『ビジョンとともに働くということ」山口周×中川淳

投資はかなりの額が必要になるんです。しかし、儲からない工芸の世界で誰がそれをやるのか。実現はなかなか難しいですよね。そこで思いついたのが、「産業観光」というアイデアでした。垂直統合だけでは投資に見合うリターンがえられないので、プラス・アルファの要素として「観光」を持ち込む、というものです。
ビジョンとともに働くということ』山口周×中川淳
「産業観光と垂直統合が産地の生きる道」 p 217

ここの「垂直統合」とは、様々な製造工程を別々の会社がやっていると、どこかひとつの工程の会社が潰れると製品が造れなくなるので、ひとつの会社で内製化してしまう、という意味。かつてバブル崩壊後の1990年代、外部委託、ファブレス(工場を持たないメーカー)と言った、自社の資産(固定費)を下げて、総資産利益率を上げよう、と言った経営がもてはやされた時代もあった。私もその方針の基に経営を行なった時期もある。

しかし、時代はより変化を加速し、不安定、不確実、予測不能の時代になり、サプライチェーンの崩壊リスクも高まる。自社のアイデア、ブランド構築が優先する時代が到来したと言える。

今やブランドの構築には、自社の経営理念、ビジョンはもちろんのこと、その地域、自然環境、歴史、風土を巻き込んだコンセプトがとても重要になっている。それこそがこれからの「観光」にもとても重要な要素となる。

ビジョン(こうありたい)を追求しなければならない。

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