第2回「G1関西」 in 奈良(2日目)

(右より)松本紘(理化学研究所理事長)、山極壽一(京都大学学長)、秋山咲恵(株式会社サキコーポレーション代表取締役社長)

セッションは2つの全体会と3つの分科会(3×4テーマで12)。
分科会はどれも参加したいテーマばかりでどれにしようかと迷うものばかり。

最初の全体セッションは、「関西がリードするテクノロジーの進化」。
パネリストは、松本紘(理化学研究所理事長)、山極壽一(京都大学学長)。モデレーターは、秋山咲恵(株式会社サキコーポレーション代表取締役社長)。

・ 関西がリードする、再生医療(iPS)、AI、SiC(シリコンカーバイド)
・ 京都を代表する企業=特色ある企業が伸びる
・ 東京の企業=「日本を背負っている」との思い
関西の企業=小さく始めて、世界を目指す
・ 日本人でノーベル経済学賞が出ないのは人間科学を低く見ている
・ 社会をどこへ行くか予測するビジョンが足りない(未来社会の構想)
・ 理研の強み=科学と人文社会学がリンクする
・ 日本人自身が、日本文化の本質を知り、良さ、特徴を語ることが重要
・ 分野を超えた「変人の集いの場」が必要(シリコンバレーのように)

(右より)矢崎和彦(フェリシモ代表取締役社長)、山田岳人(株式会社大都 代表取締役)、山田邦雄(ロート製薬会長兼CEO)、末松弥奈子(ジャパンタイムズ代表取締役会長)。

第2部分科会
「関西オーナー企業の継続的なイノベーション」
パネリストは、矢崎和彦(フェリシモ代表取締役社長)、山田邦雄(ロート製薬会長兼CEO)、山田岳人(株式会社大都 代表取締役)。モデレーター末松弥奈子(ジャパンタイムズ代表取締役会長)。

・ オーナー社長は、会社のミッションだけでなく、事業を超えて30〜50年先を考えることができる
・ 3社共通しているのは、CSR。社会や地域への貢献に熱心。フェリシモの森基金、東北震災被災者の子供教育支援(ロート製薬)、子供達の工具でモノづくりイベント(14000人)DIY文化の創出(大都)など。
・ 理念に対して、担ぐ人(社員)が入れば、担がれる役も大切である
・ 市場を作る、社会を築く、という思いが大切

ランチワークショップでは、なんと小久保裕紀さん(元・福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツ、侍ジャパン代表監督、NHK解説者)と同じテーブルだ。

小久保さんは、ゲストではなく参加者の一人として参加されている。この学ぶ姿勢なので、一流選手であり、代表監督となり、NHKの解説者としても活躍されているのだと納得。

テーマは「万博を起爆剤として、関西だカエラ可能なイノベーションを起こすには」。10人それぞれが順番に考えを述べ、意見交換する。

(右より)芝川能一(千島土地株式会社 代表取締役社長)、椿 昇(京都造形芸術大学教授・現代美術家)、御立尚資(ボストン コンサルティング シニア・アドバイザー)。

第3分科会
「アートはいかにして地域と人々に価値を与えるのか」
パネリストは、芝川能一(千島土地株式会社 代表取締役社長)、椿 昇(京都造形芸術大学教授・現代美術家)、モデレーターは、御立尚資(ボストン コンサルティング シニア・アドバイザー)。

・ アートで町づくりをすることは、うまく行くと成果はとてつもなく大きい
・ イベント企画・資金・行政の3つのコラボレーションが大切
・ コンテンポラリーと骨董は一緒(感性が大切)

「アートの豊岡」を目指す住人として、質問をする。

「行政と民間の役割分担は?」
「多くの市民の理解と賛同を得るには?」

ヒントをいただいたのは
・「テロワール」を大切にすること。フランス語でTerroirとは「土地」のこと。もともとはワインや茶など、生育地の地理、地勢、気候による特徴を指し、その土地特有の性格を意味する。つまり、土地に根ざすものを大切にしろ、ということだ。

・「民間」だけではダメで「行政」も大いに関わり、地元住民の言葉で語り、身近に楽しむことが大切。

・ 大阪の「北加賀屋クリエイティブビレッジ(KCV)」に注目。名村造船所大阪工場跡地にアーティストが集まり、「芸術・文化が集積する想像拠点」を目指す。

(右より)菅谷文則(奈良県立橿原考古学研究所 所長)、塩沼亮潤(慈眼寺住職)、藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表)。

第4分科会
「関西における修験の歴史〜異なる3つの聖地をつなぐ古道の神秘を聞く」
パネリストは、塩沼亮潤(慈眼寺住職)、菅谷文則(奈良県立橿原考古学研究所 所長)。モデレーターは、藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表)。

修験道の修行は、5/3〜9/3までの4ヶ月間、毎日、1日16時間(48km)を歩き、食事は、おにぎりと時々精進料理をいただく。2ヶ月ぐらい経つと血尿になり、道端の花が愛おしくなる。

・ 修験は、ホスピタリティだ。(サービスではない)
・ 誰でも自分が一番大切。だから相手に敬意を持つことが大切。そうすればホスピタリティの好循環が始まる。

(右より)鈴木寛(東京大学・慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官)、藤沢久美(ソフィアバンク代表)、山田邦雄(ロート製薬社長)、掘義人(グロービス経営大学院学長)

第5部全体会
「万博を起爆剤にして描く関西の未来」
パネリストは、鈴木寛(東京大学・慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官)、藤沢久美(ソフィアバンク代表)、山田邦雄(ロート製薬社長)。モデレーターは、掘義人(グロービス経営大学院学長)。

ランチワークショップの各テーブルの結論の発表。
私たちのテーブルは「大阪人の人なつこさをデジタル化し発信する」。小久保さんに代表として発表してもらう。(小久保さん、困惑気味でしたが)

みんなが心で頷いていたのは、「関西はひとつ」ではなく「関西はひとつ、ひとつ」という現状。(課題も多い)

鈴木寛氏からは
「2021年には文化庁が京都に移転する。文明論、文化論、幸福論をもっと活発に関西発でやってもらいたい」とのメッセージが。

「交流会ディナー」

中川げん奈良市長の締めの言葉で第2回「G1関西」が終了。

グロービスで学んだ時からの知人や、G1を通じて知り合った仲間、また、誰もが知っている大手企業の経営者の方たち、ベンチャーの若手起業家、著名な政治家、学者の方たち。G1だから出会い、語れる、触れ合える。

G1に感謝。

G1の基本理念
(1)批判よりも提案を
(2)思想から行動へ
(3)そして、リーダーとしての自覚を醸成する