2022年、私の「今年の漢字」は「建」

今年、築30年を迎えた自宅(ドーモ・キニャーナ)。10月には30周年記念の集い
建築は象設計集団に設計を依頼し、5年をかけて1992年に完成。ゲストをお招きし、毎月約50名が集った但馬コネクションの8年間。多くの友人に泥出しを助けてもらった2004年台風23号の水害。ともかく、楽しい時も苦しい時も家族、友人に囲まれ、たくさんの人が集まることができた30年が無事に過ぎる。それらを可能にしてくれたドーモ・キニャーナにも感謝しなければならない。

8月に完成したシェアハウス「江原_101」。芸術文化観光専門職大学(CAT)の学生たちが住む。近所の古い民家を大改築。共有スペースをたっぷりとり、学生仲間や地域住民とも交流できる空間(土間)も作る。

建てることもあれば解体撤去もある。8月、近所の築50年以上経った3階建てのビル(元・呉服店)を撤去。巨大な四角い建築物だったので、昔の街並みが少し蘇った気がする。

ガレージの増築工事は9月に完成。

最後は自宅(ドーモ・キニャーナ)の改築工事。現在も続く。
古いものを大切にし、新しい価値を創造する。周囲の環境にも配慮する、そんな建築にしたいと思った2022年でした。

忘れてはいけない、もう一つの「建」。
今年は、孫のKくんとも、たくさんの時間を過ごす。サイクリング、ライトトラップ(昆虫採集)、ピアノ、ウォーキング、いろんなことができました。これが一番の嬉しいことかな。次はドーモ・キニャーナの40年をKくんと迎えることが目標だ。

今年の餅つきは学生たちと

「今年は楽しよう」などと思ったわけではないけど。
シャアハウス「江原_101」のCAT学生たちと餅つき。
群馬、山梨、沖縄出身の学生たち。
それぞれの故郷には、それぞれのお餅つきがある。せっかく豊岡で学び住んでいるので、地元のお餅つきを経験してもらいたい。

途中から近所のHさん親子も合流して、搗あがったばかりのアツアツを丸めて丸餅に。

二臼目は、搗たてのお餅をちぎってその場で食べる。東北・関東では恒例のようだが、関西(少なくとも我が家)では、こんな食べ方をしないが、妻は山形出身なので、すっかりと我が家の餅つきの定番となっている。これがなんとも言えず美味しいのである。

ちぎったお餅をポンポンとそれぞれの具(?)の中に放り込むとみんな奪うように手をだす。これがまたなんとも楽しく、美味しさを増幅してくれる。

木のお皿に取り揃えると、まるでケーキ。

最後は善哉。
美味しいお餅がつけました。
いよいよ明日は大晦日。

『90歳の人間力』 外山滋比古・著

己を知るは超人 敵を知るは達人 
凡人はなにもわからず戦って敗れる (p29)

田舎の学問より京の昼寝 (p32)

われわれ日本人は、見た目を大事にする
中身はわからなくても 見た目がきれいなら信用する(p96)

『90歳の人間力』 外山滋比古・著

タイトルの「90」に惹かれて、この本を購入。

今年、私は「95歳まで生きる」と決意した。

昨年、ある建築家の対談で「私は95歳まで生きる」との発言を聴いたのがきっかけ。自分に置き換えて計算してみると、ドーモ・キニャーナ(自宅)に住んで29 年(2021年時点で)。95歳までにあと29年ある。つまり29年間という時間をもう1回過ごすことができる、ということ。決意の動機は至って単純明快。ただ、それだけである。

祖父が96歳で、母が98歳で他界したので、90歳を超える姿は見てきた。しかし、時代も環境も習慣も異なる。90歳ってどんなのだろう?と、この本を読んでみた。

外山滋比古氏は、2020年に96歳で逝去。ベストセラー『思考の整理学』の著者。34話のエッセイが掲載されている。

晩年になって到達した卓見の数々であるが、少々注釈をつけないといけないご意見もある。

「敵を知る」ことは不可能に近い、己を知るのはもっと難しい、との見解。もしも知れば、戦争なんて起きない。なんか逆説の説得力。

「京の昼寝」の真意は、忙しい人ならハガキは5分もあれば充分。都の学者は何かと忙しいので手早くさっさと仕事を仕上げるので思いがけないヒマができる。

「見た目を大事」は、安売りの黒ずんだバナナ、実は一番美味い。見た目で人を判断する。選挙では見た目のパッとしない候補者は苦戦する。日本料理は盛り付け、椀や皿にこだわる。外観と中身は必ずしも一致しない、と言っているわけだが、少々強引な見解とも感じる。

90歳の達観に触れた感はあります。

津居山ガニ 三昧の夜

なんと贅沢な夜。

20年以上続く、「若手」経営者仲間(Toyooka Business Association 略してTBA)の懇親会。さすがに現在は「若手」はつかない。(^ ^;; 

毎月の積立もコロナでご無沙汰して結構な額に。というわけで、久しぶりに全員揃っての食事会となった。話は会社やプライベートの近況報告やゴルフの話題。

あまりにも立派な(ゴージャスな)松葉ガニ。
話の記録よりもこちらの紹介をしたくなるぐらい美味しい津居山ガニだ。

日本一と言っても過言でない「津居山ガニ」。
青いタグがそれを証明している。
生の足の先っぽをグッと引っ張ると身が殻からスルッと取れ、そのまま鍋にサッと漬けてシャブシャブで食べる。ほぐれた身を口に入れて、キュッと引っ張ると口の中で蕩ける。

こちらは焼きガニ用。
シャブシャブとはまた違った、ホロホロっとした身が香ばしい。

アップも載せておきます。(思わせぶりで m(._.)m)

焼き上がった甲羅みそ、最高の珍味だ。
う〜ん、この味覚、食感はなんと表現したら良いのだろう?
口に含んだ時、それを幸せの瞬間、と呼びたい。(笑)

「Farm House のの花」 (豊岡市気比2373番地)

雪降れば、シュウメイギク

雪のあと。

11月28日のブログに「いつまで咲くの?シュウメイギク」とアップ。その後12月に入っても蕾から白い花を開花させていた。が、雪が降りとうとう花は全て完了となったようだ。

垣根にもたれかかるように倒れてしまったシュウメイギク。
来年の春にまた会いましょう、と言っても、その名の通り、秋に明らかになる花(菊)が秋明菊なのです。秋まで待とう。

柴田花音 チェロリサイタル〜養父市立ビバホール

昨年の第14回ビバホールチェロコンクール第1位の柴田花音さんの凱旋コンサート。

チェロコンクールは行政とボランティアスタッフで運営している市民手づくりのコンクール。我が家も2000年〜2012年(コンクールは2年毎)に出場者のホームステイをお引き受けしてた関係で、毎回招待券が届く。

招待券があるので行ったと言うのが正直なところですが、柴田花音さんの素晴らしい演奏に完全にノックアウトされる。太く逞しい音色、情感たっぷりな響。若手(22歳)のチェリストとして溌剌とした演奏が心に迫ってきました。ドキドキしてくる圧倒的なコンサートでした。

10月、やぶ市民交流広場ホールでの宮田大さん(第6回2004年第1位)のチェロ・リサイタルに引き続きのチェロコンサート。チェロは大好きな楽器、昔からレコードやCDでパブロ・カザルスやジャクリーヌ・デュ・プレ、ヨーヨー・マ、ミッシャ・マイスキーなど、チェロのアルバムは結構持っている。

コンクールでのホームステイを引き受けた第4回(2000年)は、ドイツから参加のベンヤミン(B.S.Grutter)が第1位で現在はドイツのオーケストラで活躍、第5回(2002 年)は、ウィーンから参加のステファン(S.Gartmayer)は第2位で、現在はウィーンフィルで活躍している。

二人とは、現在も連絡を取り合う友人。2018年にウィーン訪問でステファンと会い、「私にとって特別なウィーンの1日」(2018/10/02ブログ)となりました。

孫ファーストのクリスマス・イブ

家族揃ってのクリスマス・イブ。
恒例の自家焼きローストチキン。
大好物、切り分けるのは私の役目。

自家製イチゴのショートケーキ。
さあ食べるぞと、睨みをつけて構える孫。

だいたいいつも、みんなの写真を撮り忘れる。
食べるものだけの写真ばかりだ。(^ ^;;

孫たちは、サンタさんがやってくるのを待ちきれない様子。
どうも、近年は孫ファーストのクリスマス・イブなのです。

『まちづくり幻想』 木下 斉・著

地域プロジェクトにおいてよくある質問は、「何をやったらいいでしょうか」というものです。この質問は、どこかに「答え」が存在し、優れた人だけがそれを知っていて、だから間違わずに成功できるのだ、という「思考の土台」がある人の発想です。この質問そのものが間違いであり、失敗の始まりなのです。(中略)
成功する人たちはそもそもそんな考えを持っていません。成功の理由は自分たちで考え、自分たちのお金の範囲で失敗を繰り返し、改善を続けているからです。結果だけを真似ても意味がないことを、成功する人たちは理解しているのです。
『まちづくり幻想』 木下 斉・著

数年前、東京丸の内で開催した「豊岡エキシビジョン」(豊岡市を紹介するイベント)で知った著者の木下 斉氏。ストレートな発言でズバズバと地方創生事業の矛盾点を指摘し、税金の無駄遣い、地方創生の手段が目的化している現状を切り捨てていく。まさに、私自身が感じていることと多くのことが一致する。

今回の著書も多くのことを気づかせてくれました。

・地方プロジェクトは「安くして、たくさんの人に地元を知ってもらうのが善」という幻想に支配されている。「安くいいものを提供するのが美徳」の概念から脱却すべき。
・プライシングの間違いに構造的欠陥がある。→生産者(漁師、農家)が生産物を購入したことがない。都市部に向けて正しい値付けができない。(安過ぎる)
・民間が先進地(成功事例)視察の予算を行政に負担させ(または、行政が負担し)、その取り組みを真似る。うまくいかないと次のネタ探し。行政は視察のための予算を取るのが仕事。さらに国の政策は、成功事例として全国に横展開をさせようと支援制度を作る。まさに、悪循環。
・創生事業には、地元に何代も続く信用される人・事業経験を積んできた人・やるべき投資をする人の3つの軸が必要。
・第2次安倍政権は地方創生政策のため地方へ予算を配る。その行方は、地方自治体の約8割が戦略策定のコンサルタントへ外注。その外注先は東京都に本社を置く組織が約50%以上のシェア。つまり、地方に振り向けたお金の4割以上が東京へ還流していた。
・新たなプロジェクトを立ち上げる4つの原則。1.負債を伴う設備投資がないこと。2.在庫がない。3.粗利率が高い(8割程度)。4.営業ルートが明確。

ちなみに、この著書の中で紹介されている事例には知人も登場。

・メイドインジャパンの工場を直結したアパレル製品を企画販売するブランド「ファクトリエ」を立ち上げた山田敏夫社長。弊社にも来社され、NAKATA HANGERも販売していただいている。
・兵庫県たつの市で歴史的建造物を買取り再生する事業を行なっているまちづくり会社「緑葉社」の畑本康介さん。畑本さんは、但馬コネクションにも何度か参加さレました。

頑張っている知人(知っている人)も登場し「まちづくり」とは何か、実現への正しい考え方を改めて考えてみないといけない。

三ノ宮へ

車検が終わったボルボを受け取るために電車で三ノ宮へ。JR三ノ宮駅南口(海側)に降りる。雪景色の但馬と違って青空、日差しの強さが違う。

大学卒業後、会社員として大阪の会社(本社は京都)に勤務。阪急神戸線の塚口に住んでいた頃、週末と言えば三ノ宮で食事したり、買い物したりと頻繁に訪れる街。当時は三ノ宮一番店として「三ノ宮そごう」も今は阪急百貨店。1995年の阪神淡路大震災で大きく変貌した三ノ宮だが、どこか懐かしい空気が漂う。

現在、「三ノ宮再整備KOBE VISION」が進行している。30年後までに150棟のビルを立て替え、新たな都市空間を想像するというビッグプロジェクト。気の遠くなるような計画だが、実現までの間、神戸市の変貌ぶりには期待を持って注目していきたい。

かつての、おしゃれなお店の並ぶ神戸、海外交易の歴史を残し、ローカルな規模の快適な街。美味しい中華、フレンチのレストランも復活してほしい。少なくとも、私が通っていた頃の神戸はそんな街だった。