『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』高松平蔵・著

中世の時代は職業や教会が人々をつなぐ中心的な役割を担っていたが、近代以降は「協会」が大きな役割を果たしている。教会と協会とは駄洒落のようだが、協会のことをドイツ語で「フェライン(Verein)」という。ドイツでは地域に根ざしたスポーツクラブがたくさんあるが、これもフェラインのことである。フェラインは「協会」以外に「クラブ」「社団」といった定訳が与えられるが、今の日本の感覚で言えばNPOを思い浮かべると理解しやすい。そのため本書ではフェライン(非営利法人)と書いている。
『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』高松平蔵・著 (p66)

「小さな世界都市」を目指す豊岡市。コウノトリ野生復帰の後は「文化」に注目し、力を入れている。近畿最古の芝居小屋の復元(永楽館歌舞伎)、老朽化した兵庫県施設の利用(城崎国際アートセンター)、音楽祭(おんぷの祭典)、劇団の豊岡移転(平田オリザ氏率いる「青年団」)、県立専門職大学開設準備(観光・芸術の4年制)など、目白押しである。

果たして「文化が町を豊かにするのか」への挑戦でもある。私も大いに関心を持ち、応援していきたいと考えています。

本書では、バイエルン州エアランゲン市(人口約10万人)に住む日本人ジャーナリストが、ドイツと日本の歴史・社会の成立・文化の違いを解説しながら、「元気の秘密」を紹介していく。

特に「企業の地域貢献」、「行政の組織間連携」、「地域資源の発見と発信」、「地域アイデンティを高める文化政策」など、大いに参考にしたい。
ぜひ、一読を。

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