平田オリザ氏講演〜淡交会但馬支部文化講演会

茶道裏千家淡交会但馬支部による文化講演会。今年の講師には平田オリザ氏をお招きし開催しました。テーマは「演劇によるまちづくり〜芸術文化観光専門職大学が目指すもの」。会場には、淡交会会員を中心に約250名が参加。

昨年4月に開学した芸術文化観光専門職大学(CAT)の学長として、なぜ芸術文化と観光なのか、どんな学生たちが何を学んでいるのか、などまず大学の紹介のお話し。

・先進国で公立大学で「演劇学部がないのは日本だけ」。韓国は多数あり、プロの俳優、マネージメントの人材を育てている。
・シンガポールを例に、名物=マーライオンやブランド・ショッピング(為替の変動)を打ち出してもリピーターは来ない。質の高い芸術文化(オーケストラ、演劇など)でリピーターを獲得している。
・CATの来年春(2023年度)の受験応募者はこれまでを凌ぐ。現在、日本全47都府県から学生が来て学んでいる。約90%が第一志望として入学している。

・豊岡市人口は約75,000人。減少が続いている。例えば、豊岡高校昨年の卒業生198名のうち、地元に残る学生は4名。外で学び、戻って来たくなる「魅力ある豊岡」を目指さなければならない。希望する業種、企業の有無ではなく、文化的であるかどうか、教育、娯楽、環境(健康、食文化など)、そして「芸術」「文化」の存在が大切。
・豊岡(但馬)出身で都市に住む息子(娘)家族の子ども(孫)に「演劇おもしろいよ」「ダンスしたら」なんて薦めたら、孫たち世代が豊岡で学び、定住するのもあるかも。これを「Mターン」と呼ぶ。(ユーモアを込めて)

私は、講演の終わりの「謝辞」の役割。
平田オリザさんのお話は、演劇、文化、教育、社会現象、観光(海外も含めて)について、一つ一つ納得するお話ばかり。
「何度お聴きしても、いつもワクワク、ドキドキしてきます」と申し上げ、お礼の言葉としました。