“HYPER BEATLES 2” 高橋アキ

"HYPER BEATLES 2"

高橋アキ : piano

1 Norwegian Wood   (Pauline Oliveros
2 Light Of A Night — [Paul Meets Bird] (Black Bird)  (Per Nørgård
3 Edujyeh Boogie For Piano (Hey Jude)  (池辺晋一郎
4 From Eleanor Rigby (Eleanor Rigby)  (Alvin Curran
5 Get Back   (Sukhi Kang=姜 碩煕)
6 All My Loving Resounded (All My Loving)  (藤枝 守
7 Nothing Is Real (Strawberry Fields Forever)  (Alvin Lucier
8 A Day In The Life  (Tan Dun=譚盾)
9 She’s Leaving Home  (高橋鮎生
10 Mikhachelle (Michelle)  (Yvar Mikhashoff
11 When I’m Eighty-Four (When I’m Sixty-Four)  (Walter Zimmermann
12 The Walrus In Memorium (I’m The Walrus)    (Terry Riley

(   )内は編曲者

ビートルズの曲を編曲して演奏することは、我々の時代の”真の”クラシックをいまのクラシック前衛音楽界に知らせる最初のステップかも知れない。
高橋鮎生:ギタリスト、ロック、コンポーザー) ライナーノートより

この『ハイパー・ビートルズ』第2集では、前回の第1集にくらべて音楽的にもますますヴァラエティに富んできたようだ。
(中略)
それぞれの作曲家がかれら独自の考え方やスタイルで、ビートルズに取り組んでいるのがなんとも楽しい。
高橋アキ プログラム・ノート より)

高橋鮎生さん(高橋アキさんの甥=ピアニスト高橋悠治の息子)。の指摘は、ロックの曲のベースとドラムのパートをとって、ギターや歌をヴァイオリンに移すとクラシック系現代音楽の曲になると、自己体験に基づいている。

ご本人の高橋アキさんの演奏からは、全く異なったスタイルの現代音楽が聴こえてくる。慣れ親しんだビートルズの曲が、こんなにも生まれ変わるのはとても新鮮。

1 Norweigian Woodは、左手は低音のドとソの持続音が鳴り響きながら、右手で単音でメロディが始まり、和音を重ねながら複雑になっていく。

7 Nothing Is Real (Strawberry Fields Forever)では、ペダルを踏みっぱなしでフレーズごとにゆっくりと進んでいく。曲の後半は録音したピアノ演奏をティポットの中の小さなスピーカーで再生すると言うまさに前衛。編曲をしたアルヴィン・ルシエから、演奏用としてわざわざ景徳鎮のティポットが贈られたそうだ。

11 When I’m Eighty-Four (When I’m Sixty-Four)は、原曲64才を84才にして編曲。オリジナルから20年以上経っているからという理由で、演奏のバックでは、1、2、3、、、と、日本語で84までの数を小さく囁く。

12 The Walrus In Memorium (I’m The Walrus)は、ミニマル・ミュージックの代表的な作曲家テリー・ライリーの編曲。(現在、日本在住)。原曲の最後では、延々とピッチが上がっていくところをピアノの鍵盤で表現しているところが面白い。

廃盤で購入できない(オークションはあり)、Apple MusicやYouTubeで探しても出てこない、で演奏を紹介できないのがなんとも残念。

さあ、次は3枚目を紹介します。

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