写真中央に見える白い建物が日高町商工会館。2005年に市町村合併により現在は、豊岡市商工会の本部ともなっている。昭和初期に建てられた由緒ある建物である。
当初は、日高村役場として、戦後は日高町役場として、そして昭和50年代以降は、商工会館としてその長い歴史を刻んできた。
この建物が商工会館の時代、私の父は商工会長として12年間この建物で執務した。もっと古い話をすると、父の第二次大戦で戦死した二人の弟が、出兵前にこの建物をバックに撮った写真が残っている。
私にとっても大変身近な存在なのです。
約2万年前の神鍋山の火山活動で流れ出た溶岩がこの地で固まり、円山川の蛇行を作り出している。建物の地盤は、玄武岩のような柱状節理となっている。会館からは、そんな自然が作り出した美しい景色が眺められる。
建物のすぐ上に写っている水平な直線は、但馬空港の滑走路の端っこのコンクリート。
さてさて、そんな由緒があって、愛着のある建物に関する大きなニュースが飛び込んできた。老朽化により、商工会は旧・日高町役場であった建物に移転し、これからは劇場(稽古場)として活用されるプランが発表された。
劇作家・演出家である平田オリザさん率いる劇団『青年団』が東京から引っ越して来るのだ。未だに信じられない夢のような話。
先日、平田オリザさん自らが今回に至る経緯を地元の商店街や住民の人に説明する説明会が行われた。地元住民として、演劇ファンとしてとても楽しみな展開になってきた。