「みんなのけんちく学校」プロジェクトを豊岡で検討

鎌倉の一般社団法人「木和堂」さんが鎌倉で実施している「鎌倉 みんなのけんちく学校」を関心のある全国の自治体に広めようと、豊岡でできないかと検討を始める。

「けんちく学校」の目的は、「森の恵み、木の良さを見て、嗅いで、触って体験する」「職人の技と知恵を知り学ぶ」「自分の手を使ったものづくりの面白さに気づく」こと。

林業、製材、設計、大工、左官、建具などのそれぞれの職人が講師となって、子どもたちと共に体験を通して伝えていくのが大きな特徴。

鎌倉から木和堂のお二人も来られて、鎌倉での活動を紹介していただく。これまでの3回(年間に8回のワークショップを行なう)の実績と課題などを聞き、豊岡での可能性を探る。

個人的に親しくしていただいている市役所職員と地域活動で子どもたちの学びと遊びを提供しているKさん、地元で民家再生を手がけているIさんなど、多様なバックグランドを持った友人、知人と相談を始めました。

相談会場となった「里やま工房」の池口さんとは30年来の知人。こんなテーマで再会できるのも嬉しい。初めて訪問した「里やま工房」からの風景もなかなか素晴らしい。

「けんちく学校」開校に向けて頑張りたい。

永楽館歌舞伎が戻ってきた

コロナ禍で中断していた永楽館歌舞伎が4年ぶりに再開されました。
コロナ影響で日程調整が困難。片岡愛之助さんの日程に合わせて、今回は9月になりました。
待ちに待ったファンが連日詰めかけ、全ての公演はチケット完売。

この永楽館の空間が良い。
「お帰りなさい、愛之助さん」の気持ちで開演を待つ観客。

今年の演目は、
一、菅原伝授手習鏡(車引)
二、お目見得 口上
三、釣 女 (常磐津連中)

抹茶を一服。
歌舞伎の休憩、自席でいただくのもなかなかおつなもの。

お水(これはこれで美味しい)はペットボトル。
折りたためる茶杓。
コンパクト収納の茶筅。
道具も大事!

なんやかやと永楽館歌舞伎は面白い。
愛之助さんも「ライフワーク」として永楽館での歌舞伎を続けていくと宣言。
なんとか、これからも続けてもらいたいものです。

「江原_101」は小さな舞台でもあるのかな?

『とても小さなある舞台』by 渡邊のり子 at 江原_101

豊岡演劇祭2023のフリンジの会場として多くの方に来ていただきました。

小さな箱型の作品を展示します。
舞台はおよそ5cm四方の箱。様々な小物が箱の中で出会い、対話し、そこで生まれたストーリーはまるで1つの舞台を観ているかのよう。
(「作者・渡邊のり子氏の作品に寄せるコメント」豊岡演劇祭2023のサイトより)

作品の展示をご覧なりながらシェアハウスの見学も。

『家を鳴らす』〜果たして「江原_101」は鳴ったか?

「豊岡演劇祭2023」連携プログラム。
『家を鳴らす』by ガラージュ+額田大志。

芝居小屋シェアハウス「江原 101」を会場として、ヌトミック/東京塩麹の額田大志さんをお招きし、この家やこの地域の空間をパフォーマンスとして立ち上げるワークショップです。 「江原 101」は、江原駅前すぐ近くに位置する、人々が分け隔てなく集えるシェアハウス。芸術文化観光専門職大学の学生が暮らしています。学生たちが豊岡でどのように暮らしたいかを話し合い、地域と繋がりながら実験・創作できる場として機能しています。
「豊岡演劇祭2023」連携プログラム紹介文より

参加者はビー玉を持って、シェアハウスの中を思い思いにウロウロ。柱を叩き、床を叩き、目についたモノを何でも叩く、鳴らす。

やがてシェアハウスの住民(芸術文化観光専門職大学の学生たち)が、シェアハウスを使ってのパフォーマンス。非日常の空間を創り出す。

シェアハウスの外から覗き見も
やれば
みんなで踊り出す。

なんか訳のわかったようなわからないような。
そんな感覚がとても心地よい気分にさせてくれる。

こんなシェアハウス「江原_101」もあるんだ。
なんだか嬉しくなりました。

「江原_101」ではこんなこともやっています(豊岡演劇祭)

豊岡演劇祭、真っ最中。
シェアハウス「江原_101」では、みんなの共有スペースとして開放。

入り口入るといきなり「駄菓子屋?」「小間物屋?」
でも昔の「たばこ屋?」みたいでもある。
看板娘もいます。^ ^

地元のコーヒー焙煎店と協力して、コーヒーの試飲コーナーも。

何でも、どのようにも、使えるシェアハウスを目指してオープン。
まさかここまで利用されるとは。

嬉しい限りです。

「ディア101」〜お茶の間トーク第1弾

今日から「豊岡演劇祭2023」が始まる。
こちらは東大・慶大生による劇団遊学生の「ディア・ディア」公演が終わり、すでに熱気が漂う夜のシェアハウス「江原_101」。

公演後も、豊岡演劇祭の観劇や地元の演劇学生たちと交流をするために残った遊学生たちとシェアハウス江原101の演劇を専攻する学生たちとのトークを開催。

テーマは「地方で生活すること」。
遊学生たちは、豊岡公演の前に四国香川県三豊市で公演を経験。「演劇??」「なぜここで」など、ピンとこない住民への広報の困難さなど、演劇活動と地方の実態などを意見交換。101の学生もそれに応えて豊岡に来て2年半の学びと生活の実感を語り合う。

数年ではあるが、先行して豊岡市は「演劇のまち」を志向し演劇公演を観る機会が多かった分、市民の反応は全然違う。実際にやってみる、続けてみることの大切さを痛感するトークでもありました。

『ディア・ディア』〜劇団遊学生2023年度豊岡公演

劇団遊学生による『ディア・ディア』を観劇。
(公演は写真撮影不可なので画像がないのが残念)

昨年に続き、東大・慶大のすずかんゼミの学生たちが結成した劇団遊学生の公演。会場は立光寺(豊岡市日高町江原)の本堂。

昨年の『地獄変』公演で得た経験を元にしてなのか、立光寺本堂の空間を上手く利用していたのがとても印象的。(昨年と反対向きの客席と舞台)。観客は本尊を背に境内に向かって座る。作・脚本は、登場人物でもある二人の共作。

「宛先のない手紙を配達する郵便屋」の物語。
SNSが伝達の主流になりつつある現代は「誰が誰に向かって、何を伝えたいのか」が不明瞭な伝達、情報が溢れかえる。差出人も判らない、受取人も判らない。
人の想い(手紙)を届け、受け取る登場人物たち。大切なものを忘れかけていないだろうか?とふっと優しく問いかける。

昨年も迫力ある芝居であったが、脚本、演出、そして役者たちもさらに進化しているなあ、といのが感想。セリフ発声も優れ、劇の中に引き込まれる瞬間もありました。

もう一つ踏み込んで「笑いあり涙あり」の演出場面があったらなお満足感が上がったのではないかと思う一方、稽古期間も限られた現役学生の演劇として大いに楽しめました。

進化の法則に基づき、来年の3回目公演を大いに期待したいところです。

魂入ってきたかなシェアハウス〜江原_101

但馬コネクションの開始直前のセッション会場

「仏作って魂入れず」
せっかく良いものを作っても、大事なものが抜け落ちていれば、作った努力もむだになる。

良いものかどうかは別として、シェアハウス「江原_101」の活動が活発になってきました。

「オープンなスペースが欲しい」と言う要望に応えて、壁、天井、障子、収納庫を取り除く。明るく開放的なスタジオが誕生し、想像していた以上に快適。

今回のようなセミナーもできるし、車座になってミーティングしたり、ミニ演劇公演、ワークショップ、普段は住民であるCAT学生がストレッチやダンスレッスンしたり。時々、ベンチを組み合わせてテーブルにして、鍋パーティをしたこともある。

車や人の往来も見える奥の道路側の窓の下には、靴を履いたまま入れる土間がある。特製「土」のテーブルでコーヒーやお茶で一服。

玄関サイドから見たスタジオ。

スピーチやプレゼン話し手の席とスクリーン。その奥のロールカーテンを上げると、窓の向こうには円山川の美しい景観。

右側のバスルームとシャワー室、トイレ、左側のキッチンとは直結し、コンパクトに収まり利用できる。

2階から見たスタジオ。

2階のくつろぎスペース。円山川を間近に見下ろし、川からの風が気持ちいい。時には、1階スタジオと2階と連携させた企画もありました。

「豊岡演劇祭2023」でも、このスペースを利用したイベントが行われます。
地域コミュニティ、学生たちの交流、学びの場、もちろん但馬コネクションの会場として、大いに利用が広がって来ました。
江原_101イベントにもどうぞ、気軽に立ち寄ってみてください。

『ディア・ディア』〜劇団遊学生が今年もやってきた!

劇団遊学生 2023年度公演
『ディア・ディア』
開 演 : 2023年9月10日[11:00 / 18:00]
          9月11日[19:30]
場 所 : 立光寺 (豊岡市日高町江原)

今年もやって来た劇団遊学生。
東大と慶應の「すずかんゼミ」の現役学生たちが集まり、演劇公演を行なっている。
昨年9月にも、出石の柳行李職人の話をモチーフに芥川龍之介「地獄編」を改作した遊学生版『地獄編』を上演し、大好評を得ました。

『地獄変』〜劇団「遊学生」江原(立光寺)公演
『地獄変』(立光寺公演)3日間満席で盛況裏に終了

演劇表現の情熱は先輩から後輩に受け継がれ、今年もオリジナル作品『ディア・ディア』を上演する。
「不思議な魔法を使って、宛先のない手紙を配達する郵便屋さんの物語」
さてさて、どんな物語が演じられるのでしょう。

3公演とも、まだ若干席があります。

日蓮宗「立光寺」さんの立派な本堂での上演。
寺院の空間で繰り広げられるお芝居の味わいはまた格別です。
興味のある方、ご都合の良い方、立光寺さんに出かけてみてください。

※「すずかんゼミ」= 鈴木寛教授が指導する東大、慶大のゼミ
鈴木寛
日本の教育者、社会学者、元政治家。本名は「すずき ひろし」。 現職は、東京大学公共政  策大学院教授、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。
(Wikipediaより)

小さな世界都市 豊岡の挑戦〜地域活性学会

地域活性学会の研究大会(豊岡市)市民公開講座プログラムに参加。

(調べてみると)
地域活性学会とは、2008年に全国大学地域再生ネットワークが主催となり、内閣府が後援して「地域再生フォーラム」を開催するところから始まる。大学研究者、国・地方自治体の職員、NPO、産業界などのメンバーで構成。社会、政策課題である地位活性化をアカデミズムの立場で支援するのが目的で創設される。

豊岡市民の参加は意外と少なく、全国からお見えになった大学関係者、行政職員の方が多数。

記念講演は、平田オリザさんが登壇。「小さな世界都市 豊岡の可能性〜芸術文化と観光の観点から〜」と題して講演。ご自身のこれまでの作品を紹介し、どうして豊岡が演劇に関わるようになったかの経緯を説明される。(ここは、何度聴いても面白い)

但馬には自然(海山川)、温泉、食、地場産業などコンテンツは揃っている。あとは、インバウンドなどにいかに認知され、回遊してもらい長期滞在を実現するのか。ナイトアミューズメントとして演劇や文化が寄与する。世界的演劇祭のアヴィニョン、映画祭のカンヌとほぼ同じ人口規模の豊岡市は、大きな可能性を秘めている。

パネルディスカッションのテーマは「ローカルとグローバル、環境と経済、演劇と日常」。
登壇者は、卯野裕也君(かばん産業)、西村総一郎君(城崎温泉)、渡辺瑞帆さん(演劇、建築家)、宮垣健生君(金融機関)など、地元の経済、文化活動の先頭を走る30〜40代の若手。

印象に残ったのは、100年のスパンで自身の企業や地域を考え、世界の潮流を鋭く捉え、その変化に対応するには、どうしたら良いのか、という思考性。とても頼もしく、期待し、応援していきたいと思いながら拍手をおくりました。