「宮田大 チェロ・リサイタル」 at やぶ市民交流広場ホール

照明を落としたままのステージに2人の演奏家が登場。暗いまま演奏が始まる。
ドビュッシーの『月の光』。
静かに滑らかにチェロがメロディを奏で、ピアノがモザイクのようにキラキラと舞う。

つづく2曲目は、サン=サーンスの「白鳥」。夢見心地の優雅な演奏にうっとり。

第一部はそれぞれのソロ演奏と2人の演奏で小品楽曲。休憩後の第二部では、ブルッフの『コル・ニドライ』。ユダヤ教の音楽から借用した旋律を持った荘厳な楽曲。最後は、ファリャの『恋は魔術師』。歌入りのバレエ音楽をチェロに置き換えて編曲された。

養父市ビバホールで開催されるチェロコンクール第6回(2004年)で第1位の宮田大さん。数回繰り返されたアンコール演奏で、最後は『故郷』。宮田さんにとっての演奏家活動の原点でしょうか。

アンコール曲の中で、特に気に入ったのはメキシコの作曲家ポンセの『エストレリータ』。今、改築中の3階から見る風景を思い浮かべながら聴く。

昨年オープンした「やぶ市民交流広場ホール」は、豊岡演劇祭の公演で館内に入ったことがあったが、実際のコンサートを聴くのは初めて。650席で素晴らしい音響。クラシックのコンサートにはピッタリのホール。

養父市芸術監督にされた青柳いづみこさん。フランス音楽に造詣が深いピアニストでありエッセイスト。エッセイも何冊か読み、もう30年ぐらい前になるが、青柳さんの祖母の実家(養父市八鹿町宿南、茅葺き屋根)での青柳さんのピアノコンサートにも行ったことがあります。養父市とご縁のある青柳さん。これからのプロデュースに大きな期待を寄せています。