「日本の建築展」ではなく、「建築の日本展」。つまり、建築を通して日本文化、日本人の美意識、生活感を検証する試みが興味深い。
六本木ヒルズ・森美術館で開催されている「建築の日本展」に行ってみた。
撮影が許可されているのは、指定された5ヶ所の対象物と、それぞれの展示物の横にあるキャプションのみ。
全体は、9つのテーマによって構成されている。
01 可能性としての木造
02 超越する美学
03 安らかなる屋根
04 建築としての工芸
05 連なる空間
06 開かれた折衷
07 集まって生きるかたち
08 発見された日本
09 共生する自然
原寸大で再現された茶室「待庵」。
いつか行ってみたいと思いながらまだ実現していない千利休が作ったとされる「待庵」(京都府大山崎町)。
2畳の空間を味わってみる。
テーマ「04 建築としての工芸」。
建築コンセプトと家具がどのように結びつき、補完したり、主張したりしていることが解って興味深い。
「05 連なる空間」では、桂離宮などの古建築を再解釈し設計されたという丹下健三の自邸(1953年、現存しない)を1/3スケールで再現。
部屋の繋がり、廊下、光と風がどのように通ったのだろうかと興味津々。
ありました!
象設計集団の代表作「名護市庁舎」(沖縄県名護市)の紹介キャプション。作品の粘度模型、図面などがあるが、撮影できないので紹介できないのが残念。
古建築から現代建築まで、日本建築の内部空間を3Dで原寸再現するインスタレーション。細い線でスケールが表示されたり、移動したり、拡大したり、実際には味わえない空間感覚が表現されていて面白い。
タイトルである「建築の日本」。
建築を通して日本文化を考えてみるということにとても示唆に富んだ展覧会でした。ぜひ、行ってみてください。
森美術館(六本木ヒルズ)
『建築の日本展』〜その遺伝子のもたらすもの
“JAPAN in ARCHITEKTURE” Genealogies of Its Transformation
2018.4.25 – 9.17