『黒板とワイン』〜もう一つの学び場「三田の家」

私が、そして共に活動する者たちが、来訪者に「三田の家とはどんな所ですか?」と尋ねられる時、私たちは現場にいながら、」いつも答えに窮してしまうのです。立ち尽くしてしまうのです。相手によって、状況によって、さまざまに言葉を変え、意味づけを試みようとするのですが、三田の家は、いつも、指先から空しく零れ落ちていく。やるせなく、「こんなところです」と。その空虚を指し示すことしかできません。
『黒板とワイン』(「三田の家、この豊穣なる空虚」熊倉敬聡・記述) p.4)

「空虚と指し示す」との説明であるが、この章のタイトルにもあるように、むしろ「豊穣なるもの」を感じる「三田の家」。私は、その場を想像しながらこの著書を読み進めたが、浮かび上がるのは、形にとらわれない、目先の目標などないけど、場の存在そのものが目的あるが如く様々な人々が行き交うシーン。

「三田の家」に関わった人たちの共著。他に「不定形」「あわい」「創造的な欠如」というキーワードも登場する。

「不定形」は「場」が単なる区切られた空間ではなく、人々が感じるそこに見出す”すき間”とか”時間”のようなものか。

「あわい」は、それぞれに学生だったり、仕事があったり、肩書きがあったり、家族の位置があったり、でも一人の生活者。入り混じりながら佇む出会いの場。

「創造的な欠如」は、本来あるものがそこにはないこと。住居、カフェ、オフィス、会議室にもなるのに、普段は何もない。無いから創り上げる。創造的であるから何にでもなる場が出現する。

なんて豊穣なのだろうか、と思う。
但馬コネクションシェアハウス「江原101」もそうありたいと思う。
いつも考えている「どんな所なのですか?」の答えを見つけたような気がする。

果たして「三田の家」ってどんな家なのでしょうか。

三田の家LLP(有限責任事業組合)
三田の家

いつも気持ちいい時間をありがとう〜友人宅BBQ

新緑が美しい。
毎年GWに誘っていただき、もう20年以上になるだろうか。
近隣の山から移植したモミジが鬱蒼と成長。
森の体内に入り込んだよう。

毎年、ここで顔を合わす友人家族。
普段、一緒に活動している友人家族。
今年は、子どもたちは少ないけど若いファミリーたち。

友人の家なので、あれもこれもアップ(紹介)できないのが残念。
旧庄屋の邸宅を少しずつ20年以上かけてリノベーション。
友人の趣味を家のあちこちに散りばめながら、まだまだ続く。
私は但馬のガウディと呼んでいる。

今年もアズキナシ、アップ!

カシの木(左側)とキンモクセイの木(右側)に挟まれ、アズキナシが可憐な白い花が満開。

もう少し近づいて見る。
新緑の葉っぱにふわふわと乗っかっている白綿のよう。

散房花序(さんぼうかじょ)
花軸上の下方の花ほど花柄が長くなり、それぞれの小花が頂部で水平に並ぶもの。

雌しべの周りを雄しべがぐるりと囲っている。

遠くで眺め、近づいて観察。
また一つ楽しみが増えました。

アズキナシ〜白い花が美しい(2019年5月3日のブログ)
アズキナシの実がいっぱい(2023年11月28日のブログ)

夕暮れ 17:50→18:30→19:10(夕日第2弾)

17:55
西に傾く太陽。
ケヤキの枝が逆光になる夕日を受けてくっきりと浮き出る。

東南の山と川は夕日に照らされ輝く。
やがてその光と影がくっきりとなりながら、
徐々に赤味がかってくる。

18:30
ジントニック片手に、しばらくボーッと。
再び西を振り返る。
気持ちはゆったりとしているが、時間が経つのは意外と早い。
太陽は留まらない。(動き、回っているのは地球だけど)

19:10
太陽が山の稜線の向こうに沈む。
再び空が赤く染まる。
私はこの瞬間が大好き。

夕日が差し込む部屋

夕陽が差し込むとクローゼットがメリーゴーランドに。
日が傾くごとに、少しずつ模様が移動するのが美しい。

種明かしすると、透明な窓ガラスに花模様、渡り鳥模様をつけた障子紙を貼っただけ。
西向きの部屋の窓から差し込む夕日と織りなす数十分の共演。

夕日でオレンジ色がかっているが、普通の白い障子紙。
細かい網の目のような模様が見えるが、これは窓に装着してある網戸の網の影。
模様は、障子紙を数回折りたたんで、ハサミで折りたたんだ端をチョンチョンと切った後、元に開くだけ。超簡単!

切って、障子糊で貼って30年以上。
それでも飽きずに、いつも新鮮な感動を与えてくれる。
障子紙と太陽の自然が織りなす質素な美しさ故か。

お薦めです。

遅れてやってくる春が気持ちいい〜大岡山

自宅から車で約20分で大岡山(兵庫県豊岡市日高町 標高663m)の頂上まで到達する。
車で降りる途中には、ちょうど満開を迎えたヤマザクラが満開。

木々の芽吹きは始まったところ。

昨日が雨のせいか、今日は空気が澄んで山々の稜線がくっきり。

Anniversary !〜おんぷの祭典

「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」(通称:おんぷの祭典)が今年で10回目を迎えました。

2013年秋、但馬ご出身という根拠だけを頼りに、ノーアポで中澤宗幸氏の工房「日本ヴァイオリン」(渋谷区千駄ヶ谷)を訪ねる。運よく北京から帰国したての中澤さんとお会いでき音楽談義。クラシック音楽のコンサートやコンクール、演奏家の実情などいろんなクラシック業界のお話を伺う。

地方でクラシック音楽に親しみ楽しむ機会を増やしたい、駅や広場や街角でクラシック音楽が流れるそんな音楽祭があったらいいね、と意気投合。そんなやりとりから始まりました。

ちょうど但馬コネクションを始めた年だったので、初めてお会いして4ヶ月後の但馬コネクション(2014年1月)にゲストでお迎えしてお話を聴く。その時のメンバーも実行委員になってトントン拍子で音楽祭の企画が進みました。もちろん、行政の協力が必要なので豊岡市にも働きかけ、その年の11月には第1回目の音楽祭が実現しました。

演奏家は、中澤きみ子さんのアンサンブル・ウィーン東京を中心に、若手演奏家「シュバシコウ・カルテット(弦楽四重奏)、こうのとり・クインテット(木管五重奏)、碓井俊樹さん(ピアノ)。今回は10回目を記念して、オーケストラを編成。豊岡市出身のチェリスト大江慧さん、フルートの土出真梨子・由利友樹子さんも参加。さらに、第1回目出演のフィンランドのピアニスト:ヘンリ・シーグフリードソンさんの演奏も聴ける。

もう一つの注目は、ファイナルでメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲を演奏する辻彩奈さん。辻さんは第1回のおんぷの祭典に、当時高校生として参加している。今やモントリオール国際ヴァイオリンコンクール第1位(2016年)他国内外コンクールで優勝入賞あり。現在、「一番出演予約の取りにくいヴァイオリニスト」として大活躍。

中澤夫妻、ピアニスト碓井さん、シュバシコウ、こうのとりの演奏家の皆さんは、皆さん豊岡に愛着を持っていらっしゃって、実行委員のみんなと親しくお付き合いをいただいています。

10年が経つって、こういうことなんだ、と感慨深い思いです。

どうぞ、「第10回おんぷの祭典」にお越しください。

CAT見学〜鳥取経済同友会の皆さん

鳥取経済同友会12名の皆さんが、芸術文化観光専門職大学(CAT)の見学を目的に来豊される。近年、神戸経済同友会の但馬支部との交流を深めようと相互に訪問。昨年はこちらから鳥取を訪問する

キャンパス見学前に、ミーティングルームで川目俊哉副学長から大学の説明をお聞きする。

冒頭、今年の4期生入学で、全国47都道府県出身の学生が揃った。わずか4年でカバーするのは、それだけ芸術と観光を同時に学べる公立大学として注目されている証と言えます。開学の経緯、全4学年揃った現在の大学の授業、地域課題、企業研修などの現状など、興味深いお話でした。

今年の入試では、学校推薦型、一般選抜など合わせて平均倍率は3.4倍。第一志望率は90%を超える全国でトップを争う。

「地元(豊岡市および但馬)に残ることを希望する学生はどれだけいるでしょうか」との私の質問に対しては、あくまで肌感覚だが「募集する企業などにもよるが、2割弱ぐらいではないか」とのこと。その中にはNPOなど、起業して残りたい学生もいる。

出石で昼食をとった後に、永楽館へ。
皆さん、出石そばを食べに来たことはあるが、永楽館のことはあまり知らない、との方が多かった。ご案内して良かった。秋の永楽館歌舞伎の宣伝をしっかりして、再訪を促させていただきました。

魚の煮付け二皿堪能す

大好物の魚の煮付け。
しかも2種類の煮付けを一度に。
「なんで?」と別に訊かなくても良い質問が口をつく。
「なんか活きのよいのを見つけたから」と妻の返事。

キンメダイ(金目鯛)。
” 目が大きく黄金色に光る。口も大きい。食用。”(「大辞林」より)

その通り!

カサゴ
” 煮付け、唐揚げ、塩焼きなど様々な料理にできる。身がぷりぷり。皮も美味しい。旬は冬から春にかけて。広い海に点在するので市場に出る数は少ない高級魚。”

その通り!

なんとも幸せな夕食となる。
お酒?
もちろん!

McCoy Tyner “Nights of Ballads & Blues”

  1. “Nights of Ballads & Blues” McCoy Tyner (音声)

McCoy Tyner  :p
Steve Davis  :b
Lex Humphries :ds

1. Satin Doll
2. We’ll Be Together Again
3. ‘Round Midnight
4. For Heaven’s Sake
5. Star Eyes
6. Blue Monk
7. Groove Waltz
8. Days Of Wine And Roses

Recorded 1963

タイトル通りのマッコイ・タイナーのトリオ演奏。

バラードと言えば、ジャズ・ファン誰しもが、まずはジョン・コルトレーンの”BALLADS”を思い出すのでは。その演奏は1962年レコーディングされたもので、ピアノはマッコイ・タイナー。

このマッコイ・タイナーの「バラードとブルースの夜」(1963年録音)は、おそらくその延長線上にあるアルバムかも。落ち着いた、味のある演奏が聴ける。

私としては、ジャズピアノ初心者のコピーにはもってこいのアルバムとも言える。
こんな演奏してみたい。頑張るぞ!