薪ストーブ〜今シーズンは遅めのスタート

今年の晩秋は比較的暖かい日が続いた。
10月から自宅の工事が進行中ということもあって、薪ストーブの「始球式」は12月に入ってからになった。

今シーズンの「第一灯」は、孫Kにしてもらおう。ハンガーの端材なので、ほんのちょっとの着火剤で簡単に火が付く。

ガラス戸とガラス屋根。
晴れた日は日差しがいっぱいなので、さらに心地よい。

初冠雪なんですが

自宅の3階から神鍋高原方向を見ると山々がうっすらと白い。
今冬、初雪なんだ。
孫から雪で遊びたいと催促を受けて、神鍋高原へ。
奥神鍋のスキー場は、雪で白くなっているところは5合目ぐらいから。

神鍋の噴火口をグルリと回りながら、ここは「北の壁」。
雪どころか輝く太陽の下で雪はなし。

雪で遊ぶ代わりに県立但馬ドームへ。
孫は芝生の中にあるアスレチックで遊び、私はウォーキング。
快晴の神鍋高原の清々しい空気を吸って最高の気分。

『リセットの習慣』 小林弘幸・著

今回のテーマは「リセット」です。
題材としているのは、やはり「自律神経を整えること」が中心ですが、その知見を十分に活かしながら、「今この瞬間から人生をリセットする」ことを念頭に置いて書いて来ました。
本文中でも紹介しましたが、私の大好きな言葉に「闇深ければ、暁近し」と言うものがあります。辛く苦しい時期であればあるほど、希望が見えてくる瞬間は近い。そんな意味合いの言葉です。
『リセットの習慣』 小林弘幸・著
(「おわりに」により p253)

著者の小林弘幸氏の著書は、結構読みました。小林氏は順天堂大学医学部教授、自律神経研究の第一人者。交感神経、副交感神経に興味があり、その関係図書を読んだ折に著者を知りました。

今回は、短い文章(1テーマを2ページで)でそのポイントが解説してあるので、気になるテーマを見つけて、どこからでも読める。

悪い流れの時には、理由もわからず、どんどんそれに乗ってしまって止められない、という経験はよくあること。著者は『人の体は「流れに乗る」のは得意だが「流れを変える」のは苦手、それを止めるのがリセット。人生のリセットは、ゴールではなく、スタートを目指して生きること』と指摘する。

「あ、そうだそうだ」「なるほど」「それできそう、いいね」など、思いつくヒントがいっぱい。気楽にリセットしてみる方法満載。

・深い呼吸を意識する。忙しい、緊張、落ち込んでいる時は呼吸が浅い。
・よく噛んで食べる。唾液が持つ免疫力向上、自律神経が整う。
・朝はリズム感(ロック)で交感神経高め、夜の睡眠は歌詞のないゆっくりな曲(クラシック、ジャズ/バラード)で副交感神経を高める。
・ピアノ演奏、プレゼンの緊張対策は、「心」よりも「技」が結果的に心の余裕が生まれる。
・集中力が続かない時は、「10分」の休憩を入れる。「10分の魔法」

など、など。

今日から12月

3階のベランダから南を望む。
進美寺へつづく裏山の木々も色づき、葉を落とし始めた静かな朝。
比較的穏やかな暖かい日が続いてきた。
庭のモミジもあと少し紅い葉を残すだけ。

西を向くと妙見山から神鍋へ山の稜線が続く。
初雪も間近。

左官の久住章さん〜「シュトックマルモ技法」って?

大理石のテーブル?

手で触ってみても大理石そのものなのだが、実は「シュトックマルモ」(擬似大理石)という左官の技法で塗って仕上げたもの。

製作した左官の久住章さんから、直接「シュトックマルモ技法」について解説を聞く。

もともとヨーロッパで始まった左官の技法。イタリアでは、本物の大理石が手に入るのであまり発達しなかったが、ドイツ、フランスで大理石調の仕上げとして発達した。

1990年代初頭、南紀白浜に建設された「川久ホテル」のロビーの巨大な円柱にこの技法が使われている。左官の久住章さんがドイツで習得し、約1年間かけて日本の左官職人に伝授し、24本の巨大な円柱を仕上げた。その製作方法まで解説していただく。

大理石を大きな面積に使うと必ず繋ぎ目が出るが、左官でやると大きな面でもシームレスに完成する。こんな凄い技法をいとも簡単に習得し実現してしまう久住章さんは、「日本一の左官職人」、いや「世界の天才左官職人」と呼ぶのに異論はないですね。

感謝感激〜左官の久住章さん再訪

今月初めの訪問から再び、左官の久住章さんのご自宅を訪ねる。用件は後ほど書くとして、木々の中に建つ久住邸の美しい土壁とその佇まいには、訪れる度に、惚れ惚れする。

広〜い庭。庭というより森と言った方が良さそうだ。落葉広葉樹の木々は葉を落とし、地面は落ち葉の絨毯。

庭(森)の中に、ご自宅、左官道具の詰まった作業場、倉庫などが点在する。すべて美しい曲面でデザイン設計された土壁。

さて今回の用件は、お風呂の相談。

現在、自宅の改築プロジェクトが進行中。浴室の設備に大きな変更が生じ、プランそのものを見直ししなければならなくなった。技術的に、建物の構造的に、可能かどうか、重大な決断が必要になる。そこで咄嗟に「ここは久住さんに訊ねてみよう」と思い連絡し、この度の訪問となった。恐れ多くも「日本一の左官屋久住さん」に即答快諾を得て、これ以上ない感謝感激です。

プランは土、モルタル、タイルを使用するので、空間、総重量、防水、作業そのものの手順、など相談は根本的なものばかり。

改築の設計を依頼している建築家(ガラージュ)、実際に作業していただく地元の左官職人、水道配管屋さんにも帯同してもらう。関係者最強のメンバーで久住さんのアドバイスを受けることができて最良の一日となる。

『大アジア史』 宇山卓栄・著

文明は民族も思考と行動の累積であり、民族の持つ世界観を表します。日本や中国、朝鮮半島などの東アジアはもちろんのこと、東南アジアやインド、中東や中央アジア、トルコに至るまで、アジア民族の足跡を幅広く辿ります。
同じアジア民族でも何が異なり、何が同じなのか。アジア各民族の思考パターンや習性とは。こうした問題意識とともに、アジア人やアジア文明を、つまり「我々とは何か」を、読者の皆様と考えていきます。
『民族と文明で読み解く 大アジア史』 宇山卓栄・著

本書の「はじめに」にもあるが、教科書で習ってきた歴史だけでは、現在のアジアの情勢、ひいては世界情勢は理解できない。それぞれの民族のルーツとその歩んだ歴史を知ることによって初めて「現代」が読み解ける。

本流だけの歴史知識ではなく、ちょっと違った視点で民族や国の歴史を知ると、歴史の「なぜ?」が見えてくることもある。

例えば、中国の主要統一王朝「秦→漢→晋→隋→唐→宗→元→明→清」9つ続くが、漢民族が作った王朝は秦、漢、晋、明の4つ。これを知ると、北方遊牧民、南方農耕民族などの興亡という中国の歴史が見えてくる。

水洗いできないウール製製品からウォッシャブルな綿製品へ移行により、ヨーロッパの病原菌との戦いが改善された。18世紀以降、綿の需要が高まり、量産する必要性から紡績機・織機の機械化、アメリカ南部のプランテーションなどにより、イギリスの産業革命、アメリカの奴隷制などに繋がっていく。

7世紀、中国は日本を「倭」と記述しているが、「倭」は「付き従う者」という意味。日本ではこれを嫌い「和」を使うようになり、さらに「大」をつけて「大和(やまと)」とした。

それぞれ諸説あるので、鵜呑みにはできないが、様々な視点、思想、研究を知ることで、歴史の幅が広がり、民族問題、国際問題など「現代」を読み解く大いなるヒントになる。

内藤絹子展 at あさご芸術の森美術館

もしかしたら白い和紙が私にとっては畑の土に近いものになるかも知れません。言葉を線や形として和紙の上に描くのは、耕し、種を蒔く事に共通していて、結果的には作品になるのです。私の日常生活と作品制作は密接に関係し、切り離す事が出来ない気がします。
『紙の畑 内藤絹子展』 挨拶文より

秋晴れの陽光に誘われて朝来市の美術館にいく。版画家内藤絹子さんの個展を鑑賞。展示室入り口にある「ごあいあつ」(上記引用)にあるように、朝来市に移住して26年目の内藤さんは、四季を楽しみ、野菜を育て、静かに深く、環境に対して謙虚に、作品を制作されている印象を私は持っている。

内藤さんは「文字を描く」作家。
「書く」ではなくて「描く」。

内藤さんが挨拶文で述べていらっしゃるように、漢字「描」は、手偏(てへん)に「苗」。手で耕し、種をまき、苗を植え、そして収穫する。まさに、内藤さんの日常生活と作品制作が合体する心境ですね。
妻もとても気に入り、小さな作品を一つ購入。

久しぶりの「あさご芸術の森美術館」。朝来市にある多々良木ダムの真下にある。美術館の前では、『「最後の午餐」に集合した一同』(藤原吉志子・作)の動物たちが待っててくれる。

夕暮れにボール蹴る

私も通った日高小学校の校庭。
ボールを蹴る子どもたち。

あっという間に夕暮れがやってくる。
そう言えば今世界中がサッカーで熱狂している。