『「侘数寄」から「わびとさび」へ』 谷 昇・著

茶の湯成立初期に確立した「侘数寄」は和歌と禅を基盤とし、後に「わび・さび」へ展開した理念。茶の湯とは何か?を問い、その成立要件、要素などを具体的に解説してある。

茶の湯における「美」「一座建立」「一期一会」「不易流行」「和敬清寂」などの思想的根源を探る「章」が続き、本来難しい概念を様々な角度から記述されている。

最後に「茶の湯の効用」という「章」では、下記のような茶の湯人口の減少についての記述があります。困難に直面する人を勇気づけ、生きる支えとなる不思議な力の源泉について。

ただ、茶の湯人口の減少は日本の人口自体の減少、なかんずく少子化に大きな要因があり、その対策は茶の湯界だけの努力では限界もあるでしょう。ですから、内にのみ目を向け、とかく狭い世界に閉じこもりがちな傾向にあった茶の湯界も、今後は外に目を向け、踏み出して行く方向に切り替えることも必要ではないかと思われます。その際には日本文化の代表、茶の湯は伝統芸能であるといった従来のような紹介の方法ではなく、茶の湯がいかに現実の場で有用かつ有効であるかを訴えかけることも大切ではと思われます。
(「第19話 茶の湯の効用」より p202)

実はこの後の記述の中で、私と妻のエピソード(私が台湾で交通事故に遭い、直後に妻がとった行動、態度について)が述べられています。(もちろん匿名ですが)。「そうなのか」と改めて認識する。

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