p30)

朝日新聞に連載されていたエッセイ集。日常の出来事、自然界の現象を生物学者としての見識を散りばめながら、その本質を明らかにしていく。当たり前と思っている事象も、なぜ?と疑問を持つと分からないことは結構ある。逆に「腑に落ちない」「納得いかない」などの社会問題、人生経験、人間関係のトラブルなど、生物的に、生命の必然として解き明かしてくれる。

マップラバー(Map Lover)とマップヘイター(Map Hater)の話も面白い。

マップラバーは、地図大好き、何をするにも全体像を把握し、自分の場所を確認してから目的地に向かう人。マップヘイターは、地下鉄の改札を出ても百貨店に入ってもいきなり歩き出す、でも目的地には到達する。

秀才のマップラバーは、密かにマップヘイターを恐れる。マップヘイターの方がより逞しく、危機に強いから。私たちの身体は細胞のマップヘイター的な行動によって形成された。しかし、脳は地図を欲しがってしまう。

あなたはどっち?身体と脳の関係はなぜ?

こんなお話がいっぱい。優しい言葉を使いながら刺激いっぱいの本です。

“魚返明未 & 井上銘”

”魚返明未&井上銘”

魚返明未 : piano
井上銘 : guitar

1 きこえない波
2 サイクリングロード
3 もず
4 かなしい青空
5 丘の彼方
6 隔たり
7 Herbie Westerman
8 縮む
9 静かな影

アルバムタイトルは至ってシンプル。2人の名前。同い年(1991年生まれ)で高校時代から旧知の2人がデュオで演奏する。久しぶりに購入した月刊誌「Jazz Life」の最初の記事がこのアルバムだった

最初はなんとなく聴いていたのだが、「きこえない波」「サイクリングロード」「もず」と静かに滑らかに曲が進むにつれて、気がつくと2人の演奏に浸かりきっている。聴くたびにどんどん惹き込まれていく演奏。久しぶりの体験。

このアルバム・リリース記念の東京でのライブ(天王洲アイルの「KIWA」)に行き、さらには大阪でのライブ(北区曽根崎の「Mister Kelly’s」にも)1曲、1曲がよりアドリブが長く、圧倒的な熱量で迫ってくる。まさにライブの醍醐味。「サイクリングロード」(at KIWA)

持っていたノートの表紙にサインをもらう

大阪でのライブの後は、2人と少しお話ができた。
「次はどこで?」と訊ねると「秋にコットンクラブ東京で」と。
むむーっ、どうしよう。

『ビジョンとともに働くということ」山口周×中川淳

投資はかなりの額が必要になるんです。しかし、儲からない工芸の世界で誰がそれをやるのか。実現はなかなか難しいですよね。そこで思いついたのが、「産業観光」というアイデアでした。垂直統合だけでは投資に見合うリターンがえられないので、プラス・アルファの要素として「観光」を持ち込む、というものです。
ビジョンとともに働くということ』山口周×中川淳
「産業観光と垂直統合が産地の生きる道」 p 217

ここの「垂直統合」とは、様々な製造工程を別々の会社がやっていると、どこかひとつの工程の会社が潰れると製品が造れなくなるので、ひとつの会社で内製化してしまう、という意味。かつてバブル崩壊後の1990年代、外部委託、ファブレス(工場を持たないメーカー)と言った、自社の資産(固定費)を下げて、総資産利益率を上げよう、と言った経営がもてはやされた時代もあった。私もその方針の基に経営を行なった時期もある。

しかし、時代はより変化を加速し、不安定、不確実、予測不能の時代になり、サプライチェーンの崩壊リスクも高まる。自社のアイデア、ブランド構築が優先する時代が到来したと言える。

今やブランドの構築には、自社の経営理念、ビジョンはもちろんのこと、その地域、自然環境、歴史、風土を巻き込んだコンセプトがとても重要になっている。それこそがこれからの「観光」にもとても重要な要素となる。

ビジョン(こうありたい)を追求しなければならない。

飛行機(to)雲

青空見上げると、但馬空港へ着陸態勢に入った飛行機が。
遠くでゴロゴロと雷音が聞こえる。

日高小学校グランドから

雷の発生源はこの入道雲?

入道雲に突っ込む?

ゴロゴロが急接近。
急いで帰らねば。

『復活への底力』 出口治明・著

僕自身はと言えば、「人生は変化に富んでいるなあ。川に流されるように生きていても、岩にぶつかったりする。思わぬ展開にも一所懸命に対応する方が面白いし」などと作業療法士の方から見れば大変な作業も、とにかくやり続けようと楽観的に考えていました。
『復活への底力』 出口治明・著
(第3章 「リハビリ開始と折れない心」 p72)

私がいつも注目している出口治明氏の闘病期の一コマ。出口氏は2021年1月に突然に脳卒中に見舞われ、右半身麻痺の状態になる。その後復帰するまでの顛末をこの本にされている。

私自身も、2016年に台湾で交通事故(朝ウォーキング中に車に撥ねられる)にあう。突然の事故で「死」と直面した経験がある。3日間集中治療室に入れられ、台湾で入院、帰国後頭部手術、入院と続き、元に戻るのに約2年間を要した。

病気と事故との違いはあれ、突然発生した「変化」(岩にぶつかる)に、私も向き合った。「思わぬ対応」を強いられるが、これも人生の流れと思い、楽観的にいられる自分が不思議でもあった。加害者を憎むわけでもなく、一歩立ち止まって人生を見つめ直す時間を与えられたと感謝する気持ちすら湧いてきた。

・「流れ着いた場所では、運と適応が大切。どんな意欲を持ってどんな世界にしたいと思って動くか、自分の意思次第」
・「生きていくための知恵は、不幸といかに向き合っていくかの知恵とも言える」

出口氏の普段の好奇心、教養、迷った時はやるの決断、ポジティブな生き方は私の目標でもある。

副題の「人生は楽しまなければ損です」に、出口氏の思いが集約されていますね。

3年ぶりにアメリカからセンメリ家族がやって来た

娘Sと息子Mが自宅裏の堤防を散策する。(この写真なんかいい感じなので使いたかった)。母親は豊岡出身でもう30年以上昔から知っている親しい友人。アメリカのコネチカット州に住んでいる。コロナ禍で帰国できず3年ぶりの帰国。そして江原に来てくれた。

イタリアンで夕食。

夕食の後はピアノタイム。大人たちは横のテーブルでワインを飲みながら語る時間。

彼女(母親)が弾く「戦場のメリークリスマス」。30年前に彼女がこの曲弾いた時から、友人仲間でつけた彼女のニックネームは「センメリ」。

最後の堤防工事と江原墓地

2004年10月20日、台風23号が但馬地方を襲った。ここ豊岡市日高町も円山川の氾濫で河川沿いにあるちくが床上浸水の大災害を被った。国の激甚災害地域として円山川堤防工事を開始。あれから18年経って、やっとここ江原墓地エリアの堤防工事が始まった。この工事が終了して全ての堤防工事が終了する。

墓地の向こう側に円山川が流れる

堤防計画の外側に江原墓地がある。順序として移転して、それから堤防工事となる計画だが、墓地移転に反対する若干の人がいて、遅れに遅れた。2020年に江原地区住民投票をして、墓地移転よりも先に堤防を敷設してほしい、との圧倒的な支持を得て、この工事が始まった。

シルバー人材派遣にお願いして墓掃除

江原墓地は円山川ほとりの岩盤上にある古い墓地。老木あり、笹薮あり、放置されたお墓も結構ある。江原生まれ、江原育ちの私にとってはそれが逆に江原の歴史を感じる場所。

この光景は私の生まれた頃と変わらない。

今の網戸って凄い

左、透明ガラス。
右、網戸。
確かに左窓枠の方がクリアだけど、右も負けてはいない。

同じく
左、透明ガラス。
右、網戸。
網戸越しの風景も、曇ったり、遮断された感じがなく、眺めることができる。
「黒色の網だから」と取り付けた工務店の人が言うけど、それだけだろうか。

網戸、バカにできない。
昔の網戸のイメージとは全然違う。

網戸越しの眺め

川沿いにあるシェアハウス「江原_101」。
窓さえ開けていれば、四季折々、朝から晩まで、必ず川からの風が吹き込んでくる。
なんとも爽やかで心地よい。
エアコンに頼らず自然の風を大いに利用して欲しいものです。
(まあ、連日38℃前後の今は無理そうですが)

ヒトも空間も、風通し を大切にしましょう。(^_^)

夕焼けに ノウゼンカズラ 月を見ゆ

ふと西の空を見ると燃えるような夕焼け空。逆光シルエットのノウゼンカズラの黒ずんだ紅。月だけが涼しそう。

ずっと向こう、暮れゆく連峰が美しい。蘇武岳はどの峰だろう。

3階ベランダから

秋の雲? と言うにはまだ早いか。