それでも戦時中の一人の内面のふたを開けたかったのは、日本兵という集団ではなく、水面下で生きた日の当たらない一兵卒に焦点を当て、ごく個人的なことに触れたかったからだ。そうすることで、現代の私たちは戦時中の彼らへ共鳴するかもしれない。
(作品コメント より)
作家・大岡昇平のフィリピンでの戦争体験を基づき、死と向き合う人間の極地を描く小説『野火』。
演出とテキストレジは堀川炎さん。
演じるのは永井秀樹さん(劇団青年団)。
会場は出石の永楽館。舞台美術は杉山至さん
永井さんの迫真の演技に度肝抜かれる。
70分ぶっ通しでセリフを機関銃のように間断なく喋り、恐怖にのたうち回る。
照明により障子が効果的な役割を果たす。
豊岡演劇祭の最終日を飾るにふさわしい圧倒的な作品でもありました。
テキストレジ
台本の台詞の追加や削除などを行うこと、またはそれらを台本に記入することを意味する演劇用語。