面白そう、美味しそう、楽しそう、そんなポジティブな感情に基づいて、日常生活を送っていたら、「気づいたら、健康になっていた、福祉の役に立っていた」とおいうケアとまちづくりができないだろうか。福祉や医療を言い訳にせず、ポジティブな感情によって支えられる環境と作る。ケアを目的とするのではなく、ポジティブな環境の先にケアがある。そういう状況を作っていくことが今後のケアとまちづくりではないだろうか。
『ケアとまちづくり、ときどきアート』
(4-2「まち全体を健康にする」より p198)
この本は、西智弘氏と守本陽一氏の二人の医師と藤岡聡子氏という介護ベンチャーの創業者の3名の共著。それぞれのキャリアと経験を生かした知見が散りばめられている。
「医療者は病院を出よう!」の合言葉のもと、医療福祉関係者が地域に注目し始めている。また一方で地方創生の名のもとに地域活動やアート活動が盛り上がってきている。
この二つのムーブメントを結びつける最初の一歩を手助けしてくれるヒントが紹介されている。
特に、豊岡市の「だいかい文庫」主宰の守本陽一氏の実践が素晴らしい。YATAI CAFE(屋台を引きながら街中で展開。一杯のコーヒーから市民との交流が生まれる)や「だいかい文庫」(みんなで作る施設図書館。第三の居場所の役割も)。