「港町」想田和宏監督と平田オリザさんトーク at 豊劇

「港町」チラシ

トヨ劇(豊岡劇場)で「港町」(監督・想田和弘)を鑑賞。

チラシには「ドキュメンタリー映画の臨界点」「観察映画」などの言葉が並ぶ。私にとって「観察映画ってなに?」から始まった。

想田監督曰く、
「台本なし、音楽なし、事前の打ち合わせなし。ただ、目の前のコトを「描写する」。良い、悪いは観客に委ねる。」
「ドキュメンタリーは見たまま、ではなく編集作業を行い、映画として完成させていく。」

牛窓(岡山県)の漁港を舞台に、網漁、市場のセリ、鮮魚店が捌き、町の人たちが魚を買う。その漁師の近所の人たち(老人)の人間模様が淡々と描かれている。

左より平田オリザ氏、想田和弘監督、石橋トヨ劇代表。

上映後、想田和宏監督、豊劇の石橋オーナー、劇作家の平田オリザさんの3人によるトークショーが行われた。

想田監督は、2012年に「演劇1・2」を制作。平田オリザさんを300時間を超えてとり続けた映画らしい。その撮影時のエピソードを交えながらトークが進む。
想田監督から「平田オリザさんの現代口語演劇は、観察映画と似ている。」「構図を描く。描写する。良い、悪いの判断をしない。」などの発言がある。

平田オリザさんから興味深い発言が次から次に飛び出す。

・ 豊岡市の江原に引っ越す。(平田オリザさんと劇団「青年団」)
・ 豊岡で世界的な演劇祭を目指す。
・ 人口比較 カンヌ7万人、アビニヨン9万人、豊岡は8万人。
・ 神鍋高原には民宿がいっぱいあり、宿泊と演劇稽古、上演が可能。
・ 2021年に豊岡に県立大学を開学。観光と芸術。
・ 日本で初めての国公立の「演劇学部」ができる。
・ 豊岡市にとって「演劇」を「温泉」「カバン」「農業」に次ぐ第4の産業に育てる。
・ 「革命は輸出される」〜先端の取り組みは、周囲に影響を与える。

私の住む豊岡市が、江原がどう変わっていくのか、楽しみだ。