「虫屋から見た但馬の自然」但馬コネクション11月(No.52)

今月の但馬コネクションは、「虫屋から見た但馬の自然」というテーマでお話を聴き、意見交換をしました。ゲストは「NPO法人コウノトリ市民研究所」の上田尚志代表。

当初は、今年設立20周年を迎える「コウノトリ市民研究所」の活動記録とその果たして来られた役割も交えながら、お話をしていただく予定でした。が、それはご自身のプロフィールの中で触れていただくことにして、昆虫と自然の関係を中心に話をいただいた。

とても感動的なプレゼン。
普段見たことのない昆虫。虫屋ならではの視点と観察。会場の皆さんからの視線も熱くなっているのが伝わってくる。

自然が壊れたところ(不安定な場所)に生息する虫は、安定した自然では滅びてしまう。一方で、安定した自然の中で、生きていく虫もいる。自然の変化は、そのまま虫の生息域も変えてしまう。

先日の宮崎学さんのお話にも通じるお話。

「自然とは何か」「自然との接し方は」という深いテーマをいただく素晴らしいセッションとなりました。

記録ができ次第、但馬コネクションのHPに掲載いたします。

秋 野菜 満載 !〜「畑のレストラン」 in 丹後

秋晴れ!清々しい風が吹く。
これぞ正真正銘の「畑のレストラン」。

ここは、京丹後市大宮町の丘陵にある広大な畑を舞台に、そこで採れた新鮮野菜をその場で調理し、その場でいただく年1回のイベント。

毎年、真夏に開催されているが、今年は台風の影響のため延期。秋の「畑のレストラン」となった。

この畑で野菜作りをし、このイベントを開催する「自然耕房あおき」。お料理は、地元で食品スーパー「いととめ」の広野さんと「自然耕房あおき」で一緒に野菜を育てていらっしゃるスタッフのみなさん。

「自然耕房あおき」が力を入れているエディブルフラワーの野菜。オリーブオイルと塩を振りかけていただく。向こうに見えるのは、カボチャ(鹿ケ谷南瓜)、ダイコン、ビーツ、サツマイモ、ゴボウなど、「秋満載」の盛り付けだ。

ミニトマトとキュウリのピクルス、ゴボウ、ビーツ、シシトウ、ピーマンを焼いて。さらに、天ぷら、カボチャのスープ、ポテト、ビートのチップ(薄揚げ)など野菜満載。野菜好きの人には堪らない。まさに「天国の食事」だ。

腕を組みながら野菜作り、調理法などを解説する河野武平さん

「畑のレストラン」は、ただ新鮮な野菜をいただくだけではない。食事が始まる前には、広大な畑を一周して野菜づくりの現場を見学。これだけで圧倒されてしまう。

野菜作りを指導されている河野さんのお話は、野菜の性質、旨味を引きだす調理法など科学的な見識をもとに全てが的を射て分かりやすい。

そうした見識を基に河野さんが考案した「磁性鍋」が凄い。我が家も河野さんに初めてお会いし、お話を伺って以来、毎日のように使っている。オススメだ。

「自然耕房あおき」のスタッフの皆さん。

但馬コネクション5月のゲストにお迎えし、お話を聴きました。
野菜づくりを始めたきっかけや出会いや出来事、みんなに助けられてと謙虚におっしゃる青木美恵さん。エディブルフラワーをみんなでいただいたあの味。素敵なセッションでした。

女性が中心だったメンバーに男性二人が加わりパワーアップ。これだけの人でこの広大な畑を耕し、野菜づくりをする姿を想いながら、感謝の拍手。

ここからリッツ・カールトン(京都)のレストラン、料亭「和久傳」など、超高級レストランの食材として出荷。知る人ぞ知る「美味しさ」「豊かさ」「健康」の秘訣は、こういうところにあるのだ、と思う。

「いととめ」の広野さんや「自然耕房あおき」の青木美恵さんに出会えて、本当に幸せな気持ちと感謝の気持ちになる。

実りの秋の豊かな時間を過ごした午後でした。

「自然耕房あおき」さんに、丹後に、大地に、感謝!

帰りに「いととめ」によって、「畑のレストラン」で使っていたオリーブオイルをゲット。

ラベルをよく見ていただくと「Mitsuyo」とあるのがお判りでしょうか。私の妻の大学時代の教授。その後、西洋文化(ハーブを使った料理)を日本に紹介することで活躍されている北村光世さん。妻も私も北村さんのイタリア・パルマのご自宅に行き、パルメジャーノ・レジャーノ、プロシュート、オリーブオイルなどがつくられている現場を見学したことがあります。

丹後半島って面白い。
ぜひ、行ってみてください。

「お茶の話」但馬コネクション10月(No.51)

今月の但馬コネクションは、静岡県掛川市より元・伊藤園中央研究所の沢村信一氏をお迎えし、テーマ「お茶の話」

世界中で紅茶、緑茶、烏龍茶など様々なお茶が飲用されている。
茶はツバキ科の低木である。(元の茶の木は一つ)。
違いは、栽培法、製法(発酵・不発酵)、飲用法などで生じる。

日本には、遣唐使の頃(7〜8世紀)中国よりもたされる。
寺社中心に飲用(一般に流行ることはない)
僧栄西が三代将軍実朝に二日酔いの薬として献上(鎌倉時代)

「豊岡市出石町袴狭より室町時代中期の茶筅が出土」と言う話題は、参加者も知っている人がほとんどいなかった。

最後に興味をひいたのは、茶の飲用法は400年ごとに変わる、
と言うまとめ。
1200年前に日本に入ってきた。(固形茶、粉末にして)
800年前、抹茶文化がもたらされる。
400年前、煎茶の製造が始まる、庶民に徐々に浸透
そして現在、ペットボトル??、インスタント粉末茶???

私たちの日常の食生活の変化にも大いに関係する。
お茶の文化から日本の今を考えると、日本文化、日本の社会が見えてくると感じました。

セッション終了後、沢村氏ご自身が製られたお茶を、しかも、ご本人に淹れていただくと言う、なんとも贅沢な時間。

身近な「お茶」がテーマを、生物学的、科学的、歴史的、文化的な側面から学び知る貴重なセッションとなりました。

「人の気持・土地の気持」但馬コネクション9月(No.50)

今月のゲストは、象設計集団の富田玲子さん。

但馬コネクションは50回目を迎え、会場となっている「ドーモ・キニャーナ」を設計していただいた建築家・富田さんをお迎えして、そのコンセプトから始まって多数!のエスキース、スケッチ、縮小模型などの記録をご紹介しました。

プライベートな資料や話題にもなるのですが、50回記念ということに免じて、思い切ってご紹介することにしました。(後にも先にも特例です)

オノマトペ(擬音語、擬態語の意味)を使って、様々な建物を提示しながら解説。これがまた面白い。分かりやすい。

「こっそり すっぽり ぬくぬく」「もっこり こんもり にょきにょき」「すけすけ そよそよ ゆるゆる あいまいもこ」

人の「穴ぐら的願望」「開放的願望」などを建築でどのように実現していくのか、とても分かりやすく、納得。

第2部の交流会も大盛況。
開始と同時に照明を決して、富田さんの誕生日(3日後)お祝いサプライズ。お歳に比べてとてもお元気だ!!!

京丹後市から、たつの市から、Iターンで引っ越ししてきた人、建築好き、町づくり関連、若手起業家、そしていつものメンバーと多士済々の参加者。

知見を広め、出会い、意見を交わし、意気投合し、新しいチャンレジが生まれる「新しい広場」としての役割を感じながらの楽しい夜となりました。

但馬コネクション 秋の陣へ向けて

猛暑、酷暑と戦い続けた今年の夏。
ここんところ、朝夕はようやく秋の気配も感じられるようになってきた。

先週のBBQは夕立の襲来で準備が遅れたが、今日は、秋を思わす雲を眺めながらの早めの準備。

今夜は、但馬コネクションの顧問スタッフとの納涼BBQ。

まだ、あと3人来ていないが、明るいうちの乾杯だ!

「顧問」と呼ぶのは、自分たちも参画しよう、参加しよう、楽しもう、との思いから。

みんなそれぞれ仕事、プライベートで忙しい仲間。
考えてみれば、毎月のセッションでは顧問同士でゆっくりと話す時間がない。

毎回、事前打合せなしのぶっつけ本番だけど、そこは有能な仲間。誰かが不在の場合は、お互いに役割を変えながら、ハラハラドキドキなんとか無事に終える。
頼もしくて親しい仲間あっての但馬コネクションである。

BBQの燃えさかる炭火と顧問のやる気ムンムンなのか、
見上げると空に湯気が舞い上がっている。(笑)

9月セッションで50回目を迎える但馬コネクション。
12月までのゲストも決定し、さらに充実のセッションになるように英気を養う夜となりました。

この秋の但馬コネクション、多くの方の参加をお待ちしています。

「ローカルでありグローバルであること」〜但馬コネクション6月(No.49)

6月セッションは、豊岡市長の中貝宗治氏をゲストに招き、「ローカル&グローバルの可能性」というテーマでお話を聞きました。

冒頭、豊岡市の人口減少は、少子化が問題ではない。豊岡市の出世率は横ばいか、むしろわずかだが上がっている。

その原因は、地元の高校を卒業した若者が大学進学で一旦故郷を離れ、その後、帰郷しないことである。20代でのUターン率は、男性がほぼ50%なのに対して女性25%。女性にとって魅力的で支持される市にならなければならない。

現在、豊岡市はコウノトリ野生復帰、環境経済の推進、歌舞伎、パフォーミングアートでのアート・イン・レジデンス大交流、城崎温泉のインバウンド激増、など、知名度もあがり、活発になってきました。その一連の取り組みを決断した経緯、どのように推進してきたのか、そんな話を聞きました。

中貝市長のプレゼンはいつも聴く人の心を捉える。今回はその市政方針に至ったプロセスを聞かせて欲しいとリクエストしました。市長として様々な人に会い、国内外の多くの場所を訪ね、その豊富な体験をシェアしたいとの意図がありました。

これから益々、市政理念、方針をいかに市民にアピールし、浸透させていくのかがますます重要になってきます。豊岡市であったり、但馬であったり、丹後であったり、「ここでいいのだ」という思いを共有するセッションとなりました。

「たくさんの方々に助けられて」〜但馬コネクション5月(No.48)

「たくさんの人に助けられて」と語る青木美恵 氏(左側)

但馬コネクション5月セッション(5/18)は、「株式会社 自然耕房あおき」(京丹後市大宮町)の代表・青木美恵 氏。

大阪で建設会社に勤めていたご主人が「自然環境を大切にする仕事ができないだろうか」という志を持ち、突然脱サラし、有機農業を目指すところから始まった。約20年前のこと。

たくさんの微生物が住む生命豊かな土づくり。やっと軌道に乗ってきた時、53歳の若さで急逝(2015年のこと)。残された青木さんは一旦、農業断念を決意するが、お客様、地域の人々からの支援や要望、何よりもご主人とつくり上げてきた「土」が継続を再決意させた。

そこに農業に興味を抱き、それぞれキャリアの異なる女性たちが集まり、オーガニック農業、経済的持続可能な農業を目指す挑戦が始まりました。

ご主人が農業を始めた経緯からお話が始まる。最初は緊張していた青木さんも、これまでを振り返りながら、ホンネで語る。会場も熱気を帯びてくる。

人生の志、人との出会い、謙虚で地道な努力、など大切なことを学ぶ。

会場の花はエディブルフラワー。後半の立食交流会では、これをこのままみんなで食べてしまおうという趣向です。

セッションが終わり「自然耕房あおき」の人たちと但コネ・スタッフとのミニ打ち上げ。

時間を忘れてしまうほど尽きない会話。
今回も和やかで気持ちのいいセッション、交流ができました。

ありがとうございました。>「自然耕房あおき」のみなさん

「自然耕房あおき」の野菜、ヤサイ、やさい、YASAI !

今日は但馬コネクションの日。

毎回、午後3時ごろからこんな感じで女性スタッフ中心にお料理チームが集合。キッチン調理台とテーブルを使って、第2部の立食交流会のお料理を作る。

スタッフと言っても、もう20年も30年も家族ぐるみのお付き合いしている親しい友人たち。これだけ長〜いと、ちっちゃな可愛いかった女の子が、なんと高校生、大学生になり、お料理を手伝うのだから戸惑うやら嬉しいやら。

今月の主役は「自然耕房あおき」のオーガニック野菜たち。
採れたての野菜がどっさりと届く。

掘り立ての玉ねぎ。表皮だけを取り除き、そのままオーブンで焼く。

ソラマメ、エンドウ、コールラビ、ラディッシュ、ケール、
あともう一つ(左上)、なんだっけ?

お酢は、もちろん宮津市の飯尾醸造さんの富士酢(一升瓶)。

ニンジンは、葉っぱも一緒にサラダに。

今日は、「自然耕房あおき」のスタッフの方達も一緒になってお料理。
まるでプロの様に、段取りよく調理が進んでいく。

第1部のゲスト・スピーチの時に、聴きながら食べていただくカップヤサイ(?)を準備中。

極めつけはこれ。

エディブルフラワーのサラダなのだ!

ナスタチウム、ボリジ、ナデシコ、キンギョソウ、ビオラ、キュウリの花、エンドウ豆の花、シュンギクの花、まだありそうだけど。

どれがなんのお花か判りますか?

自然耕房あおき(京丹後市)

毎日、当番がみんなの昼食を作る。もちろん野菜メイン。

4月17日のブログ記事「最高に幸せなランチミーティング!」でご紹介したのは、京丹後市大宮町にある「自然耕房あおき」。

女性グループを中心に、オーガニック農業で、自然環境だけでなく、経済的にも持続可能な農業モデルを目指している。

訪ねたのは4月中旬。

4.5ha(ヘクタール)の広大な畑。
(1ha=100m×100m)

作物に合わせてビニールハウスも利用する。

エディブルフラワーの栽培にも力を入れている。

野菜づくりの指導をされている河野さん。
農作物検査などの職業を経験され、科学、化学の知識も豊富で、「自然耕房あおき」の美味しい野菜のできる理論的な裏付け、マーケティングなど、幅広く指導されている。

民藝とは?〜但馬コネクション(4月)

「民藝」と「民芸」の違いは?

今月の但馬コネクションのテーマは「民藝」。
ゲストは、『サヨナラ、民芸。こんにちは、民藝。』の編集者の上野昌人氏。
京都からお迎えしました。

上野氏の本職はグラフィックデザイナーですが、ご本人曰く「時どき編集者」もされています。

柳宗悦ってどんな人?

「民藝」とはいったい何なのか?
「民藝運動」の中心人物の柳宗悦の視点からお話を聴いた。

柳宗悦が考えた「民藝」とは、
日常の器具、安価なこと、正しい機能、単純な、素朴、田舎で作られ、使われる、用の美、自然の美、、、、などとキーワードが続く。

しかし、そう言うもの全てを「民藝」とは見なさない。
「柳宗悦の直感によって選ばれたものが「民藝」」である、と言うこと。

私たちが「民藝」(民芸?)とい言う時、地方の素朴な日常使い的な雑器や布などをイメージする人が多いと思う。確かに「民芸店」と言う表示は全国どこでも目にする。

柳宗悦の「民藝」と目(耳)にする「民芸」との持っている意味の違いが理解できました。