『地図帳の深読み』 今尾圭介・著

昨今「多様性」が叫ばれるのは、世界を均一化の方向へ誘うグローバル化への警戒感ゆえだろうか。紛争の多くはお互いの無理解に起因するのだろうが、異文化を認め合うことが広義の安全保障につながるとすれば、炎上するセンセーショナルな報道ではなく、地道に地図帳に親しむことこそが平和への王道かもしれない。
『地図帳の深読み』 今尾圭介・著 (「あとがき」p173 )

著者の「あとがき」を読んで、そんなに高尚な学びにもなるんだと気づく。この著書の面白いのは、地球誕生からの地形をベースに、ヒトの歴史を辿っていること。国名、地名などのネーミングの由縁など、地形(空間)と歴史(時間軸)とを交差させながら解説しているところなど。

コロナで中断してしまったが、これからいっぱい「旅」をしてみたい、と読んでみた。

身近なところでは、「日本最多 七つの国にまたがる兵庫県」(p52)訪ねたことのある「中国雲南省の大河並走〜長江、メコン川など名だたる川の源流部」(p24)など、深く知るとさらに興味が湧いてくる。