

この八鹿観世能では、組み立て式の八鹿能舞台を利用することが特徴です。この能舞台は明治43年八鹿村長を勤めたこともある西村荘兵衛氏が、大正13年に初代観世喜之氏の指導を受け妙見山のヒノキで製作したものです。大正12年に竣工したばかりの養父郡公会堂で初めて組み立てられ、能「羽衣」「高砂」が演じられました。
(パンフレット「八鹿能舞台の歴史」より)


能「羽衣」
シテ・天人 観世喜正
ワキ・白龍 福王茂十郎
狂言「昆布売」
シテ・大名 茂山千五郎
アド・昆布売 茂山逸平
能「土蜘蛛」
シテ・怪僧、土蜘蛛 田茂井廣道
ツレ・源頼光 観世喜正
他
古くより観世流シテ方能楽師、矢来観世家とご縁のあった八鹿村(現・養父市八鹿町)。その始まりは能舞台製作と初演から100年を記念しての公演。そのご縁もあり、矢来観世家は喜之さん、喜正さんが後を引き継ぎ、現在も但馬・丹後に能の指導に毎月来られている。(妻は京丹後市の安養寺に通っている)。
平成の合併により「養父市」になって20周年を記念する公演として「やぶ市民交流広場ホール」で開催される。
「能」を鑑賞するのは、安養寺の蝋燭能と大阪と丹後で4〜5回ぐらいしかなく、なかなか観て楽しむという心境にはならない。ただ、今回のプログラムには「羽衣」と「土蜘蛛」のそれぞれの「あらすじ」と「詞章」が掲載されていて台詞を手元の読みながら舞台の進行を追いかける。邪道の域を出ないけど、少しずつ親しんでいけるようになりたい。