シェアハウス「江原_101」

私の住んでいる江原(豊岡市日高町)に芸術文化観光専門職大学(CAT)の学生が住むシェアハウスが完成しました。名前は「江原_101」(えばらスペースいちまるいち)。

古い民家を改築して、新たな生活の場として再利用するものです。「完成」とはいえ、壁や床の仕上げなどは、自力建築よろしく、これから住みながら自分たちで仕上げていく。

プライベートな部屋と共有スペースを備えた快適なシェアハウスになるように、学生たちと一緒に進めていこう。

3年ぶりの花火〜日高夏祭り

3年ぶりに花火が上がった。
毎年7月第4日曜日(数年前までは7/23固定でした)、暗くなるのを待って夜8時に始まる。
コロナ第7波感染拡大の中ではあるが、(なんとか?)花火は上がった。花火開始までの喧騒が静まり返り、夏の夜の光と音の競演。
私はものごころついた頃から、自宅の裏山から上がる花火を50年以上見続けてきた。私はこの花火に華やかさとどこか寂しさを感じる。何か祈るような気がしてくるのは私だけだろうか。

裏山の下には円山川が流れる。
35℃を超える昼の暑さは、夜は川から吹く涼しい風に変わっている。

シェアハウスに住む予定のCAT(芸術文化観光専門職大学)の学生やその友人たち。駅前広場で役目を終えた「地域おこし協力隊」の人たち。劇団の人たち。そして、親しい友人家族が集まってBBQしながら祭りの夜は過ぎていく。

映画『うちげでいきたい』〜在宅看取りを考える

守本陽一氏(左側)と孫大輔氏

『「うちげでいきたい」上映会&トーク』、サブタイトルに「在宅看取りを考える」とある。誰にもやってくる「死」を、どのように迎えるか、家族はどう対処するのか、誰しも避けられないテーマである。日々、患者さんの治療とそして最期と直面されている二人の医師のトークは、現場を直視されているので、ある意味「淡々と」語られる。

後半の会場からの質問コーナーでは、「在宅治療は長期にわたると、本人は辛いのではないか、幸せでないのではないか」「家族はどのように本人と向き合えば良いのか」「入院か在宅か、の判断はどのようにするのか」など、次々と質問がでる。

「死」をどう受け止めていますか?との質問には、お二人ともしばらく考え込む場面も。医師(仕事)として日常的に死の現場を見ていらっしゃるからなのか、謙虚で、内省的で、結論(ないかもしれないが)を押し付けずもの静かに語られる。お二人の活動、生き方に、深く共感する。

会場:豊岡劇場

主催は「だいかい文庫」。本を貸し出す側が本棚コーナーを買取り(占有する)、自分の興味のある書籍を紹介していくユニークな図書館。妻の書棚もあるので、ぜひ、覗いてみてください。

映画『うちげでいきたい』の監督は孫大輔さん。私は今夜の上映&トークに参加するまでは孫さんを全く知らなかったが、そのお話の内容とお人柄にすっかりと魅了されました。東京大学医学部卒業、虎ノ門病院、東大附属病院などに勤務され、現在、鳥取大学医学部地域医療学の講座を持っていらっしゃる。鳥取は隣接県なのだが、私にとって遠かった。最近、出会いとご縁が広がっている気がする。それは、演劇であったり、自然と食文化であったり、不思議です。

稲と背比べのコウノトリ

神鍋方面からのからの帰り道。すくすく育つ稲の穂先になにやら白いものが突き出たり、消えたり。車を止めてよく見るとコウノトリ。数十センチに育った田んぼの稲から頭がニョキ。

休耕田を横切り、隣の田んぼにゆっくりと移動するコウノトリ。2005年の野生復帰より17年が経ち、身近に見る機会も増え、もはや珍しい光景ではなくなったけど、大きなサイズの野鳥と思えば、改めて貴重な生き物だと再認識する。

自前で開いた夏祭り〜出石(いずし)城下町

商店街の向こうに建つ時計台「辰鼓楼」

夕方の豊岡市出石町中心部。週末は観光客で賑わう出石中心部の通り。平日の夕刻はひっそりなのか。コロナ禍のため3年連続で恒例の夏祭りが中止になったとニュースで知っていた。そこで、地元の有志が立ち上がって自前で開催しようとなった。この通りの一本隣の通りを中心に屋台やイベントが行われている。

出石のまちづくりに取り組むグループと田結庄商店街商店街で毎月マーケットを開催している女性3人グループが中心になって呼びかけて実現した「手づくり夏祭り」。両グループには友人知人がいるので、激励も兼ねてかけつける。

コロナ禍で、ほぼ全ての町でこの2年間夏祭りは中止だったので、久しぶりの夏祭りに市民も待ち焦がれていたのでは。

中心部の交差点広場では、バンド演奏、大道芸がある。ピアノ演奏はN君。海外での活動も行ってきたミュージシャン。今は、豊岡在住で町おこしの活動をしている。

歩くと「やあ、久しぶり」「祭りっていいね」。みんなリラックスして楽しんでいる。自前の手づくりイベントの味がたっぷり。

『基礎自治体の文化政策』〜まちにアートが必要なわけ 藤野一夫・著

藤野一夫+文化・芸術を活かしたまちづくり研究会

全国各地で繰り広げられている「文化・芸術を活かしたまちづくり」を現地調査・研究しまとめた書籍。調査を行ったのは基礎自治体の職員たち。指導助言者として参加した藤野一夫(芸術文化観光専門職大学副学長/神戸大学大学院教授)氏がまとめたもの。

新潟県十日町の「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」、「金沢市民芸術村」「いわき芸術文化交流館アリオス」など、全国に先駆けて新しい制度を導入したケース、外部から実績のあるプロデューサーを招き開催するもの、市民ワークショップを繰り返して建設した施設、地域に根ざした生活、街並み、芸能、空き家などを再活性化する試み、など参考になる情報が満載です。兵庫県では、「兵庫県立芸術文化センター」「三田市総合文化センター 郷の音ホール」が紹介されています。

私は、但馬の文化活動、特に各市町で行われている音楽イベントについて関心がありました。相互の連携、情報の共有などが希薄なのに少し課題を感じているので、芸術文化観光専門職大学(CAT = College of Art and Tourism)の藤野副学長にお話をお聞きする機会を作っていただく。藤野副学長は、自治体の文化政策が専門で、ドイツにも長く滞在され、ご自身は音楽にとても造詣が深くていらっしゃるので、大きな学びを得ました。この著書も、直接いただく。

第3章には、平田オリザさんの公開シンポジウムの基調講演「文化によるまちづくりの可能性」も掲載されています。現代社会の現状、問題点を浮き彫りに、それを文化でどう解決していくのか、平田オリザさんのお話は説得力があり、いつも納得、ワクワクする。ご一読を。

STAY豊岡で城崎温泉

コロナ感染対策で自粛を余儀なくされている豊岡市内の旅館・民宿などの支援策として「STAY豊岡」プロジェクト(6月1日〜7月31日)が実施されている。家族で、そして7月からは豊岡市民同士でも、宿泊費の半額(最大1人1万円)が補助される。

我が家も私たち夫婦、息子夫婦、孫2名の6名で城崎温泉に宿泊。食事や会議、宴会などで利用することはあっても「泊まり」まではなかなかない。

家族揃っての「温泉旅行」は初めて。普段「行こう、行こう」と言いながらなかなか実現しなかった家族旅行が思わず実現。

プライベートな写真でいいのがなく、部屋の窓からの風景になってしまった。御馳走が並んだ食事や部屋でトランプしたり、一緒にお風呂に入ったり、かけがいのない時間を過ごし、新鮮な体験となった。

「豊岡演劇祭」開催発表

6/30 江原河畔劇場にて

江原河畔劇場にて、「第1回豊岡演劇祭」開催の発表。
平田オリザ氏と中貝宗治豊岡市長とで報道陣に向けて記者会見。

9月9日〜22日。メイン会場の江原河畔劇場、城崎国際アートセンター(KIAC)、市民会館などの6会場で。富山県利賀村演劇祭を主宰する演出家 鈴木忠志による玄武洞野外公演は大注目です。

コロナウイルス感染の影響を受け、規模の縮小、海外からの劇団はなく、諸々の対策を打っての公演となる。

玄武洞を舞台に(鈴木忠志演出)

今年の9月に「第1回豊岡演劇祭」が開催される。コロナ感染の最中、その動向が気になっていましたが「開催(予定)」と聞いてホッとしている。その目玉は「鈴木忠志演出の公演」。(鈴木忠志大ファンの私にとって間違いなく目玉なのだ)。

鈴木忠志さんは、1960年代から「早稲田小劇場」を主宰、1976年に拠点を富山県利賀村に移し、劇団SCOTと改称し、世界演劇祭「利賀フェスティバル」主催。
私は学生時代から鈴木忠志のファンで、早稲田小劇場、岩波ホールでのギリシャ悲劇シリーズ、第1回利賀フェスティバルにも行きました。

その下見をするために1月に続いて、2回目の現地確認に同行させていただいた。

舞台と照明について指示を出す鈴木忠志氏。

内容について、この時点で公表の是非がわからないので詳細は控えますが、玄武洞を背景にした野外公演となる。
鈴木忠志演出の舞台が豊岡で観られる。
どんな舞台になるのか今から楽しみです。

ベートヴェン「運命」〜ピアノとダンスの初顔合わせ

城崎国際アートセンター(KIAC)「おんぷの祭典」のコラボによるピアノとダンスのパフォーマンスの稽古がいよいよ始まった。その初日の顔合わせと稽古に立ち会いました。

ダンスは森下真樹さん。振付家・ダンサー、世界30都市でソロ作品を上演、「ダンスカンパニー森下スタンド」を主宰。東京や他の都市での公演をもっと早く観たかったのですが、コロナの影響で全てキャンセル。やっとKIACでご挨拶できました。

ピアノは碓井俊樹さん。東京芸術大学を経て、ザルツブルグ・モーツァルテウム芸術大学で研鑽。ウィーンと東京を拠点に世界中を飛び回り演奏活動。「おんぷの祭典」の音楽監督としてもう6年ぐらい親しくさせていただいる。

今回は、ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』全楽章をピアノの演奏で踊る。
初稽古を見学させていただき、その期待は膨らむばかりです。

公演は、
日時 : 2020年7月26日(日) 14:00〜
会場 : 城崎国際アートセンター・ホール
料金 : 1,000円
問合せ: KIAC(9:00〜17:00) tel : 0796-32-3888