
日本経済新聞文化欄(裏一面)は1ヶ月連載で、社会経済文化それぞれの分野で活躍した人物を本人の執筆、語りで紹介するのが「私の履歴書」。
9月は「鈴木忠志」(演出家)。
見出しは「世界へ演劇発信、半世紀〜合掌造りの劇場でメソッド築く」。
富山駅から車で1時間あまり、岐阜県境に近い南砺市の利賀村が私の本拠地だ。経済の論理で縛られる東京から劇団ごと離れ、世界に通用する演劇づくりに集中したい。利賀から世界へ。そんな志を立て、食パンとジャムだけの食事で踏ん張るところから始めて、もう50年近くになる。
「私の履歴書」書き出し
そう、1976年のこと。
突然、東京から富山県利賀村へ引っ越した鈴木忠志の劇団「早稲田小劇場」は衝撃的なニュースであった。
当時早稲田大学の学生であった私はジャズや演劇やアートに興味があり、ライブハウスや劇場、美術館に足繁く通った。そんな中で鈴木忠志率いる「早稲田小劇場」が一番のお気に入り。
早稲田正門近くの喫茶店の2階にあった「早稲小」(わせしょう)は、特に一生忘れられない場所でもあります。劇団員にも友人がいたり、早稲田文学部(私は政経学部)で鈴木忠志の臨時講義をもぐりで聴きに行ったり、鈴木忠志は憧れの存在。

今年も利賀村(SCOT Summer Festibval 2024)へ。まだつい半月前(8月24日)の鈴木さん。お元気な85歳。来年50回を迎える利賀村での演劇祭へ向けてまだまだ精力的に活動されている。


豊岡市が「演劇のまちづくり」として取り組むきっかけとなったのが2014年に会館したアート・イン・レジデンスの「城崎国際アートセンター」(KIAC)会館。その後、平田オリザさんと劇団「青年団」の豊岡市江原への移住、移転(江原河畔劇場)、そして兵庫県立芸術文化観光専門職大学が開学へと続く。
こんな流れの中で、なんと(かつて憧れた)演出家鈴木忠志さんが豊岡へも来られることになりました。40年の時を経て鈴木忠志さんと再会(会話するのは始めてなので「初対面」が正解)できるなんて、人生面白いな、と実感しています。
鈴木忠志さんとの夢の会話シーン。
「ようこそ!鈴木忠志さん(早稲田小劇場・劇団SCOT)」(2018/05/01)
『劇的なるものをめぐって』〜鈴木忠志とその世界(2018/05/02)