商店街がかつてと同じようなやり方で栄えて再びシャッター街が栄えることはもうないだろう。けど、新しい時代に向けて、新しいやり方を、新しい人ともにできる新しい人材がそれぞれ動き出している。過去は過去のものとして割り切り、未来へのそれぞれのまちが導き出したとき、シャッターが再び開く日はやってくるはずだ。
『凡人のための地域再生入門』 木下斉・著 (p340)
地域再生に賭ける若者たちを描いた小説仕立ての書。全編、地方から東京へ就職した主人公が生まれ故郷に戻り、かつての同級生たちと廃れゆく商店街を再生していくストーリー。
この書のユニークなのはポイントとなる個所をイエローラインを引いて、「解説」が付いている。「解説」は、現在の地方の現実、国と地方の行政の取組み、観光産業の実態、地域協力隊など、リアルに、辛辣に解説してある。
(この「解説」は説得力あり。ぜひ、読んでいただきたい)
著者の木下斉氏の講演を東京丸の内で開催された「豊岡エキシビジョン」で聴いて以来、木下氏の本をほとんど読む。地方再生への考え方はほとんど同感することばかりです。
122のイエローラインの最後122番目。この「解説」で締めくくられている。
【122】衰退している地域でも、結局自分がどう捉えるかによって未来はいかようにでも変わる。たとえどんな状況であっても。(p341)