ムラサキツメクサ〜猛暑にも負けず

ムラサキツメクサ(マメ科)
明治初期に牧草として北海道に導入され、日本全土で野生化している多年草。赤紫色の花を咲かせるのでアカツメクサと呼ぶが、ムラサキツメクサが正式名称の和名として使われている。花の咲く時期には立ち上がりよく枝分かれする。葉腋に長さ1.5cmほどの花が球状に集まって咲く。草丈は20〜60cmで、茎には白い毛がある。小葉は長だ円形で先がとがり、V字形の薄い斑紋が入ることが多い。日当たりの良い道端や荒れ地、田畑の周りなどに生える。
『色でみわけ五感で楽しむ野草図鑑』 高橋修・著

いつものウォーキングコースは四季折々の風景が楽しみの一つ。早春には可憐な花があちこちで咲き乱れる。しかし、この猛暑の中では花も一段落。

そんな風景の中で、ただこのムラサキツメクサが足元を楽しませてくれる。目立つには咲く時期も大切かも、と人間の勝手なエゴを胸に押し込みながら歩く。

クチナシ〜梅雨に咲く

クチナシ(アカネ科)
濃厚な香りが梅雨に漂う。だが、古代の人々の関心は香りではなかった。司馬遷は『史記』の「貨殖列伝」で、千石の実は千戸の領主に等適する、と述べる。薬や黄色い染料に使われた。漢名の梔子は果実を酒器の梔に見立てた名。和名は果実にある突起を嘴と見たクチハシからの転訛か。一重は六弁が多い。
『花おりおり』 湯浅浩司・著

ウォーキングコースで気になっていた白い花。

ナツツバキ(沙羅)でもないし、でも何かツバキ科の花だろう、と家に帰り植物図鑑と睨めっこしても、どうも決め手がない。

妻は詳しいので、ウォーキングに誘って「これ何?」と訊ねると、すぐさま「クチナシよ」と。

一重と八重があるようだが、これは「オオヤエクチナシ」だろうか。

ムラサキカタバミ〜スキマに咲く

ムラサキカタバミ(カタバミ科)
最初は明治時代に鑑賞植物として導入された。それが逸出して、帰化。地下に小指の先ほどの球根があり、花の咲く頃から周りに小さい子球が多数できて、耕すと分散し、広がる。柳沢新一氏によると、花は夜間閉じて下を向くが、五時頃から頭をあげ始め、十時に全開、十五時に下向き、夕方閉花。
『花おりおり その四』 湯浅浩史・著

「わざわざアスファルトやコンクリートのスキマに、どうして草花は咲くのか」というようなタイトルでNHKの番組があったのを思い出す。

裏庭の一番端っこ、ガレージへ通じる細道と石垣の隙間に咲く。
人の足元で咲くから余計に、この「うす紫」の可愛さにいろんな想いを抱く。

ユキノシタ〜名前の疑問から湧く興味

ユキノシタ(ユキノシタ科)
人家近くに分布。種子はできず、長くのびる側枝の先からふえる。いわばクローン植物であり、古く、薬用としてもたらされ帰化したとみられる。民間では、生葉を搾り、幼児のひきつけや火傷の治療に。漢名・虎耳草。斑らのある有毛の丸葉にちなむ。和名は白い舌状の花弁に基づき「雪の舌」か。また、矢を入れて背に背負う靭の舌というふたの部分が葉と似ているからとの説も。
『花おりおり』 湯浅浩史・著

なぜこの季節に「ユキノシタ(雪の下)」??

ではなくて「雪の舌」なんだそうだ。
雪=白い花、舌=花弁が舌状

ちなみに、漢名は「虎耳草」。
葉っぱが、丸くて毛があるので虎の耳。
(知ってみると耳にも見える)

クローンだったり、薬用だったり。

植物の名前一つでいろんな興味が湧いてくる。

ムラサキツユクサ〜庭の隅っこで咲いている

ムラサキツユクサ(ツユクサ科)
株立ち、葉は細長い。草姿や花は三弁が同形同大で、色も異なるが、花の性質はツユクサと同じ。早朝開いて午後は閉じる。雄しべには多数の毛があり、その毛は細胞が一列に並んでいるので、細胞の観察や実験の材料としてよく使われた。近縁のオオムラサキツユクサは花が大きく5センチにも。
『花おりおり その三』 湯浅浩史・著

昨年暮れから庭の工事をしている。土を掘り返し、木を移植し、どこに何があるのか、ちょっと分かりづらい。

そんな中で、ひっそりと庭の片隅で可憐にさく紫の花を見つけると嬉しくなる。

キショウブ〜原産地はヨーロッパの湿地

キショウブ(アヤメ科)
アヤメやハナショウブに似るが黄花が鮮烈。日本各地の水湿地に生えるが、元はヨーロッパに自生。明治に渡来し、日本の同類に欠く花色で受け入れられた。その黄色を導入しようとハナショウブを母親にした交配はことごとく失敗。その逆の交配で、やっと大杉隆一氏が「愛知の輝」を作出した。
『花おりおり その二』湯浅浩史・著

植村直己記念スポーツ公園

もう一つのウォーキングコース、植村直己記念スポーツ公園のジョギングコースの脇にある池。植村直己冒険館のちょうど裏側辺りにある。

季節の移り変わりがはっきりと感じられるところがとても気持ち良い。

コバンソウ〜明治時代にヨーロッパからやってきた

コバンソウ(イネ科)
イネ科の花は一般に地味。その中で、本種は目を引く。小さいながら小穂は丸くて少し膨らんだ扁平。熟すと黄褐色になり、小判の名がつけられた。細い柄でぶら下がる小穂は風に揺れ、成熟したのを振ると、かすかに乾いた音をたてる。明治中頃に観賞用にヨーロッパからもたらされ、逸出帰化。
『花おりおり その三』 湯浅浩史・著

咲くときは怖いほど一斉に。

観賞用にヨーロッパから来たというのは、意外だ。
イネ科ということもあり、日本の昔からの風景に似合っているように思うのだが。

「綺麗だね」では済まない オオキンケイギク

この場所は、植村直己冒険館(豊岡市日高町)の道を挟んで向かいの斜面。
(1年前のこの斜面)

道路敷設のために削った地面に緑が復活して綺麗だね、と思いきや、そこに生えているのは黄色い花のオオキンケイギク。

植物に詳しい菅村定昌氏からの指摘で知ったが、オオキンケイギクは、在来種を駆逐し、生態系を破壊する「特定外来生物」に指定され、栽培、運搬などが禁じられている。

昨年、5月に「但馬コネクションプラス」(但馬コネクションの野外活動)の一環でオオキンケイギクの駆除を行いました。そのちょうど1年後の状態がこの写真です。駆除効果は大ですが、まだ、少し残っている。

「綺麗に咲いているね、では済まない」特定外来生物のオオキンケイギク。

私の身近な所で目につくのは、
− 国道312号(円山川左岸)の土渕(蓼川大橋周辺)
国道482(江原→神鍋)の道場・久田谷周辺

などの道路脇。おそらく、道路緑化のためにワイルドフラワーとして種を撒いたものでしょうか。

開花の時期に合わせて、駆除するタイミング、駆除後の運搬・処分の決まりがあるので注意が必要。

ノアザミ〜思わず歩きとめる鮮やかな紫

ノアザミ(キク科)
全国の山野で、何かしらのアザミに出会う。その中で最もふつうの種がノアザミ。花期も長く、春から夏に咲く。萼片のような総苞片は粘り、反り返らない。花にはドラマがある。雄しべが先熟し、先端に虫が触れると、縮み、花筒から花粉があふれでる。この現象は田中肇氏が1965年に観察発表した。
『花おりおり その二』 湯浅浩史・著

私のウォーキング・コースは四季の植物の変遷も楽しみの一つだ。円山川を背景に紫鮮やかなアザミは特別の目立つ存在だ。