「伝統と現代アート、そして襲名」 十一代 大樋長左衛門

豊岡市民会館文化ホール

第十一代 大樋長左衛門(年雄)さんの「伝統と現代アート」そして私の襲名」と題した講演を聴きました。

「『伝統は革新の連続だ』との言葉を耳にする。しかし、伝統は伝統、現代は現代、自分は大谷選手のように二刀流を目指す」。茶碗と現代アートの間を行き来しながら作家として活発に創作活動されている姿に驚嘆しました。

「襲名の前と後では、茶碗の見方、接し方に対して、自分の心に大きな違いがあるのを感じる」との言葉も印象的でした。

大樋年雄(11代)さんのブログも凄い!
(2018.06.10の記事が、豊岡講演)

十代 大樋長左衛門

以前、金沢の大樋美術館を訪ねた。その時に十代長左衛門氏と少しばかりお話をさせていただいことを思い出します。

江戸時代初期1666年(寛文6年)に、加賀藩5代藩主・前田綱紀の招きにより京都より千仙叟(千宗旦の末の子)を招いた際に、一緒に帯同したのが楽家4代一入の最高弟であった陶工・長左衛門だった。その後、金沢に居を構え、現代に至る。飴色釉薬が特徴。

九代 長左衛門(祖父)の茶碗を手にとりながら、「九代の中でも、これは素晴らしい出来の茶碗です」。

茶碗の手捻り、真っ赤に焼く、釉薬、窯から取りだすタイミングなど、細かく解説していただく。

十代 長左衛門(父)の茶碗。

九代 大樋長左衛門の茶碗。

「おんぷの祭典 グランドコンサート第5番(合唱付き)」(No.5)

主催者による画像です。3段目右端が私。

6月9日グランドコンサート。第5回おんぷの祭典の出演者全員+特別編成のたえの演奏家、そして地元市民による合唱団、子どもピアニストたちが勢揃い。

最後を飾る(?)のは、この祭典のために結成された「おんぷの祭典合唱団」による「ふるさとの四季」(抜粋)。

歌っている(初体験)とその出来映えがわからない。あとで会場の皆さんの反応は好評だったのでこの企画の成功を実感できました。きっと弦楽器、管楽器の演奏が続いた後の肉声だったのもあるでしょう。

7人のジュニア・ピアニストが交替でソリストを務めたモーツァルトの「ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415」にも盛大な拍手。私も客席で聴いていましたが、一所懸命弾くジュニアたちの姿に感動。ジュニアたちの将来に素晴らしい体験として残ることだと思います。

シュバシコウ・カルテット

コンサート後のシンフォニック・パーティ(打ち上げ)では、サプライズで中貝豊岡市長より「感謝状」の贈呈。弦楽四重奏のシュバシコウ・カルテットの皆さんも大喜び!

こうのとり・クインテット

こちらは、木管五重奏のこうのとり・クインテット。嬉しさのあまり、みんな羽ばたいていらっしゃいました。

この後、プレゼントが当たるくじ引き、そして(恒例の?)みんなでフォークダンスで盛り上がりに、盛り上がって、パーティは終了しました。

出演者の皆さん、本当にありがとうございました。(^o^)/

豊岡市民会館文化ホール

「おんぷの祭典」メイン会場の豊岡市民会館文化ホール。1100人収容。1971年に竣工(築47年)。

現在、耐震構造、建物の老朽化、その他設備の問題で、新・市民ホール建設の方針が示されている。

1市5町の合併(2005年)より13年。旧・市町のそれぞれにあったホール、体育館、公民館などの施設の再編成時期を迎えている。

ハード(建築、設備)も大切ですが、ソフト(人材育成・企画力)の面を忘れないように議論していきたいですね。

おんぷな一日(おんぷNo.5)

午後は、日高西中学校(豊岡市日高町)での「学校訪問コンサート」。
全校生約120名の前で、演奏する「アンサンブル・ウィーン東京」。

ルードヴィッヒ・ミュラー(ヴァイオリン)、中澤きみ子(ヴァイオリン)、坂口昴平(ヴィオラ)、マイケル・ウィリアムズ(チェロ)

演奏曲目、楽器の説明をしながら、クラシック音楽を身近に楽しんで、とのメッセージ。ここで中澤きみ子さんが使用しているヴァイオリンは、「津波ヴァイオリン。2011年の東日本大震災の瓦れきから作られたもの。その悲しみを想い、復活を願って弾き継がれているお話を伝える。

ヴァイオリン 須山暢大 氏

夕方は、場所を日高町文化体育館に移して、こちらは「街角コンサート」。
ステージ上にピアノを囲むように会場を設置。
想定したよりも、良い音響でホッと。

出演は、シュバシコウ・カルテットとピアノの碓井俊樹さん。

最後の曲では「もっと楽器の近くで聴いて」と碓井さん。
子どもたちも大人もピアノとカルテットの周りに集合。

こんな碓井さんの図らいが、子どもたちの音楽原体験となって、やがて音楽ファンになっていくんでしょう。

ベーゼンドルファーを弾く碓井俊樹 氏

実は、文化体育館のピアノは、私の父が31年前(1987年)に寄贈させていただいたもの。こんな形で「役に立つ」とは、私もちょっぴり感慨深い。

豊岡市民会館ホール

夜は、翌日の「グランドコンサート」の本番に備えてリハーサル。

今回の目玉は、このコンサートのために特別に「おんぷの祭典混声合唱団」を結成。約80名の人が歌う。男性が足りないと、私もメンバーに。盛り上げていこうと威勢のいいこと言ってしまった、言い出しっぺとして断ることもできず。

指揮は、我ら「おんぷの祭典実行委員」のメンバー。プロの奏者を前に緊張気味。ピアノの伴奏で練習を重ねてきたが、管弦楽での音合わせはこれが初めて。

何もかにも初めての私は、緊張というよりも、ステージから見える景色を楽しむ。さて、本番は?

終了すると夜の9時前。
そんなこんなのおんぷな一日となりました。

ヘンリさんのフィンランディア(おんぷNo.5)

会場:アールベルアンジェ豊岡

おんぷの祭典もいよいよ佳境に。
プレミアムコンサートが開催された。

「アンサンブル・ウィーン東京」、おんぷ祭典の為に結成された「シュバシコウ・カルテット」(弦楽四重奏)、「こうのとり・クインテット」(木管五重奏)が登場する。

そして、第1回おんぷの祭典以来、5年ぶり登場のヘンリ・シーグフリードソン(ピアノ)です。

ヘンリは、第1回目の後、右手の病に罹り、一度はピアノ演奏を断念、指揮者としての活動や左手だけのピアノ演奏などをしていたそうだ。リハビリの結果、今回の再登場となった。

左より、中澤宗幸氏、ヘンリ・シーグフリードソン氏、中澤きみ子氏

ヘンリの演奏曲目は、シベリウスの「フィンランディア」。
彼の生まれ故郷のフィンランドを代表する作曲家であり、曲である。

激励のメッセージを送ったり、彼から「また豊岡で」との想いの手紙を受け取ったり、この間の交流が実った瞬間でした。

フィンランド人の第2の国歌とも言われる「フィンランディア」をどんな想いで弾いたのでしょうか。

情感のこもった力強い演奏に感動。

♬そうさ100%勇気 〜 子どもたちのためのコンサート(おんぷNo.5)

シュバシコウ・カルテット(須山暢大violin 川又明日香violin 鈴村大樹viola 加藤文枝cello)

🎵そうさ100%勇気
もうがんばるしかないさ〜🎶
この世界中の元気を抱きしめながら

🎶夢はでかくなけりゃつまらないだろう
胸をたたいて冒険しよう🎵

豊岡市民プラザの会場に、赤ちゃん、子どもたち、お母さんたちが集合!!!

碓井俊樹 piano

ピアノ囲んじゃえ〜!

ピアノの碓井俊樹さんから子どもたちへの熱いメッセージ!

「第5回 おんぷの祭典」始まる!〜音楽の都・豊岡をめざして

「第5回 おんぷの祭典」(兵庫県豊岡市)が始まりました。

初日の夜は、サロンコンサート(城崎温泉・招月庭にて)。これから始まる演奏を楽しみに、ワインと食事をいただく。1年ぶりに再会する演奏家たちとは「戻ってきました」「お帰りなさい」との挨拶が飛び交う。

食事が終わり、ロビーを会場として演奏が始まる。
ヴァイオリニスト中澤きみ子さんの「シャコンヌ」(ヴィタリー作曲)
ヴァイオリニスト中村太地さんの「ツィゴイネルワイゼン」(サラサーテ作曲)
最後の曲は
「弦楽八重奏曲変ホ長調Op20 第1楽章」(メンデルスゾーン作曲)

オクテットの演奏はなかなか聴く機会のない貴重なものでしてた。
「朝靄が晴れて柔らかい朝陽が差し込むように始まる出だしのメロディが好きだ」(妻の感想)

私もこのメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲は、以前からよく聴く好きな曲です。

この音楽祭の正式名称は「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」。
このコンセプトのもとに、世界で活躍する音楽家たちを招き、子どもも大人も豊岡に居ながらにして、一流の音楽に触れ、楽しむ文化を育んでいこう、というもの。

お薦めコンサート
6/6(火)10:30   子どもたちのためのコンサート
6/7(水)19:00  プレミアムコンサート
6/9(土)14:00  グランドコンサート
※ グランドコンサートには合唱団の一員として(私)登場します)m(_ _)m

他に、街角コンサート(無料)など多数。
詳しくはこちらのサイトで。

1週間、クラシック音楽があちこちで流れます。
ぜひ、楽しもう。

ユキノシタ〜名前の疑問から湧く興味

ユキノシタ(ユキノシタ科)
人家近くに分布。種子はできず、長くのびる側枝の先からふえる。いわばクローン植物であり、古く、薬用としてもたらされ帰化したとみられる。民間では、生葉を搾り、幼児のひきつけや火傷の治療に。漢名・虎耳草。斑らのある有毛の丸葉にちなむ。和名は白い舌状の花弁に基づき「雪の舌」か。また、矢を入れて背に背負う靭の舌というふたの部分が葉と似ているからとの説も。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

なぜこの季節に「ユキノシタ(雪の下)」??

ではなくて「雪の舌」なんだそうだ。
雪=白い花、舌=花弁が舌状

ちなみに、漢名は「虎耳草」。
葉っぱが、丸くて毛があるので虎の耳。
(知ってみると耳にも見える)

クローンだったり、薬用だったり。

植物の名前一つでいろんな興味が湧いてくる。

だんだんとすごくなってきた〜「がっせぇアート」チャリティー展

ショッピングタウンペア1F(養父市八鹿町)

「がっせぇ」は、但馬弁で「すごい」。

障害者の活動として、展示会やチャリティー展、カフェ&ギャラリー「オンサルデ」を展開しているNPO法人「がっせぇアート」。
但馬コネクション《No.9》のゲストとして登場していただく)

豊岡市や養父市の会場で定期的に開催されるので、(ほとんど)毎回、行ってみる。「がっせぇアート」を応援するアーティスト達が作品を出品して、その売上金の一部を活動資金に寄付する仕組み。その心意気と作品が毎回、どんどん膨らみ、素晴らしいチャリティー展となっている。

作:鳥山高史

出品者は、友人・知人が多い。

光藤佐(陶芸)、藤本イサム(木彫)、堤木象(染織)、浜野十起子(織り)、茨木朝日(アクセサリー)、松田一戯(木彫)などの作品。まだまだガラス作家、漆芸、現代美術など、素敵な作品が多数。

私は、ガラス作家の鳥山高史さんの作品を購入。
どう使おうかとワクワクです。

次回のチャリティー展、必見ですよ。

青年団公開リハーサル「日本文学盛衰史」

城崎国際アートセンター(KIAC)にて、滞在制作されていた劇団「青年団」による「日本文学盛衰史」(原作:高橋源一郎、作・演出:平田オリザ)の通し稽古の一般公開があった。KIACの客席は100名以上の満席。

先日、高橋源一郎氏と平田オリザ氏のトークショーを聴いたあとなので、とても楽しみだ。

終演後、観客の質問に答える平田オリザ氏。

明治時代の代表的な作家が続々登場。
戯曲は4つの葬儀の場を設定しながら次から次へと進んでいく。

【一場】北村透谷、【二場】正岡子規、【三場】二葉亭四迷、【四番】夏目漱石の葬儀の場へ、

森鴎外、田山花袋、島崎藤村、高浜虚子、石川啄木、国木田独歩、与謝野晶子、島村抱月、樋口一葉、、、が訪れて、それぞれが思い出話をする。

明治維新以後の、日本の近代化、富国強兵、自由民権運動など、近代国家への移行の苦悩を描く。

明治以降の文学の変遷に、現代の時事ニュースを織り交ぜながら、ユーモアたっぷりに進んでいく。挙げ句の果てには、芥川龍之介、太宰治、織田作之助、川端康成まで登場し、奇想天外な展開の中で終幕を迎える。

「国民国家を作るために生まれた言葉は、産み落とされた瞬間から、大きく、その質を変容させ、作家たちを翻弄していく」(平田オリザ)

登場作家の小説を読んでいるのと、そうでないのとでは、当然ながら理解、面白さは異なるだろう。しかし、そう感じさせない戯曲と演出は、平田オリザさんの日本近代化の歴史、文学への深い理解と巧みな演出によるもの。

面白い芝居に満足でした。

ムラサキツユクサ〜庭の隅っこで咲いている

ムラサキツユクサ(ツユクサ科)
株立ち、葉は細長い。草姿や花は三弁が同形同大で、色も異なるが、花の性質はツユクサと同じ。早朝開いて午後は閉じる。雄しべには多数の毛があり、その毛は細胞が一列に並んでいるので、細胞の観察や実験の材料としてよく使われた。近縁のオオムラサキツユクサは花が大きく5センチにも。
『花おりおり その三』 湯浅浩史・著

昨年暮れから庭の工事をしている。土を掘り返し、木を移植し、どこに何があるのか、ちょっと分かりづらい。

そんな中で、ひっそりと庭の片隅で可憐にさく紫の花を見つけると嬉しくなる。