「第11回 永楽館歌舞伎」〜新たな歴史を重ねる

「今年も永楽館歌舞伎がやってきた」。

このフレーズって「昔、お祭りにサーカスやお化け屋敷がやってきた」みたいで、今私の気持ちがうまく表れていると思う。

片岡愛之助、中村壱太郎のコンビは第1回目からずっとこの永楽館歌舞伎に出演。と、言うよりもこのお二人の成長と人気上昇と共に永楽館がここまで来られたと言った方が正しいだろう。

例年は11月初旬の1週間だが、今年は京都南座での顔見せ興行があるので10月のこの時期になった。

昨年10年の節目を終え、新たな次の10年が始まる。

今年の演目は、
『御所桜堀川夜討〜弁慶上使』
『神の鳥』

弁慶上使は、義太夫狂言の人気演目。愛之助さんにとって初役。弁慶を上方役者が演じるのは38年ぶりという。忠義のために娘の首をとる、夫婦、親子の情愛、家臣が自害する忠義。地味だが、歌舞伎らしい物語の演目である。

『神の鳥』は、(こうのとり』と読み、ご当地・豊岡市のシンボル。水口一夫氏 作・演出の創作歌舞伎。過去10回で上演された22演目の中から人気投票(公募)で選ばれたアンコール上演。出石神社を背景に、優雅な舞踊、愛之助さんの早替りなど、華やかな歌舞伎衣装が舞台で舞う。

今回、初「永楽館」の大谷佳三さんは、妻の大学時代の同級生。受付横には、妻が大谷さんに贈ったお花がありました。