『絶対悲観主義』 楠木建・著

繰り返しますが、幸福ほど主観的なものはありません。幸福は、外在的な環境や状況以上に、その人の頭と心が左右するものです。あっさり言えば、ほとんどのことが「気のせい」だということです。自らの頭と心で自分の価値基準を内省し、それを自分の言葉で獲得できたら、その時点で自動的に幸福です。「これが幸福だ」と自分で言語化できている状態、これこそが幸福に他なりません。

第2章 幸福の条件 (p48)

『絶対悲観主義』 楠木建・著

副題の「心配するな、きっとうまくいかないから」は、絶妙の表現ですね。楠木さんお得意の(?)逆説的な考えを上手く表現されている。「きっとうまくいくから」と言うと「上手くいかなきゃならない」と使命感が生じる。「みんな成功したい(上手くやりたい)と思っているのに、大抵は上手くいかないのだから気にするな」と言うところでしょうか。そう思うと緊張を和らげ、失敗してもまたチャレンジしよう、とポジティブな気持ちになれそうだ。絶妙の表現ですね。

東京で何度か講演をお聴きしたり、実際にお会いしてお話をしたことがあります。ユーモアたっぷりのお話は、モノゴトには表裏(本音と建前)があって、逆からみると全く異なった世界(考え)も見えてくることを教えられます。

・高齢化問題(健康、認知症など)に対して「教養」の重要性。
・友達とは、偶然性、反利害性、超経済性という条件を備えた人間関係
・藤沢武夫(本田技研工業(株)創業副社長)の「経営はアート、演出の基本は意外性」

「第12章 痺れる名言」には、歴史上の人物、歴史家、作家、政治家、俳優などの語り継がれる「本質をつく名言」が紹介されています。どれも、楠木さん流の解釈と共に紹介されているのが面白いし、よりグッときます。

心配せずに、「私の幸福言語化プロジェクト」を始めてみます。

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