ナマコを採ってきて、お米をつくっている人に「ごはんだけだとさみしいでしょう?これ、美味しいですよ〜、ごはん進みますよ〜」と言って”高い金で”ナマコを売りつければいいのです。その収入の中から自分はお米を買って、初めて経済が回るのです。
つまり、世の中の発展のためには、全員がお米をつくってはいけないのです。ナマコを採るべく冒険に出かける人間が必要です。当然、全員ナマコ漁師になってしまうと、ごはんが食べられなくなりますから、こめをつくってくれる人もありがたい存在です。
ですが、お米の農家さんが多数派だと仮定すると、私たちはあえてナマコを採りにいくリスクを取りたいと思うのです。
『京大変人講座』 酒井敏/他・著 (p268)
紹介文が長くなってしまいました。
変人の大切さを「ナマコ理論」で説明する、まさに「変人」の横顔が滲み出ているのでこの部分を抜粋しました。^ ^
ノーベル賞受賞者をたくさん輩出したまさに「京大」の真骨頂だろう。
6名の京大教授(准教授、助手含む)が登場し、それぞれの専門分野についての授業がある。「地球」「経営」「法哲学」「社会デザイン」「生物」「予測」。
それぞれ「目からウロコ」の新事実、視点、思考、論点が満載。
どれも面白いが、私は特に「なぜ鮨屋のおやじは怒っているのか」(経営の教室)がオススメ。
「おもてなし」は英語で「ホスピタリティ」。語源をたどるとギリシャ語で「ホスペス」(「見知らぬ者」、「力を持つ」の組み合わせたもの)とつまり「敵意ある見知らぬ者には対して力を持つ」遠言う意味。なぜこれが「おもてなし」なのか。
文化人類学的に解くとどうなるのか、どうぞ読んでみてください。