願成寺で一服〜淡交会但馬支部如水会

願成寺(豊岡市出石町)で淡交会但馬支部のお茶会「如水会」。

臨済宗大徳寺派の寺院。戦国時代に山名氏が此隅山城から有子山城に移ったのに伴って、現在地に移転したとされる。
庭には、入佐山の山麓を利用した「入佐の滝」。斜面には根っこがむき出しになった大木。
由緒ある寺院でのお茶会は、また格別の落ち着きを感じる。

願成寺での本席の後は、お隣の古民家で淡交会但馬支部青年部のお席。
午年にちなんで「馬」にちなんだ趣向で楽しい席となる。
「うまくいく」の語呂合わせで、「馬」を「九」つ揃える。
お軸、茶碗、水差し、主菓子など、随所に。

爽やかな晴天の中で、気持ちの良いお茶会でした。

月越しの「大炉茶事」

裏千家茶道では、2月は大炉で茶事の季節。他の流派に大炉はない。
2月に予定していた我が家での大炉茶事が、当日の大雪のため中止。石州流の客人のご所望により(3月に入ってしまいましたが)月遅れの茶事となりました。

大炉の位置は少し変則ではあるが、通常の炉の反対側の畳半畳にある。
大炉は「逆勝手」と言って、点前の動作が逆になるので、亭主を務めた陶芸家のM氏もいつにも増して緊張気味。

大炉の大きさは、約1尺8寸前後(約43~44cm)とされている。
通常の炉は、1尺4寸(約42.4cm)四方とされていて、寸法的には僅かの差ですが、かなりゆったりとした印象を与える。実際に炭の量も違うし、炉から受ける熱もより暖かく感じる。このわずかの違いを感じるのが茶事の良いところ。

主菓子は「のりこぼし」。

「のりこぼし」は椿のこと。花が丸ごとポトリと落ちる様子を表現した言葉。
椿は散るときに花びらが一枚ずつではなく、花全体がそのまま落ちるため、
それを「こぼれる」と見立てている。

ちょっと調べてみると、

冬〜早春の茶席に登場。茶花としても非常に重要。
武家文化とも縁が深い花
色:赤・白・ピンクなど(椿の花色)
■ 茶席での意味
「のりこぼし」は単なる季節菓子ではなく、
無常観(散る美しさ)、一瞬の美、静かな風情
を表現している。

茶の湯の体験は、知らないことばかり。
「大炉」「のりこぼし」などちょっと調べると「なるほど」と思うことが楽しい。

利休忌・総会〜裏千家淡交会但馬支部

「利休忌」
千利休の命日に営む追善法要・茶会。1591年(天正19年)2月28日に亡くる。
( 旧暦2月28日なので新暦では3月下旬ごろ)
裏千家淡交会但馬支部では、毎年この前後の日曜日に支部総会も兼ねて利休忌を行なっています。

冒頭の支部長挨拶でご挨拶をさせていただく。

内容は、
1月7日今日庵の初稽古に出席の報告
 – 家元挨拶〜「益々スピード、スピードの時代だが「一手間かける」ことを大切にしても良いのではないか。茶の周りの稽古なども再開してみよう。今年は書をやってみたい。
 –(私の感想)イタズラに規模、人数にこだわらず茶の心に向き合うことを大切にしようとの思いを語られたのでは、

・(「総会」なので立ち入ったお話をすることのお許しを。全会員の前でお話しする機会は他にないので)
 – 但馬支部の現会員数は328名。昨年は359名。一昨年は392名。約30名ずつ減少。但馬支部だけではなく、全国どの支部も同様の傾向。
 – 原因は、人口減少、高齢化、文化の多様化などいろいろあるが、茶道は「敷居が高い」との印象を持つ人が多いのではないかと思う。
 – 規約に則ってシンプルな支部運営と明朗会計を実現する。
  (曖昧で誰がどこで何を決めているのかわからない、必要な会費や謝礼など分かりにくい)      

・今年は役員改選がある。昨年更新した但馬支部規約に則って行い、任務や役割を明確にして誰にお願いしても運営しやすい環境作るようにしたい。

・家元の想いでもある、お茶を通して楽しく交流を広げ、深めていきましょう。
 社中を超えた交流をしたり、地域性や特徴を大切にすることが、会員減少を防ぐ原動力にもなるのではないか。

今年は、但馬支部初茶会(例年は1月中旬に行う)も兼ねて開催しました。

「大炉」の茶事

京都、大阪、芦屋からお客様をお招きして大炉(だいろ)の茶事をする。
大炉(だいろ)は極寒の2月だけに用いる特別大きな炉。普段は左側半畳の左隅に炉がきってある。

大炉について調べると

裏千家11代玄々斎が北国の囲炉裏に着想を得て創案。2月の極寒期に用いられる特別に大きな炉。通常(1尺4寸)より大きい1尺8寸(約54.5cm)角の炉で、主に逆勝手の点前を行い、温かみと侘びた風情を演出する裏千家独特のもの。

茶事の本番の写真は撮れないので、一段落してから改めて大炉を眺めていただく。

実は、茶事のお料理は囲炉裏で「蟹すき」。
寒波で大荒れで漁が心配でしたが、活きのいい松葉蟹が手に入って皆さん大喜び。

茶の湯の楽しみ方っていろいろあるんのだと感じたお茶事でした。
(亭主はもちろん私でなくて妻でした)m(_ _)m


今日庵〜2026年初釜(初稽古)

裏千家の初釜(初稽古)。
昨年、大宗匠千玄室様がお亡くなりになり、初稽古として行われました。
西日本の淡交会支部の支部長の席で家元の新年のご挨拶と濃茶をいただきました。
家元のお話では「スピード、スピードの時代ではあるが、あえて一手間をかけることを大切にしたい」とのメッセージがありました。

濃茶席の次は薄茶席。
若宗匠のお点前、伊住禮次郎(宗禮)さんが後見として薄茶を一服いただく。
若宗匠(千宗史)は、1990年生まれの午年。

昨年、大宗匠(千玄室)が102才で亡くなられ、裏千家として新たな一歩が始まる年になる。

『「侘数寄」から「わびとさび」へ』 谷 昇・著

茶の湯成立初期に確立した「侘数寄」は和歌と禅を基盤とし、後に「わび・さび」へ展開した理念。茶の湯とは何か?を問い、その成立要件、要素などを具体的に解説してある。

茶の湯における「美」「一座建立」「一期一会」「不易流行」「和敬清寂」などの思想的根源を探る「章」が続き、本来難しい概念を様々な角度から記述されている。

最後に「茶の湯の効用」という「章」では、下記のような茶の湯人口の減少についての記述があります。困難に直面する人を勇気づけ、生きる支えとなる不思議な力の源泉について。

ただ、茶の湯人口の減少は日本の人口自体の減少、なかんずく少子化に大きな要因があり、その対策は茶の湯界だけの努力では限界もあるでしょう。ですから、内にのみ目を向け、とかく狭い世界に閉じこもりがちな傾向にあった茶の湯界も、今後は外に目を向け、踏み出して行く方向に切り替えることも必要ではないかと思われます。その際には日本文化の代表、茶の湯は伝統芸能であるといった従来のような紹介の方法ではなく、茶の湯がいかに現実の場で有用かつ有効であるかを訴えかけることも大切ではと思われます。
(「第19話 茶の湯の効用」より p202)

実はこの後の記述の中で、私と妻のエピソード(私が台湾で交通事故に遭い、直後に妻がとった行動、態度について)が述べられています。(もちろん匿名ですが)。「そうなのか」と改めて認識する。

「お別れの会」〜裏千家第十五代家元

茶道裏千家15代家元 千玄室「お別れの会」に参列。

「大宗匠」とお呼びしていました。
大正12年(1923年)4月19日生まれ。
令和7年  (2025年)8月14日ご逝去。
享年102歳。

戦後(太平洋戦争)、茶道の普及、国際交流に貢献される。
ご自身の戦争体験(学徒出陣で海軍航空隊に所属)の中で特攻隊員となり仲間の出陣前に茶を点てた話は、私にとって一番衝撃を与えられたエピソードです。

「お別れの会」の会場は、京都国際会館で行われる。
献花の長蛇の列。おそらく5000人近い人が参列されたでしょう。

年初めの今日庵の初釜では、毎年「今年も元気で」と肩をポンと叩きながら声をかけていただいたのが思い出される。100歳を超えて尚、お茶を点てて国際交流で海外にも足を運ばれたバータリティは、きっと戦争体験を通じて得た平和の大切さ、今後の日本を想う心が源泉だったのだろうと思います。

ご冥福をお祈り申し上げます。

“和”お茶の心〜近畿第一学校茶道連絡協議会

茶道裏千家淡交会 近畿第一学校茶道連絡協議会の研修会に出席する。会場は「ホテルオークラ京都」。近畿第一地区(奈良・滋賀・京都・宮津・両丹・但馬)において子ども達へ茶道の普及と指導を行っている先生(お茶の指導)が集まり、事例発表などの情報交換をする。

事例発表に先駆け、淡交会専務理事の野口耕一専務より本部の報告がある。学校での茶道の指導は、明治44年に、全国約6000校、8000人の指導者でスタート。格別に熱心であったのが裏千家であった。

事例発表は、京都南青年部の活動報告。京都府のガールスカウト連盟の子ども達にマナー教室として茶道を教えている。

「継承者への変容」は「学ぶ側」から「教える側」への経験をすると視点が変わる。
・知識の再構築〜子どもの「なぜ?」と言う純粋な質問に、自分の理解の浅さを痛感
・教授者としての視座〜どうすれば伝わるかを必死に考える
・当事者意識〜文化を学ぶ側から未来へ繋ぐ当事者の意識が芽生える

本質を突いた素晴らしいプレゼンでした。

午後の講演は、伊住宗禮氏(茶道資料館副館長)による「伝統文化継承の意義と課題」について。明治維新後、茶道は遊興のものとして教育の場から遠ざけられていた。徐々明治後期になり、やっと日本の伝統文化として認識されるようになったなど、学校茶道の始まり意義について理解が深まった。

最後に、102歳になられる大宗匠千玄室。「一盌(わん)からピースフルネスを」の理念を掲げ指導して来られました。最近は「The Enjoyment of tea」を提唱されているとのこと。

奈良、京都、宮津地区の支部長様とも昼食のテーブルでご一緒させていただき、有意義な交流の場となる。

「百花繚乱」の茶会〜隆国寺(牡丹寺)

晴天のGW。
今日は、牡丹でも有名な曹洞宗「隆国寺」(豊岡市日高町荒川22)でのお茶会へ出かける。

久しぶりに眺める隆国寺の庭園。丁寧に手入れされたお庭に咲く牡丹が美しい。
例年より少し遅く満開を迎えたそうだ。まるで今日の茶会を待っていてくれたのかも。

先代の住職・大田大穣老師には大変親しくしていただき、何度もお話をお聴きする機会もありました。今でも講話のエッセンスを覚えている。
KOH’s VIEW 『「作る心・食べる心」 但馬学10月例会』 (2007/10/27)
(面白くて大切な講話の一部を記録しています。読んでみてください)

現住職の大田大法さんとは、かれこれ30年ぐらい前になるが一緒にコンサートなどのイベントを企画したり、打ち上げに隆国寺の部屋をお借りしたり。私にとってもとても親しみとご縁の深い隆国寺さんである。

「花」尽くしの青年部席

話は前後しましたが、今日のお茶会「如水会」は、裏千家淡交会但馬支部が毎年春と秋に催す茶会。今回は中但地区(出石と日高)の当番で、本席と青年部の席で薄茶をいただく。

青年部席の主菓子はカーネーションを模したもの。いただくのがもったいないほど細やかに作ってある。

花尽くしの席を飾るお床のお花は、ホウチャクソウ(宝鐸草)、ミヤコワスレ(都忘れ)、シャクヤク(芍薬)

お天気にも恵まれ、春の風を感じながらいただく「百花繚乱」の茶会を楽しみました。

裏千家淡交会近畿の協議会に出席

茶道裏千家淡交会近畿第一地区の地区協議会に出席。(ホテルオークラ京都にて)

淡交会但馬支部は「近畿第一地区」に属す。
京都市(東西南北の4ブロック)と宮津・両丹(京都府)と滋賀、奈良支部と同じブロック。

令和6年度活動の報告と令和7年度行事予定予算案を協議。
巡回講演、各地区の周年事業、青年部活動、学校茶道などが対象となる。

流石に京都市内の支部はそれぞれ約1000名前後、滋賀、奈良も数百名の会員数であるが、各地区とも会員減少の課題を抱えている。

淡交会専務理事から、淡交会全体の現況報告と活動方針が示される。
・社会制度の変更(学校部活動が地域に委ねられる、など)
・初心者に対してハラスメント、ジェンダー問題に敏感であれ
・入会に際し、事前の説明を丁寧にする

などの考慮すべき点についてのお話がある。どれももっともな指摘であり、みんなで共有しなくてはならないと認識する。