「地域文化の磨き方〜自然こそ伸びしろ」〜デービッド・アトキンソン氏

神戸経済同友会「晩秋の特別講演会」(神戸ポートピアホテル)

デービッド・アトキンソン(David Atkinson)氏の講演を聴く。イギリス生まれ、オックスフォード大学(日本学専攻)卒業。ゴールドマン・サックスを経て、現在は小西美術工藝社の社長。「新・観光立国論」などの著書で、日本経済の将来は観光、とりわけインバウンドの増加を図ることが重要だと説く。

今回の講演テーマは「未来に繋げる地域文化の磨き方」。日本文化や金融の造詣を活かして、データに基づく提言が説得力を持つ。

持参著書にサイン

私のメモより記載しておきます。

● 人口と経済
・ 日本の人口 1億2400万人(2020年)→1億200万人(2045年)→9700万人(2050年)

・ 人口減の最大の問題は、生産年齢人口の急激な減少。7600万人(2015年)→4400万人(2050年)。40年間で減少率43%。世界の歴史上例がない。

・ 「経済大国(GDP)=先進国」において、人口との相関関係は98%説明がつく。1位アメリカ3.2億人、3位日本1.2億人、4位ドイツ8200万人、5位イギリス6600万人、6位フランス6500万人。(2位中国は途上国とする)

・ もはや「経済大国=技術力や勤勉さ」ではなく「経済大国=人口」が事実。

・ 戦後日本経済の高度成長は、「生産性向上」ではなく「人口増」である。
1945年→2000年の期間で、日本(7000万人→1億2000万人)、ドイツ  (7000万人→8000万人)

● 観光産業
・ 観光産業は全世界のGDPの10%を占める。現在、13億3000万人が旅行している。2030年には20億人になる予測。

・ 旅行目的の4条件 →「自然」「気候」「文化」「食事」。

・ 日本3つの誤解 →「おもてなし」「新幹線は正確」「治安がいい」

・ 日本が持つ最大の強みは「自然」である。

・ 自然観光 = 「稼げる観光資源」「文化と比べ誘致できる層が厚い」「四季だけが日本の魅力ではない」

・ 「自然は、日本が持つ最強の伸びしろ」→ 「自然の多様性(雪国から熱帯まで)」「文化に自然を足すと呼べる層が広がる」「自然観光の方が長期滞在になるのでお金を使ってもらえる」

● Customer Experienceが」すべて
・ 発信するだけでは失礼 →現地での歴史、文化の解説を興味を持ってもらう
・ 周遊ルートの交通機関が時代遅れ
・ 価値と付加価値→ 歴史、文化には価値があるが、興味を引く解説などの付加価値が大切

デービッド・アトキンス氏の日本人に言いたいメッセージは「戦後の高度成長の成功要因にしがみつき、客観的な事実データを軽視する日本人」ということ。これは、受け止めねばならない。今、発想の転換が求められている。

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